横浜市幼稚園協会と東京都市大学とのインターンシップ等連携協定

【次世代育成支援レター】NO.47
平成27年3月
次世代育成支援において重要な役割を担っている幼稚園業界、当協会会員様の中から特徴的な取組み事例をご
紹介いたします。今回は横浜市幼稚園協会様の取組みです。
大学との連携・協力-インターンシップ等-
公益社団法人横浜市幼稚園協会様は、1961 年の創立以来50年を超える歴史を持ち、横浜市内の 250 を超える
私立幼稚園が加盟する団体です。
2014 年12月に、東京都市大学人間科学部との間で、インターンシップ等に関する「連携・協力に関する協定」
を締結しました。ともに協力して、幼稚園教諭育成のための学生の受け入れ、幼児教育課題についての調査・研
究等を実施することを通じ、小学校就学前教育の質の向上に寄与することを目的としています。
※横浜市幼稚園協会の木元茂会長と東京都市大学人間科学部の近藤雅雄学部長(右)
原則として大学1・2年生時の夏休みに自由応募で、インターンシップ・ボランティアなどの活動を行います。
この活動を通じて、幼児理解を深め、先輩教諭が生き生きと働いている姿を見ることは大変に有意義なことです。
協定では、それぞれの役割を次のとおりとしています。
<連携・協力に関する協定>
連携・協力事業
実習・インターンシップ等の幼稚園
幼稚園協会の役割
東京都市大学の役割
学生の受け入れと指導等
事業の企画及び学生の派遣等
調査研究への協力
調査研究の企画と実施
教諭育成に関わる事業
幼児教育学、児童学等に関わる事業
この協定にもとづくインターンシップ等の活動を通じて、双方で得られるであろうメリットは次のとおりです。
学生側のメリット
1.社会人としての幅広い見識を得ることができる。
2.3年次以降の教育実習のみでは幼稚園教諭の仕事を知るには足りず、その不足をカバーできる。
3.5日間の活動で学科1単位として認定される。
4.卒業論文作成のためにも貴重な現場体験ができる。
幼稚園側のメリット
1.採用時のミスマッチを防止し将来的に優秀で質の高い人材を得る一助になる。
2.早くに将来の就職先として横浜市の幼稚園を意識してもらうことができる。
3.就職の可能性のある学生と早い時期から交流できるので、将来の採用に向けて大きなチャンスになる。
4.大学の授業の一環であるので、幼稚園の経済的負担、教育実習のような負担もない。
平成27年度の実施を目指して、今後は協力幼稚園を募集するそうです。また、各園で独自に行なっているイ
ンターンシップ・ボランティアなどの活動も、協会全体としての協力・連携にレベルアップしていくことを目指
しています。
一人ひとりの子どもが健やかに成長することができる社会を目指し、幼稚園業界が新局面を迎える時期(下記
トピックスのとおり)に、インターンシップ・ボランティアなどの活動の場が拡大することは、学生・幼稚園双
方にとって大変有意義なことだと思われます。
<トピックス:預かり保育と子ども・子育て支援新制度>
私立幼稚園の預かり保育は平成9年にスタートしましたが、横浜市林文子市長と横浜市幼稚園協会が協力して
実施幼稚園を増やしてきたこともあり、この27年4月には市内約 280 園の6割にあたる 170 を超す幼稚園が「横
浜市型預かり保育実施幼稚園」となります。それらの幼稚園では朝7時 30 分から 18 時 30 分まで運営していて、
夏休みなどの長期休業期間中も保育を実施しています。フルタイムで働くならやはり保育園という選択肢以外に、
横浜市にお住いの方ならば、子どもが幼稚園での教育を受けながら、働くこともできるという新たな選択肢が増
えています。
また、平成24年に成立した「子ども・子育て支援法」
「認定こども園法の一部改正」等の子ども・子育て関連
3法にもとづき、平成27年4月から「子ども・子育て支援新制度」が全国的にスタートする予定です。
新制度では、乳幼児期の教育・保育の総合的な提供や、待機児童対策の推進、地域での子育て支援の充実を図
ることになっています。
既存の幼稚園や保育所については、引き続き幼稚園や保育所として運営される場合もあれば、幼児教育と保育
を一体的に提供する「認定こども園」へ移行する場合もあります。幼稚園や保育所から「認定こども園」への移
行は任意とされていますが、乳幼児期の教育・保育の総合的な提供を図るため、国では「幼保連携型認定こども
園」の整備を推進することとしています。