ユーロ圏と日本の見通しを上方修正(2015/3/19作成)

*グローバル投資環境
No.933*
ご参考資料
髙木証券投資情報部
OECDの経済中間評価~ユーロ圏と日本の見通しを上方修正
2015年3月19日作成
OECD(経済協力開発機構)は18日、経済中間評価(Interim Economic Assessment)を発表、ユー
ロ圏と日本の成長見通しを昨年11月時点の予想からそれぞれ上方修正した。
ユーロ圏の成長見通しは2014年の0.9%に対して、2015年を1.4%、2016年を2.0%と見込んでおり、
原油安とECBの量的緩和による効果を主要因に、前回予想に比べて2015年、2016年ともに0.3ポイン
ト引き上げた。とりわけドイツの成長率は2014年の1.6%に対して、2015年を1.7%、2016年を2.2%と
見込んでおり、前回予想に比べて2015年が0.6ポイントの大幅上方修正、2016年についても0.4ポイン
ト引き上げている。
また、日本についても、原油安と日銀による金融緩和の継続を背景に、2014年のゼロ成長に対して、
2015年を前回予想比0.2ポイント上方修正の1.0%、2016年についても0.4ポイント上方修正の1.4%を
見込んでいる。インフレについては、原油安がヘッドラインインフレを押し下げるものの、円安と名目需要
の増大によってコアインフレは上昇すること見込むが、日銀の目標である2%の達成にはしばらく時間が
かかるとの見方を示している。
米国の成長率については、2014年の2.4%に対して、2015年を3.1%、2016年を3.0%と予想してお
り、前回予想を据え置いた。雇用と消費支出は安定的な伸びを示しており、原油安が家計の消費に大
きな力を与えるだろうと述べている。最近の急速な米ドル高が輸出に悪影響を指摘しているが、それに
よって成長率が潜在成長以下に押し下げられることはないとの見方を示している。
新興国に対する見方はまちまちだ。インドの成長見通しは2015年が前回予想比1.3ポイント上方修正
の7.7%、2016年も同1.4%上方修正の8.0%へ大幅に引き上げられたが、これはインド政府が先日実
施したGDPの基準変更による部分が大きいと思われる。中国については、2015年が前回予想比0.1ポ
イント下方修正され、全人代が先日示した成長目標と同じ7.0%、2016年は前回予想と同じ6.9%と緩
やかな成長鈍化を見込む。一方、ブラジルについては商品市況の下落を主要因に、2015年が前回予
想比2.0ポイント下方修正の▲0.5%を見込んでおり、2016年については1.2%のプラス成長を予想して
いるものの、前回予想からは0.8ポイント引き下げられた。
(文責:勇崎 聡)
(出所:OECD)
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