ドイチェ・ロシア東欧・レポート 投資環境資料 2015年3月6日発行 ■マーケットデータ 【図表1】 主要株価指数 (2007年12月28日=100) (ポイント) 150 ロシア RTS指数(米ドルベース) ポーランド ワルシャワWIG指数(現地通貨ベース) チェコ プラハPX指数(現地通貨ベース) 125 (2007年12月28日~2015年2月27日) トルコ イスタンブールナショナル100種指数(米ドルベース) ハンガリー ブダペスト証券取引所指数(現地通貨ベース) 100 75 50 25 0 07年12月 08年8月 09年4月 09年12月 10年8月 11年4月 11年12月 12年8月 【図表2】 為替の推移 (2007年12月28日=100) (ポイント) 13年4月 13年12月 14年8月 (出所)ブルームバーグ (2007年12月28日~2015年2月27日) 120 ロシア ルーブル (対円レート) ポーランド ズロチ(対円レート) チェコ コルナ(対円レート) 110 100 トルコ リラ(対円レート) ハンガリー フォリント(対円レート) 90 80 70 60 50 40 30 07年12月 08年8月 09年4月 09年12月 10年8月 11年4月 11年12月 12年8月 13年4月 13年12月 14年8月 (出所)ブルームバーグ ※株式市場が休場の場合は、前営業日の数値を使用しています。 ※データは記載時点のものであり、将来の傾向、数値等を保証もしくは示唆するものではありません。 ■株式市況(図表1) 2月のロシア東欧株式市場は、5カ国中4カ国で上昇しました。 ロシアのRTS指数は前月末比+21.6%となりました。 トルコのイスタンブールナショナル100種指数は前月末比-5.4%となりました。 ポ-ランドのワルシャワWIG指数は前月末比+2.3%となりました。 ハンガリーのブダペスト証券取引所指数は前月末比+10.2 %となりました。 チェコのプラハPX指数は前月末比+7.0%となりました。 ■政治・企業関連トピックス 米信用格付大手S&P(スタンダード・アンド・プアーズ)は2月4日、1月下旬にロシアのソブリン債を「BBB-」から投機的等級の「BB+」へ 引き下げたのに続き、国営天然ガス大手ガスプロムや国営ロシア鉄道など主要企業14社の外貨建債務の格付も投機的等級へ引き 下げたことを明らかにしました。 ロシアのアレクセイ・ウリュカエフ経済発展相は2月11日、同国の2015年の財政収支の見通しについて、財政収入が2兆3,400億ルーブ ルの減収となり、その結果、財政赤字が対GDP(国内総生産)比3.8%に達する可能性があるとの見通しを示しました。 ロシアのプーチン大統領は2月12日、ウクライナ問題をめぐりロシア・フランス・ドイツ・ウクライナの4首脳が2月15日からの停戦で合意し たことを明らかにしました。約16時間に及んだ協議の終了後、記者団に対し「主要議題で合意した」と述べています。 EU(欧州連合)は2月16日に公表した官報で、ロシア政府やウクライナ東部の親ロシア派幹部への資産凍結などを発動したと発表しまし た。今回はロシアのバヒン国防第1次官やアントノフ国防次官、ウクライナ親ロ派の司令官を含む19の個人、9団体を対象に加えました。 ロシア経済発展省は2月17日、2015年のインフレ率見通しを従来予想の+12.2%から+15.8%へ修正したことを明らかにしましました。 その理由について、輸入物価上昇を促すルーブル安が依然として続いていることや、供給が需要を下回る可能性が高いことから、 インフレ率が押し上げられる可能性が高いためとしています。 当資料は、情報提供を目的として作成した参考資料であり、特定の投資商品の推奨や投資勧誘を目的としたものでは ありません。当資料は、当社が信頼できると思われる情報に基づいて作成しておりますが、その正確性及び完全性を 保証するものではありません。当資料中の第三者のコメントは著者個人の見解であり当社の運用方針等とは関係無く、 また、その内容について当社が責任を負うものではありません。当資料の市場見通し及び金融指標等に関する予測 値について、当社が将来の結果を保証するものではなく、また将来予告なく変更されることがあります。当資料中のい かなる情報も将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。当資料に記載されている個別の銘柄・企 業名については、あくまで参考として述べたものであり、その銘柄または企業の株式の売買を推奨するものではありま せん。当資料に関する著作権は情報提供元のクレジット記載があるものを除きすべてドイチェ・アセット・マネジメント㈱ に属しますので、当社に無断で資料の複製、転用等を行うことはできません。D-150305-5 ■レポートの作成・配信は ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社 1 ドイチェ・ロシア東欧・レポート 投資環境資料 2015年3月6日発行 ■各国の主な経済指標など ロシア 2月2日に英HSBCホールディングスとマークイット・エコノミクスが発表したロシアの製造業購買担当者指数(製造業PMI、1月)は47.6と、 前月の48.9から下落しました。 2月5日に発表されたロシアの消費者物価指数(CPI、1月)は前年同月比+15.0%と、前月の+11.4%から市場予想(+13.5%)を超えて 上昇しました。 2月16日に発表されたロシアの鉱工業生産(1月)は前年同月比+0.9%と、前月の+3.9%から低下しましたが、市場予想(+0.7%)は 上回りました。 2月19日に発表されたロシアの実質賃金(1月)は前年同月比-8.0%と、前月の-4.0%から市場予想(-6.1%)以上に低下しました。 2月19 日に発表されたロシアの小売売上高(1 月) は前年同月比-4.4%と、前月の+5.3%から低下し、市場予想(-1.9%)も 下回りました。 2月19日に発表されたロシアの失業率(1月)は5.5%と、前月の5.3%から上昇したものの、市場予想(+5.7%)は下回りました。 2月27日までの1カ月で原油先物価格は前月末比+3.15%の1バレル=49.76米ドルとなりました。 トルコ 2月2日に英HSBCホールディングスとマークイット・エコノミクスが発表したトルコの製造業購買担当者指数(製造業PMI、1月)は49.8と、 前月の51.4から下落しました。 2月3日に発表されたトルコの消費者物価指数(CPI、1月)は前年同月比+7.24%と、前月の+8.17%から伸び率は低下しましたが、 市場予想(+6.8%)は上回りました。 2月11日に発表されたトルコの経常収支(12月)は-68.2億米ドルと、前月の-57.3億米ドルから市場予想(-67.9億米ドル)以上に 赤字幅が拡大しました。 2月16日に発表されたトルコの失業率(11月)は10.7%と、前月の10.4%から市場予想(+10.5%)を超えて上昇しました。 2月24日にトルコ中央銀行は金融政策決定会合で、主要政策金利である1週間物レポ金利を7.75%から0.25パーセント・ポイント引き 下げ7.5%としました。また、翌日物貸出金利は11.25%から10.75%へ、翌日物借入金利は7.5%から7.25%へ引き下げました。同国 中銀は「食品と燃料価格の変動性の高い状態を考慮し、金利を節度あるペースで引き下げることを決定した」と説明しました。 ポーランド 2月2日に英HSBCホールディングスとマークイット・エコノミクスが発表したポーランドの製造業購買担当者指数(製造業PMI、1月)は55.2 と、前月の52.8から上昇しました。 2月4日にポーランド中央銀行は金融政策決定会合で、主要政策金利である7日物レファレンス金利を、過去最低水準の2.0%に 据え置くことを決めました。 2月13日に発表されたポーランドの消費者物価指数(CPI、1月)は前年同月比-1.3%と、前月の-1.0%から低下し、市場予想 (-1.2%)も下回りました。 ハンガリー 2月11日に発表されたハンガリーの消費者物価指数(CPI、1月)は前年同月比-1.4%と、前月の-0.9%から低下し、市場予想 (-1.1%)も下回りました。 2月24日にハンガリー中央銀行は金融政策決定会合で、政策金利である2週間物預金金利を過去最低水準の2.1%に据え置きました。 チェコ 2 月2日に英HSBCホールディングスとマークイット・エコノミクスが発表したチェコの製造業購買担当者指数( 製造業PMI、1月) は56.1と、前月の53.3から上昇しました。 2月5日にチェコ国立銀行(中央銀行)は金融政策決定会合で、政策金利である2週間物預金金利を過去最低水準の0.05%に据え置き ました。 当資料は、情報提供を目的として作成した参考資料であり、特定の投資商品の推奨や投資勧誘を目的としたものでは ありません。当資料は、当社が信頼できると思われる情報に基づいて作成しておりますが、その正確性及び完全性を 保証するものではありません。当資料中の第三者のコメントは著者個人の見解であり当社の運用方針等とは関係無く、 また、その内容について当社が責任を負うものではありません。当資料の市場見通し及び金融指標等に関する予測 値について、当社が将来の結果を保証するものではなく、また将来予告なく変更されることがあります。当資料中のい かなる情報も将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。当資料に記載されている個別の銘柄・企 業名については、あくまで参考として述べたものであり、その銘柄または企業の株式の売買を推奨するものではありま せん。当資料に関する著作権は情報提供元のクレジット記載があるものを除きすべてドイチェ・アセット・マネジメント㈱ に属しますので、当社に無断で資料の複製、転用等を行うことはできません。D-150305-5 ■レポートの作成・配信は ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社 2 COLUMN 投資環境資料 2015年3月6日発行 ロシアの外国人労働者事情 一般社団法人ロシアNIS貿易会・ロシアNIS経済研究所 副所長 高橋 浩 ロシアの成長と外国人労働者の増加 報告資料によると、GDP(国内総生産)に占める送金額の 割合(2011年)は、タジキスタンが31%にも上り、モルドバが ロシアでの外国人労働者はこの10年近くで大きく増えた。 2000年以降、成長を遂げて豊かになるにつれて、ロシア 23%、キルギスが21%と高水準となっている。 一方、ルーブルが2014年末から急落して外貨建ての 国民がいわゆる3Kと呼ばれる「キツイ」「汚い」「危険」な職 賃金が目減りし、帰国する外国人労働者が多くなっていると 業に低賃金で就くことが少なくなり、外国人労働者が多く の報道も出てきた。移民制限の動きとも相まって、外国人 なってきた。建設作業、清掃、食堂の分野などが代表的で 労働者の増加傾向に歯止めがかかっている。その影響も あるが、農業や工場労働者の一部などにもみられるように あってか、先日、筆者がロシアに出張に行った際には、「中 なってきた。統計をみると、2000年時の外国人労働者が21 央アジアから来ていた掃除人がいなくなり、アパートの周辺 万人であったところ、2010年には164万人に急増している。 が汚くなった」との話も聞いた。しかし、需要は引き続き大き 一説によると、実際にはこの数倍に上る1,000万人超の外国 いことから、これらは一時的な現象であり、増えることこそ 人労働者がいるとの話もある。 あれ、大きく減ることはなさそうである。 外国人労働者はどこの国からか 2013年の統計では、労働許可を有する外国人労働者111 旧ソ連諸国は外国? 外国人労働者の出身国の大部分を占める旧ソ連諸国は、 万人の中で、実数で最も多いのは48万人のウズベキスタン ロシア語が通用するのに加え、導入された試験も難しいも であり、43%におよぶ。ついで、タジキスタン(16万人、15%)、 のではないので、落ちる人はあまりいない。試験の目的は ウクライナ(12万人、11%)、キルギス(8万人、7%)と続く。 外国人労働者のコントロールと、1人当たり約5,000ルーブル 旧ソ連諸国のCIS(独立国家共同体)諸国からの外国人 (1万円相当:1ルーブルは約2円、2015年2月末時点)の 労働者が圧倒的多数で、全体の85%を占める。 受験料のようである。 移民の制限の本音 世界の風潮と同じで、ロシアでも外国人労働者の急増に 社会の風当たりが強くなり、労働許可取得などの手続きが 厳 し く な っ て い る 。 2015 年 か ら は ロ シ ア 語 試 験 と 法 律 、 歴史の試験が、労働許可取得に際して義務化された。もっ とも、ロシアの失業率は世界的にも低く、2013年の失業率は 5.5%となっている。ロシア人が避ける傾向にある単純労働 に安い賃金で働く外国人労働者の需要は非常に大きい。 そもそも、ロシアは多民族国家なので、外国人労働者と 特別に意識する感覚は乏しい。ロシア随一の大富豪、アリ シェル・ウスマノフ氏は民族としてはウスベク系、ロシア大手 銀行ズベルバンク社長のゲルマン・グレフ氏はドイツ系であ り、一般庶民からエリートまで多様な民族の人々が生活して いる。また、ソ連時代から、ロシア社会はベトナム人や北朝 鮮人など大量に外国人を雇用した豊富な経験がある。「外 国人が自国民の仕事を奪っている」と批判されることもある 欧州などとは違って深刻な問題ではなさそうであり、今後も 受け入れが続くだろう。 外国からみたロシア労働市場 労働者を送る側の旧ソ連諸国の一部には、経済を国外 労働者の送金に大きく頼る国がある。世界銀行の専門家の 当資料は、情報提供を目的として作成した参考資料であり、特定の投資商品の推奨や投資勧誘を目的としたものでは ありません。当資料は、当社が信頼できると思われる情報に基づいて作成しておりますが、その正確性及び完全性を 保証するものではありません。当資料中の第三者のコメントは著者個人の見解であり当社の運用方針等とは関係無く、 また、その内容について当社が責任を負うものではありません。当資料の市場見通し及び金融指標等に関する予測 値について、当社が将来の結果を保証するものではなく、また将来予告なく変更されることがあります。当資料中のい かなる情報も将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。当資料に記載されている個別の銘柄・企 業名については、あくまで参考として述べたものであり、その銘柄または企業の株式の売買を推奨するものではありま せん。当資料に関する著作権は情報提供元のクレジット記載があるものを除きすべてドイチェ・アセット・マネジメント㈱ に属しますので、当社に無断で資料の複製、転用等を行うことはできません。D-150305-5 ■レポートの作成・配信は ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社 3 投資環境資料 2015年3月6日発行 ご留意事項 ● 投資信託に係るリスクについて 投資信託は、主に国内外の株式や公社債等の値動きのある証券を投資対象とし投資元本が保証されていないため、当該資産 の市場における取引価格の変動や為替の変動等により投資一単位当たりの価値が変動します。したがってお客様のご投資さ れた金額を下回ることもあります。 また、投資信託は、個別の投資信託毎に投資対象資産の種類や投資制限、取引市場、投資対象国等が異なることから、リスク の内容や性質が異なりますので、ご購入に際しては、事前に最新の投資信託説明書(交付目論見書)や契約締結前交付書面 の内容をご確認の上、ご自身で判断して下さい。 ● 投資信託に係る費用について 【お申込みいただくお客様には以下の費用をご負担いただきます。】 ■購入時に直接ご負担いただく費用 ・・・ 購入時手数料 上限3.78%(税抜3.50%) ■換金(解約)時に直接ご負担いただく費用 ・・・ 信託財産留保額 上限1.0% ■投資信託の保有期間中に間接的にご負担いただく費用 ・・・ 運用管理費用(信託報酬) 上限2.0404%程度(税込) ■その他費用 ・・・ 上記以外に保有期間等に応じてご負担いただく費用があります。 投資信託説明書(交付目論見書)、契約締結前交付書面等でご確認下さい。 《ご注意》 上記に記載しているリスクや費用項目につきましては、一般的な投資信託を想定しております。費用の料率につきましては、 ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社が運用するすべての投資信託のうち、徴収するそれぞれの費用における最高の料率を 記載しております。投資信託の運用による損益は、すべて受益者に帰属します。投資信託は、金融機関の預貯金と異なり、 元本及び利息の保証はありません。投資信託は、預金または保険契約ではないため、預金保険及び保険契約者保護機構の保 護の対象にはなりません。登録金融機関を通じてご購入いただいた投資信託は、投資者保護基金の対象とはなりません。投資 信託に係るリスクや費用は、それぞれの投資信託により異なりますので、ご購入に際しては、事前に最新の投資信託説明書 (交付目論見書)や契約締結前交付書面の内容をご確認の上、ご自身で判断して下さい。 なお、当社では投資信託の直接の販売は行っておりませんので、実際のお申込みにあたっては、各投資信託取扱いの販売会 社にお問合せ下さい。 ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第359号 加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会 当資料は、情報提供を目的として作成した参考資料であり、特定の投資商品の推奨や投資勧誘を目的としたものでは ありません。当資料は、当社が信頼できると思われる情報に基づいて作成しておりますが、その正確性及び完全性を 保証するものではありません。当資料中の第三者のコメントは著者個人の見解であり当社の運用方針等とは関係無く、 また、その内容について当社が責任を負うものではありません。当資料の市場見通し及び金融指標等に関する予測 値について、当社が将来の結果を保証するものではなく、また将来予告なく変更されることがあります。当資料中のい かなる情報も将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。当資料に記載されている個別の銘柄・企 業名については、あくまで参考として述べたものであり、その銘柄または企業の株式の売買を推奨するものではありま せん。当資料に関する著作権は情報提供元のクレジット記載があるものを除きすべてドイチェ・アセット・マネジメント㈱ に属しますので、当社に無断で資料の複製、転用等を行うことはできません。D-150305-5 ■レポートの作成・配信は ドイチェ・アセット・マネジメント株式会社 4
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