今期 3Q 累計は営業利益が倍増。QBR 業績予想は

三栄コーポレーション
(8119・JASDAQ スタンダード)
2015 年 3 月 5 日
今期 3Q 累計は営業利益が倍増。QBR 業績予想は変更せず
主 要 指 標 2015/3/4 現 在
リ サ ー チ ノ ー ト
株
(株)QBR
堀内 敏成
業
2014/3
績
2016/3
売上高
百万円
向
価
2,650 円
発行済株式数
2,552,946 株
時 価 総 額
6,765 百万円
前期比
%
営業利益
百万円
前期比
%
ベーシック
2014/07/23
アップデート
2014/12/19
経常利益
百万円
前期比
%
績
39,890
15.4
397
-69.9
485
-64.9
想
(2014 年 5 月発表)
40,000
0.3
830
109.0
780
アナリスト予想
40,000
0.3
830
109.0
アナリスト予想
41,100
2.8
880
6.0
実
会
2015/3
動
直前のレポート発行日
社
予
当期純利益
百万円
前期比
%
EPS
円
458 -43.8
195.72
60.8
500
9.1
212.77
780
60.8
500
9.1
212.77
840
7.7
539
7.8
229.37
15/3 期 3Q 累計業績は、前年同期比 10%増収、営業利益は倍増
15/3 期 3Q 累計(14 年 4~12 月)の連結業績は、売上高 323 億円(前年同期比 9.6%増)
、営業利益 5.7
億円(同 2.1 倍)と増収・大幅増益となった。同社の事業の両輪である OEM 事業(14/3 期売上高構成比 76%)、
ブランド事業(同 24%)がともに増収を達成。セグメント別でも、家具・家庭用品事業、服飾雑貨事業、家
電事業の主要 3 セグメントの売上高がいずれも増加し、連結全体の増収に寄与。円安の進行による輸入の
仕入価格上昇などの影響で、売上総利益率は同 1.0 ポイント悪化したが、増収効果に加えて販管費の抑制
が寄与、また、抜本的なリストラによる中国子会社三發電器(家電事業)の大幅な損益改善なども貢献し、
大幅な営業増益となった。前年同期に関係会社を売却したことにより、持分法投資利益が減少したが、為
替差益の増加などが寄与して、経常利益は同 2.2 倍の 7.0 億円。純利益は同 3.6%減の 4.7 億円となったが、
前年同期に関係会社株式売却益 6.7 億円(特別利益)を計上した反動が影響した。
3Q3 カ月ベースでは営業利益は 2.9 倍に
15/3 期 3Q(14 年 10~12 月)の 3 カ月ベースの連結業績は、売上高 122 億円(前年同期比 13.2%増)、
営業利益 4.4 億円(同 2.9 倍)となった。大幅な増収増益に貢献したのは、家具・家庭用品事業と家電事
業。家具・家庭用品事業は、売上高 64.6 億円(同 16.3%増)、営業利益 1.3 億円(同 2.2 倍)
。OEM 事業で
欧米や中国向けが好調に推移。家電事業は、売上高が 15.7 億円(同 37.8%増)
、営業損益は 1.5 億円の黒
字(前年同期は 0.6 億円の赤字)と改善。OEM 事業で国内外の小物生活家電の販売が大幅に伸長したほか、
上記の通り三發電器の損益改善が大きく寄与した。
会社側は 15/3 期通期計画を据え置き
会社側は3Q累計業績を踏まえ、15/3期通期の連結業績見通しを据え置いた。売上高400億円(前期比0.3%
増)
、営業利益8.3億円(同2.1倍)
、経常利益7.8億円(同60.8%増)、純利益5.0億円(同9.1%増)の計画。
3Q累計業績の通期見通しに対する進捗率は、売上高81%、営業利益69%、経常利益89%、純利益94%。4Q
における急激な円安進行などのリスクはあるものの、通期計画達成が視野に入ったといえよう。
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QBR 業績予想を変更せず。16/3 期は増収増益見込む
15/3 期通期の連結業績予想について QBR では、会社計画と同額の売上高 400 億円(前期比 0.3%増)
、営
業利益 8.3 億円(同 2.1 倍)としており、今回予想は変更しない。
(1)消費増税の影響長期化などの要因
で、国内の個人消費が振るわない、
(2)外為市場で円安傾向が続いている、などが引き続き懸念される一
方、同社の 3Q3 カ月の連結業績は既述の通り、大幅な増収増益となった。4Q も海外向け OEM 事業の好調、
家電事業の損益改善は継続すると見込み、従来予想を据え置くこととする。
続く 16/3 期の連結業績予想も変更しない。売上高 411 億円(前期比 3%増)
、営業利益 8.8 億円(同 6%
増)を見込む。QBR では今後、日銀の量的・質的緩和とともに政府によるデフレ脱却に向けた経済政策が継
続することにより、国内消費環境は改善に向かい、同社の売上高増加に寄与すると見込む。再び円安が進
行することは同社にとり、原価圧迫要因となるものの、一方で原油など資源市況の下落がコスト低減につ
ながると予想する。会社側の中長期的な経営構想に沿った OEM 事業の国内外での伸長による業容拡大、ブ
ランド事業の拡大に伴う収益性改善効果などもあり、16/3 期は増収増益を確保するとみている。
中長期的に売上高 500 億円を目指す
経営の中長期的な方向性に関し同社は、
(1)売上高 500 億円を目指す、(2)ブランド事業で収益を確
保し、OEM 事業で業容のさらなる拡大を狙う、
(3)海外取引を拡大し、市場環境の変化に対応、為替相場に
左右されにくい体質へ、
(4)調達先を多様化させる(中国以外に東南アジアでの調達比率を高める)
、など
の目標を掲げている。収益性の比較的高いブランド事業の構成比を 40%に高めることで収益基盤の一段の強
化を図る方針で、このため、M&A(企業の合併・買収)も強化する。同社が長年にわたり蓄積したブランド
事業における知見の発揮が期待出来よう。
15/3 期は 23 期ぶりに売上高 400 億円を達成する見込みであり、ブランド事業の構成比引き上げ、調達先
の多様化なども着実に進みつつある。円安が進行するなか、3Q3 カ月に大幅増収増益を達成したのは、海外
取引拡大の貢献も大きいといえよう。
15/3 期会社計画の配当性向は 42%に達する
株主への利益還元に関して同社は、
(1)安定的かつ継続的な配当実施、
(2)配当性向 30%を目処、
(3)
企業体質の強化を図るための内部留保の充実、を基本方針としている。15/3 期の 1 株当たり年間配当金は
90 円(うち期末 50 円)を計画。通期の会社側純利益見通し 5.0 億円を達成した場合の配当性向は 42%と
なる。同社は 17 期連続して増配または配当水準を維持しており、株主優待の実施を含めた同社の株主還元
姿勢は高く評価できよう。なお、現株価水準での年配当利回りは約 3.4%に達している。
アナリストレポート・プラットフォーム
2
デ ィ ス ク レ ー マ ー
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