P. iii - 高崎経済大学

吉田俊幸教授 略歴および研究業績
経 歴
1974年 3 月 東京大学農学部農業経済学科卒業
1975年 4 月 東京大学大学院農学系研究科修士課程入学
1977年 3 月 東京大学大学院農学系研究科修士課程修了(農学修士)
1977年 4 月 東京大学大学院農学系研究科博士課程入学
1979年 9 月 東京大学大学院農学系研究科博士課程単位取得
1981年 3 月 東京大学大学院農学系研究科博士課程退学
1991年 7 月 農学博士の学位授与(東京大学)
職 歴
1979年 4 月 財団法人農政調査委員会専門調査員
1981年 4 月 財団法人農政調査委員会研究員
1986年 7 月 財団法人農政調査委員会主任研究員
1988年 4 月 財団法人農政調査委員会国内調査部長・主任研究員
1995年 7 月 高経済大学地域政策学部教授として大学設置・学校法人審議会教員組織審査(現
代の農村問題、農業経済論、農業・農村政策論、流通経済論、協同組合論、演習Ⅰ、
Ⅱ、卒業論文)
1996年 4 月 高崎経済大学地域政策学部教授(現在に至る)
1999年 8 月 高崎経済大学大学院地域政策研究科修士課程設置に当たり文部省大学設置審議会
審査に於、○合判定(演習、農業政策特論)
2000年 4 月 高崎経済大学地域政策学部長(2004年3月)
2001年 8 月 高崎経済大学大学院地域政策研究科博士後期課程設置に当たり文部省大学設置審
議会審査に於、○合判定、演習、研究指導)
2004年 4 月 高崎経済大学地域政策研究科長(2007年7月)
2007年 8 月 高崎経済大学学長(2011年3月)
1982年 4 月 関東学院大学経済学部二部兼任講師(1990年まで)
1986年10月 武蔵大学経済学部農政学ゼミ担当兼任講師(1987年9月まで)
1989年10月 東京農工大学大学院(農学)兼任講師(農政学)(1990年3月まで)
1994年 4 月 日本大学経済学部兼任講師(農業経済学)(2007年3月まで)
( iii )
1995年 4 月 日本獣医畜産大学兼任講師(食料経済概論、農政学)(2001年3月まで)
1999年 4 月 日本大学大学院経済研究科博士後期課程経済政策特論演習、博士論文指導(2003
年3月まで)
2004年10月 東京大学農学系大学院特別講義(2005年3月まで)
2012年 4 月 常磐大学コミュニティ研究科兼任講師(農業・農村政策論講義、演習)
博士論文・主査、授与
2005年 3 月 1.小柴有理江『農産物直売所及びインショップの存立構造と地域振興』
2006年 9 月 2.平林光幸『大規模水田経営の存立条件と地域政策』
2007年 9 月 3.倪鏡
『畑地の農地減少要因と多様な農地保全策に関する農業・農村政策的研究』
〃 4.江﨑哲史『近代日本における蚕糸業の発展と産業政策の確立』
2009年 3 月 5.宋丹瑛『環境保全型農業の存立条件と政策課題』
〃 6.大仲克俊『農外企業による農業参入の背景及び実態と地域政策』
2010年 3 月 7.市村雅俊『需要成熟下におけるキノコの生産の構造変動』
〃 8.根岸幸男『日独における環境政策と環境配慮意識の比較検討』
2011年 3 月 9.若林憲子『グリーン・ツーリズムの展開と中間支援組織の意義と役割に関す
る研究』
〃 10.武藤完一『地方都市近郊河川の水質の現状と要因に関する地域政策学的研究』
2013年3月 11.王倩『構造変動下の大規模経営の特徴と農地問題に関する研究』
修士論文・主査・授与
小柴有理江、他17名、計18名(2012年3月現在)−2013年3月 2名(予定)
学会活動
1992年 4 月 農業問題研究学会『農業問題研究』編集委員長(1996年3月まで)
1998年 7 月 農業問題研究学会代表幹事(2001年3月まで)
1999年10月 日本協同組合学会常務理事(2001年9月まで)
2002年 7 月 日本地域政策学会常務理事
2006年 7 月 日本地域政策学会副会長
2010年 7 月 日本地域政策学会会長(現在に至る)
2004年 4 月 日本農業経済学会理事(2006年3月まで)
( iv )
2002年 7 月 JA・IT研究会副代表(現在に至る)
社会活動
1990年 4 月 農林水産省統計情報部農業センサス研究会委員(1996年3月まで)
1990年10月 日本生協連「コメ・食糧問題検討会」委員(1991年6月まで)
1993年 4 月 食糧庁後援ごはん食推進表彰事業委員(2000年4月まで)
1994年 4 月 農林水産省構造動態調査検討会委員(1995年3月まで)
1994年 5 月 大分県21世紀農業プラン策定委員(1996年3月まで)
1994年 7 月 日本生協連「コメ・農着問題検討委員会」委員(2005年6月)
1994年10月 コープ神戸「コメ・食料問題検討会」委員(1995年12月まで)
1995年 4 月 食糧庁米穀卸売業者規模拡大への在り方策定委員(1997年3月まで)
1995年 4 月 群馬県農業経営体育成検討会委員(1997年3月まで)
1995年 5 月 新潟県農業・農村活性化検討委員会委員(1996年3月まで)
1996年 4 月 群馬県地域興しマイスター(2004年3月)
1996年 4 月 食糧庁米麦食品産業検討会議委員(1997年3月まで)
1996年 4 月 国土庁第3セクターアドバイザー(2001年12月まで)
1997年 4 月 群馬県農業士、青年農業士認定委員会委員(2000年3月まで)
1997年 1 月 農水省農林統計観測審議会専門委員(2001年1月まで)
1997年 4 月 食糧庁長官私的諮問自主流通米取引に関する検討会員(1998年7月まで)
1997年 4 月 国土庁地域振興アドバイザー(2001年3月まで)
1997年12月 自主流通米価格形成センター(米価格形成センター)運営委員(農林水産大臣任命)
(2011年7月まで)
1998年 1 月 食糧庁精米表示に関する懇談会委員(1998年7月まで)
1998年 6 月 自主流通米価格形成センター(米価格形成センター)取引監視委員(農林水産大
臣任命)
(2011年7月まで)
1998年12月 農林水産省関東農政局地域資源の総合的利活用による地域懇談会委員(1999年
3月まで)
1999年 4 月 群馬県農政審議会委員(2003年3月まで)
1999年 6 月 農林水産省北陸農政局北陸農業構造政策推進検討会委員(2000年12月まで)
1999年11月 農林水産省米収穫量調査研究会委員(2000年3月まで)
2000年 4 月 高崎市農業公社理事(現在に至る)
2000年12月 食糧庁長官私的諮問備蓄米の運営に関する研究会委員(2001年9月まで)
2001年 1 月 農水省食料・農業・農村政策審議会臨時委員(2004年6月まで)
(v)
2001年 4 月 国土交通省地域振興アドバイザー(2008年3月まで)
2003年 3 月 財団法人農政調査委員会評議員(2011年7月まで)
2003年 4 月 大学基準協会特色ある教育支援プログラム「大学と地域・社会支援プログラム」
審査委員(2005年3月まで)
2003年 4 月 大学評価・学位授与機構「研究と地域連携」に関する評価委員(2005年3月まで)
2005年 4 月 高崎市地産地消推進委員会座長(2007年3月まで)
2006年 4 月 大学基準協会大学評価専門委員(2007年3月まで)
2006年12月 農水省価格・流通システム研究会座長代理(2007年3月まで)
2007年 4 月 大学評価・学位授与機構課題別評価委員(2009年3月)
2007年 3 月 農 水省「販売」を軸とした米システム在り方に関する検討会座長代理(2008年
12月まで)
2008年10月 農水省米流通システム検討会座長(2009年5月まで)
2008年 5 月 大学評価・学位授与機構国立大学教育評価委員会委員(2009年3月まで)
2009年 4 月 公立大学協会理事(2011年3月まで)
2009年 4 月 日本学生支援機構日本留学生試験実施委員会委員(2012年3月まで)
2009年 6 月 文部科学省「就職問題懇談会」委員(2012年3月まで)
2010年 4 月 厚生労働省、文部科学省「新卒者等の就職採用活動に関する懇話会」委員(2012
年3月まで)
2011年 6 月 財団法人農政調査委員会理事長(現在に至る)
2012年 4 月 日本学生支援機構学生支援推進プログラム評価委員
博士論文
米流通の構造変動と食管制度改革に関する研究 単 1990年7月 東京大学博士論文
著 書
1 .就業構造の変化と兼業農家 単 1983年8月 財団法人農政調査委員会
2 .稲作構造の現段階 共 1985年10月 梶井功編、全国農協中央会
3 .稲作農業の展望とポスト水田利用対策 共 1986年10月 梶井功編全国農協中央会
4 .米流通変革 共 1987年4月 御茶の水書房
5 .食管制度と生協 共 1988年8月 御茶の水書房
6 .農政改革の理論 共 1988年11月 農林統計協会
7 .タイ・台湾の米穀事情最前線−米・米加工品の国際競争力− 単 1989年1月 財団法人
( vi )
農政調査委員会
8 .米の流通自由化時代の構造変動 単 1990年3月 農山村漁村文化協会
9 .世界の食糧は今90 共 1992年8月 農山村漁村文化協会
10.農業の基本法制 共 1992年1月 家の光協会
11.新農政を斬る 共 1992年7月 農林統計協会
12.稲作生産構造の変化と産地での米流通・転作の変貌 共 1992年8月 JA千葉中央会
13.日本農業の展開構造−1990年世界農林業センサス分析− 共 1992年10月 農林統計協
会
14.農政改革の世界的帰趨 共 1994年6月 農山村漁村文化協会
15.1995年農業センサス読本−農業センサスと地域農業の担い手 共 1994年11月 農林統
計協会
16.新食糧法と激変する米流通 共 1995年6月 家の光協会
17.政府食管から農協食管へ 共 1995年9月 農林統計協会
18.原則時代の協同組合 共 1996年8月 筑波書房
19.農山村における農林業振興の課題と第3セクター 共 1997年3月 家の光協会
20.米産業の競争構造の研究 共 1997年3月 財団法人地域開発センター
21.第3セクター経営ガイドブック 共 1998年10月 農山村漁村文化協会
22.中日糧食経済和技術問題探求 共 1998年10月 国土庁、(財)日本地域開発センター
23.新食糧法下の米の加工・流通問題 単 1999年10月 中国農業出版社
24.米の生産(米の基礎知識習得講座1)
単 1999年11月 農林統計協会
25.食糧政策と流通制度(米の基礎知識習得講座2) 単 2000年2月(財)全国米穀協会
26.米の流通・消費と価格形成(米の基礎知識習得講座3) 共 2000年2月(財)全国米穀
協会
27.食糧法システムと農協 共 2000年10月(財)全国米穀協会
28.米飯食品ビジネス事典 共 2001年4月 農林統計協会
29.フードシステム学全集第6巻「フードシステムの構造変化と農漁業」
共 2001年3月 サイエンス・フォーラム、農林統計協会
30.米の事典 単 2002年6月 幸書房
31.米政策の転換と農協・生産者 共 2003年2月 農山村漁村文化協会
32.米政策の大転換 共 2003年8月 農林統計協会
33.生協の米事情 共 2004年6月 生協総合研究所
34.循環共生型社会と地域づくり 共 2005年3月 日本経済評論社
35.農協営農事業経済改革の課題 共 2005年11月 農山村漁村文化協会
36.民自治参加と地域づくり 共 2006年3月 ぎょうせい
( vii )
37.農協共販の抜本的見直し 2006年7月 農山村漁村文化協会
38.新版米の事典 2008年11月 幸書房
学術論文
1 .現段階における経営受託の構造とその形成メカニズム 単 1978年10月 『土地制度史学』
29巻1号81号、土地制度史学会、農林統計協会
2 .地域開発に伴う農地転用と農業・農家の変化 単 1981年3月 『西蒲原土地改良区誌』西
蒲原土地改良区
3 .集団転作の存立条件 単 1981年3月 「農地の集団的利用」(財)農政調査委員会編
4 .代替地取得の対象となった地域の土地問題 単 1982年3月 『土地価格の総合的研究』東
大出版協会
5 .関東地方における畑作、田畑作の賃貸借 単 1982年6月 『農業問題研究』15号、農業
問題研究会
6 .米流通の変化と「産地間競争」
単 1983年12月 『農産物市場研究』17号農産物市場研究
会、筑波書房
7.農 地移動の特徴と上層農家への農地 単 1984年3月 『大規模複合経営』ISSNO9154159 (財)農政調査委員会編
8 .米流通の変化と単年度需給 単 1984年11月 『農村と都市とを結ぶ』34巻11号No.401
9 .上層農家への経営耕地集中と大規模複合経営 単 1985年3月 『大規模複合経営2』第
12号 ISSNO915-4159 (財)農政調査委員会編
10.生協の米販売 単 1984年4月〜 1985年5月 『月間食糧』第34巻4号〜第35巻5月まで
13回連載、全国食糧事業協同組合
11.上層農家への農地集中−その現状と条件 単 1986年1月 『農林統計調査』農林統計協
会第30巻1号
12.米小売の変化と米流通 単 1986年3月 『農村と都市を結ぶ』第35巻3号、417
13.転機にたつ食管制度改革 単 1986年4月 『農業と経済』第52巻4号富民協会、毎日新
聞
14.米流通の3つの流れと価格形成のメカニズム 単 1987年6月 『農業と経済』第53巻7号
富民協会、毎日新聞
15.米流通の変化と農業倉庫の再編 単 1987年6月 『米流通問題報告書』全国農協中央会
16.水 田利用再編下における米流通・食管制度の変化 単 1987年12月 『農産物市場研究』
24号農産物市場研究会、筑波書房
17.農 業基本法下の食管制度の変質と今後の課題 単 1988年3月 『基本法農政下の農業・
( viii )
農政と今後の課題』
(財)農政調査委員会
18.大 規模農家への農地集積と農地問題 単 1988年6月、7月 『農政調査時報』381 〜
382、全国農業会議所
19.転機にたつ食管制度と米流通 単 1988年10月 『農業と経済』第54巻10号、富民協会、
毎日新聞
20.米流通の新しい動き 単 1989年1月 『農業と経済』第55巻14号、富民協会・毎日新聞
21.水田地帯での構造変動と新たな担い手 単 1990年2月 『農場制農業の研究』農林統計
協会
22.中山間地域における水田農業の担い手と経営展開 単 1990年3月 『農政の展開が中山
間地域の農業に与える影響についての調査研究』第1号(財)農政調査委員会
23.砺波地域での企業的経営の展開とその特徴 単 1990年3月 『水田地帯での構造変動と
担い手』第16号 ISSNO915-4159 (財)農政調査委員会
24.コメ輸出促進策に転換したタイ 単 1990年11月 『現代農業』農文協
25.食 管・米流通の変化と再編課題 単 1991年1月 『農業と経済』91年別冊、富民協会・
毎日新聞
26.1戸1品運動による農業振興とマーケッティング 単 1991年3月 『中山間地域の可能
性をさぐる』
(財)農政調査委員会
27.価格形成機構での価格水準の特徴 単 1991年7月 『農業と経済』第57巻8号、富民協会
毎日新聞
28、畑作地帯での農協直営型法人の設立 単 1991年3月 「畑作地帯での構造変動と担い手」
(財)農政調査委員会
29.稲作生産構造の変化−商品稲作生産者の形成 単 1992年3月 『農家・農村社会の変貌
と多様な担い手及び農村活性化に関する調査研究』(財)農政調査委員会
30.米の消費・流通・生産の新時代 単 1992年4月 『農業と経済』1982年4月別冊、富民
協会、毎日新聞
31.米流通の新動向と課題 単 1992年6月 『米と食管制度』農産物市場研究会、筑波書房
32.新しい農業・生産者像の確立と食管制度・農協 単 1992年7月 『東北開発研究』
33.古い理念で現実を裁断する「食管形骸化」論 単 1992年10月 『どうする日本農業−論
争日本の農政』農山漁村文化協会
34.新政策での米流通・管理と米の生産、流通、消費の構造変動 単 1992年11月 『農業と
経済』臨時増刊号、富民協会、毎日新聞
35.借地型経営での経営継承と農地流動化 単 1993年3月 『農家・農村社会の変貌と農地
問題』農政調査委員会
36.第3セクター、農業公社と農協 単 1993年3月 『中山間地域における第3セクターと
( ix )
JA』全国農協中央会
37.生産者譲渡米の増加と生産調整、政府の役割 単 1993年5月 『日本の農業−21世紀の
課題』農林統計協会
38.産地での米流通の構造変動と新しいタイプの稲作生産者の登場 単 1993年9月 『産地
での米流通の構造変動と生産者譲渡米』農政調査委員会
39.一戸一品運動による農業振興と地域活性化 単 1993年11月 『農業と経済』第59巻14号、
富民協会、毎日新聞
40.複合的な要因による需給逼迫 単 1993年11月 『農業と経済』第59巻12号、富民協会、
毎日新聞
41.経営基盤強化法と米流通 単 1993年11月 『月間食糧』第43巻8号全国食糧事業協同組
合
42.米の緊急輸入と消費・流通・生産の構造変動 単 1993年12月 『桜門春秋』58号、日本
大学
43.大規模稲作経営の特徴 単 1994年1〜3月 『米穀情報』210、312、313財団法人米穀
協会
44.農地流動化の進展と経営県継承、
耕作地集約化の必要性 単 1994年2月 『農政調査時報』
第44巻3号、全国農業会議所
45.食管制度改革の必要性 単 1994年4月 『農業と経済』第60巻5号、富民協会、毎日新
聞
46.日本のコメづくりの概況−今米は?− 単 1994年6月 『アブニール』17号
47.系統農協と食管制度改革 単 1994年7月 『協同組合研究』13巻28号、協同組合学会
48.制度改革と米価政策の在り方 単 1994年8月 『農業と経済』第60巻9号、富民協会、毎
日新聞
49.制度改革の課題といくつかの論点 単 1994年8月 『生活協同組合研究』第232号(財)
生活問題研究所
50.中山間地域の現状及び地域振興の課題とJAの役割 単 1994年8月 『条件不利地域の農
業振興とJA役割』全国農協中央会、吉田編著
51.今後の米流通システムと入札取引の課題 単 1994年11 〜1月 『米穀情報』320 〜 322
号、全国米穀協会
52.農業基本法から新政策、6年農政審議会報告への政策展開 単 1995年3月 『新農業基
本法の検討のための基礎資料作成に関する調査事業報告書』農水省、農政調査委員会
53.食糧管理制度の改革と系統農協における米穀事業再編 単 1995年3月 『協同組合基礎
理論シリーズ第42集』農林中金研究所
54.新食糧法の意義と今後の米流通 単 1995年4月 『農業と経済』第61巻5号富民協会、毎
(x)
日新聞
55.新食糧法の意義と今後の米流通管理の課題 単 1995年5月 『NIRA政策研究』総合研究
開発機構第8巻5号
56.新食糧法と米流通の変化・業界再編 単 1995年8月 『公庫月報』第561号農林漁業金融
公庫
57.新食糧法下での生産調整と今後の稲作生産の課題 単 1995年12月 『農業と経済』第61
間15号富民協会、毎日新聞
58.新 食糧法による米流通再編成の方向と規定する要因 単 1996年10月 『農村ニュース』
国際農業社
59.稲作構造変動の芽とサービス化 単 1995年12月 「米穀情報」第333号
60.新しい米対策の特徴と地域農業の課題 単 1996年5月 『農業と経済』第64巻5号、富
民協会・毎日新聞
61.新食糧法の特徴と米産地の課題 単 1996年6月『北陸農業研究』北陸農業研究会
62.農 地流動化から経営継承、経営体育成へ 単 1996年11月 北海道農試農業経営研究第
689号農水省北海道農業試験場
63.新食糧法下での米流通と稲作生産構造の課題 単 1997年1月 『農業及び園芸』養賢堂
第72巻1号
64.新政策、新食糧法と農協・農業 単 1997年2月 『協同組合研究』第16巻1号日本協同
組合学会
65.経営体育成、継承と農地調整、集落営農 単 1997年3月 「地域農業と農地利用・管理」
農業の基本問題に関する調査研究 ISSNo915-4159 (財)農政調査委員会
66.農林業を核とした地域振興の課題 単 1997年3月 「中山間地域での総合的活性化手法
に関する研究」農政調査委員会
67.農業振興からの地域振興、UIターンを含めた後継者づくり 単 1997年3月 「中山間地
域での総合的活性化手法に関する研究」農政調査委員会
68.米販売業者の経営問題と仕入れ・販売 単 1997年3月 「米穀卸売業者の規模拡大への
在り方に関する提言」米穀協会、食糧庁委託
69.農業構造問題と農政改革 単 1997年4月 『農業問題研究』農業問題研究会、筑波書房
70.中山間地域の活性化 単 1997年5月 『地域開発』地域開発センター
71.新 たな米流通、流通管理の胎動、改革の課題 単 1997年9〜 11月 『農業共済新聞』
1997年9月〜 11月(11回)全国農業共済協会
72.新たな米流通と価格形成の胎動 単 1997年8月 『協同組合研究月報』財男法人協同組
合研究所
73.自主流通米価格取引の弾力化と経営安定対策 単 1997年11月 『農業と経済』第63巻11
( xi )
号富民協会、毎日新聞
74.農山村型第3セクターの諸類型とその役割 単 1997年11月 『地域開発』地域開発セン
ター
75.新食糧法下での生産調整をめぐる課題 単 1997年12月 『農村と都市とを結ぶ』第47巻
12号
76.稲作上層経営の複合化と農業構造の多様化 単 1998年3月 『地域農業の多様な担い手
と地域資源管理』
(財)農政調査委員会
77.稲作上層経営の複合化と農業構造問題の課題 単 1998年10月 『地域農業の多様な担い
手と地域資源維持管理』農業の基本問題に関する調査研究24号、ISS 915-4159
78.中山間地域の活性化 単 1998年3月 『中山間地域での総合的活性化手法に関する調査
研究』農政調査委員会
79.中山間地域の活性化状況とその規定要因 単 1998年3月 『中山間地域での総合的活性
化手法に関する調査研究』農政調査委員会
80.米の過剰問題と米政策の転換 単 1998年4月 『食糧・栄養・健康』食糧栄養調査会編、
医歯薬出版株式会社
81.新 たな米政策の特徴と地域農業 単 1998年5月 『農業と経済』第64巻3号富民協会、
毎日新聞
82.経営安定対策等流通構造面での全面的転換 単 1998年6月 『農林統計調査』農林統計
協会
83.新食糧法のほころびと「新たな米対策」
単 1998年12月 『日本農業年鑑』1998年阪家
の光
84.経営安定政策の転換と農村社会の構築 単 1999年1月 『農村ニュース』第40巻1号
85.中山間地域での地域活性化と農地保全 単 1999年3月 『中山間地域資源利活用支援方
策調査業務報告書』農政調査委員会
86.価格安定対策から経営安定対策への転換と稲作経営の課題 単 1999年3月 『日本農業
の変貌−現段階と論点』
(財)農政調査委員会
87.価格自由化、米関税化移行と北海道米 単 1999年3月 科学研究費報告書
88.中山間地域の活性化と農林業 単 1999年8月『昴』ぎょうせい
89.新たな水田営農の下での水田営農確立の課題 単 1999年11月 『農業と経済』第65巻11
号、富民協会、毎日新聞
90.経 営安定政策への転換の課題と水田農業 単 1999年12月 『農業経済研究』71巻3号日
本農業経済学会、岩波書店
91.水田農業再編課題と農政 単 2000年3月 『農林業問題研究』第36巻4号、地域農林経
済学会、富民協会
( xii )
92.中山間地域での地域活性化、農地保全、流動化 単 2000年3月 『中山間地域資源利活
用支援方策調査業務報告書』農政調査委員会
93.新たな農業生産システムの模索と課題 単 2001年1月 『農村ニュース』第42巻1号
94.農業基本法以降の農産物供給・価格政策の限界と今後の政策課題 単 2001年3月 『農
林業問題研究』第37巻4号、地域農林経済学会、富民協会
95.中高年層の帰農と20歳未満農業就業人口の増加 単 2001年3月 『農業の公共性と地域
政策』
(財)農政調査委員会
96.米をめぐる政策展開と流通・産地問題 単 2001年3月 『新時代における稲作経営の進路』
農林水産省農業研究センター農業計画部・経営管理部
97.麦流通の民間流通のフレームとその狙い 単 2001年5月 『AFF』農林水産省協力、農林
統計協会
98.
『経営安定政策めぐる諸課題』
単 2001年8月『農村ニュース』第43巻3号
99.中山間地域の活性化と地方分権 単 2002年3月 『地方自治の論点108』恒松監修 時事
通信社
100.水田営農と量的生産調整から経営安定・所得保障政策への転換 単 2002年3月 『食料
自給率向上と水田営農再構築の課題』
(財)農政調査委員会
101.大規模稲作経営の米価下落、生産調整への対応 単 2003年3月 『食料自給率向上に向
けた水田農業の存立条件』
(財)農政調査委員会
102.農村振興の意義と課題 単 2003年7月 『東北開発研究』東北開発研究センター
103.食と農の再生と農協営農事業改革 単 2003年9月 『協同組合研究』日本協同組合学会
104.地域水田ビジョンと大規模稲作経営 単 2004年1月 『ファームランド』 32農地保有合
理化法人
105.マーケッティングと新しいビジネスモデルによる地域振興 単 2004年6月 『農村計画
学会誌』
、23巻1号日本農村計画学会
106.消 費者ニーズ、消費形態の変化と米消費 単 2004年7月 『公庫月報』644号農林漁業
金融公庫
107.米生産者による農産加工の現状と課題 単 2005年6月 『農林統計調査』第55巻6号農
林統計教会
108.米生産目標数量配分の市町村配分と地域農業 単 2005年3月 『コメ政策の新たな展開
と水田営農システムの転換』農政調査委員会
109.米 政策改革大綱の推進状況と経営所得安定対策等大綱 単 2006年3月 『農業と経済』
第72巻3号
110.米政策の論点整理 単 2006年3月 『農政改革下での水田農業再編の課題』農政調査委
員会
( xiii )
111.品目横断的経営安定対策の特徴と意義 単 2006年1月 『農村ニュース』第47巻1号国
際農業社
112.21世紀新農政06と今後の課題 2006年8月 『農村ニュース』第47巻3号国際農業社
113.新潟における構造問題と担い手問題 単 2007年1月 『日本農業年報』53号、農林統計
協会
114.米 の緊急対策と水田農業の課題 単 2007年1月 『農村ニュース』第48巻1号国際農業
社
115.米価の低下と食料自給率向上の課題 単 2008年1月 『農村ニュース』第49巻1号国際
農業社
116.揺らぐ農業・農村の存立条件 単 2009年2月 『生活協同組合研究』生協総合研究所387
号
117.価格維持型農政から直接支払制度への遥かな道 単 2009年4月 『都市問題』東京市政
調査会100巻
118.国際化・人口減社会と米、水田農業の課題 単 2011年10月 『JC総研レポート』特別号
119.今後の米需給と米・水田農業政策の課題 単 2011年11月 『生活協同組合研究』生協総
研
紀要等その他
1 .転作下での産地集出荷の現状と問題点 共 1978年8月 『商品流通と生協経営』32号生
協問題研究所
2 .自主流通米と農協の対応 単 1981年5月 『特別自主流通米』(財)農政調査委員会
3 .小麦の流通とバラ化 単 1982年8月 『北海道小麦の生産と流通』農政調査委員会
4 .米流通と生協 共 1982年7月 (財)農政調査委員会
5 .熊本県における米流通構造と特徴 単 1983年10月 『米流通構造変貌と地域類型』
(財)
農政調査委員会
6 .変革下の米小売業 共 1985年10月 (財)農政調査委員会
7 .共同乾燥施設及びバラ化の実態と課題 単 1986年2月 『国産小麦の生産と流通㈽』
(財)
農政調査委員会
8 .食管制度と精米工業 共 1988年3月 農政調査委員会
9.タイにおける米扮及び米菓生産の現状 単 1988年12月 『米穀情報』第250号、全国米
穀協会
10.産地における米流通の構造変動と特徴 単 1990年3月 『自主流通米の現状と「価格形
成の場」
』
(財)農政調査委員会
( xiv )
11.今後の米流通を考える 単 1991年1月 『米穀情報』第275号、全国米穀協会
12.鹿児島県畑作地帯での農協直営型法人設立 単 1991年3月 『農業の基本問題に関する
調査研究』第17号「畑作地帯での構造変動と担い手」(財)農政調査委員会
13.初年度入札取引結果と自主流通米]
単 1991年7月 『週刊農林』1462号農林出版社
14.書評『現代の米価問題』
単 1991年8月 『農林統計調査』485号、農林統計協会
15.米消費の新動向に関する研究 編著 1992年3月 食糧庁、農政調査委員会
16.空洞化する転作と譲渡米の増加 単 1992年10月 『週刊農林』1505号
17.課題多いポスト後期対策 単 1992年4月 『週刊農林』1510号
18.コメ政策−新しさ経営体育成のみ 単 1992年10月 『技術と普及』第29巻10号全国農業
改良普及協会
19.畑作地帯での経営受託事業の必要性と課題 単 1993年3月 『JAによる農用地利用調整』
全国農協中央会
20.政府米機能の変化と生産者米価 単 1993年6月 『週刊農林』1526号
21.政府米の役割を見直せ 単 1993年11月 中日新聞
22.米の需給逼迫と米政策 単 1993年12月 『月間自治研』35巻4号、
23.酪農の規模拡大とサービス事業体 単 1994年3月 『畜産の生産構造と多様な経営体調
査』第3集(財)農政調査委員会
24.新たな流通方式に関する調査研究 単 1994年3月 千葉県農協中央会
25.平成の「米」騒動と食糧管理 単 1994年5月 『農業と食糧』399号、農業・農民協会
26.食管制度改革と米価政策 単 1994年6月 『週刊農林』1559号
27.自主流通米価格形成メカニズムに関する理論的研究 単 1994年9月 『自主流通米の価
格形成メカニズムに関する理論的研究』
(財)農政調査委員会
28.系統米穀事業の課題 同 同
29.新食糧法の特徴と課題 単 1994年11月 『週刊農林』1572号
30.食管制度改革 単 1994年8月 『現代農業』571号
31.新食糧法のポイントとJA対応策 単 1995年1月 『農業協同組合経営実務』50巻1号
32.単協の新たな米事業の在り方と事業体質の改善 単 1995年1月 『調査と情報』109号農
林中金総合研究所
33.新食糧法と系統農協、稲作生産者 単 1995年2月 『青森農業』第46巻第2号青森県農業
改良普及協会
34.新食糧法と青森米の生産・流通面での課題 単 1995年3月 『青森県産米評価に関する
調査研究』青森県、
(財)農政調査委員会
35.新食糧法下での自主流通米価格形成メカニズムに関する理論的研究 共(編著) 1995年
6月 (財)農政調査委員会
( xv )
36.入札取引の現状と課題 単 1995年7月 『週刊農林』第1572号
37.新食糧法と機械需要の多様化、新たな利用形態 単 1995年10月 『農村ニュース』第44
巻3号
38.米新時代を展望する 単 1995年11月 『ANTENA』1995年11月全国土地改良事業団体連
合会
39.価格維持に生産調整の必要性 単 1995年11月 毎日新聞
40.入札取引の現状と自主流通米価格センターの課題 単 1995年12月 『米穀情報』332号、
財)米穀協会
41.政府米の機能と役割に沿った米価とは 単 1996年3月 『週刊農林』1609号農林出版社
42.新食糧法下での生産調整と稲作生産者の課題 単 1996年7月 『ANTENA』全国土地改良
連合会
43.新食糧法と産地・流通再編 単 1996年11月 『ANTENA』全国土地改良連合会
44.米の生産・流通・消費−全面的転換 単 1998年6月 『農林統計調査』農林統計協会
45.白根市農業活性化研究事業報告書 単 1999年3月 白根市
46.新食糧法下での米流通の変化と今後の課題 単 1999年6月 『農産物検査とくほん』食
糧検査協会
47.書評「地殻変動下のコメ政策」
単 2001年7月 『農林水産図書資料月報』農林水産省図
書館
48.系統米穀事業の再編を 単 2002年12月 日本農業新聞
49.農村政策試論 単 2002年11月 『地域政策研究』第1巻第3号高崎経済大学地域政策学
会
50.農政改革の方向と成果及び課題 単 2005年1月 『農村ニュース』42巻1号国際農業社
51.米政策改革大綱と需給・価格安定システム 単 2005年5月 『農村ニュース』45巻1号
国際農業社
52.地域水田農業ビジョンと今後の米生産・流通 単 2006年2月 『技術と普及』42巻5号
全国改良普及支援協会
53.インショップによる「流通革新」と地域農業づくり 単 2006年3月 『農林水産図書資
料月報』第53巻11号農林統計協会
54.農村における資源・環境保全政策の展開と直接支払制度の意義 単 2007年4月 『地域
政策研究』第8巻第3号高崎経済大学地域政策学会
55.高 齢者農業の可能性とその社会的意義 単 2006年3月 『地域政策研究』第9巻第2、
3合併号高崎経済大学地域政策学会
56.消費者視点からの米改革見直しを 単 2006年4〜5月 『週刊農林』1859号
57.生産調整の問題点と消費者視点の米政策 単 2008年10月 『週刊農林』1865 〜 66号農
( xvi )
林出版社
58.備蓄米の現状と課題 単 2008年12月 日本経済新聞
59.生産者視点の政策から消費者視点、環境視点の米水田政策の転換を 単 2009年4月 『農
産物検査とくほん』169号
60.持続的発展可能性−都市開発の構想と問題点−農村経営からのアプローチ 単 2009年4
月 『国府台経済研究』第9巻2号千葉商科大学
61.農地法改正の意義と課題 単 2010年4〜5月 『週刊農林』2018
62.地域資源活用型、多様な経営育成 単 2011年1月 『週刊農林』2115、2118
63.流通コスト高で進む全農離れ 単 2011年7月 『エコノミスト』毎日新聞社
64.先物取引と今後の課題 単 2011年8月 『JA・IT研究会・通信』
65.人口減、高齢化社会、国際化と米・水田農業 単 2012年8月 全国農業新聞
66.水田農業の再編と大規模水田経営 単 2012年10月 『地域政策研究』第15巻第1号高崎
経済大学地域政策学会
67.県産米の振興 単 読売新聞 2012年11月
学会発表
シンポジウム等、招待報告のみ
1 .関東地方における畑作・田畑作の賃貸借 単 1980年10月 農業問題研究会秋季全国大会
シンポジウム
2 .米流通の変化と「産地間競争」
単 1983年4月 農産物市場研究会春季大会シンポジウム
3 .水田利用再編下における米流通・食管制度の変化と新たな動向 単 1986年10月 農産物
市場研究会秋季大会シンポジウム
4 .農業構造の変貌と農政 単 1996年4月 農業問題研究会春季全国大会シンポジウム
5 .米政策改革の背景と特徴 単 1997年10月 『97糧食経済和技術高級検討会』中国糧食経
済学会、中国油学会
6 .原材料米の現状と課題 単 1996年5月 フードシステム学会春季ミニシンポジウム
7 .新政策・新食糧法と農協・農業 単 1996年11月 日本協同組合学会第16回全国大会シン
ポジウム
8 .経営安定政策への転換の課題と水田農業 単 1999年7月 日本農業経済学会全国大会シ
ンポジウム
9 .水田農業再編課題と農協 単 1999年10月 地域農林経済学会全国大会シンポジウム
10.農協の経営及び組織問題 単 2000年5月 日本協同組合学会春季シンポジウム
11.食糧法下の米流通再編、
単 2001年5月 フードシステム学会関東例会ミニシンポジウ
( xvii )
ム
12.農業基本法以降の農産物供給・価格政策の限界と今後の課題 単 2001年10月 地域農林
経済学会全国大会シンポジウム
13.食と農の再生プランと農協改革 単 2002年11月 日本協同組合学会全国大会シンポジウ
ム
14.日本経済の発展過程と農業・農村問題 単 2005年10月 東アジア農業・農村地域政策シ
ンポジウム、日本地域政策学会
15.JAの米穀事業の現状と活性化の課題 単 2008年1月 JA・IT研究会第21回公開研究会
16.日本の米政策の変化と課題 単 2007年10月 中国江蘇省中日現代農業フォーラム
17.コメ政策改革の争点と地域 単 2009年7月 日本地域政策学会第2分科会
18.米・水田農業政策の特徴と課題 単 2010年5月 地域振興下の資本の農業参入と、農地、
農協問題、中日学術研究会、中国人民大学
19.消 費者ニーズ、流通変化、業界再編と米販売戦略 単 2011年12月 JA・IT研究会第30
回公開研究会
学会個別報告、研修、講演は省略
( xviii )
現地調査と共同研究を通じての研究活動
−退職のご挨拶に代えて−
吉 田 俊 幸
自主的な研究会への参加を通じて論文作成−大学院時代−
学生時代は、ベトナム戦争、学園紛争、70年安保という時期に見事に重なり、それらに主体
的に参加したため、卒業も大学院入学も遅れた。当時、東大農学系大学院農業経済学科農政学教
室に所属したが、大学院生は各学年毎に数人おり、60年安保世代とともに研究者となった数が
多い時代であった。大学を4年で卒業した院生は少なく、大学院の入学年次と学部時代の入学年
次も卒業年次も錯綜し、梁山泊という雰囲気であった。
当時、米の構造的過剰による減反政策、農業の機械化の進展による規模拡大、野菜、畜産農家
の経営展開、地域開発とそれにともなう農地転用等、日本農業、農政も、大きな転換期にあった
ため、研究テーマを設定することに困らなかった。また、研究は、院生の責任であり、各種の自
主的な研究会に勝手に参加する状況にあった。そのなかで、研究者としての訓練を受けた研究会
があった。
一つは、ODや若手研究者による茨城県鹿島地域の大規模開発にともなう地域経済、農家の変貌、
対応についての調査・研究である。研究会では、OD(野原光氏)等から地域経済学についての
手ほどきを受け、他大学の研究者も参加する研究会にも参加できた。さらに、橋本玲子助手のも
とで数人の院生とで、自主的研究会(資本論の輪読と各自研究の発表)にも参加し、いくつかの
中山間地域の調査に同行した。二つの研究会は、直接的には論文に結びつかなかったが、経済学
の基礎と研究姿勢や調査方法を学び、その後の研究の基礎を築くことができた。
今村先生(当時助教授)の演習では、農業構造問題についての体系的に学ぶことができた。同
時に、農地賃貸借について数ケ所の調査に連れて行かれ、農村の変化を肌に学ぶことができた。
その後の農政学の研究発表のための基礎的な知識と方法を学ぶことができた。
修士2年の時、農業経営学研究室の和田助教授(当時)から館林ICの地域への影響調査を誘わ
れ、
飯島氏(現福島大学)と農業への影響を担当した。その農家調査をもとに修士論文として「水
田での大規模複合経営の存立条件」をまとめた。館林地区での展開した米麦作+施設キュウリ、
なすの複合経営は、機械化の進展による省力化に加え、キュウリ、なすの新品種による作型の変
化にあり、米麦作の規模拡大と両立していることを実証した。キュウリ、なすの品種変更による
( xix )
作期の変化について、着目した点を指導教官である阪本教授に評価され、研究のとは何かがぼん
やりと理解できたことを記憶している。
修士論文のデーターを基礎に、最初の学会誌論文「現段階における経営受託の構造とその形成
メカニズム」(土地制度史学、1978年)を発表した。当時、経営受託(借地)が本格的に進展す
るかどうか、構造変革の担い手を自作農か借地農かが学会を含めた農業界の論争となっていた。
借地型規模拡大は、農地改革の意義を否定につながるという警戒感があったためである。本論文
では、経営受託(借地)農家の中心は、借入地を主とする借地農が少数であり、受託農家が野菜
等の複合経営や中堅規模の借り足し農家であり、機械と労働力との効率的利用であることを論証
した。当時の賃貸借の実態を踏まえた論文として、多くの学会誌に引用をされた。この論文を契
機として、農地流動化、構造問題、担い手問題を研究分野の一つとなった。
農地構造問題、農地問題の研究と(財)農政調査委員会時代
大学院から農政調査委員会の過渡期での調査・研究では、新潟大学臼井教授、農水省北陸農試
の今井氏の誘いで、新潟県西蒲原土地改良区誌の編纂に携わったことも幸運であった。79年か
ら81年にかけて2年間、日本屈指の稲作地帯である新潟県西蒲原地域の農村調査を自由に調査
し、水田農業の機械化等にともなう変化を確認することができた。その成果が「地域開発にとも
なう農地転用と農業・農家の変化」
(1981年3月)であり、農地転用にともなう農地売却農家の
その使途を検討し、代替地取得が中心であることを明らかにした。さらに、土地改良区の農地資
料を1筆ごとに集計して、燕市の工業団地の転用にともなう代替地取得が西蒲原全域に及んでい
る。さらに、代替地へ売却農家がさらに農地取得する玉突き現象を通じて、転用地価が農地価格
へ波及し、高騰を招いていることを実証した。水田地帯での転用と代替地取得についての綿密な
実証的な研究ということで、指導教官であった阪本、今村先生からほめていただいた。さらに、
代替地取得が、地域の農地利用調整や農地価格高騰を招くことを「代替地取得の対象となった農
地問題」
(1982年)で論証した。
農地問題や農地価格、小作料に関する研究は、ライフワークの一つとなり、3年前より、農地
価格、小作料下落に関する研究を開始しており、本年中にまとめを執筆する予定である。
79年4月より、今村先生の紹介で(財)農政調査委員会の専門調査委員となり、96年の高崎
経済大学地域政策学部へ赴任するまで、研究の舞台となり、数々の研究成果と人的ネットワーク
を築くことができた。また、研究や調査スタイルを身につけることができた。
農政調査委員会では、当時、倉内氏(その後農工大教授)を研究員・事務局として、今村、磯
辺先生を中心に、稲作機械化による規模拡大、賃貸借の動き等の農用地利用増進法制定のもとに
なる実証的、理論的な研究(1980年)を行っていた。81年よりこの研究会の研究員・事務局長
を高崎経済大学へ赴任するまで、担当した。この研究会には、農業経済学会の中心的なメンバー
が参加し、テーマは、各メンバーと農水省官房企画室との間で調整しながら、構造政策、農地問
( xx )
題に係わる農政上の重要課題を設定した。テーマや調査地の設定し、研究会メンバーとともに変
動する日本農業の構造変動に関する調査・研究を継続することができ、研究会の一員として、毎
年、何本かの学術論文を発表することができ、さらに、研究会のメンバー、全国各地の農村調査
をすることができた。その初期の成果が「集団的土地利用」、「農地移動の特徴と上層農家への農
地集積」
、
「大規模農家への経営耕地集中と大規模複合経営」等である。
構造問題での初期の業績であり、最初の著作で代表作の一つが『就業構造の変化と兼業農家』
(1983年8月、農政調査委員会)である。論文の背景は、高度経済成長を経て、兼業農家が多数
を占める状況になったが、その位置づけについて論争があった。一つは、兼業農家が経営規模的
に零細であり、そのため、賃金水準も低く、農業所得も生計に不可欠となっている「貧農」的な
存在であるという主張である。もう一つは、兼業農家の勤務先は安定した職場であり、農家所得
水準も都市勤労者を上まわっており、資産的農地所有者に変化したという主張である。そこで、
農水省の協力を得て、農水省『農家経済調査』の個票を点検して、年齢別、男女別、地域別、経
営規模別の農外就業舎の年間所得(勤務時間)を再集計した。また、愛知県作手村(トヨタ、三
菱自動車)及び群馬県千代田村(東芝、カルピス)の兼業農家を調査するとともに農家の個人別
の農外所得を税務課資料から年齢別所得の図表を作成した。いずれの資料も、男子の場合には、
40代半ばまで、賃金水準(農外所得)が農家も非農家にも差がないが50代前後以降では農家が
非農家に差が生じていることを実証した。また、女子の場合、農家と非農家の区別なくM字型就
農が見られることが明らかにした。男子の50代前後以降の格差は、
「昭和一桁世代」
(高度経済
成長以前に就農していた世代)が、中途採用のために不安定就業となっている。しかし、40歳
代半ばまでの男子も女子も農家という特性によって生じる賃金格差がないことが明らかした。そ
こで「低賃金問題としての兼業農家問題は終焉した」、「世代交代を契機として兼業農家はなだら
かに離農する」と結論づけ、兼業農家の農外就業が大きく変化したことを明確にした著作として
自負している。
(注1)ところで、現在からみると、当然の結論である兼業農家の農外就業や借地による規模拡大
に対して学会や農業界に抵抗があった背景には、農民層分解論の影響や社会主義農業の集団化へ
の幻想が当時の学会や農業界に根強く残っていたためと思う。
社会主義における集団化の根拠は、大経営が小経営を企業的な経営が零細家族経営(貧農)を
駆逐するという理論(レーニンの『ロシアにおける資本主義的発展』が代表作)を機械的に適用
したことがある。ところが、第一次世界大戦前後、ヨーロッパの経済学会において資本主義の発
展ににも係わらず家族経営が主流であることに着目し、なぜ残存したのかを理論的に解明する研
究が主流であったことがわかった。集団化は、経済・経営的には、理論的、実態的に誤った理論
によるものである。現在、日本でも注目されている企業の農業進出、企業化も、農業技術発展と
歴史的の経験を踏まえ、機械的な賛成、反対論を避けるべきだと考えている。もう一つは集団化
の背景には食糧調達という問題があった。この点は、後に触れる。
( xxi )
農業構造問題に関する研究は、年1〜2本のペースで発表し続け、代表作は、
『日本農業の展
開構造−1990年農業センサス分析』では、大規模家族経営の農地集積と経営複合化について分
析した。この共著は、農水省が中堅研究者を組織し、農業センサスを学術的、政策的に分析し、
学会、業界への論点を提示するものである。構造問題の研究成果をまとめたものとして、後年に
なるが、
「関東地方における畑作・田畑作の賃貸借」「農業構造変貌と農政」(農業問題研究学会」
「水田農業再編課題と農協」
(日本協同組合学会)の大会シンポジウムに報告と学会誌論文がある。
それらを通じて、農家への農地集積、経営継承問題、経営の多角化等について分析し、論点を提
示してきた。
米流通・米政策論−食糧法制定への実証的、理論的な研究
第2の研究分野は、米流通、米政策論である。この研究を本格的に開始した契機は、農政調査
委員会の当時の理事長であった東畑四郎氏であった。東畑四郎氏は、農地改革開始時の担当課長
であり、アメリカ占領軍への農地改革についての日本政府案を最初に説明した人物であり、事務
次官、日銀政策委員等を歴任していた。借地による規模拡大の途を開いた農用地利用増進法の制
定において、前述の調査研究面でバックアップをしていた。農用地利用増進法が国会を通過(社
会党は反対であった)後、私を呼び出し、
「農地法改革は一段落したので、今後の農政改革の課
題は、食管制度改革である。米の消費・流通実態を踏まえた改革が必要である。研究費は、心配
しなくて良いから実態を研究してくれ」というありがたい指示をいただいた。
流通実態からの研究という指示の背景には制度と実態の乖離があった。例えば、大阪に日本で
トップの米穀卸があったが、実態はその傘下に法律上、存在しない仲卸があり、主要な業務を担っ
ていた。また、人口1人当たりの政府割当数量は、生産地が多く、消費地が少なく、とくに兵庫
が大阪の2倍であった。その理由は、兵庫県は生産県であり、大阪に比べ良質米が配分されるか
らである。兵庫の卸が大阪へ仲卸へプレミアを付けて販売(当時の制度では、県間売買や卸間売
買は禁止されていた)していた。また、自主流通米が急増しており、消費地での米流通の中心と
なっていた。
この分野での最初の研究は『特別自主流通米』
(1981年、農政調査委員会)である。80年代
において、第二次米過剰のもとで、北海道米は、政府米が殆どであり、過剰米が集中していた。
食管制度のもとでは、過剰米は、産地にとってマイナスでなかった。過剰米でも政府が全量買入
し、過剰米の倉庫保管料収入が見込まれる。調査前後、北海道の米保管料収入は第二の売却代金
といえる存在であった。そこで、政府も自主流通米比率に応じて本格的に生産調整と価格に格差
を導入しようとしていた。それに対して、道、農協、農民団体が一体となって、政府米より安い
価格で販売する「特別自主流通米」を導入した。「特別自主流通米」が米の産地間競争が北海道
に波及し、米流通に本格的に変革する可能性を検討し、同時に、その限界を明らかにした。
次いで、
『米流通と生協』
(1982年)
『米流通構造変貌と地域類型』
(1983年)
『変革下の米小売』
( xxii )
(1985年)『米流通と精米工業』
(1988年)等、食管制度とは異なる流通実態と解明してきた。
研究の中心は佐伯尚美氏(東大教授)であり、その門下生との共同研究であり、私は事務局も担
当した。これらの研究は、研究面での空白を埋めるものであり、各方面で注目を集めた。研究書
は、市販されなかったが、1000部程度、印刷したが、1年以内に配布済みとなった。
(注)研究の成果の一部が、『米流通変革』(1987年)『食管制度と生協』(1988年)の共著となった。
その結果、
市場論研究会でのシンポジウムでの招待報告『米流通の変化と「産地間競争」』
(1983
年)
、
『水田利用再編下における米流通・食管制度の変化と新たな動向』
(1985年)を30歳代で
することができた。米の生産、流通、制度問題について、原稿や講演、講習の依頼が増加し始め
た。また、調査研究をもとに整理した論文を様々な媒体で、かなり自由に発表することができた。
この背景には、食管制度改革が農水省内、業界でも食管制度改革が課題として浮上したからであ
る。
そのため、食糧庁でも米流通の実態や業界再編の研究を開始され、それらの研究会の殆どにも
参画し、食糧庁の職員研修の講師を年2回程、勤めた。さらに、全国農協中央会での研究会や日
本生協連の「コメ・食糧問題に関する研究会」
、全国食糧卸事業組合の研究会の委員も勤めた。(注)
(注)食糧庁の研究会は「米穀卸の近代化」、「特定米穀業者」「店頭精米」等の業界の現状と再編に関する課題であった。
以上の米の生産・流通・制度の研究を踏まえ、『米の流通−自由化時代の構造変動』
(1990年
3月、農文協)をまとめた。この本は、初刷の2000部を2〜3ケ月で完売し、4000部を完売し、
研究書としてベストセラーとなった。著書を基礎として、学位論文『米流通の構造変動と食管制
度改革に関する研究』で東京大学農学博士を授与された。
主な内容は、コメの消費・流通・生産が構造変動を遂げ、制度と乖離していることを明らかに
した。とくに、消費者や実需者は、ニーズに沿って産地・品種を選択し、「産地」指定を行って
おり、産地でも大規模生産者がマーケティング・独自販売を行う商品稲作生産者に変化している。
生産者と消費者の変化により、流通も変化しており、統制を目的とした制度と生産、流通、消費
とが乖離している。また、政府米も流通の脇役となり、価格支持機能となっていることを実証し
た。以上の状況のもとでは、実態と制度との乖離を埋める改革が必要なことを論証した。この本
が、食糧法制定の上で参考になったといわれている。
コメ問題の研究を通じて、研究業績・社会活動だけではなく、その後の研究活動に役立つ蓄積
を得ることができた。佐伯教授からは、農業経済とは異なる経済学部での研究手法を学ぶことが
できた。生協、小売(スーパー、生協等)や卸等を調査・研究の対象としたため、財務諸表の読
み方を含めた経営分析の基礎を学ぶことが出来、これらの業界、とくに生協、農協とのネットワー
クを構築することができた。
( xxiii )
アメリカ、タイの稲作経営、米産業調査
米問題の研究を通じて、海外農業についても見聞を広めることができた。一つは、アメリカの
米産業の調査である。1980年以降、アメリカが日本の米市場の開放を求めてきており、ガット
での農業交渉でも米の市場開放が焦点となっていたが、アメリカの稲作や米産業の研究、資料が
充分ではなかった。そこで、農水省、全国農協中央会、全農、農業メーカーの中堅による調査団
が組織され、ただ一人、研究者として、私が参加した。ワシントンのアメリカ農務省、ミシシッ
ピー州、アーカンソウ州、カルフォニニア州の米作農場、試験研究機関等を2週間でまわった。
南部の米作は、長粒、中粒種であり、気象条件から日本向けの生産が困難であるが、カリフォル
ニアは、日本への関心が高く、価格競争力が高いことがわかった。アメリカでの水利や等高線に
沿った農法と技術等を学び、報告書としてまとめた。
もう一つは、タイ、台湾の米作と米産業調査である。80年代後半になると、米扮調整品(米
粉に砂糖等をまぜた調整品、輸入後、分離して米粉と砂糖等にわける、米の輸入は禁止されてい
たが、米粉調整品は低関税で輸入可能)が急増し、米菓等の原料として使用されるようになった。
それと対抗するには、米菓等の米加工業者の要望に応えて低価格の加工用米を供給する米加工用
米制度の構築することが検討されていた。全農、農協中央会、米作県の農業団体の調査団が組織
され、研究者のだだ一人のメンバーとなった。資料と調査内容をもとに、『タイ・台湾の米穀事
情−最前線−』
(1988年)をまとめたタイの米作生産は、低賃金を基礎として、低コストであり、
日本への加工用米の供給余力があり、米産業も整備されており、米粉調整品の輸出、米菓生産が
展開する可能性を明らかにした。台湾は、米菓等を保税地域で生産し、日本製品の市場を奪って
いることを明らかにした。この本は、1千部が完売され、増刷された。政策的には、主食用米よ
りも低価格の加工米制度が導入された。
農協、協同組合論−農協の営農経済事業の改革
研究分野の一つは、農協論、協同組合論である。この研究は、前述の米問題の研究を通じて波
及した課題である。農協は、食管制度の米の集荷・販売における政府の代行機関として出発して
おり、米問題と密接な関係にあった。一方、消費者も「コメ」に関心か深く、生協も米事業が組
合員を組織する上で、重要な課題であり、事業面でも柱であった。農協も生協も食管制度から食
糧法への転換は、事業と組織の見直しが迫られた。農協は、食管制度の下での集荷機関から販売
組織へ、単協の自立が求められた。この点を幾つかの論文、著書で指摘し、新たな動きを実態的
に解明し、
「系統農協と食管制度改革」
(1993年)『新原則時代の協同組合』(1995年)『政府食
管から農協食管へ』
(1995年)
『農協営農事業経済改革の課題『
(2003年)
『農協共販の抜本的見
直し』
(2005年)等である。
生協も、他の業種との競争時代を迎え、産地との連携、ブランド戦略の転換が求められた。こ
の点について、日本生協連ふコープこうべの研究会に参加し、事業転換の方針づくり参加した。
( xxiv )
この分野の主な研究は『米流通と生協』や『生協の米事情』等である。
この研究を通じて、農協の営農経済事業改革か必要と考え、
『JA・IT』研究会を立ち上げ、副
代表を勤めている。
(注2)米問題、農協問題の研究を通じて、日本の農協は食管制度の下での米集荷の政府代行機関
であり、食糧増産システムであったことを理解した。日本の食管制度は国による全量管理、統制
であるが、その集荷、配給を担ったのは、国の機関である食糧事務所ではなく農協であり流通業
者であったことに大きな特徴がある。旧ソビエトや中国では、国の機関もしくは国営企業が集荷、
配給を担った。食糧不足の時代において、個人農家からスムーズに集荷するために、日本では、
農民の自主的組織である農協がになった。ところが、中国等では国の機関が担うと、農民と国と
の間で社会的な摩擦が生じるが、協同化することによって、米の処分権を農家から協同農場に移
した。そのことによって、旧社会主義国は、都市に低価格の食糧が供給されたが、農民は餓死を
含めた悲惨の状況におかれた。共同化に抵抗したのが、地域の農業リーダー(担い手)であり、
その抵抗を弾圧するスローガン的な武器となったのが農民層分解論であった。
中山間地域、地域振興をめぐる研究
もう一つの研究分野は、中山間地域問題、地域振興に関する研究である。この契機は、89年
に農水省から「中山間地域問題」の研究費を受け、小田切氏を含めて開始したことである。この
研究も、ほぼ10年続いた。成果は「一戸一品運動による農業振興行と地域活性化」
「中山間地域
の活性化」
「中山間地域の活性化と地方分権」等であり、『第3セクターガイドブック』では中心
的な部分を執筆した。これらの研究を通じて、地域活性化論や高齢者農業等についての見識を拡
大することができた。
「高齢者農業の可能性とその社会的意義」及び『農村における高齢者の社
会参加の意義』
(ユニーベール財団)では、徳島上勝町、福島西会津町、直売所の参加者を事例
として、高齢者の社会参加、農業生産が盛んな地域は、医療費や社会保障費が少ないことを実証
し、高齢者農業や社会参加を経済的な側面だけではなく福祉、景観という視点から評価すること
の重要性を指摘した。
さらに、96年より国土庁の第3セクターアドバイザーに就任し、全国の第3セクターの経営
改善に取り組んだためである。この分野の研究では、大分県の旧大鶴農協の1戸1品運動を指導
していた池永氏(大山1村1品運動のブレイン)に出会い、1村1品運動や1戸1品運動の理念
を学ぶことが出来た。また、地域政策学会の講演をお願いした前葛巻町長の中村氏、徳島県上勝
町のいろどり産業を育成した横石氏、岩泉町長伊達氏との交流を深めることができた。
( xxv )
国の委員会、研究会での活動
農水省等の各種委員に就任したが、印象のある研究会は幾つかある。その一つが「農業センサ
ス研究会」であり、農家分類を専業、兼業別分類から主副業別分類へ、農家調査から経営体調査
への転換をすることを、研究会内部での議論を通じて提起した。この転換は、農業構造の変化を
反映したもので、時代の変化に対応するものであった。
正式な研究会ではないが、1991 〜 93年にかけて官房企画室と小田切(現明治大学)、秋山(鹿
児島大学)
、斉藤(宇都宮大学)
、品部(前岡山大学)等の「新しい食料・農業・農村政策」の構
造問題、農地問題について、精力的におこなった。その研究会が「新しい食料・農業・農村政策」
の経営基盤強化促進法や農業生産法人制度の改正につながった。
「自主流通米取引に関する検討会」
(1997年4月〜 1998年8月)は、長期に渡って十数回を
重ねて、食糧法制定以降の流通の中心となった自主流通米取引(価格形成、流通規制等)に関し
て全面的な検討を行った。
「価格は需給事情及び品質評価を適切に反映するものであり、価格変
動が農業経営に及ぼす影響を緩和するための施策が必要」という内容をメンバーと起草委員した。
これによって、基本法以来の価格の位置づけが変更され、価格センターの値幅制限を拡大し、価
格変動にともなう経営安定対策や生産調整システムの改革が実施された。この考えは、新基本法
の条文に反映した。
その他、精米表示の改正、備蓄米の運営の改善等の研究会に参加したが、
「販売を軸とした米
システム在り方に関する研究会」では座長代理として、稲作、米流通、稲作関連産業の見直しを
検討し、減反政策から米扮、餌米等の新たな需要開拓政策への転換の報告をまとめた。
「米流通
システム研究会」
(座長)では、輸入米の転売、事故米の反省を踏まえ、米のトレーサビリティ
制度、米の産地表示の義務づけの法制化への途を開いた。二つの研究会での提言は、今後の水田
農業の方向と在り方の基本方向を決定したものと思っている。
高崎経済大学での研究・教育
農業構造問題や米問題の著書や共著、論文が社会的に評価され、90年前後より、農業関連専
門誌だけでなく、様々な媒体から原稿、講演依頼が殺到するようになった。さらに、農水省の各
種委員、農協、生協等の委員を依頼された。95年4月に高崎経済大学に赴任する前後の10年余
1990年から2003年ごろまで、月に1〜2本の論文を書き、一方では、農政調査委員会での事業
の他、各種研究会等への参加、講演、研修会も毎月のようにあった。水田農業、米問題について
は、
「吉田」へという雰囲気であった。
1995年に高崎経済大学地域政策学部に赴任した。それを契機として、学会のシンポジウムの
招待報告が立て続けに依頼された。1996年に、農業問題研究学会、日本協同組合学会、フード
システム学会、97年には『中国糧食学会、中国油学会』99年には日本農業経済学会、地域農林
経済学会、2000年には日本協同組合学会、2001年にはフードシステム学会、地域農林経済学会、
( xxvi )
2002年には日本協同組合学会(座長)のシンポジウムの招待報告を毎年のように行っていた。
また、農業問題研究学会代表幹事、日本協同組合学会常務理事、JA・IT研究会副代表、日本地域
政策学会会長等を皆さんの推薦とバックアップで任をはたすことができた。
高崎経済大学での研究は、以上の学会シンポジウム報告と学会誌の他、
『米政策の転換と稲作
生産者、農協』(2003年8月)は、学会シンポジウムの論文や科学研究費、高崎市の奨励事業等
をまとめたものであり、稲作構造論、米政策・制度論、生産・流通、農協論等を集大成したもの
である。
「食糧法の基本的システムは、生産調整を柱として食糧庁と系統農協とによる供給制限
を通じた価格維持政策である」
「市場原理と統制原理とが流通や生産調整システムに併存してい
たことに食糧法の特徴であり、矛盾である」
「この間の米消費、流通、価格形成も大きく変貌し、
米の生産、流通、消費の実態との乖離が拡大し」
「制度の抜本的改革が必要となったこと」を明
かにした。同時に、所得経営安定政策の必要性を明かにした。この本は3,000部を印刷し、1年
以内で完売した。その他、それぞれの研究分野に関する単著や共著を年1〜2冊程度発行する機
会にめぐまれてきた。
2003年に大学院博士課程設置され、以降、研究活動の重点は、大学院生の指導に移った。
2005年3月から2012年3月まで、主査となった博士の学位を取得者は10名であり、本年3月
の取得を目指して1名が審査中である。テーマは、直売所、大規模稲作経営、法人経営、企業の
農業参入、環境保全型農業、新規集農、きのこ農業の構造変動、グリーンツーリズム等であり、
私の研究蓄積をさらに発展させたものであり、学位取得者を通じて研究の幅を拡げる結果となっ
た。学位取得者は、農水省の政策研究所、JC総研、中国の大学等で活躍している。なお、2001
年に大学院修士課程が設置以来、主査となった修士は、18名であり、学部の演習では、3年生
では夏に農村調査を行い、報告書をまとめ、卒業論文集を発行してきた。
さて、本年で学位取得者への指導は、一段落するので、ライフワークとしての稲作、米問題さ
らには農業構造、農地問題さらには地域活性化論をさらに学び、研究を深め著書等を学位取得者
とともに完成することをめざす予定である。
( xxvii )