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夢神楽 STAGE14
「月闇の詩 –竹取の調べ-」作品概要
劇団
抗うことは、生きること…
大和国に羽衣の調べが伝わって早十五年。 外の世界を知らぬまま生きる、天女の娘“かぐや”。そして
かぐやを奪還せし者たち。かぐや解放を幕開けに、大和の大地が再び地響きをあげる。
竹取屋敷に守られた竹林、かの時代より受け継がれた羽衣、国を揺るがす力の行方は…。
今、もう一つの竹取物語が始まる・・・
『私の願いを羽衣に託しましょう
はるか時を超えても尚、あなたが強くあれるように…
抗いなさい、かぐや…』
■あらすじ■
より強大な国となった大和国。国政から退き天の山に住まうようになった羅祥は、名を羅祥天(らしょう
てん)と変え、天の力を受け継ぎ大和を見守る存在として崇められていた。国は帝となった逆月(さかづき)
が治め、賑やかで豊かな国を築き上げた。それは誰もが平穏に暮らす国。しかし、長らく治まっていた
地鳴りが再び起こり始め、これまで揺るぎなかった天の力への不信感が民の中に芽生え始める。
そんな中、十五歳になったかぐや姫のお披露目の儀が大々的に行われる。竹林に産み落とされ、母と同
じ名を付けられたその姫は、天の姫と大和の王子の娘として、天に住まい羅祥天の元で大切に育てられ
ていた。一度も天を出たことのないかぐや。お披露目の儀は、そんなかぐやが初めて大和に下りる日。
城下は祭りに賑わい、異国から旅一座がやって来て盛り上げ、かぐや姫を一目見ようと、多くの人々が
集まっていた。
その機に乗じ、かぐや奪還を狙う者たちが動き始める。伯(はく)と名乗る謎の男に集められた五人の若者。
国を揺るがすこと、その真実を暴くことを目的に手を組んだ彼らは、祭りに乗じてかぐや姫誘拐を実行
する。全国民の見つめる中連れ去られるかぐや。かぐやは自分をさらった五人の中に羅祥天の養子であ
る士輝(しき)、そして帝直属の剣士隊に属する漣(れん)がいることに気付く。幼馴染の三人。
「自由になり
たい」と思い続けてきたかぐやの想いを知る漣は、士輝と共にかぐやの願いを叶えるために国を裏切っ
たのだ。
計画は上手くいったかと思われた。が、安全な場所に逃げ込んだところで、国の追手に取り囲まれる。
伯の正体が昔大和国の剣士隊長であった伯梁(はくりょう)であることもわかり、混乱を隠せない五人。死
を覚悟した面々を前に、帝は「これは余興だ」と言い放つ。かぐや誘拐に気付いた羅祥天は、それを知
った上であえてかぐやを誘拐させてみせたのだ。さらには、かぐやの結婚を決めたと語る羅祥天。驚く
べきことに、羅祥天は本来重罪人である五人をかぐやを奪い合う“求婚者”と呼んだ。
自らの意思に反し求婚者にされた五人は、竹林を管理する竹取屋敷にて国の監視下に置かれ、かぐやは
一時的に帝の屋敷に住まうことになった。改めて手を組んだ求婚者の五人は、かぐやの心を射止めるた
めに、かぐやの母親の形見である羽衣を貢物として献上することを決める。羽衣を持っているのは五人
を置いて一人姿を消した伯梁であった。
一方、漣は竹取屋敷の一人息子、沖那と共にもう一つの貢物を用意しようと動き出す。それは先代かぐ
やが竹林に封印したというもう一つの形見。漣はその貢物こそかぐやに届けたいと、沖那に協力を仰ぐ。
伯梁と連絡を取る術を得た五人は、特殊な舞を踊る旅一座の協力も得て、竹林の封印の解放と、かぐや
奪還を再び目指すのだった。
帝の力添えもあり内密に文を交わしあう漣とかぐや。想いは募り、ついにその日は訪れる。
国の追手との戦いの末、漣は羽衣を手に入れる。そして沖那は、竹林の中の光る竹を見つけ、その竹を
割った。割った竹から光が溢れ、力が解き放たれた竹林はみるみるうちに枯れ、十五年前の状態に時を
戻した。なんと大地に封じられていたのは、先代かぐやが封じた羽衣の力だったのだ。
漣からの文で呼び出され、竹林で一人漣を待つかぐや。そこに現れたのは、漣が得たはずの羽衣を持っ
た帝・逆月だった。羽衣を届けたことにより、かぐやと逆月の婚約が決まった。
いつの間にか士輝も国に戻り、漣の裏切りを知った面々は、ばらばらになっていく。
そんな中、羅祥天が何者かによって命を落とす。そしてその犯人、反逆者として国中に伝えられたのは、
求婚者たちを裏切ったはずの漣だった。
再び集う今の大和を生きる人々。
ほころびを見せ始める大和国。
先の時代に巻き起こった天の力の奪い合い、天と大和の因縁に巻き込まれていく漣とかぐや。
生まれた時から決められた定めを生きるかぐやと、かぐやを想う漣の本当の目的とは…。
強大な国と、移り変わる時代の隙間に生まれた闇に、今、大和の民が反旗を翻す。
―――抗うことは生きること。
これはお伽噺などではなく、一つの時代と、時代を生きた人々の物語。