地域振興計画及び地域振興特別予算の検証【丹生川地域】 地域振興計画 地域振興特別予算 」 ≪基本構想≫ ≪年度別決算額≫ 平成 17 年度 18 年度 19 年度 20 年度 21 年度 乗鞍岳や五色ヶ原一帯の雄大な自然や歴史的資源の保護と活用などによる観光・交流の振興、夏秋 トマトやホウレンソウなどの高冷地野菜を中心とする農業の振興、活力ある地域形成による住みよさ を実感できる地域づくりに努めます。 ※平成 26 年度は予算額 77,808 千円 83,306 千円 82,078 千円 78,823 千円 81,673 千円 平成 22 年度 23 年度 24 年度 25 年度 26 年度 合 計 77,997 千円 108,197 千円 82,026 千円 89,999 千円 86,298 千円 848,205 千円 ≪分野別検証≫ 主 な 事 業 ≪地域振興の基本方針≫ 基本方針① 豊かな自然と歴史的資源を活かした地域づくり ①乗鞍岳・乗鞍山麓五色ヶ原の森活性化対策事業 (H21~H25:10,000 千円) ②乗鞍サイクルヒルクライム開催事業(上宝・奥飛騨温泉郷地域との連携事業) (事業期間 H16~) (高山市負担金 H21~H25:4,500 千円) ③観光イベント開催事業 (H17~H26:134,353 千円) ~乗鞍岳や五色ヶ原一帯の雄大な自然や歴史的資源の保護と活用などによる観光・交流の振興~ 主 要 施 策 ・希少な生態系の維持や自然環境の保護・保全をすすめます。 ・自然の魅力を紹介するためのガイドの育成や安全に利用できる施設の整備をすすめます。 ・他地域と連携して乗鞍岳などを活用した地域活性化事業をすすめます。 ・ 「両面宿儺」伝説を活かした観光振興と特産品開発をすすめます。 検 証 内 容 平成 27 年 2 月検証 検 証 内 容 観光・交流の振興について ①乗鞍岳の入込客数はマイカー規制に取り組む前のおよそ 40 万人から 20 万人に減少したものの、 「自 然観察教室」などの希少な動植物の保全状況等を学ぶ環境教育を目的としたイベントを継続的に開 催したことにより、参加者に対し生態系保全の理解を深め、乗鞍岳の価値を認識させることができ た。また高山市を代表する資源の一つとして、小中学生に対し乗鞍登山の機会を提供するなど乗鞍 が市民の山である認識を向上させる取り組みを行った。 観光・交流の振興について ・ 乗鞍岳において生態系保全に取り組むため、平成 15 年から乗鞍スカイラインのマイカー規制を実 施しており、高山植物の種類数や、植被率が増加傾向にあり自然環境が改善している。 ・ 五色ヶ原の森における案内ガイドの育成をはじめとする自然資源を活かした取り組みに対し、環 境省第8回エコツーリズム大賞において優秀賞を受賞するなど高い評価を得ることができた。 ・ 観光イベント事業の中でも特に宿儺まつりの実施を通じて観光振興を図ってきた。 ・ 宿儺かぼちゃを中心とする特産品開発を実施し、地域の特産品としてのメニューを広げることが できた。 ※数値指標:自然観察教室参加者数 H21~H25 延べ 3,326 人 ②丹生川地域と上宝・奥飛騨温泉郷地域が連携して事業に参加し、地域の連帯意識の向上が図られ、 エントリー数も 1000 人を超える大会となり、2 日に亘る開催により、市内宿泊の増加につながるな ど地域にも大きな経済効果をもたらした。 ※数値指標:エントリー者数 H21(536 人)から H25(1,011 人)に増加 H21~H25 延べ 3,578 人 ③夏、秋の宿儺まつりやコスモスまつりなどの各種地域イベントを開催し市内外から多くの観光客を 誘致した。また、「両面宿儺」伝説をモチーフとしたご当地キャラ「すくなっツー」を活用した周 知を展開し、全国に向けて地域資源の PR をすすめた。 ※数値指標:イベント入込者数 H17(77 千人)、H18(75 千人)、H19(81 千人)、H20(69 千人)、 基本方針② H21(69 千人)、H22(63 千人)、H23(54 千人)、H24(76 千人)、H25(65 千人) 高品質・高付加価値のある農産物の生産拠点としての地域づくり ~夏秋トマトやホウレンソウなどの高冷地野菜を中心とする農業の振興~ 主 な 事 業 主 要 施 策 ①地域特産物振興事業(H17~H21:6,750 千円) ・担い手農家や農業後継者の育成により高品質な農畜産物の生産量の拡大をすすめます。 ・農業・商業・観光業の連携により農産物の流通の効率化をすすめます。 ・宿儺かぼちゃなど地域特産物の育成強化や特産物を活用したあらたな加工品開発をすすめます。 検 証 内 容 検 証 内 容 農業の振興について ①丹生川村時代からの継続事業であり、宿儺かぼちゃの腐敗防止技術の改良と焼酎生産開発に対し助 成し、宿儺かぼちゃを利用した加工品産業に取り組み、商品化することができたが、安定化は難しく 課題が残った。 ※数値指標:近年の宿儺かぼちゃ焼酎生産量 H24(1,015 本)、H25(996 本)、H26(1,075 本) また、アキシマササゲ、にんにく、オクヤマガラシなどの新品目を地域特産物として確立させるた めの作付け実証を蔬菜出荷組合において実施し、苗や肥料代などを助成した。そのうち、アキシマサ サゲは比較的、地域特産物として確立し市場、スーパーなどに販路を拡大することができたが、採算 性、生産者人数の確保など難しく、課題が残った。 農業の振興について ・大規模農家への研修や青年就農給付金などの農業振興事業の支援により、新規就農者や青年農業者 の人数が増加し不作付地の増加防止につながった。 ・農業関係団体、商工観光団体と連携し、東海・関東における販路拡大をすすめることができた。 ・宿儺かぼちゃのペーストや角切りを利用したもちや鬼まんじゅうなどの加工品を開発し、宿儺かぼ ちゃを高山市の地域ブランドの一つとして広く周知することができた。 ・そのほか、トマトやホウレンソウは、生産者の努力により地域の代表的な農産物として維持するこ とができている。 ※数値指標:近年のアキシマササゲ出荷量 H24(7,047 ケース)、H25(8,111 ケース)、H26(5,721 ケース) 1 基本方針③ 主 な 事 業 快適な住環境の形成といきがいのある地域づくり 活力ある地域形成について ①花のふるさとづくり事業 ②花街道整備事業 ③地域芸能文化活動助成事業 ④丹生川文化ホール自主事業 ⑤消防ポンプ庫周辺環境整備事業 ~活力ある地域形成による住みよさを実感できる地域づくりの推進~ 主 要 施 策 ・花による沿道整備などやすらぎのある地域づくりをすすめます。 ・地域のつながりの強化や芸能・文化の振興をすすめます。 ・中部縦貫自動車道丹生川インターチェンジ(仮称)などの整備により活力ある地域づくりをすすめ ます。 ・都市計画区域の設定など計画的な土地利用をすすめます。 検 証 内 容 (H17~H26:61,695 千円) (H17~H26:21,436 千円) (H17~H26:3,000 千円) (H17~H26:27,761 千円) (H21~H24:8,694 千円) 活力ある地域形成について ・森林の適正な管理により水源の確保や環境の保全をすすめるとともに防災意識の向上を図ります。 検 証 内 容 ①②花づくりや沿道の整備により地域の美化が図られ、花づくりに取り組むことにより地域の連帯感 を維持することができた。一方、高齢化により今後活動を継続することが課題となる地域もあっ た。※数値指標:花苗配布団体数 H17~H26 年間平均 66 団体 ③ 文化展や芸能祭を開催し、地域での発表の機会を提供することにより地域住民の生きがいとな り、文化の伝承や歴史の魅力が再認識され、地域への愛着心を育むことができた。 活力ある地域形成について ・ 花づくりや沿道の整備により地域の美化が図られ、地域住民にやすらぎをもたらすことができた。 ・ 単位町内会や地区社教の行事を通して地域のつながりを強化することができ、地域の芸能・文化 活動の促進により、文化の伝承や歴史の再認識につながり、地域への愛着心を育むことができた。 ・ 中部縦貫自動車道高山インターチェンジから丹生川インターチェンジまでの 9.5 ㎞区間の用地買 収や建設工事が始まり、新たな交通体系の整備が今後図られていく。 ・ 計画的な土地利用を進めるため、坊方・山口・町方・新張地区を都市計画区域に指定した。 ※数値指標:文化展参加者数 H17~H26 延べ 4,609 人、芸能祭参加者数 H17~H26 延べ 5,800 人 ④ 文化ホールを活用し、著名人による講演会や一流のコンサートなどを開催したことにより、良質 な文化芸術を提供し、地域住民の文化的な意識を向上させることができた。 ⑤ 主要幹線道路沿線にある消防ポンプ庫(旗鉾、坊方、大萱、法力)の、公衆トイレと植栽エリア を整備したことにより、消防団員を始め地域住民の利便性が向上した。 ※数値指標:各種講演会等開催回数 H17~H26 延べ 18 回 ≪地域振興特別予算の検証総括≫ ≪地域振興計画の検証総括≫ 丹生川地域では、平成17年度から10年間にわたり計8億5千万円余り予算を執行した。この予 算は住民の自主的に取り組む公共性の高い地域づくり事業や、住環境づくりに関する事業、特色ある 地域づくり、地域活性化に関する事業を対象としている。 丹生川地域の地域振興計画に定める3つの基本方針は、旧丹生川村第5次総合計画の基本理念を引 き継いだ方針であり、地域振興特別予算を活用しながら目標達成のため取り組んできた。 全体的にはほぼ達成してはいるものの、以下のとおり課題の積み残しや時代の流れとともに新たな 課題も生じてきた。今後は、丹生川地区協働のまちづくり協議会の取り組みの中で、住民、各種団体、 行政が協働し課題解決に向けた取り組みを進めて行く必要がある。 ①自然環境の保全と観光振興との両立 ②担い手農家や農業後継者育成の強化 ③高齢化により今後継続することが困難となる事業の推進 ※市道未登記用地測量事業 H18~H26 84,021 千円、市道改良事業 H22~H25 45,309 千円 また、地域振興助成事業は地域の主体性及び協調性を育む事業に助成し、地域要望対応事業は市有 施設における急務の修繕等に迅速に対応するためのものである。 ※地域振興助成事業 H18~H26 41,816 千円、要望対応事業費 H21~H26 59,625 千円 地域振興特別予算は以下の効果があった。 ①住民が地域の課題解決に向けて自主的、主体的に取り組む活動の育成 ②地域住民の創意工夫による魅力ある地域づくりを推進 一方、以下の課題が残された。 ①地域の特性や住民のニーズのため、ソフト事業は今後、協働のまちづくりに継承し、地域振興 を進める必要がある。 ②道路維持管理などのハード事業は一般会計予算との調整を図りながら進める必要がある。 今後さらに丹生川地域の特色を活かしながらまちづくりを推進するため「まちづくり協議会」を中 心に住民、その他団体、行政が協働しまちづくりを進めて行く必要がある。 2
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