学校概況と学校経営方針 1 学校概況 本校は市の北東、多摩川に接する押立の地に、昭和60年4月に稲城第一中学校と稲城第三中学校を母体として開校し、今年度開 校29年目を迎えた。 学区域は、押立全域と矢野口、東長沼の一部を擁し、自然豊かな地域にある。北には多摩川緑地公園、北緑地公園があり、川に架 かる二つの大橋、一つは鶴川街道を結ぶ多摩川原橋、一つは平成7年4月開通の、中央自動車道に通じる稲城大橋がある。南にはJ R南武線が走り、東に矢野口駅(平成17年に駅高架化工事完了)、西に稲城長沼駅がある。本校北側の多摩川沿いには「アカシア 通り」、区域の中央に「いちょう並木通り」が東西に伸び、梨畑が点在する、自然の豊かな地域である。 地域の人は、昔を知る旧家や農家、かなり以前の移住者、また、マンションなどへの最近の移住者と、多様である。地域には自治 会を始め体育振興会、青少年育成委員会、民生・児童委員、園・学校のPTA関係者等が横の結び付きを強めながら、地域における ボランティア活動を活発に展開している。資材を持ち寄った手作りの公園(押立堀公園)、稲城大橋の橋脚下のふれあい会館の利用 等、古いものの価値を尊び、新しいものを暖かく受け入れていく地域の文化が息付いている。 保護者は、学校に寄せる期待が大きく、年間を通じてPTAの諸活動も活発である。生徒・保護者・地域住民・教職員が一体とな り行う「ユニセフ・クリーン大作戦」を始め、夏季夜間パトロールの実施、体育大会・合唱コンクールへの参加協力等、親睦を深め つつ、生徒の健全育成のため活動している。また、平成21年度に発足した親父会も、ペンキ塗り等の学校の整備や生徒との交流な ど、意欲的に活動している。 生徒は、真面目に授業に取り組み、おおらかで素直である。伝統的に生徒会が活発に活動し、開校以来のユニセフ活動はもとより、 いじめ問題に取り組む姿勢、体育大会・合唱コンクール等、行事や課題に、自主的主体的に取り組む。また、あらゆる場面で「上級 生が下級生の手本となる」ことが本校の伝統になっている。放課後は、校庭・体育館・プール・パソコン室等、施設を大いに利用し た部活動も盛んに行っている。 花々が色とりどりに咲き、校舎の内外で季節ごとに目を楽しませてくれる環境は、保護者や地域の協力を得て、常に綺麗に保たれ ている。 2 学校経営方針 ○ はじめに 国際化や価値観の多様化、また情報通信機器の発展など、めまぐるしく変化しつつある現代の社会において、中学生には、これか らの社会に活躍するため、様々な状況に対応する力、困難を乗り越える力、他者と人間関係を築く力が求められる。そのため、確か な学力、豊かな心、心身のたくましさを備えた人間を育てることが義務教育の責務と考える。 学習指導要領にうたわれた「生きる力」をはぐくむという趣旨を十分に踏まえ、21世紀をたくましく生き抜きよりよい社会の実 現のため貢献する生徒の育成を目指し、以下の教育課程編成方針を掲げる。 1 教育目標 日本国憲法、教育基本法の理念に基づき、人権尊重の精神を重んじ、自己実現と国際平和を目指した教育活動を実施することによ り、将来をたくましく生き抜く力を備え、自立し社会貢献する生徒を育成する。さらに、生涯学習の基礎・基本を身に付け、自ら豊 かな人生を創造する資質をもつ生徒を育成する。 以上の目標の実現を図るため、次の生徒像の育成を目指す。 ○自ら学び、考え、表現する。 ○ 他を思いやり、力を合わせる。 ○ たくましい気力・体力を養う。 2 目指す学校像 ○生徒が目標を持ち、生き生きと活躍する学校 ○教職員が一枚岩となり、協働する学校 ○保護者・地域に信頼される学校 3 教育活動推進の際大切にする「四つの柱」 ①持続発展教育(ESD)推進拠点としての実践を充実させ、持続可能な社会の構築に資するための教育活動を展開する。 ②生徒に任せる前にきちんと教えるなど、意図的・計画的な指導を展開し、達成感を得る教育活動を行う。 ③生徒により高い目標を設定させ、向上心をもたせる。 ④主幹教諭を中心に、組織的に教育活動を推進する。 4 教育目標実現に向けた教育活動の方針 ア 持続発展教育(ESD)が目指す能力を育むため、人権、国際理解、環境、防災に関する教育活動及び自然体験・社会体験 を一層充実させるとともに、保護者・地域・多様な教育機関等と連携する。 イ 基礎的・基本的な知識及び技能の確実な習得を図るため、生徒一人一人の実態を把握し、個に応じたきめ細かな学習指導を 実施する。 ウ 課題解決に必要な思考力、判断力、表現力等育むため、各教科等における言語活動を充実させる。 エ 主体的に学習に取り組む態度を育むため、各教科における指導法を工夫・改善するとともに家庭との連携を深め、学習習慣 の定着を図る。 オ かけがえのない生命の尊さを認識し、思いやりの心や協調性を育むため、人権教育の充実を図る。 カ 豊かな人間性を養い、 社会貢献する意志を育むため、 教育活動全体を通して道徳教育を充実し、 道徳的実践力の向上を図る。 キ 義務教育9年間を系統的に見通した学習指導・生活指導を充実させるため、小中連携の一層の推進を図る。 ク 生涯にわたり健康で活力ある生活を送るとともに積極的にスポーツに親しみ健康増進を図る態度を育むため、心と体の健康 と体力・運動能力向上にかかわる指導を充実する。 コ 我が国の伝統と文化を尊重するとともに広く国際社会を理解し、進んで世界の平和に貢献する態度を育むため、国際理解教 育を充実させる。 サ いじめや不登校等について未然防止・早期発見・早期対応を図るため、組織的な生徒指導・教育相談体制を強化するととも に、保護者や専門機関等との連携を推進する。 シ 自然災害等の危険に際して主体的に自他の命を守り抜く判断力・行動力を育むため、防災教育を充実させる。また、生徒が 安全な学校生活を送れるよう、校内の緊急時対応体制を整備する。 ス 生徒が自己の将来を展望し自己実現への意欲をもつため、全教育活動を通し生き方に関する指導を計画的に行い、系統的 なキャリア教育を充実させる。 セ 特別な支援を要する生徒の自己実現を図るため、校内特別支援教育体制を強化するとともに、スクールカウンセラーや専 門機関等と連携し、特別支援教育を充実させる。 ソ よりよい教育環境・教育活動を生徒に提供し、生徒の主体性を育むため、学校行事を充実するとともに、保護者との連携 及び地域との連携を一層強化する。 タ 生徒・保護者・地域に期待される学校を運営するため、各種便りや学校ホームページにより学校の情報を積極的に発信す るとともに、学校支援コンシェルジェとの連携、学校関係者評価等学校評価の充実による教育課程の改善を図り、開かれた 学校教育を推進する。
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