第3章 前期目標施策の進捗・評価(PDF:916.3KB)

第3章 前期目標施策の進捗・評価
第1章
熊取町水道事業ビジョンの概要
↓
第
2
章
PI
算
定
結
果
↓
第第3章 前期目標施策の進捗・評価
3章 前期目標施策の進捗・評価
↓
第4章
更新需要予測・財政収支見通し
↓
第5章
新水道ビジョンに示される新しい施策
↓
第6章
後期目標期間における施策
33
第3章
第3章 前期目標施策の進捗・評価
第3章 前期目標施策の進捗・評価
3.1 施策の実施状況及び評価
熊取町水道ビジョンの前期終了時点における施策実施状況について、以下に示します。
なお評価については、下記の考えに基づいて評価しました。
◎ : 施策目標以上の進捗(実施時期の前倒し、数値目標以上の進捗)
○ : 概ね施策目標とおりの進捗
(何らかの取り組み項目あり、目標時期のとおりに終了)
△ : 進捗が施策目標未達(実施時期内に未終了、数値上の不足)
× : 実施期間内に未着手
− : 評価対象外(主に後期目標以降の施策及び永楽浄水場に係る施策等)
基本方針1
安全でおいしい水の供給
施策目標1−1
水質管理の強化
評価
① 自己検査体制の強化・充実(継続)
−
・ 大阪府市町村水道水質共同検査機関および水道法第20条の2で登録を受けている検査機
関に委託している水質項目以外は、全て町独自に水質検査を実施し、結果を公表しており
今後も継続する方針とします。
・ 基準強化に対応できる広域的な検査体制の確立等、検査技術の向上に努めます。
(実施状況)
⇒ 水質検査に携わる専門職員の安定確保が困難であることや、1−2−③のとおり平成
26年度を以て永楽浄水場を休止することとしたため、平成25年度から自己検査を民
間検査機関へ委託しています。
評価
② 水質連続監視装置の整備(後期目標)
−
・ 給水水質の安全性とおいしさを正確かつ迅速に把握するために、各配水区域に監視装置の
設置を検討します。
(実施状況)
⇒ 前期目標期間では未着手です。
34
第3章 前期目標施策の進捗・評価
評価
③ 残留塩素濃度の適正化(継続)
△
・ 法的には家庭の給水栓で残留塩素濃度は、0.1㎎/L以上必要です。しかし、塩素濃度が高
すぎるとカルキ臭が発生しますので、おいしい水を供給するために末端給水栓濃度を0.1
∼0.4㎎/Lに制御することを目標とします。
(実施状況)
⇒ 各配水系統の末端濃度は、永楽系統:0.6∼0.1㎎/L、南海系統:0.8∼0.7㎎/L、
第1系統:0.7∼0.4㎎/L、第2系統:0.7∼0.3㎎/L、第3系統:0.6∼0.4㎎/L、
第4系統:0.6∼0.3㎎/L程度の濃度となっており、水質基準値を満たしていますが、
目標数値として定める範囲には、制御出来ていない状況です。
1.0
0.9
0.8
残留塩素濃度(mg/L)
0.7
0.6
0.5
0.4
0.3
0.2
0.1
0.0
永楽
南海
第1
第2
第3
第4
企業団水
自己水
配水区域
図3.1 配水区域ごとの残留塩素濃度振れ幅
④ 水安全計画の策定(後期目標)
評価
−
・ 国が示す「水安全計画策定ガイドライン」では危機管理の徹底が求められています。浄水
場等の水の安全確保策を検討し公表します。
(実施状況)
⇒ 前期目標期間では未着手です。
35
第3章 前期目標施策の進捗・評価
施策目標1−2
自己水の浄水水質の向上
評価
① 水源(永楽ダム)地域の保全(継続)
−
・ 町民の共有財産としての意識を高める啓発活動を推進し、住民との協働で町浄水場の水道
水源である永楽ダムの上流域の環境保全に努めます。
・ 永楽ダムの異常水質の早期発見するため監視設備の設置を検討します。
(実施状況)
⇒ 1−2−③の検討結果より、永楽浄水場を休止することとしたため、施策目標から除
外しました。
永楽浄水場及び永楽ダムにおける桜
評価
② 高効率浄水施設の整備(後期目標)
−
・ 永楽浄水場は建設後40年を経過、老朽化し更新が必要となっています。
・ 鉄、アルミ、トリハロメタン等の高濃度物質や高濁度時に対する適切な浄水処理、自動運
転管理や遠方監視制御設備の採用による効率化、無人化を可能とする施設導入を検討しま
す。
(実施状況)
⇒ 1−2−③の検討結果より、永楽浄水場を休止することとしたため、施策目標から除
外しました。
36
第3章 前期目標施策の進捗・評価
評価
③ 高度浄水処理の導入検討(前期目標)
○
・ 膜ろ過や粉末活性炭処理等の浄水水質の安全性を高める浄水処理の導入を検討します。
・ 処理性や運転管理或いは費用対効果等の面で最適な浄水システムを検討します。
(実施状況)
⇒ 平成24年度において、水道法の目的である「清浄にして豊富低廉な水道水の供給」
を継続できるよう、将来の水道事業全体について9項目の検討を行いました。
その結果、技術力継承等の課題とともに、小規模な浄水場であっても大阪広域水道企
業団(以降、企業団)水と同等の浄水処理能力と耐震性を兼ね備えた施設とするため
の更新費用が多額の負担となり、現在のように安価な浄水単価ではなくなることや、
更新しても約15%の自己水源割合であり、また立地条件の検討では土砂災害警戒区
域に指定されていることから、大規模災害時には土砂崩壊による施設被害の危険性も
あるなどの検討結果となり、永楽浄水場は休止すると判断しました。
施策目標1−3
給水水質の向上
評価
① 給水不良の改善(継続)
○
・ 給水の質・量・圧の不具合箇所を順次、計画的に改善します。
(実施状況)
⇒ 配水区域の統廃合により適正水圧への改善に取り組んでおり、各家庭の給水について
も使用水量に応じた経済的な口径への指導を実施しています。また、毎日検査をはじ
め法令に基づいた水質検査や、検査結果に応じ良好な水質維持のため管路末端での洗
浄等を実施しています。
② 老朽管の布設替え等による水質向上(継続)
評価
○
・ 配水管の老朽劣化により濁水や赤水などの発生が懸念されます。
・ 管の洗浄や布設替えにより清浄な水質の保持に努めます。
(実施状況)
⇒ 老朽管の布設替等を行い、配水管の老朽劣化による濁水や赤水の発生防止に努めてい
ます。
新たに埋設する管の内面ライニングについて、平成22年度より内面モルタルライニ
ングを廃止し、水質維持に有効な内面エポキシ樹脂紛体塗装に変更しています。
37
第3章 前期目標施策の進捗・評価
評価
③ 鉛製給水管の解消(継続)
○
・ 鉛溶出により給水水質への影響が懸念される鉛製給水管の解消が必要です。
・ これらの残存管路を計画的に解消していきます。
(実施状況)
⇒ 他の工事に随伴して鉛給水管の解消を順次行っており、前期目標期間では残存件数の
約20%を解消しました。
評価
④ 直結給水の範囲拡大(後期目標)
◎
・ 貯水槽水道は衛生管理上の問題が指摘されています。
・ 中階層の建築物まで直結直圧給水及び直結増圧給水が可能となるよう給水機能を高めてい
きます。
(実施状況)
⇒ 後期目標ではありましたが、前期目標期間中である平成22年度に「3階建て以上建
物への直結直圧式給水施行基準」を策定し、運用を開始しました。
また、配水区域の再編成(平成22年度6区域→平成28年度4区域)に伴い、直結給水
が可能な範囲を順次拡大しています。
⑤ 小規模貯水槽水道の水質維持(継続)
評価
○
・ 10m3容量以下の小規模貯水槽水道は水道事業者の管理外で、設置者による定期的な清掃
など適切な管理が必要です。
・ 町としては管理状況の把握と供給規定に基づく設置者への助言・指導を行い、安全な給水
栓水質の保持に努めます。
(実施状況)
⇒ 容量10m3以下の小規模貯水槽水道は所有者の責任により水質管理を行う必要がある
ため、文書による情報提供を行っています。
情報提供件数は平成22年度:0件、平成23年度:79件、平成24年度:75件、平成
25年度:76件であり、平成23年度以降は対象件数には全数文書での通知を行ってい
ますが、個別訪問での助言・指導には至っていません。
38
第3章 前期目標施策の進捗・評価
基本方針2
いつでもどこでも安定した水の供給
施策目標2−1
安定水源の確保
評価
① 自己水源の安定確保(継続)
−
・ 水源の複数化によるリスク分散、災害時等不測事態に備える水源としても有効です。
・ もっとも安定した既得水利の最大限の活用を図ります。
(実施状況)
⇒ 1−2−③の検討結果より、永楽浄水場を休止することとしたため、施策目標から除
外しました。
評価
② 浄水受水の的確な水運用(継続)
○
・ 企業団からの受水は主要な水源として今後も継続していく方針です。
・ 企業団の受水圧力を有効利用した水運用方法を継続していく方針です。
(実施状況)
⇒ 平成18∼19年度に中央受水場において、企業団からの受水圧力を有効利用した送配
水システムの導入を行い、継続して運用を行っています。また、南海受水・配水場で
は平成25年度の送配水施設完成により、2箇所の施設において制御及び中央監視が可
能となり、より安定した水運用となりました。
なお、永楽浄水場の休止により、供給する水道水の全てが企業団からの受水となりま
した。
③ 水道事業の広域化への対応(長期目標)
評価
○
・ 企業団との連携による広域化構想や施設の広域共同管理への対応方法の検討を進めます。
・ 施設の更新、収益の減少、料金格差、技術の継承等の水道事業における今日的な課題の克
服すべく水道事業のあり方を多面的に検討します。
(実施状況)
⇒ 企業団との連携による広域化を目指すにあたり、広域化検討部会へ参加しています。
また、ブロック別水道協議会で水質検査、水道資材の共同購入及び規格統一などの検
討を行っています。
39
第3章 前期目標施策の進捗・評価
施策目標2−2
水道施設の機能強化
① 老朽化施設の更新改良
(南海受水・配水場更新及び永楽浄水場更新・改良の検討:前期目標、
永楽浄水場更新:長期目標、老朽管更新事業:継続)
・ この20年間で法定耐用年数を超える経年管は増加傾向にあり、経年管路が長期に残存し
ないよう更新計画を策定します。
・ 老朽化している南海送水施設の更新、また永楽浄水場等の更新・改良の検討を進めます。
(実施状況)
評価
南海受水・配水場更新:前期目標
○
⇒ 平成21年度から実施しており、平成27年3月に南海受水・配水場施設整備更新事業
が完成しました。
永楽浄水場更新・改良の検討:前期目標
評価
○
永楽浄水場更新:長期目標
評価
−
⇒ 1−2−③の検討結果より、永楽浄水場を休止することとしたため、施策目標から除
外しました。
評価
老朽管更新事業:継続
○
⇒ 平成21年度に策定した水道ビジョンに基づき計画的に管路更新計画を進めており、
PI:2103(経年化管路率)において5年で0.5%への低減が確認できます。
しかし、昭和40年代後半町の急速な発展に伴って布設された管路が、今後10年の間
に耐用年数を迎えます。
40
第3章 前期目標施策の進捗・評価
② 水道施設の耐震化対策
(非耐震管路更新:継続、石綿管更新:前期目標、南海配水池・事務所棟耐震化:長期目標)
・ 現在、耐震管の布設延長は少ないことから基幹配水管や重要路線を優先して耐震化します。
・ 南海配水池・事務所棟等の基幹施設の耐震化を検討します。
(実施状況)
評価
非耐震管路更新:継続
△
⇒ 水道ビジョンに基づき基幹管路や重要路線の更新に取り組んでおりますが、耐震継手
を有する管種の割合は低く早期完了を目指すため更新ペースを上げる必要があります。
石綿管更新:前期目標
評価
△
⇒ 現在は1路線のみ(全体延長の0.1%)となっており、平成21年度末の石綿管残存延
長の約90%を解消しております。
南海配水池・事務所棟耐震化:長期目標
評価
−
評価
−
⇒ 長期目標のため、前期目標期間では未着手です。
③ 非常時の水融通機能の充実(長期目標)
・ 隣接市(泉佐野市、貝塚市)との緊急連絡管による相互水融通を検討します。
・ 配水区域間の連絡管の整備により非常時の水融通能力の増大化を進めます。
・ 基幹管路のバイパス管を整備し、複線化による水供給の安定化を図ります。
(実施状況)
⇒ 長期目標のため、前期目標期間では未着手です。
41
第3章 前期目標施策の進捗・評価
評価
④ 最適な配水区域に見直し(後期目標)
・ 施設管理の効率性の観点から永楽、南海、第1∼第4配水区域の統廃合を推進します。
・ 配水区域変更に伴う減圧弁の設置等による水圧の適正化を進めます。
(実施状況)
⇒ ・ 施設の整備・廃止に併せ、順次最適な配水区域への移行を進めています。
(平成22年度:6配水区域 平成26年度:5配水区域)
・ 永楽配水区域の第4配水区域への統合に必要な減圧弁の整備(3箇所)を行いま
した。
図3.2 配水区域統廃合図(左上:平成22年度、右下:平成26年度)
42
○
第3章 前期目標施策の進捗・評価
施策目標2−3
災害対策の充実・強化
① 危機管理対策マニュアルの整備(前期目標)
評価
△
・ 災害や事故時の迅速な初動活動、情報連絡と円滑な対策の実施方法を周知する方策を検討
します。
・ 地震、水質汚染、事故、渇水時等の危機管理対策マニュアルを策定します。
(実施状況)
⇒ 新型インフルエンザ対策については策定しましたが、その他のマニュアルについては
完成に至っていません。
② 災害対策の実施体制と実施訓練(後期目標)
評価
○
・ 災害時の動員体制、応急給水体制、復旧体制の組織体制を職員に事前周知し、迅速に実動
できる備えとします。
・ 災害発生に備えマニュアルに基づき参集、情報連絡、応急給水等の訓練を実施します。
(実施状況)
⇒ 災害対策訓練については、町の防災訓練等に併せて応急給水訓練等を実施しています。
災害時の動員体制については、前期目標期間では未着手です。
応急給水訓練の様子
③ 応急給水・復旧体制の確立(後期目標)
評価
−
・ 発災後応急給水計画を定め、大阪府水道震災対策相互応援協定に基づき組織的に実施しま
す。
・ 被害状況に応じた応急復旧計画を策定します。
(実施状況)
⇒ 前期目標期間では未着手です。
43
第3章 前期目標施策の進捗・評価
評価
④ 応急給水設備の整備(後期目標)
◎
・ 配水池等の応急給水拠点では、町全体の応急給水目標水量を確保します。
・ 給水拠点から断水区域へ運搬給水を行う給水車、給水タンク、給水袋等の充実を図りま
す。
・ 災害時に消火栓等から水を取り出せる仮設給水栓を人力運搬可能な範囲に設置します。
(実施状況)
⇒ ・ 配水池等において応急給水目標水量を確保しています。
・ 後期目標ではありましたが、前期目標期間中である平成26年度に第1次開設避
難所(8か所)の防災倉庫に緊急貯水槽および仮設給水口を配備し、また南海受
水・配水場に加圧式給水車(1800L)を配備しました。
基本方針3
効率的で安定した事業運営
施策目標3−1
効率的な事業運営
評価
① 維持管理業務の効率化(継続)
○
・ 維持管理水準の向上と効率化に必要な体制を整えるため業務内容を見直します。
・ 施設の自動運転や遠方監視制御化等により維持管理の省力を図ります。
(実施状況)
⇒ 南海受水・配水場の平成21∼26年度の整備に併せて中央監視システムを導入してい
ます。また、平成26年度には「熊取町上水道業務支援システム」の整備を行い、マッ
ピング(管路管理)システムの構築を行う等、順次業務の維持管理水準の向上と効率
化を図っています。
② 効率的な組織体制と職員定数の適正化(継続)
評価
○
・ 経営状況やその他の事情等を考慮しながら、組織体制と職員定数の適正化に努めます。
(実施状況)
⇒ 平時のみならず危機管理時における人数確保、また技術継承の観点も踏まえて、全庁
的な職員配置計画のもと、職員配置の適正化を図っています。職員数としては、同規
模事業体(人口3∼5万人)の平均値程度となっています。
44
第3章 前期目標施策の進捗・評価
評価
③ 業務委託の在り方の検討(継続)
○
・ 現在は浄水場、受水場、送水施設の運転管理、開閉栓、検針業務等を委託していますが個
人委託であるため、非常時・欠員時等に業務に支障を来たすことがあります。
・ 安定的・効率的な運営に資するよう、委託内容、方法、対象、危機管理等委託の在り方を
検討します。
(実施状況)
⇒ 平成23年度に開閉栓・検針・収納滞納整理業務、平成25年度に水質検査業務を法人
委託化し、平成26年度には施設運転管理の一部を法人委託化しました。
④ 水道技術の継承(継続)
評価
△
・ 水質検査、電気機械、土木等の技術力を有する専門的な職員の確保が必要です。
・ 水道事業を担うための人材育成や専門能力向上を図る各種研修の充実を図ります。
(実施状況)
⇒ 人材育成や専門能力向上を図る各種研修への参加には取り組んでいますが、専門的職
員の安定した確保はできていない状況です。
施策目標3−2
経営基盤の安定化
評価
① 経営の合理化・効率化(継続)
○
・ 中長期的な施設の更新改良、耐震化等を見据え、中期経営プランに基づき事業の効率的な
運営と経営の健全化に努めます。
(実施状況)
⇒ 前期目標期間中、中期経営プランに基づき事業の効率的な運営と経営の健全化が継続
して行われており、黒字決算を維持しています。
45
第3章 前期目標施策の進捗・評価
評価
② 収益確保への取組み(継続)
○
・ 水道料金収納対策の強化に努めるとともに、手数料等の適正化及び保有資産の有効活用等
(遊休地の貸付、資金運用等)で更なる増収を目指します。
(実施状況)
⇒ 平成23年度に収納滞納整理業務を法人委託化したことで水道料金収納対策の強化を
行っています。また、収益確保のため、遊休地の貸付、余剰資金の運用等を継続して
行っています。
(参考 徴収率推移 平成22年:97.91%、平成23年:97.92%、
平成24年:98.26%、平成25年:98.29%)
評価
③ 水道料金の見直し検討(継続)
○
・ 経営努力によりコスト縮減、経費削減に努めていますが、給水収益の動向や施設整備の状
況、また、企業団の用水供給料金改定の動き等を勘案し、水道料金の見直しの検討を継続
します。
(実施状況)
⇒ 平成24年1月に料金体系を用途別から口径別にし、基本料金の値下げを行うことで料
金負担の適正化を図っています。
また、平成26年12月に水道料金見直しの検討を行いましたが、平成29年12月まで
の3年間については水道料金の改定を行わないこととしました。
施策目標3−3
質の高いサービスの提供
評価
① お客様サービスの向上対策(継続)
○
・ 使用者の利便性の視点から、開閉栓申込、料金支払い方法等のサービスの向上に努めま
す。
・ 貯水槽を設置することなく3階以上の各階に給水できる範囲の拡大を図り、給水サービス
の向上に努めます。
(実施状況)
⇒ 平成22年度から役場の会計課での料金収納、平成23年度から開閉栓の休日対応、平
成25年度からキャッシュカードによる口座振替受付サービスの導入を行っています。
また、平成22年度より直結給水に係る基準を策定し、運用を開始しています。
46
第3章 前期目標施策の進捗・評価
評価
② 広報活動の充実(継続)
○
・ 積極的な情報提供により水道事業に対する関心と理解を含め、安全でおいしい水道水につ
いてのPR等にも努めます。
・ 施設見学等広報活動を充実強化します。
(実施状況)
⇒ 紙媒体では町広報紙への「シリーズ熊取の水道」の連載、平成25年12月にリーフレ
ット「くまとりの水道50年」を作成、ホームページでは各種情報提供に加え、よりわ
かりやすい広報を目指した部長ブログの掲載、イベントとしては毎年企業団と合同で
利き水会を実施するなど、各種広報活動に取り組んでいます。
町民文化祭にて実施した利き水会の様子
町内小学校4年生の永楽浄水場見学の様子
47
第3章 前期目標施策の進捗・評価
リーフレット「くまとりの水道 50年」
(上:表紙、中央:2つ折り内面、下:裏表紙)
48
第3章 前期目標施策の進捗・評価
基本方針4
環境に配慮した水道事業
施策目標4−1
省エネルギーの推進
評価
① 環境負荷への低減化対策(継続)
○
・ 本町の第3次総合計画では、自然環境への負荷の少ない循環型社会の形成を目指します。
・ 節電型機器採用や効率的な水運用で電力消費量を削減化しCO2排出削減に努めます。
・ 水圧の有効利用が可能な直結給水範囲を拡大することにより省エネルギー化を図ります。
(実施状況)
⇒ 南海受水・配水場施設整備更新事業に伴い、送配水設備について高効率機種の採用や
インバータ制御の導入を行い、平成25年7月から送配水システムを変更しました。こ
れにより、平成25年度の配水量1m3当たりの電力使用量は平成21∼24年度の実績
平均から約4%削減できています。また、直結給水エリアの拡大に伴って貯水槽の増
圧給水が解消されますので、社会環境負荷の低減につながっています。
② 再生可能エネルギーの利用(長期目標)
評価
−
・ 環境にやさしいクリーンエネルギーの採用を技術面、費用対効果から研究します。
(実施状況)
⇒ 長期目標のため、前期目標期間では未着手です。
③ 資源の有効利用の推進(建設副産物:継続、上水汚泥:長期目標)
・ 建設副産物(アスファルト等)の100%リサイクルと再生材の使用を継続します。
・ 浄水場からの上水汚泥の廃棄処分から今後、農耕土等への有効利用化を検討します。
(実施状況)
評価
建設副産物:継続
○
⇒ 前期目標期間中においては100%(PI:4005(建設副産物のリサイクル率))とな
っており、継続して再利用できています。
評価
上水汚泥:長期目標
−
⇒ 1−2−③の検討結果より、永楽浄水場を休止することとしたため、施策目標から除
外します。
49
第3章 前期目標施策の進捗・評価
施策目標4−2
有効率の向上対策
評価
① 漏水防止対策の推進(継続)
○
・ 限りある水資源の観点から、管路の漏水調査を実施し早期発見に努めます。
・ 漏水の原因となる老朽管の更新や石綿管、鉛製給水管の早期の解消を図ります。
(実施状況)
⇒ 老朽管の更新を実施することにより、漏水防止対策を図っています。また、平成26
年度には現地調査の一項目として漏水調査(目視及び音圧測定)を行いました。有収
率ベースでの数値を見ると、平成21∼25年度での有収率は毎年93%程度であり、平
成23年度における同規模(人口が3∼5万人)事業体の平均有収率84.87%を上回って
います。
② マッピングシステムの有効利用(継続)
評価
○
・ マッピング(管路管理)システムを活用し、漏水箇所、原因傾向等の把握に努めます。
・ 漏水防止や施設改善を進め、一層の有効率、有収率の向上を図ります。
(実施状況)
⇒ 平成26年度において、水道施設の現地調査を行いシステム詳細情報を整備すると共
に、水理解析機能をはじめシステム機能を再構築することで、維持管理業務等の更な
る高度化・効率化を図っています。また、これにより経験の浅い職員においても、漏
水時の初期対応等を可能としています。
基本方針5
国際貢献
施策目標5−1
国際的な人材交流の推進
評価
① 海外からの視察受け入れ(長期目標)
・ 関西国際空港に近い立地を生かし、海外からの視察受け入れに対応します。
(実施状況)
⇒ 前期目標期間においては、海外からの視察はありませんでした。
50
−
第3章 前期目標施策の進捗・評価
表3.1 熊取町水道ビジョン施策の前期終了時点における実施状況及び評価まとめ(1)
◎
○
△
×
−
:
:
:
:
:
施策目標以上の進捗
概ね施策目標とおりの進捗
進捗が施策目標未達
実施期間内に未着手
評価対象外
前期期間の実績評価
目標及び実現方策
評価根拠
評価
基本方針1
安全でおいしい水の供給
施策目標1−1
水質管理の強化
①自己検査体制の強化・充実
− 1-2-③により、施策目標が除外となったため、評価対象外としました。
②水質連続監視装置の整備
− 未着手であるが、後期期間までの実施目標であり評価対象外としました。
③残留塩素濃度の適正化
△
④水安全計画の策定
− 未着手であるが、後期期間までの実施目標であり評価対象外としました。
施策目標1−2
水質基準(0.1㎎/L以上)を満たしているが、目標数値を満足していません。
自己水の浄水水質の向上
①水源(永楽ダム)地域の保全
− 1-2-③により、施策目標が除外となったため、評価対象外としました。
②高効率浄水施設の整備
− 1-2-③により、施策目標が除外となったため、評価対象外としました。
③高度浄水処理の導入検討
○ 導入検討完了。検討結果については、平成27年2月永楽浄水場休止としました。
施策目標1−3
給水水質の向上
①給水不良の改善
○ 適正水圧の確保等、計画的に改善を行っています。
②老朽管の布設替え等による水質向上
老朽管更新事業
基本方針2
○
老朽管の更新を行い、濁水や赤水の発生防止に努めています。
③鉛製給水管の解消
○ 前期目標期間において、残存件数の約20%を解消しました。
④直結給水の範囲拡大
◎ 前期目標期間において、基準策定および運用を開始しています。
⑤小規模貯水槽水道の水質維持
○ 水質事故事例が無く、所有者に対し水質維持に関する情報提供を行っています。
いつでもどこでも安定した水の供給
施策目標2−1
安定水源の確保
①自己水源の安定確保
− 1-2-③により、施策目標が除外となったため、評価対象外としました。
②浄水受水の的確な水運用
○ 受水圧の有効利用等、2箇所の受水地点において効率的な水運用が出来ています。
③水道事業の広域化への対応
○ 検討会への参加、水道資材の共同購入検討等を開始しています。
施策目標2−2
水道施設の機能強化
①老朽化施設の更新改良
南海受水・配水場更新
○
平成27年3月に南海受水・配水場施設整備更新事業が完成しました。
永楽浄水場更新・改良の検討
○
更新・改良検討完了。検討結果については、永楽浄水場休止としました。
永楽浄水場更新
−
1-2-③により、施策目標が除外となったため、評価対象外としました。
老朽管更新事業
○
PI:2103(経年化管路率)で、5年で0.5%への低減が確認出来ます。
②水道施設の耐震化対策
非耐震管路更新事業
△ 基幹管路等の早期耐震化完了を目指すため、更新ペースを上げる必要があります。
石綿管更新事業
△
前期目標期間において、残存延長の90%を解消しましたが、未完了です。
南海配水池・事務所棟耐震化
−
未着手であるが長期目標のため、評価対象外としました。
③非常時の水融通機能の充実
− 未着手であるが長期目標のため、評価対象外としました。
④最適な配水区域に見直し
○ 順次段階的に、計画的に最適な配水区域に移行を進めています。
51
第3章 前期目標施策の進捗・評価
表3.2 熊取町水道ビジョン施策の前期終了時点における実施状況及び評価まとめ(2)
◎
○
△
×
−
:
:
:
:
:
施策目標以上の進捗
概ね施策目標とおりの進捗
進捗が施策目標未達
実施期間内に未着手
評価対象外
前期期間の実績評価
目標及び実現方策
評価根拠
評価
基本方針2
いつでもどこでも安定した水の供給
施策目標2−3
基本方針3
新型インフルエンザ対策については完成しましたが、その他は未完成です。
①危機管理対策マニュアルの整備
△
②災害対策の実施体制と実施訓練
○ 町の防災訓練において応急給水訓練等を実施しています。
③応急給水・復旧体制の確立
− 未着手であるが、後期期間までの実施目標であり評価対象外としました。
④応急給水設備の整備
◎ 前期目標期間において、加圧式給水車等を配備しました。
効率的で安定した事業運営
施策目標3−1
効率的な事業運営
①維持管理業務の効率化
○ 中央監視システムの導入等を行っています。
②効率的な組織体制と職員定数の適正化
○ 職員数は、同規模事業体(人口3∼5万人)の平均値程度です。
③業務委託の在り方の検討
○
④水道技術の継承
△ 専門的職員の安定した確保はできていない状況です。
施策目標3−2
施設運転管理の一部および収納滞納整理業務等について法人委託化しました。
経営基盤の安定化
①経営の合理化・効率化
○ 前期目標期間中において黒字決算を維持しています。
②収益確保への取組み
○
③水道料金の見直し検討
○ 料金体系の変更や基本料金の値下げを行いました。
施策目標3−3
基本方針4
災害対策の充実・強化
水道料金収納対策の強化や遊休地の貸付、余剰資金の運用等を行っています。
質の高いサービスの提供
①お客様サービスの向上対策
○ 料金支払い方法の多様化や直結給水の推進等を行っています。
②広報活動の充実
○ ホームページでの各種情報提供や利き水会の実施等を行っています。
環境に配慮した水道事業
施策目標4−1
省エネルギーの推進
①環境負荷への低減化対策
○ 設備の高効率機種の採用やインバータ制御の導入を実施しました。
②再生可能エネルギーの利用
−
未着手であるが長期目標のため、評価対象外としました。
建設副産物の再利用
○
建設副産物のリサイクル率が100%です。
上水汚泥の有効利用
−
1-2-③により施策目標が除外となったため、評価対象外としました。
③資源の有効利用の推進
施策目標4−2
基本方針5
有効率の向上対策
①漏水防止対策の推進
○ 有収率が約93%であり、同規模事業体の平均有収率84.87%を上回っています。
②マッピングシステムの有効利用
○
平成26年度においてシステムの機能強化のため再構築を行いました。
−
実績が無いため、評価対象外としました。
国際貢献
施策目標5−1
国際的な人材交流の推進
①海外からの視察受け入れ
52
第3章 前期目標施策の進捗・評価
3.2 水需要実績
平成21年度に策定した水道ビジョンに示される水需要の予測値と前期期間における実績値を
比較します。
1)給水人口
前期期間における実績値は平成21年度の44,653人から緩やかに減少に転じており、平成25
年度においては44,273人とビジョン予測値を2,049人下回っている状況です。
平成24年度に算定された国立社会保障・人口問題研究所の人口推計値に平成25年度の水道普
及率99.7%を一律乗じた予測値(社人研予測値)を下図に当てはめると、おおよそ実績に近い形
で推移していることが確認出来ます。
給水人口(人)
50000
47,100
46,322
45,472
45000
44,653
44,273
40000
実 績
予 測
実績値
35000
ビジョン予測値
社人研予測値
30000
5000
H10
H11
H12
H13
H14
H15
H16
H17
H18
H19
H20
H21
H22
H23
H24
H25
H26
H27
H28
H29
H30
H31
H32
H33
H34
H35
H36
H37
H38
H39
H40
H41
H42
0
図3.3 現在給水人口比較
53
第3章 前期目標施策の進捗・評価
2)1日平均給水量
予測値では、概ね14,000m3/日程度で緩やかな減少となっていましたが、実績ではそれより
もやや減少して13,500m3/日程度となっています。
1日平均給水量(m3/日)
20,000
18,000
16,000
14,000
12,000
10,000
8,000
6,000
実績値
4,000
ビジョン予測値
2,000
H10
H11
H12
H13
H14
H15
H16
H17
H18
H19
H20
H21
H22
H23
H24
H25
H26
H27
H28
H29
H30
H31
H32
H33
H34
H35
H36
H37
H38
H39
H40
H41
H42
0
図3.4 1日平均給水量比較
3)1日最大給水量
予測値では、概ね16,000m3/日台で緩やかな減少となっていましたが、実績ではそれよりも
やや下回り15,500m3/日程度となっています。
1日最大給水量(m3/日)
20,000
18,000
16,000
14,000
12,000
10,000
8,000
6,000
実績値
4,000
ビジョン予測値
2,000
H10
H11
H12
H13
H14
H15
H16
H17
H18
H19
H20
H21
H22
H23
H24
H25
H26
H27
H28
H29
H30
H31
H32
H33
H34
H35
H36
H37
H38
H39
H40
H41
H42
0
図3.5 1日最大給水量比較
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