公益社団法人日本地理学会 - 東京大学空間情報科学研究センター

公益社団 法人日本 地理学会
鳥の眼から虫の眼ヘ一地形・地物情報の高解像度化革命ー
東京大学空間情報科学研究センタ一准教授早川裕弐
で扱われる 地理データの空間スケ ール
周知の通り、 GIS
は様々だが、よく 使われるものでは、データのカバー範囲
で、言って数km長以上のものが多いだろう 。 とくに水文、
植生、気候、地形といった自然地理に関する現象は、衛
星画像や空中写真などが有効に活用されてきた。 これら
敵した状態で捕らえ
、 地表における現象を高高度から傭│
は
る、いわば鳥の視点に基づいたデータとも 言える 。
フ
、
ところが近年、この「鳥の眼」を凌駕 し、より微細で
レキシブルな「虫の眼」で、 地表面の空間情報を取得す
ることが可能になってきている 。小型無人航空機 (UAV)
や地上機材を活用 した高解像度化 イノヴェ ーションだ。 こ
こではそう した技術の中でも著しい発展と普及を見せてい
on)多視点写真測量と TLS
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るSfM (
)。
) について紹介する(図 1
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UAS (
に搭載
UAV
system)は小型
したデジタルカメラで、有
人航空機 よ りも低高度から
の空撮画像を多量に取 得す
るシステムであり、こ こか
多視点写真 測量によ
らSfM
次元形状やオルソ
り地表の3
化 画{象を得ることができ
やデ
る。空撮に用いる UAV
ジタルカメラ、また SfM多
視点写真測量を行うソフ トウェアやハ ード ウェアの高性能
の適用範囲を革命的に広めて
、 UAS
化および低価格化が
いる 。一方TLSは、機材が高価 なため UASほど手軽で、は
次元情報を、非可視領
ないが、より正確な地形 ・地物の 3
域においても取得可能とするものである 。 これらを用いる
用いれば、踏査や大型航空機などではアクセス困難な対
象地 においても 、虫が飛ぶような機動性で近接画像を取
得し 、 f~;平明な地形情報を得ることができる(※ 2) 。
SfM多視点写真測量は、手持ちのカメラでも容易に実現
できる 。図2bは、道端にある庚申塔(東京都板橋区)の
数枚
0
前面の起伏を手持ちのコンパク トデジタルカメラで 1
、
り
よ
に
。表面の風化
撮影した画像から計算した例である
実物を見てもはっきりしない庚申塔の文字が、形状データ
Sでエッジ強調することで鮮明に解読可能と
(DEM) をGI
なる 。
一方、基本は相対的な座標系である写真測量に対し、
TLSでは距離情報がダイ レク トに、厳密な計量座標系で取
得できるため、微細な表面形状やその変化の計測に優れ
ている 。図2cは、安田講堂(東京大学本郷キャンパス)
エン トランスポーチの正面において、砂岩ブロックの 凹み
をTLSにより定量化 したものである 。人為的な破壊や修復
箇所も含まれるが、主には塩類風化によるブロック表面の
凹みが見事に再現されている 。
これらはほんの一例だが、高解像度地形 ・地物情報の取
得や利活用は、技術の進化も 含めその環境がめまぐるしく
変化し ている 。また高解像度化に伴うノイズ処理や精度検
証といった課題も、あわせて解決していかなければならな
いであろう 。高解像度化 イノヴェーションは、 まさに今、
展開されつつある 。
※
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fM手法と地上レー
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)庚 申 径 の 表
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)UASによる華厳滝の 3Dモデル (小花和宏之氏作成) (
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図2 (
)安田講堂工ン トランス石材の風化深分布
c
文字の鮮明化 (
と、
カバ ー 範聞は 比 較的狭く と も数km、解像度は cm~
mm単位といった高精細な 地形・地物情報が容易に取得で
きる(※1)。
例 を挙げてみよう 。図2aは、UASにより取得 した華厳
Dテクスチャモデルであり、滝の
栃木県日光市)の 3
滝 (
次元構造が忠実に再現されている 。UASを
周囲の崖面の 3
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干 1
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