総論:宝飾品市場の現状と展望 宝飾品市場の市場規模推移と予測 宝飾品小売市場規模推移と予測 ■ 宝飾小売市場規模推移 ◆ 2015 年の国内宝飾品小売市場規模は 9,691 億、前年比 99.6%と推計 宝飾市場規模推移と予測 (億円) 14,568 16,000 13,708 14,000 12,000 13,558 12,961 12,728 12,534 12,677 12,421 11,989 9,691 9,726 10,538 9,617 9,283 9,104 9,110 8,945 10,000 9,535 8,000 6,000 4,000 2,000 0 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 予 (暦年、矢野経済研究所推定) 矢野経済研究所では、宝飾品(ジュエリー)市場について調査を実施し、2015 年の市場規 模、および 2020 年まで予測値を公表する。 1.調査期間:2015 年 1 月 ~12 月 2.調査対象:宝石専門店チェーン、百貨店や時計宝石店および呉服などの異業種宝飾参入企業、 インポートジュエリーブランド企業等 3.調査方法:当社専門研究員による電話及び直接面接によるヒアリング、および郵送アンケー トを併用 <本調査における宝飾品(ジュエリー)とは> 本調査における宝飾品(ジュエリー)とは、主に金やプラチナを素材に、ダイヤモンド、貴 石、真珠などを使用した宝飾品を対象とし、宝飾時計、ならびに一部シルバー素材や半貴石 の商品を含む。 総論:宝飾品市場の現状と展望 2015 年の国内宝飾品(ジュエリー)小売市場規模は、前年比 99.6%の 9,691 億円と前年の プラスからマイナスに転じた。一昨年の第一四半期における消費税増税前の駆け込み需要増 に対するマイナスが大きかったことと、景気回復に停滞感が出たことが要因である。 消費税増税前後から 2015 年前半までは市場は拡大傾向にあり、株高などの影響を受けて 消費マインドも好転してきた。しかし 2015 年後半以降から再び株安、円高に少しずつ振れ始 め企業業績の停滞感も出てきたため、買回り品として景気に左右されやすい商材である宝飾 品の購買意欲が、中間層を中心に減退したためである。 ■注目すべき動向 <インバウンド需要> 2015 年の国内宝飾品市場をけん引したチャネルは百貨店である。百貨店好調の理由の一つ として訪日外国人によるジュエリー購買の増加が挙げられる。日本政府観光局データによる と、2015 年の訪日外国人客数(総数)は、1973 万人と前年の 1.5 倍近くとなっており、「爆 買い」という言葉が注目されるほどジュエリーも含めて日本に買い物効果をもたらした。特 に円安で割安感のあるブランドジュエリーや、日本の代表的ジュエリーである真珠ジュエ リーが人気であった。このインバウンド需要の取り込みに、日本の宝飾メーカー産地である 山梨県などは富士山などの観光資源の活用とともに、宝飾品の PR を実施している。 <ブライダルジュエリー> 宝飾品市場においては、ブライダルジュエリー(婚約指輪と結婚指輪)における競争が激 化している。厚生労働省による人口動態統計調査によると 2015 年の婚姻組数は 635,000 組と 3 年連続で減少した。縮小する市場に対して景気に左右されにくいブライダルジュエリー市場 へ参入、強化する企業やブランドは後を絶たない。競争は百貨店のブライダルコーナーや、 地方の専門店の店頭で激化する一方となっている。そこではブランドの応援スタッフが婚姻 カップルへのサービス合戦を繰り広げており、今後の婚姻組数の更なる減少が予測されるこ とから、この傾向はさらに激しさを増していくと予測する。 ※この調査結果のベースとなって 宝飾市場規模対前年比 いるものはあくまでも企業単位で 110.0% あり、店舗単位でないことを付け 105.0% 加えておく。参考までにこれらの 100.0% 105.6% 101.8% 98.9% 15 16予 14 13 12 11 10 09 08 07 06 98 97 96 95 94 93 05 80.0% 04 純計算では1店舗あたりの売上は 87.9%88.1% 03 85.0% 90.1% 88.7% 2002 訪販チャネルを除く店舗販売の単 91.3% 2001 89.1% 90.0% 92.4% 99 と 16,118 店舗と推計され、通販、 94.2% 94.1% 2000 95.0% 101.1% 99.6% 98.4% 98.1%98.3% 96.7% 95.6% 96.2% 95.2% 企業の店舗数(売場)を合計する 6,034 万円ということになる。 102.1% 100.4% 99.1%
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