環境関連課題

環境関連課題
基本姿勢
帝人グループは、合成繊維、化成品、医薬医療など、多岐にわたる事業をグローバルに展開していることから、事業活動
に伴う地球環境への負荷は少なくありません。
したがって、環境に及ぼす影響を認識し、さまざまな課題解決に向けた成果を積み重ね、安全の確保を基盤としながら
「低炭素」
「循環」
「自然共生」社会を目指して、社会と企業の持続可能な発展を実現していきます。
環境経営
気候変動問題への取り組み
※1
帝人グループは、企業理念に掲げる「地球環境との共生を
生産における温室効果ガス排出量
図り、自然と生命を大切にします」を実現するため、環境経
★
2012‒2020年度目標
営を積極的に推進してきました。環境経営とは、
「原料調達
CO2 排出削減率(2011年度基準)を毎年1%以上改善
から生産、製品の使用、廃棄まで、あらゆるプロセスを含む
製品のライフサイクル全体で環境負荷を低減させる経営」
2014年度
です。
「グループ環境経営推進部会」が中心となって、帝人グ
179万t-CO
2(2013年度対比9%減)
帝人グループは、国内外で生産における温室効果ガス排出
ループ全体の経営戦略との統合を図り、環境価値ソリュー
量の削減に努めています。2014年度はCO2 排出量が179万
ションの提供、環境負荷の低減、生物多様性の保全、環境教
トンとなり、2013年度対比で温室効果ガスを9%削減する
育・コミュニケーションを推進しています。
ことができました。
物流分野では、内航船や鉄道輸送の拡大、およびストック
原料調達から廃棄までの環境負荷低減
ポイントへのまとめ輸送による積載率向上や小口輸送回数
の削減に取り組むことで、CO2の排出を抑えています。
省エネルギーやさまざまな資源の効率的活用、化学物質
※1 CO₂以外に、メタン、一酸化二窒素を含む。熱量およびCO₂排出量は地球温暖化対
策推進法に基づく係数で算定(電力の排出係数は各年度とも0.555kg CO₂/kWh)。
ただし、海外の購入電力について、固有の係数を把握できる場合は当該係数を用い
て算定。
の環境排出量削減、廃棄物の管理・削減、土壌・地下水の汚染
防止、生物多様性の保全に取り組んでいます。
■ 2014年度 生産における環境インプット・アウトプット ★
INPUT
OUTPUT
投入量
エネルギー
26.9×10
排出量
中間製品
CO2
製品
製造加工
6
179
ギガジュール
化学物質
取扱化学物質
78.7
使用
原料
万t
42
万t
排水量
1.16
リサイクル
億t
TEIJIN LIMITED
t
0.31
億t
海水使用量
0.46
2,029
非有効活用廃棄物
淡水使用量
0.81
万t
回収
統合報告書 2015
廃棄
億t
化学物質排出量の削減
環境配慮設計
化学物質の環境排出量
※2
★
環境配慮設計を、
「調達、製造、使用、廃棄という製
2012‒2020年度目標
品のライフサイクル全体を通して、製品が環境に与
2020年度までに1998年度対比80%以上削減
2014年度
2,029t
(1998年度対比77%減、2013年度対比23%減)
える影響を総合的に評価しつつ設計を行い、環境負
荷を低減させること」と定義し、環境負荷の低減に取
り組んでいます。
化管法第一種指定化学物質(462物質:2010年4月改訂)
と日本化学工業協会が指定する化学物質(433物質)から重
環境配慮設計として認定された製品例
複指定を除いた575の化学物質を対象として、環境への排
出量削減に取り組んでいます。
※2 大気、水域、土壌への排出量および事業所内埋立量を集計。
水使用と排水による負荷低減
※3
淡水使用量
2014年度
排水量
※3
★
0.81億t
人工皮革「コードレ」
(リサイクルポリエステルを使用)
アラミド繊維のリサイクルパルプ
(2013年度対比2 %増)
★
2014年度
1.16億t
(2013年度対比4 %減)
用途を主とした海水を利用しており、グループ全体で水使
用と排水による負荷低減に取り組んでいます。2014度は、
海水使用の一部を淡水使用に切り替えた事業があったこと
から、淡水使用量は2013年度対比で2%増加し、2012年度
WIPO GREENは、国連の専門機関である世界知
的所有権機関(WIPO)が運営する、新興国への環境
技術の移転を促進する枠組みです。帝人(株)は、日
本の民間企業として初めてWIPO GREENのパート
ナーとなり、保有する環境技術情報の提供に加え、
本枠組みの運営にも参画しています。
並みの使用量となりました。
※3 淡水使用量は工業用水、地下水、上下水道の合計。排水量には冷却用海水を含む。
生物多様性の保全
廃棄物の管理・削減
事業活動を通じて排出される化学物質、温室効果ガス、廃
非有効活用廃棄物
※4
棄物など、生物多様性に影響を与える要素を見える化した
量★
「事業活動による生物多様性喪失リスクと生物多様性保全
2020年度までの目標
2020年度までに1998年度対比85%以上削減
2014年度
3,086t
(1998年度対比93%減、2013年度対比14%減)
廃棄物の発生量を削減するとともに、再使用およびマテ
リアル、ケミカル、サーマルなどのリサイクル処理への転換
により、非有効活用廃棄物の削減に取り組んでいます。
※4 非有効活用廃棄物は、熱回収なしの焼却や埋立処分する廃棄物を示す。
の取り組みマップ」を作成しています。これにより、帝人グ
ループ社員が事業活動による生物多様性への影響を明確に
認識した上で、保全活動を展開できるようにしています。
また、松山事業所および岩国事業所では、企業と生物多様
性イニシアティブ(JBIB)の「いきものモニタリングシート」
を活用し、社員と外部専門家による生物調査を実施してお
り、各拠点における生物多様性の貢献度を確認しています。
TEIJIN LIMITED
統合報告書 2015
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CSR ACTIVITIES
帝人グループは、淡水(工業用水、地下水、上水道)と冷却
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