大震災被災地、続く人口減と他自治体での自宅再建

大震災被災地、続く人口減と他自治体での自宅再建
明日 3 月 11 日には、大震災から 4 年を迎える。その 3.11 を前にして、新聞各紙では関
連情報が掲載されている。9 日の朝日新聞と毎日新聞(いずれも朝刊)に、人口と自宅再建
に着目した調査結果が掲載された。非常に興味ある内容なので、以下要約しておきたい。
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朝日新聞
<見出し>
被災地 続く人口減 沿岸 39 市町村 9.2 万人
・ 震災前の 2011 年 3 月 1 日(または 2 月末)と今年 2 月 1 日(同 1 月末)を比べると、
39 市町村で計約 9.2 万人が減っていた(減少数は震災による死者も含む)。
特に津波で中心市街地が壊滅した岩手県陸前高田市、大槌町、宮城県南三陸町など 6
・
市町は 10%超の減少。そのほとんどは住宅再建の時期が見通せない。
最大の 29%減となった宮城県女川町の担当者は「職が少なく、生活も不便で、転出者
・
が多い」と話す。
原発周辺にある福島県双葉町や浪江町、富岡町、南相馬市も減少率が 10%台だった。
・
いずれも放射線量が高く、長期間帰還できない区域を抱える。
・ これら減少率 10%超の 10 市町村はいずれも、国立社会保障・人口問題研究所が震災前
の 08 年にまとめた、15 年の将来推計を上回る速さで人口減が進んでいた。
・
日本の多くの地方で進む人口減が、被災地では、震災と原発事故を機に加速している
といえる。
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毎日新聞
<見出し>
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他自治体で自宅再建 23%
被災 20 市町村 人口流出止まらず
東日本大震災で自宅を失った被災者の住宅再建を集計している宮城、岩手、福島の 20
市町村で、少なくとも計 4865 世帯が別の自治体に転居したことが毎日新聞の調査で分
かった。
・
自宅を既に再建した世帯の 23%を占め、自宅を失った世帯の 10%にあたる。
・
被災者生活再建支援法に基づき、全半壊した自宅を解体した住民には基礎支援金(最
高 100 万円)を、避難生活を終えて住宅を購入・補修・賃貸する際には加算支援金(同
200 万円)を元の自治体に申請できるため、加算支援金申請件数と、そのうち別の自治
体に再建を申請した世帯数を尋ね、人口流出の実態を探った。
・
別の自治体での再建を選択した世帯の割合が最も高かったのは、宮城県女川町の 73%
で、同県南三陸町の 49%が続く。いずれも町全体が被災した地域で、かさ上げや宅地
整備の遅れなどが人口流出につながっているとみられる。
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全文はこちらを参照
・
朝日新聞(2015 年 3 月 9 日朝)
・
毎日新聞(
同上
)