詳細 - バイエル薬品

バイエル薬品株式会社
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News Release
本資料は 9 月 18 日にバイエル ヘルスケア社が発表したプレスリリースを日本語に翻訳したもので、報道関係者各
位へ参考資料として提供するものです。この資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については
英語を優先します。原文は www.bayerhealthcare.com をご参照ください。
アイリーア®(アフリベルセプト硝子体内注射液):
糖尿病黄斑浮腫を対象としたアイリーアの第 III 相臨床試験の 3 年目の結果、
改善した視力が維持
ベルリン、2015 年 9 月 18 日 ― バイエル ヘルスケア社は本日、糖尿病黄斑浮腫(DME:diabetic
macular edema)による視力障害の治療薬アイリーア®(アフリベルセプト硝子体内注射液)の第 III 相臨床
試験である VIVID-DME 試験について、3 年目の最新結果を発表しました。フランス・ニースで開催中
(2015 年 9 月 17 日~20 日)の第 15 回欧州網膜学会議(EURETINA)総会において本日発表された結
果によれば、レーザー光凝固術群と比較して、アイリーア 2mg 群では最高矯正視力(BCVA)の改善が 3
年目まで維持されました。
本日、EURETINA 総会でデータを発表した、VIVID-DME 試験の治験責任医師であるボルドー大学病
院 眼科主任のジャン-フランソワ・コロベルニク教授は次のように述べています。「糖尿病の影響で視力障
害を患う患者さんに対して、視力を改善し、長期的に維持できる機会を提供することは極めて重要です。
それゆえ、患者さんが 1 年目に達成した視力改善が 3 年間にわたり維持されたことを示すこれらのデータ
は大変有望です」
VIVID-DME 試験はこれをもって完了しました。本試験の被験者は、アイリーア 2mg を 4 週ごとに投与す
る群(n=136)、アイリーア 2mg を 4 週ごとに 5 回投与後、8 週ごとに投与する群(n=135)、対照群であるレ
ーザー光凝固術群(n=132)のいずれかに無作為に割り付けられました。3 年目以降、レーザー光凝固群
の被験者は治験実施計画書の再投与基準(PRN 投与)に基づき、アイリーア 2mg の投与を受けることが
できました。治療前(ベースライン)から 3 年目の BCVA の平均変化量は、アイリーアを 4 週ごとに投与し
た群では 10.3 文字、アイリーアを 4 週ごとに 5 回投与後、8 週ごとに投与した群では 11.7 文字でした。一
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方、レーザー光凝固群では 1.6 文字でした。さらに、3 年目において、ベースラインから 15 文字以上(臨
床試験で視力を測定する際に標準的に用いられている ETDRS 視力表で 3 行以上)の有意な視力改善
を維持した患者さんの割合は、アイリーアを 4 週ごとに投与した群では 41.2%、アイリーアを 4 週ごとに 5
回投与後、8 週ごとに投与した群では 42.2%であったのに対して、レーザー光凝固群では 18.9%でした。
本試験において、有害事象の発現率は、アイリーア群とレーザー光凝固群で同様でした。安全性の結果
は、VIVID-DME 試験および VISTA-DME 試験の 1 年目および 2 年目のデータ、および既知のアイリー
アの安全性プロファイルと同様でした。有害事象は、硝子体内の抗 VEGF 療法を受けている糖尿病患者
さんを対象とした他の試験でも典型的にみられる事象でした。アイリーア群で最もよく見られた眼の有害事
象は、結膜出血、白内障、眼圧上昇などでした。アイリーア群でよく見られた眼以外の有害事象は、鼻咽
頭炎、高血圧などでした。Anti-Platelet Trialists' Collaboration(APTC)により定義された動脈血栓塞栓事
象(非致死性の脳卒中、非致死性の心筋梗塞、血管死)が発現した患者さんは、アイリーアを 4 週ごとに
投与した群では 136 人中 14 人(10.3%)、アイリーアを 4 週ごとに 5 回投与後、8 週ごとに投与した群では
135 人中 6 人(4.4%)、レーザー光凝固群では 133 人中 7 人(5.3%)でした。
アイリーアは、滲出型加齢黄斑変性(wet AMD:wet age-related macular degeneration)、DME、網膜中心
静脈閉塞症(CRVO:central retinal vein occlusion)に伴う黄斑浮腫の治療薬として承認されています。欧
州、日本、米国では、網膜静脈分枝閉塞症(BRVO:branch retinal vein occlusion)や CRVO を含む網膜
静脈閉塞症(RVO:retinal vein occlusion)に伴う黄斑浮腫の治療薬として承認されています。日本、タイ、
韓国では、病的近視における脈絡膜新生血管の治療薬としても承認されています。本剤は販売開始以来、
世界で 500 万回以上投与されています。
バイエル ヘルスケア社とリジェネロン社は、アイリーアの国際共同開発を行っています。リジェネロン社は
アイリーアの米国内での独占販売権を保有しています。バイエル ヘルスケア社は米国以外での独占販売
権を有し、その利益は両社で均等分配されます。日本は例外で、リジェネロン社は日本での売上に応じて
一定割合を受け取ります。
糖尿病黄斑浮腫(DME:diabetic macular edema)について
DME および糖尿病網膜症(DR:diabetic retinopathy)は、糖尿病の患者さんによくみられる細小血管合併
症です。DR は、網膜の血管が障害される疾患です。黄斑部中心窩は、鮮明な中心視力に関与する網膜
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の光感知部位で、そこに血漿成分が漏出すると DME が起こります。黄斑部における血漿成分の漏出は、
高度な視力障害や失明の原因になる場合があります。
DME は若年層および中年層の成人で最も多い失明原因です。糖尿病患者さんの約 3%に DME による
視力障害が見られます。糖尿病の発症が徐々に増加していることから、DME の影響を受ける患者さんの
数も増加することが予測されます。
血管内皮増殖因子(VEGF)とアイリーア®(アフリベルセプト硝子体内注射液)について
血管内皮増殖因子(VEGF:vascular endothelial growth factor)は、生体内に存在する天然のタンパク質で、
通常の役割は組織や器官の成長を支える新しい血管の形成(血管新生)を促すことです。しかし一方で、
眼内における異常な血管新生にも関与しており、血管透過性が異常に亢進し、浮腫を誘発します。
アイリーア®は、ヒト VEGF 受容体 1 と受容体 2 の細胞外ドメインの一部をヒト IgG1 の Fc ドメインと融合さ
せた遺伝子組換え融合タンパク質で、硝子体内への投与が可能となるよう等張化された注射液として開
発されました。アフリベルセプトは、可溶性のデコイ(おとりの)受容体として VEGF-A と胎盤成長因子
(PlGF:placental growth factor)に結合することにより、本来の VEGF 受容体への結合および活性化を阻
害することができます。
バイエル薬品株式会社
2015 年 9 月 24 日
Bayer Yakuhin, Ltd./Communications
リジェネロン ファーマシューティカル社について
リジェネロン社は、ニューヨーク州タリータウンを本拠とする、科学に基づくリーディング・バイオ製薬企業です。重篤疾患治療薬の
創製・発明、開発、製造、販売を行っています。リジェネロン社は、眼疾患、結腸直腸癌、および希少な炎症性疾患を対象とした
医薬品を販売しており、高コレステロール血症、がん、関節リウマチ、喘息、アトピー性皮膚炎といったアンメット・メディカル・ニー
ズの高い領域に開発品があります。リジェネロン社に関する詳細な情報については、同社のサイトでご覧になれます。
www.regeneron.com
バイエル ヘルスケア社について
バイエルは、ヘルスケアと農業関連の領域を中核事業とするグローバル企業です。バイエル社の一事業グループであるバイエル
ヘルスケア社は、ドイツ・レバクーゼンを本拠とし、200億ユーロ(2014年)の売上高を持つヘルスケアと医薬品業界の革新的なリ
ーディングカンパニーです。同社の世界的な事業活動は、動物用薬品、コンシューマーケア、メディカルケア(画像診断関連製品、
血糖自己測定器等)、医療用医薬品の分野に及びます。バイエル ヘルスケア社の目標は、人々と動物の健康を促進する製品を
開発、製造、販売することです。バイエル ヘルスケア社は世界100カ国以上で60,700人(2014年12月31日現在)の従業員が働く
グローバル企業です。
www.healthcare.bayer.com
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将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements)
このニュースリリースには、バイエルグループもしくは各事業グループの経営陣による現在の試算および予測に基づく将来予想に
関する記述 (Forward-Looking Statements) が含まれています。さまざまな既知・未知のリスク、不確実性、その他の要因により、将
来の実績、財務状況、企業の動向または業績と、当文書における予測との間に大きな相違が生じることがあります。これらの要因
には、当社の Web サイト上(www.bayer.com)に公開されている報告書に説明されているものが含まれます。当社は、これらの将
来予想に関する記述を更新し、将来の出来事または情勢に適合させる責任を負いません。
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