3.目標の設定(PDF:465KB)

(7)これまでの取組
第1期、第2期特定健診等実施計画に基づき、以下のような保健事業に取り組んできまし
た。特定保健指導実施率は年々上昇していますが、特定健診受診率は年々低下しています。
その他、CKD予防対策を中心に医療機関と連携して取り組み、健康ハイリスク者への受診
勧奨も行ってきましたが、虚血性心疾患や脳血管疾患等の課題は残っています。
本市の特定健診・保健指導の状況
特定健診
その他保健指導
特定健診
未受診者対策
開始
年度
平成20年度
平成20年度
対象者
40~74歳の
被保険者
実施
体制
【委託】
集団健診
個別健診
①集団健診:年間約20日
各出張所で実施
②個別健診:医療機関で
実施
実施
方法
*独自検査として、HbA1c,
尿酸、クレアチニン検査を
実施
3
特定保健指導
平成20年度
CKD予防対策
重症化予防
健康ハイリスク者
への受診勧奨
平成20年度
平成20年度
平成24年度
特定健診結果で尿蛋白2 特定健診結果で、Ⅱ度高 過去の健診結果で要医療
特定健診結果で動機づ
+以上、またはeGFRが50 血圧以上、HbA1cが6.5%以 となっていたが、その後治
特定健診の未受診者 け、積極的支援と判定され
未満(但し、70歳以上は4 上、LDL-Cが160㎎/dl以上 療や健診を受けていない
た者
0未満)の者
者
者
【直営】
臨時職員
①訪問・電話による勧奨
②ハガキ等による勧奨
③会合等での情報提供
④FMおおむらなどによる
周知
【直営】
保健師・管理栄養士
看護師
①初回面接(保健指導)
②6か月後評価(腹囲、体
重等の把握)
*但し、積極的支援は、初
回面接から評価までに保
健指導を2回以上実施。
【直営】
保健師・管理栄養士
看護師
【直営】
保健師・看護師
①受診状況等の確認
①受診状況等の確認
②保健指導時に連絡票を ②保健指導
渡す→本人が医療機関に ③受診状況、検査結果の
受診
確認
③医療機関より返信後、必
要な者へ生活指導実施
【直営】
保健師・看護師
①受診状況等の確認
②保健指導(受診勧奨)
③健診受診、治療受診状
況の確認
目標の設定
これまでの状況や生活習慣病の特徴を踏まえ、以下のように目標を設定します。
医療費が高額となる要因であり、また要介護となる原因疾患となっている虚血性心疾患、脳血
管疾患の重症化予防を、最優先として取り組むこととします。また、糖尿病性腎症も長期の療養
を要する人工透析の要因であることから、同様に取り組みます。
(1)中長期的な目標
◆
虚血性心疾患、脳血管疾患、糖尿病性腎症の新規患者数の減少
同規模市と比べ患者千人当たりの新規患者数(平成26年5月診療分)は、虚血性心
疾患は低いものの、脳血管疾患と糖尿病性腎症は高くなっています。それぞれの疾患の
患者数を減少させるとともに、新規患者数を同規模市に近づけることを目標とします。
◆
入院に要する費用額の割合の低下
今後、高齢化が進むこと、また年齢を重ねるごとに血管が傷んでいくことから、医療
費全体を抑えることは難しい状況です。特定健診の受診者を増やし、早期介入により生
活習慣病の重症化予防へつなげ、入院の費用の割合を同規模市並みの40.9%に近づ
けることを目標とします。
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(2)短期的な目標
虚血性心疾患、脳血管疾患、糖尿病性腎症の共通のリスクである「高血圧」
、
「脂質異常
症」
、「糖尿病」、
「メタボリックシンドローム」について、以下のとおり評価指標と目標値
を設定します。
評価指標と目標値
現状値
評価指標
大村市
患者千人当たり糖尿病新規患者数
基準
目標値
平成26年
5月
同規模市に
近づける
19.795人 13.669人
治療者の 患者千人当たり高血圧症新規患者数
状況
患者千人当たり脂質異常症新規患者数
患者千人当たり高尿酸血症新規患者数
特定健診
有所見
状況
同規模市
平成29年度
16.526人 13.127人
11.441人 11.588人
2.361人
2.568人
メタボリックシンドローム該当者の割合
15.7%
16.4%
メタボリックシンドローム予備群の割合
11.5%
11.0%
男性
26.8%
-
女性
20.2%
-
4.6%
-
男性
6.6%
-
女性
10.1%
-
HbA1cが6.5%以上、または内服者の割合
9.4%
-
平成25年度
8.8%
HbA1cが6.5%以上で内服していない者の割合
41.0%
-
平成25年度
25.0%
31.2%
-
平成25年度
60.0%
61.8%
-
平成25年度
60.0%
肥満者の割合
(BMIが25以上)
高血圧(Ⅱ度以上)の人の割合
LDLコレステロールが
160㎎/dl以上の割合
特定健診 特定健診受診率
特定保健
特定保健指導実施率
指導
平成25年度
平成25年度
12.0%
8.0%
24.0%
18.0%
平成25年度
平成25年度
4.0%
6.4%
9.3%
4.保健事業の実施内容
中長期的目標、短期的目標を達成するため、以下の保健事業に取り組みます。なお、生
活習慣病の発症予防、重症化予防における課題別の詳細な計画は個別に策定します。
(1)特定健診・保健指導
特定健診等実施計画に沿って取組を推進します。特定健診の受診率が年々低下してい
ることから、受診率向上を重点的に取組みます。また、治療が必要でありながら医療機
関の受診を中断している人に対し、治療が継続できるような保健指導や、医療機関と連
携を図りながら、治療中であっても生活習慣病がコントロールできるような保健指導を
実施します。
(2)子どもの生活習慣病への取組
生活習慣病は、遺伝的な要因等もありますが、食習慣や生活リズム、運動習慣等の生活
習慣が背景にあります。これらの生活習慣は、子どもの頃に培われた生活習慣が大きく
影響することから、乳幼児期から生活習慣病予防を視野に入れた生活習慣を身につけて
いくことが重要です。生涯にわたり生活習慣病を予防するためには、保護者が子どもの
成長発達の原理を理解し、子どもの生活環境を作っていくことが重要であり、子どもの
成長発達に合わせ、保護者が子どもの体の原理を学習できる機会を充実する等、乳幼児
健診等の母子保健事業と一体となって取り組みます。
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