旭化成EMS(株)延岡事業所の省エネ活動紹介 【九州省エネキャラバン

【九州省エネキャラバン in 宮崎】
旭化成EMS(株)延岡事業所の省エネ活動紹介
2014年11月25日(火)
旭化成(株)生産技術本部
保全統括部 延岡保全部
石田 俊裕
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1. 旭化成EMS(株)延岡事業所の紹介
2. 弊社生産品=ペリクルについて
3. 旭化成EMS(株)延岡事業所の省エネ活動
4. 省エネ実例紹介
1)クリーンルーム(CR)熱排気再循環
2)クリーンルーム(CR)冷熱源製造システム高効率化
3)これまでの省エネ効果
5. 最後に
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1. 旭化成EMS(株)延岡事業所の紹介
<旭化成EMS(株)延岡事業所>・・・以降、EMS延岡と略記
・所在地
宮崎県延岡市中川原町5丁目4960番地(JR延岡駅から北へ徒歩10分程度)
・製品
半導体や液晶の製造工程での露光トラブルを防止するための
フォトマスク用防塵保護フィルム=ペリクル:概要を次ページに記載
G10:約1,500×1,700mm
(世界最大サイズ)
ペリクル外観の代表写真
6インチ品:約120×150mm
ペリクル
半導体用ペリクル写真
液晶用ペリクル写真
フォトマスク
(LSIや液晶パネルの原版)
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2. 弊社生産品=ペリクルについて
<ペリクルの構造>
・ペリクルは金属の枠体(フレーム)に、膜接着剤を介して、光透過性の高いフィルムが
貼られたシンプルな構造である。枠体の、フィルム面とは逆の面にはマスク粘着材が
塗布されており、お客様は弊社からの出荷時につけている保護フィルムを剥がし、
フォトマスクに貼りつけ、使用している。
ペリクルフィルム
枠体(フレーム)
膜接着剤
通気口フィルタ
マスク粘着材
フォトマスク
ペリクル断面の模式図
(お客様にてフォトマスクにペリクルを貼る)
(お客様にてフォトマスクに貼った状態を表した図)
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2. 弊社生産品=ペリクルについて
<ペリクル使用方法>
万が一、ペリクルの内側に付着したマイクロメートル(μm)オーダーの異物が
パターン上に落下すると、パターン欠陥につながる可能性があるため、
クリーンルーム(以下、CRと略記)で生産している。
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2. 弊社生産品=ペリクルについて
<異物サイズ概略>
1nm
10nm
100nm
液晶パターン回路線幅
最先端の半導体パターン回路線幅
生産工程はCR内であることが必須
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2. 弊社生産品=ペリクルについて
<CR概要>
給気
大気放出
室温:22℃
湿度:50%
FFU
FDC(Fan Dry Coil)
⇒CR内の熱排気を冷却し、CR内循環させる
FFU(Fan Filter Unit)
⇒HEPAフィルターを通して、CR内へ清浄空気を導入する。
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3. 旭化成EMS(株)延岡事業所の省エネ活動
EMS延岡では、これまでに製品サイズ拡大に伴い、工場増設を行ってきた。
それに伴い、エネルギー使用量も増加し、2009年度のエネルギー(電気及び蒸気)
の使用実績から、2010年度より、第1種エネルギー管理指定工場に登録された。
膜面積(生産量)増加
CR増設-2
CR増設-1
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3. 旭化成EMS(株)延岡事業所の省エネ活動
生産膜面積が増加しているにも関わらず、エネルギー使用は減少している。
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3. 旭化成EMS(株)延岡事業所の省エネ活動
2010年度より、第1種エネルギー管理指定工場に登録され、
5年間で5%のエネルギー原単位削減を目標に省エネに
取り組むこととし、エネルギー原単位削減中期計画を立案した。
※エネルギー原単位=原油換算エネルギー使用量(kL)/生産膜面積(m2)
以降、原単位と略記
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3. 旭化成EMS(株)延岡事業所の省エネ活動
2009年度実績把握
原油換算≒3,200kL/Y⇒第1種エネルギー管理指定工場
電気使用量のうちの64%、蒸気使用量のうちの98%をCR(クリーンルーム)空調などの
CR関連固定的要素で使用していた。
→CR関連設備の省エネアイテムを創出し、検討することとした。
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3. 旭化成EMS(株)延岡事業所の省エネ活動
<CR関連設備省エネ活動の進め方>
・アイテム創出(2010年度)
CR専門メーカーとの協働で、現状のデータ収集、解析を行った結果から
改善策を創出し、改善にかかる投資費用、改善された場合の予想効果
を算出した。(効果:原単位、使用量、コストなどで定量的に表した。)
・改善スケジュール立案(2010年度)
創出された改善策に投資金額、予想効果、施工難易度、改善時期など
から、優先順位を付け、改善スケジュールを立てた。
この際に、具体的な施工時期までに必要なステップや必要な書類などを
スケジュールに反映させておくことが重要。
(例.予算化・官庁申請・発注の時期や必要資料など)
・アイテム実行及び効果のレビュー(2011年度以降)
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3. 旭化成EMS(株)延岡事業所の省エネ活動
冷水及び蒸気弁制御最適化
CR熱排気再循環-1
CR熱排気再循環-1
冷熱源製造システム高効率化
冷熱源製造システム高効率化
CR熱排気再循環-2
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4.省エネ実例紹介
1)CR熱排気再循環
熱排気は全量、大気放出していたが、ほぼ恒温・恒湿で
あり、外調機に循環することで蒸気負荷を低減する。
大気放出
FFU
CR
外調機
ほぼ恒温・恒湿の空気を外調機へ再循環し、蒸気負荷を減らす。
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4.省エネ実例紹介
2)CR冷熱源製造システム高効率化
1期工事
冷熱源製造システム(冷凍設備)
⇒CR内の温湿度を一定に保つために冷凍機で冷水を製造し、
外調機及びCR内へ供給する。暖められた水は循環され、冷凍機で
再度冷やされる。
冷凍機の台数制御プログラムを改善し、
冷熱負荷に応じて、1つの系統として
制御できるようにした。
<ターボ冷凍機>
<空冷チラー>
高負荷で運転する場合は高効率運転可能。
モジュールタイプで小さな負荷変動にも
効率的な対応が可能。
2期工事
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・SE-pro.
4.省エネ実例紹介
⇒生産設備の不稼働部の省エネ
・ヒーター類電源断
・周辺照明消灯
3)これまでの省エネ効果
・給排気効率化
(排気ルート最適化・ファン台数削減で給排気バランス見直し)
・外調機内部コイル凍結防止方法変更
⇒最低流量確保から外気温連動に変更
計画:20%削減
冷水及び蒸気弁制御最適化
実績:45%削減
・CR熱排気再循環-1
・SE-pro.
・外調機内部コイル
凍結防止方法変更
冷熱源製造システム高効率化
目標の20%削減に対し、
40%を超える削減を前倒しで達成
・CR熱排気再循環-2は中止
・2014年度に予定したアイテムを
前倒しで実施した。
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5.最後に
2010年度からテーマとして省エネに取り組んだ結果、特に重要なポイントは
以下の2点と考える。
1)エネルギー消費の見える化(状況把握、改善の優先順明確化)
プロセスのどこを、どのように改善をしていくか、また、その優先順を
どうするかを見極めるためには、現状把握の段階で如何にデータを
分析できる形で集約できるか。⇒「見える化」がポイント。
2)CR専門メーカーとのプロジェクト体制で進める。
EMS延岡の生産現場はCRであり、その専門メーカーとプロジェクトを
組むことで専門的知見を入れたアイテム立案ができ、また効果予想の
精度が高まる。⇒投資判断にも有効。
このような省エネ活動により、実績として工場増設・生産量アップにも
関わらず、第1種→第2種エネルギー管理指定工場へ登録変更できたことは
EMS延岡にとって非常に有意義なことであった。
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ご清聴ありがとうございました。
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