高2学年だより

65期
高2学年だより
No.9
2015/3/5発行
2月に実施した進研センター試験早期対策模試が返ってきました。今回はその分析特集です。
まずは偏差値について説明しておきます。難しくてダメという人は、太字だけ読んで次に進んでください。
偏差値とはなにか?
偏差値とは、(得点 − 平均点) ÷ 標準偏差(ばらつき度合) × 10 + 50
で求められ、ある人の得点が、平均点と同じだった場合、その人の偏差値は 50 となる。一般には教科の違いや問
題の難易度の違いにより、各試験の平均点や標準偏差は異なるため、様々な試験の成績を、単なる 100 点満点等の
点数だけで、単純に比較することは出来ない。従って、それらを常に平均が 50、標準偏差が 10 となるスコアに変
換し、比較可能な数値にするために用いられるのが偏差値である。よって偏差値が 0 未満となることや 100 を超え
ることもあり得る。
進研模試は学校実施しかしていないため、大学受験志望者以外も受験している。また基本的には浪人生(がんば
る人)の受験もない。したがって0点をとる者も存在する。すると標準偏差(ばらつき)は大きくなり、高得点者は
偏差値が80を越えるなど非常に高くなる。
河合塾の模試(全統模試)は、進学校がメインで、しかも浪人生も各地の河合塾会場で受験する。したがって、
標準偏差(ばらつき)は比較的小さくなり、高得点をとっても進研模試ほど高偏差値にならない。
極端なのが各社の各難関大対応型模試で、たとえば駿台独自の「東大実戦模試」や河合塾の「東大プレテスト」
において偏差値50が取れるようなら、「東大合格可能性はある」ということになる。
また、進研模試でいえば、高校3年間を通して見ても、模試受験者は減っていく。特に高3の2学期からは AO
や推薦で離脱する生徒も出て、模試はトップレベルの進学校を除いて希望者受験の形をとるようになる。すると母
集団の平均学力は上がるため、自分の学力が上がらない限り偏差値は自然に下がってしまう。
つまり、「どの業者の」「いつの段階での」偏差値なのかによって数値の意味が大きく違うのだということを知
っておかねばならない。65期生はこれまで全員模試としては進研模試を受験してきたが、今後は河合模試も受け
ることになるし、難関大の「~大プレテスト」「~大実戦模試」などを受ける人もいるはずなのでこの点に気をつ
けてほしい。
また、受験パターン別の偏差値算出方法にも業者による差がある。たとえば英数国の総合偏差値ならば、進研模
試は得点の総合計を比較して偏差値を算出するが、河合塾の模試は各教科の偏差値を出してから国数英で偏差値の
平均値を出す。したがって進研は河合に比べて偏差値の差がつきやすいという特徴がある。
さて、本題に入ります。
受験勉強のスタートを切ることができた者多数!
右上の図は、1月記述模試と2月マーク模試で、どちらも国数英を受験した、いわゆる国公立型受験生(数学利
用の私大文系志望者も若干含むが)の個人偏差値の変化である。先述したように進研模試なので、3教科の合計得
点をもとに算出した偏差値である。他のパターンは人数が少ないため、これで見ていく。
横軸が1月模試の偏差値、縦軸が2月模試の偏差値なので、斜線の上側にいる点が2月で上がった生徒、斜線の
下側が下がった生徒ということになる。
上昇者は47名、上昇偏差値ポイント合計190.2、平均4.0、これに対して下降者32名、下降偏差値ポ
イント合計-93.3、平均-2.9であり、一般受験を目指す人は、この2月までの間にかなり姿勢を変えてき
たことが伺える。ふつう頑張った成果が見えてくるのまでに3~6か月はかかると言われていることから考えると、
もうすでに昨年のうちに頑張り始めた人がかなりいるということがいえる。実際65期の平均偏差値は英数国3科
目とも各受験者数は変わらないまま、11月模試→1月模試→2月模試と2回連続で微上昇を続けている。
部活動も最後の一番忙しい時期だが、ここでスタートを切って、勉強の効率アップを図って手応えを得ておけば、
部活動引退後は勉強時間が増えた分、力のつきかたも加速していく。逆に手応えのないままに部活動を引退した場
合、部活が恋しくなって(つまり勉強に向き合えなくて)放課後もだらだら過ごすケースが多く見受けられる。
この春の過ごし方がいかに大切か、よく考えてほしい。
次にもう少し細かく見ていこう
(全国偏差値)
80
①斜線の右下に大きく離れた人がいない。
◆クラス成績伸長
教材・縦軸:2014年度 進研模試2年生2月マーク
教材・横軸:2014年度 進研模試2年生1月記述
<設定>コース・教科・科目:国数英, 表示設定:全組
これは勉強習慣が崩れたのではなく、科目によって
失敗があったということだろう。
科目ごとに自分の弱点を発見し、「ここはできてい
てよかったはず」と思う事項を、サブノートに書きこ
70
2014年度 進研模試2年生2月マーク
もう。それが数学の単元や英国の文法的な項目名で言
えることならば、この春の重点課題はそこだ。類題を
たくさんやって強化しておこう。
60
一方「読むのが遅い」とか「単語力不足」とかいう
ことならば、問題演習をノルマ化すべき。問題集は、
自分の現在のレベルに合ったものを選ぶこと。ここが
50
成否の分かれ目である。また、ただ演習するのではな
く、演習して解説もよく読み、「重要だ」「できなくて
40
くやしい」と感じたことをサブノートに書き留めるこ
とを忘れずに!
②左上エリアで大きく伸びた人がいる。
30
30
40
50
60
70
2014年度 進研模試2年生1月記述
80
(全国偏差値)
喜びすぎないように。マーク試験にはまぐれ当たり
がつきものである。「まぐれの○」と「惜しかった×」
を探し出し、ここをしっかり復習しておけば、模試成績の上下の振れ幅は上のほうで小さくなっていく。これが、
確実に力をつけるためのポイントだ。復習せずに放っておくとどこかで必ず足をすくわれる。
③頑張り始めたのに左下のほうに停滞している人(もいるはず)
がっかりすることはない。模試も入試も出題範囲は広い。頑張ったことが出題されていないだけなのだ。あきら
めてはいけない。頑張り続けていれば、だんだんヒットし始めるはずだ。手応えはもうすぐ現れる。
それからもう一つ。公務員試験や私立大看護学部(看護専門学校も)など、受験目標によっては進研模試よりもや
や易しい模試(公務員模試、看護医療模試など)を受けてみるとよい。これらは基本問題ばかりが出題され、そのか
わり高得点での争いになるからだ。これは高3になった時点で学年から案内するので気に留めておいてほしい。
まとめ
この3月が大事!
期末試験も終了し、授業は多少残っているものの、新学期までほとんど進まないというこの3月こそが、弱点を
カバーする最大のチャンス。一般に夏休みの勉強計画は理・社の追い込みが主柱だと言われている。なにしろ夏休
みの理・社は大体どの科目もセンター試験の出題範囲が終わっていない段階なので、既習部分だけでも完全に身に
つけておかないと冬休み(センター直前)が大変なことになるからだ。
だとすれば、この春の一大テーマは英数国の弱点補強しかない。高3スタート時の段階でこの3教科の基礎がど
れだけ固まっているかによって、「志望可能な大学のレベル」が大体決まってしまう。その意味では「今でしょ」
ではない、「今しかない」のだ。スモールステップを以下に示す。
1.手帳に部活動や行事、旅行などの確定的なスケジュールを書きこみ、
2.模試を見直して課題を決め、
3.そのための模試ファイルや問題集を準備(購入も)し、
4.「いつまでに」「どこまでやる」という計画を立てて
5.日程の中に割り振り、
6.計画の拡大コピーをとって部屋に張り出し、
7.勉強の邪魔になるものを封印し、
8.毎日家族に「今日は~時から始めるから!」と宣言して自分を追い込もう。
勉強が、どんな科目でも好きだという人は少ない。だとすれば成否はいやでもせずにはいられない仕掛けを自分で作るかどうかにかかっている。