仕様書 1.事業名 平成27年度発電用原子炉等利用環境調査(原子力分野における国際協力枠組み等 に関する調査) 2.事業目的 急激なエネルギー需要の伸びと、中東・北アフリカ地域の不安定化は、中東の化石 燃料への依存を深めているアジアを中心とした地域で、エネルギー安全保障の観点か ら、化石燃料を補完する有力なエネルギー源として、原子力の利用を拡大しようとす る動きを加速させている。とりわけ、新興国における原子力の導入は、今後、拡大し ていく可能性が高く、日本の近隣諸国でも多数の原子力発電所新増設計画が進められ ている。 一方、原子力の平和・安全利用、不拡散問題、核セキュリティへの対応は、エネル ギー需給構造の安定化だけでなく、世界の安全保障の観点から、引き続き重要な課題 である。上述のとおり、新たに原子力を利活用する国が増大していくことが見込まれ る中、原子力の国際的な利活用を管理してきた国際原子力機関(IAEA)等の国際 機関や原子力利用の主要国の役割は、今後、さらに重要性を増していく。原子力をめ ぐる議論は、より国際的な観点で検討されるべき課題となっている。 東京電力福島第一原子力発電所事故は、周辺国を含む国際社会に大きな不安をもた らしていることから、我が国としては、IAEA等の場を活用し、国際社会との対話 を強化し、迅速かつ正確な情報発信を行うことが重要である。また、事故の経験から 得られた教訓を国際社会と共有することで、世界の原子力安全の向上や原子力の平和 利用に貢献していくとともに、核不拡散及び核セキュリティ分野において積極的な貢 献を行うことは我が国の責務であり、世界からの期待でもある。 本調査では、上述のような背景を踏まえ、我が国が関与しうる原子力分野における 多国間及び二国間の協力枠組み等を対象とし、我が国の原子力政策を積極的に発信し つつ、問題意識の共有やコミュニケーションの深化を図り、その議論の動向を把握す るとともに、我が国原子力政策への影響等について分析、調査するものである。 3.事業内容及び実施方法 (1)多国間協力枠組みにおける議論の動向に関する調査 受託者は、IFNEC(国際原子力エネルギー協力フレームワーク)における核燃 料サイクル(特に燃料輸送、廃棄物処分等)に関する多国間協力枠組みにおける議論 の動向を把握するとともに、我が国原子力政策の現状を踏まえつつ、当該政策への影 響等について分析、調査する。 1 具体的には、核燃料輸送・廃棄物処分等に関する専門会合を中心に参加し、情報収 集を行う。会議の回数については、欧州にて3回程度(1回当たりの会議日数は2日 程度)を見込んでいるが、多国間の会合であることから、関係者間の調整結果によっ ては、開催地や会議の開催回数が変動することに留意すること。 なお、会合の開催情報の把握及び専門家の選定については、資源エネルギー庁電 力・ガス事業部原子力政策課(以下、 「担当課」という。)と十分協議の上進めること。 (2)中東地域における原子力安全等に関する調査 受託者は、今後、大規模な原発新規建設が見込まれる中東地域における原子力安全、 特に緊急時対応等のあり方について分析、調査する。 具体的には、緊急時対応等の分野に関するセミナーを開催し、情報収集を行うとと もに、中東地域における多国間及び二国間の協力枠組みの可能性を検討する。セミナ ーの実施に当たっては、中東側及び日本側の関係者と連携の上、会場の手配、配布資 料の準備等を行うこととする。セミナーはアラブ首長国連邦にて1回程度(会議日数 は2日程度)を見込んでいるが、現地の状況等によっては、開催地が変動することに 留意すること。 なお、セミナーの開催時期や議題の調整については、担当課と十分協議の上進める こと。 (3)原子力分野の二国間協力に関する調査 受託者は、米国において、国際セミナーやウェブサイト等を通じた原子力政策関連 情報の発信について可能性を調査すること等を通じて、我が国の政策動向の情報発信 や米国との二国間原子力協力を促進する実効的で効率的な情報交換の仕組みを検証 する。また、原子力分野の日米間協力に関する会合での議論の動向を把握するととも に、我が国原子力政策の現状を踏まえつつ、当該政策への影響等について分析、調査 する。 当該調査の実施に当たっては、米国等の政府・原子力産業とネットワークを有し、 関連するエネルギー・原子力等に関する幅広い分析能力を有する現地シンクタンク等 の専門機関と連携を図りつつ、効率的に実施をすることとする。上記国際セミナー及 び日米間協力に関する会合の回数については、3回程度(1回当たりの会議日数は2 日程度)を見込んでいるが、関係者間の調整結果によっては、開催地や会議の開催回 数が変動することに留意すること。 なお、実施の内容や時期等については、担当課と十分協議の上進めること。 4.報告 3.により得られた情報は、定期的に担当課に報告を行うほか、状況に応じた報告 2 を適宜行うこと。 5.報告書の作成 3.による調査結果を報告書として取りまとめ提出すること。 6.実施期間 委託契約締結日から平成28年3月31日(木)まで 7.納入物 (1)調査報告書電子媒体(CD-R) 1枚 調査報告書、委託調査報告書公表用書誌情報(様式1※1)、二次利用未承諾リスト(様 式2※2)を納入すること。 調査報告書は、PDF形式以外にも、機械判読可能な形式※3のファイルも納入するこ と。なお、様式1及び様式2は Excel 形式とする。 (2)調査報告書電子媒体(CD-R) 2枚(公表用) 調査報告書及び様式2(該当がある場合のみ)を1つのPDFファイル(透明テキス ト付)に統合したものを納入すること。 セキュリティ等の観点から、資源エネルギー庁と協議の上、非公開とするべき部分に ついては、マスキングを実施するなどの適切な処置を講ずること。 調査報告書は、オープンデータ(二次利用可能な状態)として公開されることを前提 とし、資源エネルギー庁以外の第三者の知的財産権が関与する内容を報告書に盛り込む 場合は、①事前に当該権利保有者の了承を得、②報告書内に出典を明記し、③当該権利 保有者に二次利用の了承を得ること。二次利用の了承を得ることが困難な場合等は、下 記の様式2に当該箇所を記述し、提出すること。 調査報告書電子媒体の具体的な作成方法の確認及び様式1・様式2のダウンロードは、 下記 URL から行うこと。 http://www.meti.go.jp/topic/data/e90622aj.html ※1 委託調査報告書公表用書誌情報(様式1) 本事業の報告書のオープンデータとしての公表に際し、データとしての検索性を高 めるため、当該データの属性情報に関するデータを作成すること。 ※2 二次利用未承諾リスト(様式2) 二次利用の了承を得ることが困難な場合又は了承を得ることが報告書の内容に大き な悪影響を与える場合は、報告書の当該箇所に出典等を明示し、知的財産権の所在を 明らかにした上で、当該データを様式2に記載すること(知的財産権の所在が不明な ものも含む) 。 ※3 機械判読可能な形式 コンピュータプログラムがデータ構造を識別し、データを処理(加工、編集等)で きること。例えばHTML,txt,csv,xhtml,epub,gml,kml,png等のほか、 3 Word,Excel,Powerpoint等のデータが該当する(スキャンデータのようなものは該当し ない)。 8.納入場所 資源エネルギー庁 電力・ガス事業部 原子力政策課 4
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