「C3 大口電力使用量」「Lg5 法人税収入」の季節調整替え

「C3 大口電力使用量」「Lg5 法人税収入」の季節調整替えについて
平成 27年3月6日
内閣府経済社会総合研究所
景気統計部
景気動向指数では、平成 27(2015)年 1 月分速報(3 月 6 日公表)において、「C3 大口電力使用
量」「Lg5 法人税収入」の季節調整替え1を行った(当該2系列は、当部にて独自に季節調整を実
施)。なお、季節指数の算出には、米国センサス局法 X12-ARIMA を利用した。今回適用したスペ
ックファイルは以下のとおりである。
(1)C3 大口電力使用量(データ期間:1975 年 1 月∼2014 年 12 月)
データ加工(注 1)
曜日調整・異常値等
(注 2)
今回
前回
対数、1階差
対数、1階差
標準曜日調整(TDNOLPYEAR)、
標準曜日調整(TDNOLPYEAR)、
閏年調整(LPYEAR)、
閏年調整(LPYEAR)、
日本型曜日調整(USER)
日本型曜日調整(USER)
異常値(LS2008.Dec, TC2009.Jan,
異常値(LS2008.Dec, TC2009.Jan,
TC2009.Feb, TC2011.Mar )
ARIMA モデル(注 3)
( 2 1 2 )( 0 1 2 )
( 2 1 2 )( 0 1 2 )
①モデルのタイプ:乗法型
①モデルのタイプ:乗法型
②移動平均項数:seasonalma=MSR
②移動平均項数:seasonalma=MSR
③ヘンダーソン移動平均項数:13 項
③ヘンダーソン移動平均項数:9 項
④特異項の管理限界:
④特異項の管理限界:
(下限 1.5σ 上限 2.5σ)
その他
(3×3)
(3×5)
X11 パートの設定
(注 4)
TC2009.Feb, TC2011.Mar )
Maxlead=2 の MAPR が最小
(下限 1.5σ 上限 2.5σ)
Maxlead=2 の MAPR が最小
(注 1) データ加工では、階差の選定、対数変換の是非を検証する。X12-ARIMA プログラムを用いて、階差を単位根検定で決定
し、参考に自己相関及び偏自己相関の動きを確認する。また、対数変換の是非は、先決された階差モデルを用い、AICC
によって決定される。
(注 2) 各種曜日調整と閏年調整の適否判定は、推定パラメタの t 値等による。他方、異常値検出は、X12-ARIMA の outlier コマ
ンドを用いている。
(注 3) ARIMA モデルの次数選定は、先決した階差に AR 及び MA の次数候補(0∼2)を変化させてモデルを推計し、AIC を基準
に選定している。ただし、それ以外の情報量規準や MAPR も参照している。
(注 4) X11 パートの設定項目は、総務省「季節調整法の適用にあたっての統計基準」に準拠している。
1
独自に季節調整を行っている6系列について、
「C3 大口電力使用量」
「Lg5 法人税収入」の2系列は年に1回、
「L10 投
資環境指数(製造業)」に用いる「営業利益(製造業)」及び「総資本額(製造業)
」、「C9 営業利益(全産業)」
、「Lg3
実質法人企業設備投資(全産業)
」に用いる「法人企業設備投資(全産業)
」の4系列は四半期ごとに季節調整替えを
行っている。
(2)Lg5 法人税収入(データ期間:1975 年 1 月∼2014 年 12 月)
データ加工(注 1)
曜日調整・異常値等
(注 2)
今回
前回
対数、1階差
対数、1階差
曜日調整なし
曜日調整なし
閏年調整なし
閏年調整なし
異常値(LS1975.May, AO1990.Jun,
異常値(LS1975.May, AO1990.Jun,
LS2009.Jan,AO2009.May)
( 2 1 1 )( 1 1 2 )
ARIMA モデル(注 3)
( 2 1 1 )( 1 1 2 )
①モデルのタイプ:乗法型
①モデルのタイプ:乗法型
②移動平均項数:seasonalma=MSR
②移動平均項数:seasonalma=MSR
(3×3)
(3×3)
X11 パートの設定
(注 4)
LS2009.Jan,AO2009.May)
③ヘンダーソン移動平均項数:23 項
③ヘンダーソン移動平均項数:23 項
④特異項の管理限界:
④特異項の管理限界:
(下限 1.5σ 上限 9.9σ)
その他
Maxlead=2 の MAPR が最小
(下限 1.5σ 上限 9.9σ)
Maxlead=1 の MAPR が最小
(注 1) ∼(注 4)は(1)に同じ。
これら2系列の季節調整値の動きを新旧で比較すると、図1及び2のとおりである。足元の平成
26(2014)年の前月比の動きをみると、ともに、季節調整替え後の新系列の方が、前月比の変化幅
が縮小し、より滑らかな動きとなっている。
なお、平成 27(2015)年1月分改訂時(3 月 17 日公表)には、独自季節調整系列のうち、法人企
業統計季報を用いた4系列(「L10 投資環境指数(製造業)」に用いる「営業利益(製造業)」及び
「総資本額(製造業)」、「C9 営業利益(全産業)」、「Lg3 実質法人企業設備投資(全産業)」に用い
る「法人企業設備投資(全産業)」)において季節調整替えを行う予定である。
(以上)
図1 C3大口電力使用量(季調値)の新旧比較
30,000
(全期間)
(100万kwh)
旧 平成26年12月分改訂時点
新 平成27年1月分速報時点
原数値
20,000
1975
1976
1977
1978
1979
1980
1981
1982
1983
1984
1985
1986
1986
1987
1988
1989
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
10,000
25,000
(平成22(2010)∼平成26(2014)年)
(100万kwh)
23,000
21,000
旧 平成26年12月分改訂時点
新 平成27年1月分速報時点
19,000
1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112
2010
2
(%ポイント)
2011
2012
2013
2014
前月比の改訂幅(季調替え後-季調替え前)(平成22(2010)∼平成26(2014)年)
1
0
△1
△2
1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112
2010
2011
H25(2013)/1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
H26(2014)/1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
2012
平成26年12月分改訂時点
(季調替え前)A
季調値
前月比(%)
21,737
△ 0.4
21,736
△ 0.0
21,755
0.1
21,906
0.7
21,947
0.2
22,040
0.4
22,140
0.5
22,131
△ 0.0
21,878
△ 1.1
22,244
1.7
22,158
△ 0.4
22,227
0.3
22,480
1.1
22,302
△ 0.8
22,371
0.3
22,003
△ 1.6
22,050
0.2
21,963
△ 0.4
21,868
△ 0.4
21,795
△ 0.3
21,470
△ 1.5
21,700
1.1
22,023
1.5
22,015
△ 0.0
2013
2014
平成27年1月分速報時点 前月比の改訂幅
(B-A)
(季調替え後)B
季調値
前月比(%)
前月比(%p)
△ 0.3
21,641
△ 0.7
0.3
21,699
0.3
△ 0.1
21,693
△ 0.0
0.4
21,923
1.1
△ 0.2
21,924
0.0
0.1
22,030
0.5
0.1
22,161
0.6
0.0
22,168
0.0
0.6
22,061
△ 0.5
△ 0.5
22,315
1.2
△ 0.5
22,117
△ 0.9
0.0
22,186
0.3
△ 0.3
22,362
0.8
0.3
22,242
△ 0.5
△ 0.2
22,275
0.1
0.5
22,027
△ 1.1
△ 0.3
22,007
△ 0.1
0.1
21,949
△ 0.3
0.2
21,903
△ 0.2
0.1
21,862
△ 0.2
0.7
21,689
△ 0.8
△ 0.7
21,781
0.4
△ 0.6
21,969
0.9
△ 0.1
21,955
△ 0.1
※C3大口電力使用量の全期間の季節調整値は、内閣府HP(http://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/di.html)に個別系列の数値として掲載している。
図2 Lg5法人税収入(季調値)の新旧比較
80,000
(全期間)
(億円)
旧 平成26年12月分改訂時点
新 平成27年1月分速報時点
60,000
原数値
40,000
20,000
1975
1976
1977
1978
1979
1980
1981
1982
1983
1984
1985
1986
1986
1987
1988
1989
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
0
12,000
(平成22(2010)∼平成26(2014)年)
(億円)
旧 平成26年12月分改訂時点
11,000
新 平成27年1月分速報時点
10,000
9,000
8,000
7,000
6,000
1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112
2010
2011
2012
2013
2014
前月比の改訂幅(季調替え後-季調替え前)(平成22(2010)∼平成26(2014)年)
10 (%ポイント)
5
0
△5
△ 10
△ 15
△ 20
△ 25
1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112
2010
2011
H25(2013)/1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
H26(2014)/1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
2012
平成26年12月分改訂時点
(季調替え前)A
季調値
前月比(%)
9,343
3.0
9,297
△ 0.5
9,135
△ 1.7
8,857
△ 3.0
8,878
0.2
8,253
△ 7.0
8,465
2.6
9,075
7.2
8,664
△ 4.5
8,511
△ 1.8
8,893
4.5
8,673
△ 2.5
8,560
△ 1.3
8,994
5.1
8,326
△ 7.4
7,992
△ 4.0
10,940
36.9
9,567
△ 12.6
9,203
△ 3.8
8,928
△ 3.0
9,041
1.3
9,392
3.9
10,644
13.3
9,160
△ 13.9
2013
2014
平成27年1月分速報時点 前月比の改訂幅
(B-A)
(季調替え後)B
季調値
前月比(%)
前月比(%p)
0.6
9,639
3.6
△ 1.4
9,457
△ 1.9
2.4
9,521
0.7
1.0
9,331
△ 2.0
△ 8.0
8,606
△ 7.8
4.1
8,360
△ 2.9
1.4
8,691
4.0
1.1
9,414
8.3
△ 0.1
8,977
△ 4.6
△ 0.5
8,769
△ 2.3
△ 3.0
8,903
1.5
5.8
9,194
3.3
1.3
9,193
△ 0.0
△ 3.7
9,318
1.4
4.7
9,068
△ 2.7
1.7
8,862
△ 2.3
△ 20.3
10,332
16.6
8.3
9,892
△ 4.3
2.4
9,754
△ 1.4
1.6
9,617
△ 1.4
0.0
9,744
1.3
△ 2.1
9,924
1.8
△ 6.9
10,556
6.4
9.4
10,080
△ 4.5
※Lg5法人税収入の全期間の季節調整値は、内閣府HP(http://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/di.html)に個別系列の数値として掲載している。