福島の子どもたちに体験活動を - 学生生活案内

福島の子どもたちに体験活動を
~これからの教員を生み出す福島大学が学生に養成すべきチカラ~
福島大学大学院 人間発達文化研究科
小山 竜
1.問題の所在
近年、急激な社会の変化により児童・生徒を取り巻く環境 が大きく変化している。特に
2008 年 よ り 人 口 減 少 社 会 と な っ た 日 本 に お い て は 、以 前 と 比 べ て 家 族 構 成 も 変 化 し 、家 庭
の在り方や子どもの生活環境にも変化が表れている。例えば、核家族の家庭において両親
は共働き、子どもは一人塾へ通うといった光景は当たり前 となった。また、公園で泥んこ
になりながら走り回って遊んでいた自分たちの遊びと比べ、現代の子どもたちは通信デジ
タル機器の発達もあって小型ゲーム機やスマートフォンで遊ぶ姿が見られるようになった。
このように子どもの生活スタイルや遊びの形態・場も変化している中で 、これからの教育
には何が必要で、教員としてどのような資質が求められるのだろうか。
これまでも文部科学省において児童・生徒の体験活動の機会減少が問題視され、体験活
動 の 充 実 が 訴 え ら れ て き た 。独 立 行 政 法 人 国 立 青 少 年 教 育 振 興 機 構 の 調 査 1 に よ れ ば 、自 然
体験活動をほとんどしたことがない小・中学生の割合について書かれており、例えばチョ
ウ や ト ン ボ 、バ ッ タ を つ か ま え た こ と の な い 割 合 が 平 成 10 年 度 で は 18.7%に 対 し て 、平 成
21 年 度 で は 41.0%に な っ て い る 。ま た 、海 や 川 で 泳 い だ こ と が な い 割 合 が 平 成 10 年 度 で は
9.8%に 対 し 、 平 成 21 年 度 は 30.0%で あ る 。 こ こ 10 年 に お い て も 体 験 活 動 の 機 会 が 減 少 し
ていることが数字として表れている。
さて、この問題について福島県に注目するとどうだろうか。震災以前からこの課題は指
摘 さ れ て い た が 、 3.11 以 降 状 況 は 悪 化 し て い る 。 福 島 大 学 附 属 小 学 校 の 公 開 研 究 会 (平 成
26 年 度 )後 の 社 会 科 分 科 会 で 、
「 震 災 以 降 の 福 島 の 社 会 科 を 考 え る 」で は 現 場 の 先 生 方 か ら
屋外での体験活動が十分に行えていないという切実な悩みを聞くことができた。 福島県の
体験活動の機会減少には自然的要因、社会的要因によって非常に困難な状況と言える。 そ
のため学校教育においては、児童・生徒にこの機会を保障するための教育システムを構築
することが急務であると考える。
2.1提言-生活科教育の充実
ここからは上記のような課題を踏まえ、今後の福島大学のビジョンに関して の提言をし
たい。問題の所在で述べたように体験活動の機会を保障していく仕組みが必要であるが、
では一体なぜ体験活動が必要なのであろうか。体験活動の意義・効果については様々ある
が 、独 立 行 政 法 人 国 立 青 少 年 教 育 振 興 機 構 の 調 査 2 に よ る と 、自 然 体 験 多 い 子 ど も の 方 が 意
欲・関心がある割合が高く、友達との遊びが多い方が規範意識や道徳心がある割合が高い
という結果が出ている。その他にも学力に好影響を与え、社会を生き抜く力が養成される
としている。このような教育的効果があることから、各教科においても体験的な活動を取
り入れた学習活動が求められている。
さ て 、 こ こ で 福 島 大 学 に お け る 「 生 活 科 教 育 の 充 実 」に つ い て 提 言 し た い 。1989 年 に 学
1
習指導要領が改訂されてから小学校低学年を対象に新設された生活科であるが、これまで
優れた実践がいくつも報告されている。生活科の目標は以下の通り である。
「具体的な活動や体験を通して、自分と身近な人々、社会及び自然とのかかわ
りに関心を持ち、自分自身や自分の生活について考えさせるとともに、その過程
に お い て 生 活 上 必 要 な 習 慣 や 技 能 を 身 に 付 け さ せ 、 自 立 へ の 基 礎 を 養 う 。 3」
この提言の理由としてはいくつかあるが、1 つ目は上記の目標を見て分かるように低学
年段階の子どもに自立への基礎を養うためには、具体的な活動や経験などいわゆる体験活
動 を 行 う 必 要 が あ る 。具 体 的 な 活 動 と し て は「 見 る 」「 聞 く 」「 触 れ る 」「 作 る 」「 探 す 」「 育
てる」
「 遊 ぶ 」が 学 習 指 導 要 領 で 挙 げ ら れ て い る が 、子 ど も の 自 由 な 活 動 を 観 察 す れ ば こ れ
らだけに限定できるものではない。また、その際には身近な人々や社会・自然との関わり
を大切にしなければならないため、生活科学習のコーディネート能力が必要とされる。 新
任教師または経験の浅い教員にとって、これらは非常にハードルが高い。実際、新任教師
は 低 学 年 で も 高 学 年 で も な い 3、4 年 生 を 任 さ れ る ケ ー ス が 多 い 。そ れ だ け 低 学 年 の 児 童 を
見取ることは難しい。また、優れた生活科の授業実践を見るとベテランの教師によるもの
が多い。だが、経験が必要であることは間違いないが、教員として 教科の特性を理解し、
ある程度実践できる能力は身につけたいものである。そのためにも、大学院において は生
活科のエキスパート教員を養成する仕組みとして「生活科教育学専修」を設けることが必
要であると考える。他大学に注目すると、確かに生活科教育学専修を設けている大学は少
ないが、奈良教育大学や琉球大学などは生活科専修が組織されている。
2 つ目の理由としては生活科に触れる機会が少ないという点である。大学生活の中で生
活科に触れるのは、小学校免許を取得希望の学生が指導法を学ぶ授業のみである。単位に
関わるものなので論違いかもしれないが、体験学習は中学校・高等学校でも当然行われる
ものであり、教員になることを希望している学生にとっては必要な授業になると考えてい
る。学類生に話を聞くと生活科の授業は好評な一方で、大学敷地内での学びにとどまって
いるのが現状である。大学での学びにも限界があるだろうが、例えば所有者の許可を得て
山に入る機会や農村地で田植えや畑仕事を体験するなど大学を出た学びを積極的に計画し
て い く 必 要 が あ る よ う に 感 じ る 。去 年 12 月 に 三 重 県 尾 鷲 市 と 宮 城 県 南 三 陸 町 の 森 を 訪 れ る
機会があった。尾鷲の森では雨が降った後で地面が滑りやすく、転んで膝 を擦り剥く経験
をした。まさか大の大人が転ぶわけがないと思っていたが、実際には行ってみないと分か
らないことが多すぎた。ここで言いたいことは、実際に自然に触れた人間でないと教育で
きないのではないかということである。体験活動の機会が減少している以前に、教師自身
が体験していない点に問題がある。
3 つ目は福島県の教育はもっと生活科に注目すべきと考えるからである。 特に体験活動
の機会が減少している福島県において、低学年から体験的な活動を行うことができる生活
2
科の重要性は高い。福島大学の人間発達文化学類の特色として「自然体験学校」という非
常に面白い取り組みがある。今年度大学院に入学した私は大学生が企画・運営し小中学生
と 交 流 す る 授 業 が あ る こ と に 驚 い た し 、福 島 県 に は 必 要 な 取 り 組 み だ と 考 え て い る 。ま た 、
人 間 発 達 文 化 学 類 の 他 に も 経 済 経 営 学 類 の 遠 藤 ゼ ミ を 軸 と し た「 コ ド モ イ ナ GO」な ど も 他
団体と協力しながら子どもたちと夏休みを活用した外遊びやキャンプ体験を行っている。
これらは大学生にとっては自然に触れる経験を積むことで今後に活きることは間違いない
だろう。ただ、児童・生徒に限って言えば今回の生活科の話とは少し異なる。これらは体
験活動ではあるが、主に活動の部分であって生活科の目標を達成できるものではない。 子
どもがどんなものに興味を抱き、追究しようとするかはその場その場に行ってみなければ
分からない。その点で企画化されたプログラムは生活科本来の性格にはそぐわない ため、
別物と考えるべきだろう。
「 体 験 あ っ て 学 び 無 し 」と い う 言 葉 が あ る が 、た だ 体 験 さ せ れ ば
いいわけではない。子どもたちに何を育てるのかを授業者は明確にし、そのためにはどの
ような学びが必要なのか、どんな手立てが必要なのかを検討していく必要がある。また、
福島県の小学校の教員採用試験の問題を見てみる と、生活科についての問題は出題されて
い な い 。他 の 都 道 府 県 で は 出 題 が 確 認 で き る が 、な ぜ か 福 島 県 は 生 活 科 の 知 識 を 問 わ な い 。
生活科を全く勉強せずに生活科を教えるケースも出てくるのではないだろうか。
4 つ目の理由としては、生活科の授業の進め方に違和感を覚えるからである。これは生
活 科 だ け に 限 っ た こ と で は な い 。一 言 で 言 う と 、教 師 が 何 で も 計 画 し す ぎ る よ う に 感 じ る 。
学習課題は本来子どもたちの中にあるもので、その様子を見取る中で計画が立つものであ
る。教師主導の授業展開では動機づけが上手くいかない限り、子どもたちに学習するた め
の切実感は生まれない。また、教師主導の授業展開であれば、教師が求めている発言でな
い場合、その発言が大切にされることはない。結局教師の自己満足の授業で終わってしま
い 、子 ど も た ち の 中 に は「 な ぜ こ の 活 動 を し た の か 」
「 な ぜ み ん な で 考 え た の か 」の 大 切 な
部分がはっきりしないままのケースが多い。以前に私は秋田大学へ 4 年間通っていたが、
附属小をはじめ何校か授業を見学することがあった。秋田と言えば、学力全国 1 位で有名
であるが、そこでは授業の前段階から学習課題が教師によって設定されていたが、子ども
たちがその通りに学習課題へ導かれていく姿を何度も見てきた。この部分が授業において
は大切だと感じている。最後に、具体的な活動・体験として計画しすぎた「遊び」の失敗
例について高杉氏はこのように述べている。
「 教 師 が 遊 び を 選 択 し 、 与 え た 場 合 に は 、 (途 中 省 略 )義 務 感 が 強 く な り 、 遊 び と
はいえなくなる。それを教師が気づかずに遊ばせたと考えるのは、教師自身の思
い上がりであり、勉強不足と言われても仕方があるまい。組織化まで教師がする
こともある。こうなると子ども不信につながる。子どもにとっての遊びの意味を
問 い 直 し 、 子 ど も の 力 で 遊 び を 作 り 出 す こ と の 大 切 さ に 気 づ く べ き で あ る 。 4」
3
2.2提言―大学からの連携―学生スタッフとして
学校教育では豊かな人間性や社会性を育むための画期的な学習活動が求められる。
そ の 際 に 筆 者 が 注 目 し た の は「 地 域 間 」交 流 の 実 践 で あ る 。例 え ば 秋 田 県 の 実 践 例 を 挙
げ る と 、学 校 主 体 で あ っ た 農 業 体 験 や 交 流 体 験 な ど の 体 験 学 習 を 、で き た 作 物 を 商 品 化
し て 実 際 に 地 域 で 販 売 す る と い っ た 商 品 学 習 へ と 展 開 し た り 、地 域 間 交 流 プ ロ グ ラ ム を
作 成 し て 秋 田 県 内 に お け る 地 域 同 士 に 限 ら ず 、北 海 道 札 幌 市 、福 島 県 い わ き 市 、静 岡 県
長 泉 町 、鹿 児 島 県 南 種 子 町 と い っ た 県 外 の 地 域 と も 連 携 し た り し て「 地 域 の 教 育 力 」を
交流するといった試みも展開されてきている。この実践に携わった 外池氏は「地域間」
交 流 の 実 践 の 意 義 に つ い て 次 の よ う に 述 べ て お り 、学 校 と 学 校 以 外 の 地 域 が 連 携・協 力
することで児童生徒の有意義で発展的な変化が期待できると指摘している。
「 ① 児 童 生 徒 の 変 容 (学 習 意 欲 ・ 表 現 力 の 向 上 、 協 調 性 ・ 社 会 性 の 伸 長 、 自 己 存
在 感 の 形 成・ふ る さ と 再 発 見 )、② 学 校 の 変 容 (地 域 の 教 育 力 を 積 極 的 に 取 り 入 れ よ
う と す る な ど の 教 員 の 意 識 改 革 、 行 事 か ら 総 合 へ の カ リ キ ュ ラ ム 改 革 )、 ③ 地 域 の
変 容 (学 校 の 教 育 活 動 に 対 す る 関 心 の 高 ま り と 協 調 体 制 の 強 化 )が 挙 げ ら れ る 5 」
この農業体験や交流体験といった体験学習をヒントに、 私は近年日本社会に普及してい
る「ツーリズム」という観光形態の一部に注目している。農山漁村において生活交流体験
を行うツーリズムであれば、課題の打開策に繋がると考えた。ツーリズムは自然豊かな地
域において様々な体験が可能であり、またその地域ならではの体験プランが用意されてい
るため多くの初めての体験が児童・生徒を待っている。そして、ツーリズムは学校の仲間
や体験をサポートしてくれる地域のスタッフとの交流を通して行われるものであるため、
課題に対して一定の効果があると考えられる。これまでツーリズムに関しては全国各地の
地域づくりや観光業の発展による経済的側面ばかりが注目されてきた。 これを教育の手立
てとして活用することで、福島の児童・生徒の体験活動の機会を保障できると考えた。
福島県は以前から教育旅行に力を入れており、県内外の教育旅行を誘致している。ラム
サ ー ル 条 約 登 録 湿 原 が あ る 尾 瀬 (桧 枝 岐 )や 田 代 山 (南 会 津 )や 、 昨 年 登 録 さ れ た 只 見 ユ ネ ス
コ エ コ パ ー ク (只 見 ・ 桧 枝 岐 )な ど 自 然 環 境 も 豊 か で あ り 、 体 験 の プ ラ ン ニ ン グ が 期 待 さ れ
る。さらに喜多方市は全国ではじめて「グリーン・ツーリズムのまち宣言」した市でもあ
り 、「 第 12 回 オ ー ラ イ ! ニ ッ ポ ン 大 賞 」 で は 全 国 2 位 に 相 当 す る 賞 を NPO 法 人 喜 多 方 グ リ
ーン・ツーリズムサポートセンターが受賞している。
さて、このような状況において福島大学が目指す役割とはどのようなものだろうか。以
前と比べて学校と地域の連携が少しずつ見られるようになり、体験活動 においても児童・
生徒が現地を訪れたり、ゲストティーチャーを招いたりすることで特色ある実践が展開さ
れてきている。そのような活動の中で大学生のスタッフを配置することは学校にとっても
地域にとっても、当然大学生本人にとっても意義深いものである。これまで学校ボランテ
4
ィアとして学校内での活動に携わる制度はあったが、例えば福島県内の自然を巡る教育旅
行などに大学生が関わる機会は無かった。学校内での学びとは異なり、多くの目を必要と
す る 自 然 体 験 活 動 を は じ め と し た 体 験 的 な 学 習 は 学 校 側・地 域 側 に と っ て も プ ラ ス に な る 。
また、大学生にとっては何より児童・生徒に接する機会となる。その際、教育実習のよう
な一時的な実習生と児童・生徒との友好的な関係では体験的な学習を阻害する可能性があ
る。体験的な学習にもその学校が目指すべき目的があり、第三者の存在は時として邪魔に
な る こ と も あ る 。そ の た め 、大 学 生 は あ く ま で ス タ ッ フ と し て 関 わ り 、支 援 し な が ら 児 童 ・
生徒を観察する機会となることが望ましい姿だと考える。大学と言う場所がそういう場所
と言われればそれまでだが、大学生活の中で積極的に行動しなければ子どもと接する機会
は非常に少ないと言えるだろう。やはり即戦力となる新任教師は大学時代にたくさん子ど
もと触れ合った人材であり、そういう人材でなければ子どもを見取ることはできない。
先日、双葉郡 8 町村の小中学生による体験学習の成果発表をする「ふるさと創造学」の
サミットに参加してきた。総合的な学習の時間でふるさと復興を目的に児童・生徒が一丸
となって活動している姿が見られ、非常に有意義であった。 総合的な学習の時間も探究的
な学習であるが教師主導で内容やゴールが設定されるために、動機付けが行えずにただの
調べ学習で終わるといったケースがあるが、このふるさと創造学は「帰りたい」とい う切
実な想いがあるために内容の濃い学習が展開されていた。
しかし、批判的に見ればふるさと再生に全力で取り組んでいるために他地域で当たり前
に行われているような活動は行えていないと感じた。発表の内容を見ても、屋外での体験
活動に関する発表は圧倒的に少なかった。これは放射線の影響で当たり前ではあるが、子
どもの成長は決して待ってくれないため、これらの地域の児童・生徒を比較的安全な地域
や県外と連携しながら体験活動の機会を保障していくような制度が 今後できるだろう。そ
の時は福島大学も連携していくべきであると考える。
最後に
震災後の福島県の教育に関して、福島大学に求めることとして生活科教育の充実につい
てと学外との連携に関することについて述べてきた。その目的としては即戦力となれる子
どもを見取る力を備えた教員を輩出することである。そのため には、他にも様々な方法が
あると思うが、最後に一つ願いたいのは子どもと接する機会をもっと確保していくことで
ある。結果的にそれは教育から福島を復興していくことに繋がると考える。
1
独 立 行 政 法 人 国 立 青 少 年 教 育 振 興 機 構 (2010)『 青 少 年 の 体 験 活 動 等 と 自 立 に 関 す る 実 態
調 査 (平 成 21 年 度 調 査 )』。
2
独 立 行 政 法 人 国 立 青 少 年 教 育 振 興 機 構 (2011)『 子 ど も の 体 験 活 動 の 実 態 に 関 す る 調 査 研
究 (平 成 22 年 度 調 査 )』。
3
文 部 科 学 省 (20 08) 『 小 学 校 学 習 指 導 要 領 解 説 生 活 編 』 ( 日 本 文 教 出 版 株 式 会 社 ) 、 9 頁 。
4
高 杉 自 子 他 (2006)『 子 ど も と と も に あ る 保 育 の 原 点 』 (ミ ネ ル ヴ ァ 書 房 )、 55 頁 。
5
外 池 智 著 (2005)「 地 域 間 交 流 に よ る 交 流 体 験 学 習 の 展 開 」
『 教 科 教 育 学 研 究 (第 24 集 )』(日
本 教 育 大 学 協 会 第 二 常 置 委 員 会 )、 103- 114 頁 。
5