PwC Forensic Newsletter

PwC Forensic Newsletter
2015年3月
コーポレートガバナンスを担当する役員及び責任者の皆様、今回お届けする内容は次の通りです。
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•
•
PwCによる2014年度国際経済犯罪調査 (1ページ)
事例研究 (2ページ)
予防または発見(3ページ)
不正行為は世界的に問題となっている
世界全体
Chart: Fraud types by market
アジア太平洋地域
中国本土
香港及びマカオ
資
産
の
不
正
流
用
購
買
に
関
す
る
不
正
行
為
贈
収
賄
及
び
汚
職
サ
イ
バ
ー
犯
罪
会
計
に
関
す
る
不
正
行
為
人
事
に
関
す
る
不
正
行
為
そ
の
他
の
不
正
行
為
資
金
洗
浄
知
的
財
産
権
の
侵
害
貸
付
金
・
担
保
に
関
す
る
不
正
行
為
税
務
に
関
す
る
不
正
行
為
イ
ン
サ
イ
ダ
ー
取
引
競
争
法
及
び
独
占
禁
止
法
違
反
ス
パ
イ
行
為
37%
アジア太平洋地域においては
32%、世界全体でも3分の1以
上の組織が経済犯罪の被害者
となったと報告された。
53%
調査対象のCEOの半数以上が、
贈収賄及び汚職について懸念
していると報告された。
48%
回答者の半数近くが、サイ
バー犯罪(2011年対比23%増
加)の危険性が増加している
と回答した。
しかし不正行為に関する経営者の認識は正確ではない
予想: 全ての企業
実際に起きた不正行為
サイバー犯罪
贈収賄及び汚職
アジア太平洋地域
世界全体
アジア太平洋地域の経営者が
予想した資産の不正流用の発
生割合は、実際に起きた割合
の約半分であった。
会計不正
資産の不正流用
出典: PwCによる2014年度国際経済犯罪調査
PwC
1
事例研究
2015年2月
経営陣による偽造
営業担当者による水増し請求
及び着服
リサイクル品の不正流用
欧州のメーカーは農家に直接
販売する営業チームを持ってい
た。
営業担当者は農家に対し不正
な販売価格の値上げを通告する
一方で、もし請求書が不要であ
れば割引をすると約束した。農
家側は割引後価格は従来の価格
より高いものの割引を受ける方
が得であると判断し、請求書不
要とした。
営業担当者は農家が支払った
金額と正規の販売価格の差額を
着服した。また事務職員は営業
担当者から書類偽造を手伝う見
返りにマージンを受け取った。
会社には通常通りの売上金が
入るため、発覚しなかった。営
業担当者による着服金額は会社
からの販売価格と同等かこれを
上回るものであった。
ベトナムのメーカーが定期メ
ンテナンスを行った。生産ライ
ンの構成部品を交換し、古い部
品は廃棄処分品として発送され
た。
製造ディレクターが所有する
シャドウカンパニーが古い部品
を受け取り、洗浄して再梱包し、
新品として元の会社へ販売して
いた。
ディレクターとマネージャー、
管理部門、製造部門、品質管理
部門、倉庫管理部門及び購買部
門のスーパーバイザーが長期間
に渡りこの不正行為に関与して
いた。
経験豊富な新しい会計監査役が
疑わしい取引を発見した
従業員の内部通報
PwCの法的調査
不正のスキーム
製造業を営む会社の購買プロ
セスにおいて、管理者が虚偽の
文書を作成していた。管理者は
会社を欺くために架空取引の注
文書、請求書、納品書を作成し、
取引先はこの不正に加担する見
返りとしてコミッションを受け
取っていた。
取締役、会計主任、購買担当
者、倉庫管理者はすべて積極的
に関与しており、のちにその他
の従業員も共謀していたことが
判明した。
発見
文書や取引の内部監査レビュー
につながる内部告発
是正
経営陣及び職員に対する訴訟
営業チーム及び職員の配置交換
民事訴訟、従業員の解雇
予防
•
•
•
定期的に事前通告なしに内部
監査を実施する
職務分離及び機密事項に関す
る役割のローテーション
コンピューターによる不正検
知
•
企業が顧客に直接請求書を送
る
• 顧客ベースの内部監査の実施
•
•
•
•
購買請求書の分析的レビュー
調達における有効な職務分離
機械のダウンタイムの傾向及
び見直し
購入先の評価と査定
損害
10万ドル以下
評判と競争力の低下
製造業
農業
業種
PwC
100万ドル以下
生産高の低下
製品の納期遅延リスク
高いQC費用をもたらす品
質低下リスク
食品・飲料製造業
皆様の参考となるような事例をお持ちでしたらお送りください。興味深い事例を匿名にて掲載いたします。
ご質問や過去の掲載事例については弊社へお問い合わせください。
2
予防と発見
2015年2月
3つの要因が揃うと不正リスクが高まる
“妻が新しい物をほしがっている…”
“この四半期に30%以上売らなければならない…”
動機/圧力は個人・業務上、
どちらからも発生する。
動機/ 圧力
業績管理システムの見直しと非現
実的な成果が期待されていないか
の確認
最初の機会は、偶然発生す
ることが多い。
不正の研究者達の間で広く知
られている10-10-80の法則に
よると、従業員のうち10%は
絶対に盗まず、10%は盗む方
法を模索しており、80%は捕
まる可能性が低い機会があれ
ば盗むであろうといわれてい
る。
機会
不正
管理者にできることは何か?
姿勢 / 合理化
効果的な内部統制構築やリスクの
高い職務のジョブローテーション、
不正は受け入れられないという
トップからの雰囲気作りによる不
正の機会の削減
リスク
“みんなやっていることだ…”
“誰もチェックしていないし…”
•
2014年度調査によれば、分析
は不正の発見において、従来の
内部監査の2倍効果的である
•
企業の安園保障はコストに反し
て、不正の5%しか発見してい
ない
•
偶然による発見が内部通報を上
回っている
•
セキュリティ会社及び内部通報
は、予防と発見の2重の役割を
果たしている
データ分析*/疑わしい取引
の報告
内部監査(通常)
不正リスクマネジメント
企業の
統制
55%
企業の安全保障(物的・
IT)
人事異動
警告(内部)
企業の
文化
23%
警告(外部)
内部通報制度
偶然
管理者
の影響
Corporate
が及ば
ない Controls
21% -55%
その他の検出方法
不明
法執行
調査媒体
%:調査期間に経済犯罪を経験した回答者の割合
世界全体
*データ分析は2014年度調査において、カテゴリーに追加された
Chart: 不正を発見した方法の比較
世界全体
ご質問等がありましたら以
下へご連絡ください:
Peter Davies
Director, Advisory Services
Consulting Hanoi
+84.4.39462246 – Ext: 1611
[email protected]
Chan Chee Kong
Associate Director, Advisory
Services Risk Consulting &
Forensic HCMC
+84.8.38230796 – Ext: 1633
[email protected]
このニュースレターは、一般的な参考情報の提供のみを目的としており、コンサルテーションや専門的なアドバイスを行うものではありません。
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