No.57 2015年2月

№57
H27年2月発行
常総市男女共同参画室発行
男女共同参画講演会 中澤まゆみ氏
「あなた、わたしがいなくなっても大丈夫?
~知ってトクする、その後のおひとりさま暮らし~」を開催しました
1 月 31 日(土),女性団体じょうそう事業委員会と市の共催
で男女共同参画講演会を開催しました。今号ではその内容を
紹介します。
日本が迎えるおひとりさまの時代
日本には現在,約 500 万人のひとり暮らしの高齢者がおり,
20 年後には 1.5 倍の 760 万人になると言われています。
80 歳以上に限定すると,女性の 70%,男性の 33%が「おひ
とりさま」になります。
長生きの秘訣は「自分力」
自分らしく健康に長生きをするためには,「自分力」を磨くことが大切です。これには「記憶力
がたしか」「自立心がある」「好奇心が旺盛」「長年の趣味がある」「適度な運動をしている」「言
いたいことを言っている」「指先を使っている」「感謝の気持ちを忘れない」のように,脳を活性
化することが必要です。
自分仕様の「セイフティネット」づくり おひとりさまの終活
人生の仕上げは,お葬式やお墓をつくることではなく,終末期を自分らしく生き,「そこそこ,
いい人生だった」と思って旅立つことです。
終末期の不安を解消するには,健康状態や予算,生活環境に合わせ,「自分力」(自分自身)と
「人もち力」(周囲の協力)で自分仕様のセーフティネットをつくることが重要です。以下,自分
らしい終活のために必要な「老後の備え 10 か条」を紹介します。
①健康は日々の備えから
・自分の体調の変化を調べることを習慣づける
・「おかしいな」と思ったら,本やインターネットで調べる,かかりつけ医に相談=患者力をつける
②かかりつけ医をつくる
・遠くの大病院よりも近くの診療所
・相性のいいドクターを選ぶ
・わかりやすい言葉で説明してくれる
・新しい医療を勉強している医師
③介護保険のしくみを知っておく
・分からないことは常総市役所介護長寿課に相談してみる
④行政の相談窓口等のサービスを知って、使いこなす
・「困ったことがあったら行政に相談」という習慣をつける
・市の広報,チラシ,ホームページ,暮らしの便利帳で情報収集を
⑤遺言やリビングウィル(事前指示)を書いておく
・自筆遺言…簡単だが家庭裁判所で検認してもらわないと遺言が実現できない
・公正証書遺言…公証役場で作成するため手続きとお金がかかるが,安全で確実
・終末期医療に関する事前指示…「延命治療はいりません」だけではなく,具体的に書いておく
・家族とのふだんからの意思の疎通が大切
⑥緊急医療情報を用意しておく(緊急医療情報キット)
・緊急医療情報キット…救急医療活動に必要な情報を書いて入れておき,
冷蔵庫に保管しておくことで,非常時に駆け付けた
救急隊員に迅速な対応をとってもらえる
・常総市役所社会福祉課で配布
⑦在宅医療について知っておく
・「看取り」だけでなく,どんな状態,どんな病気でも可能
・住み慣れた家で 24 時間の医療と介護,地域とのつながり
・10 年後は医療,介護ともに在宅が主流に!?
⑧成年後見制度を知っておく
・「法定後見」…すでに判断力が衰えている場合
・「任意後見」…判断力が衰えないうちに,あらかじめ後見の契約
▲常総市の緊急医療情報
キット
⑨「人もち力」をつける
・地域でのつながり,ささえあいが重要
・「家族」「公的サービス」の他に,「地域の支援者」も必要
⑩自分らしいケアネットをつくる
・「自分力」「人もち力」「地域力」で自分にあったケアネットを
■受講者の声
自分の将来について,ボンヤリとした
考え方が具体的に見えた。
<50 代 男性>
先生のお話をぜひ夫と一緒に聞きたいと
思いました。
<60 代 女性>
まだ先の話と思っていましたが,今から少しずつ準備しておかなければいけないことが
沢山あります。男性ばかりでなく,女性にとっても大切なお話でした。
ありがとうございました。
<60 代 女性>
今後の人生に役立てたいと思います。元気で過ごして人のためになり,みんなが健やかに
暮らせるようにしたいと思います。
<60 代 女性>