世界的な低金利と株高の持続性~グローバルに

みずほインサイト
マーケット
2015 年 3 月 9 日
世界的な低金利と株高の持続性
市場調査部主席エコノミスト
グローバルに広がる金融緩和とバブルリスク
03-3591-1244
武内浩二
[email protected]
○ 原油価格の下落は、世界的なディスインフレ傾向を強め、理由は国によってまちまちであるが、先
進国だけでなく新興国や資源国も含めて金融緩和を促す一因となっている
○ 金融緩和の広がりはグローバルな金利低下を促し、特に量的緩和を行っている日欧の長期金利は低
位での推移が続き易い。一方、米国の長期金利は利上げに伴って上昇ペースが速まる可能性も
○ 金融緩和は世界的な株高にも繋がっているが、日米株は企業業績の改善を伴っており、バブル懸念
は乏しい。ただし、米株は割高感が強まっており、利上げが近づく中で調整リスクが高まろう
1.グローバルに広がる金融緩和
昨年来、世界的に金利は低下傾向で推移し、現状も日欧は未曽有の低金利水準、利上げが意識され
る米金利も上昇が抑制されている。一方、株価は米国やドイツ、英国などが最高値を更新、日本も日
経平均が15年ぶりの高値圏まで値を上げるなど、世界的に上昇基調となっている。こうした背景には、
グローバルに広がる金融緩和の動きと、それに伴う潤沢な投資マネーの存在があるとみられる。本稿
では、現状の金融緩和の広がりを概観した上で、世界的な低金利と株高の持続性について考察したい。
最近金融緩和の発表が相次いでいるが、緩和の理由については景気下支えやデフレへの対応、通貨
高への対応など、各国・地域ごとにまちまちである(次頁図表3)。共通しているのは、最近の原油安
を受けた世界的なディスインフレ傾向が金融緩和を促す一因になっていることであろう(図表1)。
図表1
先進国・新興国のインフレ率
図表2
(%)
12
(2010年=100)
需給ギャップ(右目盛)
115
実質GDP(左目盛)
110
潜在GDP(左目盛)
世界
10
先進国
8
新興国
先進国の需給ギャップ試算
試算値
(%)
5
4
3
105
2
6
100
4
95
2
90
0
85
1
0
▲1
▲2
世界的にディスインフレ傾向
▲2
2006
07
08
09
10
11
12
13
14
80
(年)
▲3
▲4
2000 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 (年)
(注) 先進国は、米国、ユーロ圏、日本、英国、韓国、カナダ、オーストラリア、台湾の各国
実質GDPを2010年基準で指数化し、PPPベースGDPの2010年シェアで合成。
2014年以降の日米欧はみずほ総研の予測、その他はIMFの予測を使用。
潜在GDPはHPフィルターで算出。
(資料)IMF、各国統計よりみずほ総合研究所作成
(注) エネルギー・食料を含む総合消費者物価の上昇率。
(資料) IMFより、みずほ総合研究所作成
1
先進国については、リーマン・ショック以降の需要不足によって大幅なマイナスの需給ギャップを
抱えた状況が続いており、みずほ総合研究所の推計では2014年の段階でも3%程度のギャップがあると
試算される(前頁図表2)。もともとディスインフレ傾向が強かったところに、足元の原油安が拍車を
かけた格好となっている。デフレ脱却を標榜する日本やデフレ懸念が意識されるユーロ圏でも、原油
安が追加緩和の後を押すことになった。日銀は昨年10月に市場の予想に反して追加緩和を決定したが
(10月31日)、追加緩和の理由として「原油価格の下落により期待インフレ率が低下するリスクの顕
在化を未然に防ぐ」ことを挙げている。また、ECBは今年1月の理事会(1月22日)で、ドイツの反
対を押し切って、毎月600億ユーロの国債を含めた資産購入を実施するという量的緩和の導入を決定し
た。原油安によってユーロ圏のインフレ率が前年比でマイナスに転じたことはECBの量的緩和導入
を促す一因になったと考えられる。一方、新興国は全般に景気下支えという側面が強い。中国を中心
に新興国の成長率は鈍化傾向である。また、米国の出口戦略が意識され始めた2013年以降、通貨安へ
の対応から景気を犠牲にして引き締め気味の金融政策を続けていたインドやインドネシアなど、原油
安を受けたインフレ率の低下によって、金利を引き下げる余地が出てきたという国も散見される。
今後については、原油価格が当面低位で推移するとすれば、新興国や資源国を含めて金融緩和の動
きがさらに広がる可能性があろう。少なくとも現状緩和的な金融政策を実施している国の多くは、緩
和姿勢を維持するとみられる。ECBは量的緩和を導入したことで当面はその効果を見極めていくこ
図表3
最近の各国金融緩和動向
景気下支え
● カナダ(利下げ;15/1)
● ノルウェー(利下げ;14/12)
● 中国(利下げ;14/11、15/2、預金準備率引き下げ;15/2)
●
●
●
●
●
●
●
インド(利下げ;15/1、15/3)
ロシア(利下げ;15/1)
韓国(利下げ;14/8、14/10)
シンガポール(対ドル政策バンドの傾斜緩和;15/1)
ベトナム(預金金利上限引き下げ;14/10、対ドルレート切り下げ;15/1)
トルコ(利下げ;14/7、15/1、15/2)
インドネシア(利下げ;15/2)
通貨高への対応
デフレへの対応
● ユーロ圏(量的緩和拡大 ;14/10、15/1)
● スウェーデン(利下げ;14/7、14/10、15/2、
量的緩和;15/2)
● オーストラリア(利下げ;15/2)
● スイス(対ユーロ上限撤廃;15/1)
● デンマーク(利下げ;15/1、預金準備率
引き下げ;14/9、15/1、15/2)
● 日本(量的緩和拡大;14/10)
(注) 2014 年 7 月以降に金融緩和を決定した国・地域。
(資料) Bloomberg より、みずほ総合研究所作成
2
とになろうが、日銀については、今後コアインフレ率がマイナスに転じる可能性が高いことを踏まえ
れば、追加緩和の可能性もあるとみている。因みに、原油価格は緩和的な需給環境が続き易いことか
ら、下落が一服したとしても、その後の反発力は弱いと予想している。原油価格下落の背景には、世
界経済の需要不足に加え、米国のシェールオイルの生産増など供給要因も強く影響している。OPECが
減産に慎重な姿勢を崩していない中、価格反転の鍵を握るのは米シェールオイルの生産調整である。
米国の原油掘削装置は、2015年に入って稼働数が急減しているが、米国の原油生産量が減少するまで
には至っておらず、生産調整は長期化する可能性が高い。ただし、WTIとブレントの価格スプレッ
ドの拡大は地政学的リスクが再び油価の上昇要因として働き始めている兆候と捉えることもでき、再
び価格が急騰する可能性にも一定の留意は必要であろう。
2.グローバルな低金利の持続性と債券バブルの可能性
グローバルな金利低下はこうした日欧を中心とした金融緩和を背景としており、現象面からは説明
可能であるが、水準面からみるとやや異常といえる。日独のイールドカーブは短いゾーンからマイナ
ス金利が浸透し、ドイツは足元6年ゾーンまでがマイナス、日本も一時5年ゾーンまでが水面下に沈ん
だ。10年国債利回りは日独ともに一時0.2%台と史上最低を更新した。足元は高値警戒感による利益確
定売りなどから多少反発がみられるものの、依然として期待成長率や期待インフレ率などを考慮した
ファンダメンタルズからはとても説明がつかない水準といえよう。米国についても、今年中に利上げ
を開始し、FOMCのメンバーによる中長期的なFF金利水準の中央値が3%台後半であることを踏まえれ
ば、2.0%前後の10年国債利回りの水準は低すぎると考えられる。図表4は、
「長期金利は現在および将
来予想される短期金利の平均に等しい」という期待仮説の理論を前提に、FOMCメンバーによる政策金
利見通しの中央値を使って算出した米10年国債利回りの理論値と実績値の比較である。米国の出口戦
図表4
米10年国債利回りの実績及び理論値
図表5
100%
(%)
4.0
600
3.5
500
60%
400
40%
3.0
80%
試算値
2.5
実績値
0%
200
(bp)
1.5
100
1.0
0
0.5
20%
300
2.0
-20%
-40%
-60%
▲ 100
-80%
▲ 200
-100%
試算値-実績値(右目盛)
0.0
2012
米長期国債の投資家別資金流出入寄与率
2013
2014
2015
2016
海外
通貨当局
投資信託
MMMF
保険
年金
その他
98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14
2017
(年)
(注) 2014年は第3四半期までの累計。年金は短期国債と長期国債の区分がない
ため、すべて長期国債としてカウント。
(資料) FRBより、みずほ総合研究所作成
(注) 長期金利の試算値は、FOMCメンバーによる政策金利見通しの中央値から算出。
(資料) FRB、Bloomergより、みずほ総合研究所作成
3
略を意識した2013年の金利上昇によって実績値は一旦理論値を上回ったものの、2014年以降は金利が
低下基調で推移し、2月末時点では理論値に対して100bp以上下方に乖離した形となっている。実際の
長期金利は期待仮説よる理論値に流動性リスクや財政リスク、将来の不確実性などがタームプレミア
ムとして上乗せされると考えられる。したがって、理論値からの下方乖離は、①そもそも理論値自体
がもっと低い、つまり市場参加者が将来の短期金利の予想をFOMCメンバー見通しの中央値より慎重に
みているか、②タームプレミアムが何らかの要因によって大幅なマイナスとなっているか、もしくは
③その両方の要素が加わっているか、のいずれかということになる。仮にタームプレミアムがゼロと
して、2月末の10年国債利回りから将来の短期金利の水準を逆算すると、利上げペースを年間1%程度
と緩やかなものに留めたとしても、中長期的な短期金利の水準は2%台前半になる。米国の長期停滞論
などが議論される中、そうした見方をしている市場参加者もいようが、多くの投資家がそこまで米国
経済の将来に対して悲観的にみているとも考えにくいのではないか。だとすれば、タームプレミアム
が金利の押し下げ要因として働いていると考えるのが自然であろう。タームプレミアムの押し下げ要
因としては、金融緩和による需給面からの影響が強いと考えられる。米長期国債の投資家別資金流出
入寄与率をみると、2013年以降、通貨当局つまりFRBによる資金流入の寄与が最も高くなっており、
QE3による長期国債の購入が債券需給の引き締め要因になっていたことがわかる(前頁図表5)。た
だし、2014年については、海外投資家及び国内の年金や投資信託などの寄与も増加している。特に2014
年10月にQE3が終了してからは、こうした幅広い投資家の米国債購入が金利低下を促していたと考
えられる。追加金融緩和を背景に日欧の長期金利が低下する中、相対的に利回り水準の高い米国債市
場にファンダメンタルを無視した資金が流入し、米国債利回りを一段と低下させた可能性が高い。
ファンダメンタルズから大きく乖離した相場がバブルだとすれば、グローバルな債券バブルが進行
しているといえるのかもしれない。通常のバブルであれば、明確なきっかけがないとしても、いつ崩
壊してもおかしくはない。しかし、日欧の債券バブルを主導しているのは中央銀行であり、
「官製バブ
ル」ともいえる。したがって、大規模な量的緩和が続いている限り、日欧は金利低下もしくは低位で
の金利推移が続く可能性があるといえよう。足元の日本の長期金利は年始にかけての金利低下の反動
から調整地合いが続いているものの、金利が上昇に転じたと考えるのは早計である。一方、米国につ
いては日欧とは状況が異なっている。量的緩和終了後も再投資政策によって大量に購入した国債残高
を維持していることから、FRBが米国の債券相場を支える一役を担っている側面もあるが、2014年
以降の金利低下は日欧の金利が低下する中で、前述のとおり相対的に利回り水準の高い米国債市場に
資金が流入したという投資家による需給の影響が大きいと考えられる。こうした投資行動は当面続く
可能性がある反面、いつ相場の反転が起きても不思議ではない。過去の利上げ局面をみると、利上げ
を織り込む形で長期金利が先行して上昇し、利上げ開始が近づくに従って短期金利の上昇が長期金利
の上昇ペースを上回り、イールドカーブはベアフラットニングに転じていくことが多い。しかし、今
回は利上げを前に長期金利が低下もしくは低位での推移が続いているため、利上げの前後に長期金利
が大きく上昇するリスクには警戒が必要である。その際、限界的かもしれないが、日欧の長期金利に
も上昇圧力が加わる可能性はあろう。
4
3.グローバルな株高の持続性と資産バブルの可能性
グローバルな株価上昇の背景にも、日欧を中心とした金融緩和を映じた投資マネーの流入があると
みられる。では、足元の株式市場はバブルかといえば、そうではないであろう。かつての日本のバブ
ルや米国のITバブル時のように、予想利益と比較して株価が極端に割高な水準にはなっていないか
らである。例えば、ナスダック総合指数は15年ぶりにITバブル時の最高値に近づいているが、予想
PERでいえば、当時の100倍超に対して現状は20倍程度である。業種や銘柄によっては極端に割高な
ものもあるが、全体としては、当時が利益水準を無視した期待先行の株高だったのに対し、足元は利
益が伴った株価の上昇と評価することができる。ただし、米国株式相場に調整余地がないかといえば、
短期的な調整リスクは高まっていると考えられる。S&P500指数の過去の平均的な予想PER(12カ月
先予想利益ベース、以下の予想PERも同様)は14~15倍である。しかし、昨年来一貫して株価はこ
の水準を上回って推移しており、特に昨年11月ごろからは原油価格の急落などの影響から予想利益が
下方修正されているにも拘わらず、株価が高値を維持しているため、割高感は徐々に強まっている(図
表6)。因みに昨年9月末と今年の2月末時点のS&P500採用企業の2015年予想EPSを比較すると、1割弱
下方修正されており、そのうち7割強がエネルギー及び素材セクターによるものである。今後、FRB
による利上げ時期が徐々に近づくことを踏まえれば、株価が一旦調整局面に入る可能性を考えておく
べきであろう。過去開始前後の株価推移をみると、利上げ開始の数か月前から利上げ開始直後の間に
一旦株価はピークをつけ、その後数カ月間は調整もしくは横ばい圏での推移となっている。この間の
予想PERの推移をみると、株価がピークをつける時点では割高な水準まで上昇しているものの、そ
の後の調整局面で予想利益の水準が上がってくことから割高感は解消されている。今回についても、
こうした展開となる可能性は十分に考えられる。一方、米国が利上げ局面に至っても、日欧を中心と
図表6
S&P500指数と同予想PERに基づく試算値
図表7
(pt)
2400
(利上げ開始月=100)
120
PER15倍のS&P500試算値
PER14倍のS&P500試算値
PER13倍のS&P500試算値
S&P500指数(月中平均値)
2200
2000
米利上げ開始前後の株価推移
94年~
99年~
04年~
15年~
115
110
1800
105
1600
100
1400
95
利上げ開始月
90
1200
85
1000
80
800
75
600
05
06
07
08
09
10
11
12
13
14
15
(注) 予想PERは12カ月先予想EPSベース。2015年3月以降は、暦年の予想EPS
をもとに12カ月先予想EPSを算出。
(資料) Datastreamより、みずほ総合研究所作成
70
16
-18 -15 -12
(年)
-9
-6
-3
0
3
6
9
12
15
18
(ヶ月後)
(注)利上げ開始月を100としたS&P500指数の推移。
2015年は6月を利上げ時期とした場合の2月までの株価推移で、2月=100として指数化。
(資料)Bloombergより、みずほ総合研究所作成
5
した金融緩和の影響から株価の調整が行われず、これまでと同様の上昇ペースが維持されたとすれば、
将来のバブルリスクが高まっていくことになろう。
では、日本株についてはどうか。日本株の予想PERは、かつては恒常的に欧米株よりも割高な水
準で推移していたが、近年は概ね国際水準並みに低下している。仮に米国並みの予想PER14~15倍
を基準にして考えると、過去3年間の日本株はこれを下回る水準で推移する時期が多く、足元の上昇で
も漸くこれに届く水準に至ったにすぎず、割高感は乏しい(図表8)。また、予想利益の水準自体が、
円安や原油価格の下落によって更に上方修正される可能性が高まっていることを踏まえれば、株価に
は一段の上昇余地があると考えられる。ただし、日本株についても留意すべき点はある。日本株の投
資主体別売買動向をみると、2013年以前は日本株の主な買い手は海外投資家であり、相場の方向性は
海外投資家の動向次第であった。しかし、ここ1年は信託銀行(年金等)の買い越しが目立っており、
事業法人や投資信託などを加えた国内投資家が日本株を支えているように見える(図表9)。勿論、依
然として海外投資家の影響は強く、昨年10月の日銀追加緩和後の上昇相場を主導したのは海外投資家
であったが、その後の利益確定売り局面でも株価が底堅く推移したのは国内投資家の影響が強まって
いることによるものである。国内投資家の影響が強まることは、日本株にとって望ましいことといえ
るが、背景にあるのがアベノミクスの一環である公的年金の運用見直しであり、更に日銀の金融緩和
に伴うETFの買い入れも相場の下支え要因として一定の影響があったとすれば、
「官製相場」的な色
彩が強まっている可能性がある。かつて株式の持ち合い構造が、日本株のバリュエーションを歪め、
バブルを生み出したように、官主導の資金流入が再び需給の歪みに繋がれば、将来のボラティリティ
を高めることになるのではという点は気がかりである。
図表8
1,700
1,600
1,500
TOPIXと同予想PERに基づく試算値
図表9
日本株の投資主体別売買動向
(千億円)
30
(pt)
予想PER15倍のTOPIX試算値
予想PER14倍のTOPIX試算値
TOPIX(月中平均)
買
い
越
し
1,400
20
10
1,300
0
1,200
1,100
▲10
1,000
売 ▲20
り
越
し ▲30
900
800
700
600
▲40
12/03 12/09 13/03 13/09 14/03 14/09 15/03 15/09 16/03
信託銀行(年金等)
事業法人
投資信託
個人
海外投資家
13/1 13/4 13/7 13/10 14/1 14/4 14/7 14/10 15/1
(年/月)
(年/月)
(注)試算値はTOPIXの12カ月先予想EPS から逆算。12カ月予想EPSは2月末時点のデータ
(資料)Datastream、Bloombergより、みずほ総合研究所作成
(注) 二市場一・二部合計。
(資料) 東京証券取引所より、みずほ総合研究所作成
6
5.おわりに
本稿では、原油価格が低位で推移すれば、日欧を中心に一部の新興国や資源国も含めて金融緩和が
強化または維持される可能性が高く、これによってグローバルな低金利や株高も続き易いことを指摘
した。特に「官製相場」の色彩が強い日欧の長期金利や割高感の乏しい日本株相場は低金利・株高基
調が続く蓋然性が高いとの見方を示した。これに対して、米国については、グローバルな緩和基調と
いう環境が需給面から債券相場や株式相場を支える可能性がある一方、利上げに伴って相場が調整す
る可能性も相応に高く、留意が必要であるというのが、本稿におけるインプリケーションである。た
だし、これはむしろファンダメンタルに即した健全な調整と言え、こうした調整を経ずに低金利が続
けば、債券バブルの様相が増々強まり、更に低金利を背景に株価がこれまでの上昇ペースを維持する
ようであれば、資産バブルに繋がる可能性も高まっていくことになろう。
●当レポートは情報提供のみを目的として作成されたものであり、商品の勧誘を目的としたものではありません。本資料は、当社が信頼できると判断した各種データに
基づき作成されておりますが、その正確性、確実性を保証するものではありません。また、本資料に記載された内容は予告なしに変更されることもあります。
7