王寺町地域防災計画の見直し 概要

王寺町地域防災計画の見直し
概要
【改定の方針】
近年、全国各地で大規模な地震、水害、土砂災害等の災害が頻発していることから、「災害に
よる死者をなくす」という減災対策を最大の目標として、いつどこでも起こり得る大規模な自
然災害を想定した「自助」「共助」「公助」の連携や、コミュニティー間及び行政間の相互支援
体制を強化して行かなければならない。
・住民の命を守るために、住民避難等の体制整備に重点を置き、
・国において行われた法令の改正、関係省庁からの指針通達、各種ガイドラインの提示及び
奈良県地域防災計画の改定を踏まえて、
本町の状況に応じた王寺町地域防災計画の改定を行うこととした。
【計画の要点】
(1)構成等
王寺町地域防災計画は、これまでの「一般対策編」を「水害・土砂災害等対策編」に変更し、
「地震対策編」「資料編」の3編構成とする。
○水防計画
王寺町の宿命ともいえる水害対策に関する事項は記載を充実させ、水害・土砂災害等対策
編において、水防計画を別立てとして第4章に掲げる構成とし、水防法第 32 条の規定に基
づく水防計画としても位置付けることの出来る構成に変更した。
○南海トラフ巨大地震防災対策推進計画
東南海・南海特措法が南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法に改
正されたことから、これまでの東南海・南海地震対策推進計画を南海トラフ巨大地震防災対
策推進計画に改め、奈良県地域防災計画及び南海トラフ地震防災対策推進基本計画の改正事
項を踏まえて計画を作成した。
○計画実施者の明確化
地域防災計画内の各計画を実施する担当機関(部署)を明確に記載した。
・各節ごとに担当部課局及び関係機関を明記した。
・町が実施する対策については、本文中に担当部課局等を明記した。
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(2)住民避難
住民避難については「災害から生命、身体を守る危険回避行動」と「自宅を離れて一定期間
生活をおくる行動」の2つの避難行動に分類し、記述を充実させた。
○避難場所、避難所の指定について
「指定緊急避難場所」と「指定避難所」をそれぞれ区分して指定することを新たに記載した。
また、王寺町文化福祉センターを「福祉避難所」に指定することを記載した。
指定緊急避難場所
切迫した災害の危険から逃れるための場所又は施設
指定避難所
一定期間滞在して避難生活をおくる施設
一般の避難所では生活に支障があり、特別な配慮を必要とする人が
福祉避難所
避難生活をおくる施設
○避難行動について
人命を守るために災害の状況に応じた適切な避難行動を行えるよう、
・住民、自主防災組織等が一体となって、あらかじめ防災マップ等を利用して避難先や
安全なルートを確認すること
・時間帯を考慮した早めの避難を行うこと
・外出するのが危険な場合の屋内避難(垂直避難等)
・災害種別ごとの具体的な避難方法
などについて、記載した。
○避難勧告等に関する具体的な発令基準の作成について
具体的かつ実際的な基準となるよう、気象情報や河川水位情報、土砂災害警戒情報などを
活用した避難勧告等の発令基準づくりについて、内閣府の避難勧告等の判断・伝達マニュア
ル作成ガイドラインに基づき作成、周知するよう記載した。
○避難勧告等の住民への情報伝達手段について
住民への情報伝達手段の多様化を図るため、防災行政無線の屋外スピーカーだけではな
く、メール配信などのあらゆる手段を活用し情報伝達をおこなうよう記載した。
○応急住宅の提供体制について
長期避難者に応急住宅を早期に提供するため、賃貸住宅管理会社との応援協定締結などを
検討することを記載した。
(3)災害時要配慮者対策
○避難行動要支援者への避難支援について
災害時要配慮者のうち、自ら避難することが困難な者であって支援を要する者(避難行動
要支援者)の名簿(避難行動要支援者名簿)の作成、利用及び提供等について定めた。
また、避難行動要支援者に係る全体計画及び個別支援計画の作成、地域における支援体制
のネットワークづくりなど、避難支援体制の整備について記載した。
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○災害時要配慮者への避難支援について
災害時要配慮者が円滑に避難を行うことができるよう、情報伝達及び避難後の配慮につい
ての記載を充実させた。
(4)町民等の防災活動の促進
○住民参加型訓練の実施について
総合的な防災訓練や町職員等を対象とした各種訓練を実施するとともに、災害時による死
者をなくすために特に重要な各種災害に対応した住民参加型の災害時初動訓練、避難訓練、
避難所開設・運営訓練等を実施するとともに、各自主防災組織等が主体となる訓練実施を促
し、その訓練を支援することを新たに記載した。
○地区防災計画について
地域コミュニティーにおける共助による防災活動推進の観点から、地域での自発的な防災
活動に関して策定する地区防災計画の策定等に関する基本的な考え方を新たに記載した。
(5)支援・受援体制の整備
○支援・受援体制の整備について
町外被災地への支援及び町外からの支援受入(受援)が円滑に行えるよう、体制整備計画と
具体的な手続き等行動に関する項を新設し、記載を充実した。
○災害時応援協定について
町単独で応急復旧活動を満足に遂行できない事態に対処する手段として、自治体間及び民
間企業等との応援協定に関する項を新設し、記載を充実した。
(6)非常配備体制の再編
災害時の非常配備及び動員については、以下の配備体制に変更した。
・ 地震以外の配備体制は、注意体制と災害対策本部内で災害の状況に応じて3段階の
配備体制を取り、最大4段階とした。
(水害の場合は、水防活動を行う水防本部を加えた最大5段階の配備体制となる。)
・ 地震時の配備体制は、注意体制及び災害警戒本部の2段階と、災害対策本部内で震度
や規模に応じ2段階の配備体制を取り、最大4段階とした。
(地震は前触れなく発生することから、震度に応じて各配備体制を自動的に設置すること
とし、震災への即応性を高めている。)
このほか、現状の組織体制を踏まえて、以下の事項に留意して、本計画を作成した。
(ア) 時間の経過を想定した役割分担の明示
(イ) 平時の部署を基本とした非常配備体制の再編
(ウ) 消防団の職務分担についても明記
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