開洋丸による冬季の台湾東方沖合海域での 未利用トビイカ資源調査の速報(2015 年 3 月) 独立行政法人 水産総合研究センター 東北区水産研究所 独立行政法人 水産大学校 【背景】台湾東方沖合海域には未利用資源としてのトビイカが分布することが知られて いる。しかし、現状では資源生物学的な情報がほとんどない。この資源を有効利用する ためには、いくつかの季節を通じて、資源状態を把握する必要がある。 【目的】冬季の加入直前の資源状態を把握するため、台湾東方沖合海域(北緯 20〜25 度、東経 127〜132 度)におけるトビイカの産卵生態(ふ化稚仔の出現分布量)、加入状 態(若齢群の分布量)、漁獲対象の親イカの分布量および海洋環境を調査することを目 的とした。 【調査期間】2014 年 12 月 22 日~2015 年 1 月 5 日 【成果概要】1)表面水温 23〜25oC では、プランクトンネットでのふ化稚仔の採集量 は少なく、手釣りによる親イカ採集量も少なかった(下図左)。2)表中層トロールで は全ての調査点で、これから加入サイズに達する外套長 2~22cm の若齢を主体としたト ビイカの分布が確認された(下図右) 釣り調査(親イカ) 表中層トロール調査(若齢と成体) 上記のことから、以下の可能性が高い: ・ 冬季の産卵場は、本調査海域よりも表面水温の高い南の海域である。 ・ 冬季の釣り漁場となるのは、本調査海域よりも表面水温の高い南の海域である。 次回、春季の調査を同海域で 4—5 月に計画している。
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