みんなで考えよう! 未来の公共施設 茂原市公共施設白書【概要版】 1.公共施設白書作成の目的 茂原市では、高度経済成長期からの急激な社会の変化や人口増加、さらには本納町との合併などに 伴い、多くの公共施設を整備してきました。これらの施設は、築年数の経過による老朽化で、改築や 大規模な改修が集中する時期を迎えつつあります。 一方、本格的な人口減少社会が到来し、本市においても人口減少と少子高齢化がさらに進行してい くと予測されているため、現在の公共施設の数や規模、配置などが時代に適応しているかを再考しな ければならない時期にきています。 こうした状況を踏まえ、公共施設の現状と課題を明らかにし、市民の皆様と今後の施設のあり方を 検討するため「茂原市公共施設白書」を作成しました。 2.人口推計からみた課題 30 年後、働く世代は 4 割減、子どもは 5 割減!? 図表 茂原市の人口推移と人口推計 (2010 年までは国勢調査人口、2015 年以降は国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口) (人) 100,000 91,664 93,779 93,260 93,015 90,000 76,929 80,000 71,521 70,000 64,942 6,458 60,000 5,134 83,437 12,532 15,587 18,830 22,594 9,788 81,605 27,072 7,852 29,197 77,225 72,519 29,710 29,621 29,428 29,624 50,000 40,000 91,426 88,879 85,539 43,617 58,010 47,463 51,780 63,787 64,127 62,033 59,212 54,249 30,000 50,733 47,889 44,910 41,298 20,000 10,000 0 16,191 17,600 17,297 15,639 15,345 14,065 12,397 11,209 10,105 8,949 1975 1980 1985 1990 老年人口(65歳以上) 1995 2000 2005 2010 2015 生産年齢人口(15-64歳) 2020 36,845 7,940 7,074 6,499 6,050 2025 2030 2035 2040 年少人口(0-14歳) 本市の人口は、右肩上がりに増え続けてきましたが、2000 年(平成 12 年)をピークに減少し、2040 年(平成 52 年)にはピーク時と比較して約 21,000 人減少(▲23%)する見通しとなっています。 また、2040 年(平成 52 年)には 2010 年(平成 22 年)と比べ、生産年齢人口(働く世代)は約 4 割、年少人口(子ども)は約 5 割と大幅な減少となります。逆に、老年人口は約 3 割の増加となって います。 1 3.財政の現状からみた課題 市税は右肩下がりの傾向 図表 市税の推移 (百万円) 16,000 14,276 14,429 13,933 14,000 11,910 12,000 11,901 13,336 12,993 12,005 12,629 12,239 その他 10,000 8,000 固定資産税 6,000 4,000 市民税 2,000 0 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 市税収入は、2007 年度(平成 19 年度) 、2008 年度(平成 20 年度)に税制改正や企業立地などによ り一時的に上昇しましたが、その後はリーマンショック等の影響を受けて減少に転じ、右肩下がりの 状態が続いています。 増え続ける義務的経費 図表 義務的経費(人件費・扶助費・公債費)の推移 (百万円) 16,000 14,000 12,000 10,000 8,000 13,157 12,887 12,146 12,018 11,378 2,991 3,143 3,040 3,077 6,000 12,085 11,739 3,170 4,114 3,078 3,242 3,404 3,683 3,138 3,170 3,022 4,795 13,680 13,868 14,042 3,126 3,297 3,578 公債費 5,175 5,322 5,429 扶助費 人件費 4,000 6,012 5,901 5,218 5,327 5,369 5,324 5,192 5,379 5,249 5,035 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2,000 0 市の歳出の約半分を占める義務的経費(任意に削減できない経費)は、扶助費(主に社会保障関連 経費)の増大により今後も増加する見込みとなっており、公共施設の維持更新費用(大規模改修又は 建替え)の確保が難しい状況です。 2 4.本市が所有する公共建築物の現状 老朽化が進む公共建築物 図表 経過年数別の施設数 (施設数) 35 32 30 25 19 20 15 10 5 13 4 12 9 7 4 0 10年未満 10~14年 15~19年 20~24年 25~29年 30~34年 35~39年 40年以上 本市の公共建築物(市役所庁舎、公民館、学校、保育所などの施設)は築 40 年以上の施設が全体の 32%、築 30 年以上 40 年未満の施設が 31%となっており、全体的に老朽化が進行しています。 5.更新費用の試算 公共建築物の更新費用は今後 40 年で 1,000 億円を超える!? 図表 公共建築物の将来更新費用の推計 (総務省推奨の「公共施設更新費用試算ソフト」を使用) (億円) 200 160 120 186.1 市民文化系施設 学校教育系施設 子育て支援施設 公営住宅 その他 164.5 40 年間の更新費用総額 1,058.3 億円 165.0 116.1 127.9 97.9 95.9 104.9 80 40 0 2014~2018 2019~2023 2024~2028 2029~2033 2034~2038 2039~2043 2044~2048 2049~2053 ※ 建築後 30 年で大規模改修、60 年で建替えと仮定 現在の公共建築物を全て維持した場合、試算では、今後 40 年間に要する費用は 1,000 億円を超え、 年平均にすると 26.5 億円となります。この額は、2013 年度(平成 25 年度)決算のうち、臨時的なも のを除く公共建築物の更新費用(約 2 億 8 千万円)の約 10 倍に当たります。 また、用途別にみると、学校教育系施設が大きな割合を占めており、特に 2023 年度(平成 35 年度) まで多額の更新費用がかかることが予想されています。 3 インフラ施設を含めた更新費用は今後 40 年で約 1,900 億円!? 図表 将来更新費用の推計(公共建築物+インフラ施設) (総務省推奨の「公共施設更新費用試算ソフト」を使用) (億円) 公共建築物 300 インフラ施設 285.0 275.7 247.9 243.6 250 40 年間の更新費用総額 1,898.4 億円 239.5 217.8 191.7 200 197.2 150 100 50 0 2014~2018 2019~2023 2024~2028 2029~2033 2034~2038 2039~2043 2044~2048 2049~2053 公共建築物にインフラ施設(道路、橋梁など)を加えた今後 40 年間の更新費用の試算は 1,898.4 億 円となり、年平均にすると 47.5 億円にも上ります。インフラ施設については公共建築物と違い、市民 生活に密着しているため、量を減らすことは難しく、定期点検等による適切な維持管理を行うことで更 新費用を抑えていかなければなりません。 6.公共施設の更新に係る課題と今後の取組み ○本市の公共建築物は全体的に老朽化が進んでおり、今後多額の更新費用が必要となる。 ○少子高齢化や人口減少に対応した適正な施設数や規模の検討が必要である。 ○更新費用の試算からみると現在の公共施設を全て維持することは難しい。 【今後の取組み】 茂 原 市 公 共 施 設 等 総 合 管 理 計 画 公共施設白書(平成 26 年度) 公共施設等の総合的かつ計画 的な管理に関する基本方針 茂原市公共施設のあり方検討 意見 (平成 27 年度) 委員会 (平成 27-28 年度) 施設類型ごとの管理に関する 意見 基本方針(平成 28 年度) 茂原市公共施設のあり方検討委員会を立ち上げ、市民参加のもとに「茂原市公共施設等総合管理計画」 を策定し、時代に適応した公共施設サービスの提供を目指します。 4
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