「2014 年度 BCP(事業継続計画)発動訓練」を実施します

第 14-078 号
2015 年 3 月 5 日
3 月11 日(水)
西武鉄道本社ビルにて
「2014 年度 BCP(事業継続計画)発動訓練」
を実施します
~安全・安心にご利用いただくための取り組みをご紹介~
西武鉄道株式会社(本社:埼玉県所沢市、社長:若林 久)では、3 月 11 日(水)、西武鉄道本社ビ
ルにおいて、BCP(事業継続計画)発動訓練を実施します。
BCP とは、各種災害や事故等で被害を受けた場合においても、重要業務に選定した業務を中断させ
ることなく、仮に中断したとしてもできるだけ早急に復旧できるようにするためのプロセスをまとめ
た計画です。当社では、東日本大震災やその後の計画停電による電車の運行制限や各種イベントを自
粛したことを受けて、2013 年 4 月に BCP を策定し、運用を開始しました。この取り組みが評価され、
2014 年 3 月には当社の持ち株会社である西武ホールディングスは、日本政策投資銀行の格付システム
「DBJ BCM 格付」で最高ランクの格付を取得するなど、社外から高い評価を得ています。
今回の訓練は、首都直下地震により西武線沿線でも大規模な停電が発生し、当社事業に大きな被害
が発生したという想定で実施します。
また、当社では BCP 発動訓練のほか、総合復旧訓練や踏切事故防止キャンペーンなど「安全方針」
に基づいたさまざまな取り組みを実施しています。こうした取り組みにより 2014 年 10 月に国土交通
省関東運輸局より「運転無事故事業者表彰・2 年継続」を受賞しました。
このたび、当社における「安全・安心」にご利用いただくための各種取り組みをまとめましたので
併せてご紹介します。
今後も、地震や大雪、台風などの自然災害に備え、かつ、さまざまな安全対策や訓練を実施し、よ
り多くのお客さまに「安全・安心」を提供し、快適にご利用いただけるよう更なる努力を実行してま
いります。
詳細は、別紙のとおりです。
昨年の BCP 発動訓練の様子
【別紙】
2014 年度 BCP(事業継続計画)発動訓練について
1.日
時
2015 年 3 月 11 日(水) 14:46~1 時間半程度(予定)
2.場
所
西武鉄道本社ビル
3.訓練内容
①想 定
2015 年 3 月 11 日 14 時 46 分、マグニチュード 7.3 の首都直下地震が発生し、西
武線沿線で震度 6 強を観測。西武線沿線で大規模な停電が発生し、西武鉄道本社
ビルも停電した。
②訓 練
西武鉄道本社ビル内に「災害対策本部」を設置し、各部門は現場と連携しながら
情報収集・指示命令を行う。必要により、他部門やグループ会社とも連携する。
4.そ の 他
本訓練は、非公開で実施します。
また、併せて列車の一旦停止および減速運転訓練を実施する。
◇お客さまのお問合せ先
西武鉄道お客さまセンター TEL.(04)2996-2888
音声ガイダンスのご案内により、メニューをお選びください。
[営業時間:平日 9 時~19 時 土休日 9 時~17 時]
以
上
西武鉄道の安全・安心対策について
[安全方針・スローガン]
地域・社会の発展や環境の保全に貢献し、安全で安定した輸送と快適なサービスを提供すべく、誠実
に事業に取り組みます。
■安全方針
1.常に一人ひとりが安全最優先意識を持って、事業・サービスを推進します。
2.常に法令・規則を守り、誠実に職務を遂行します。
3.常にコミュニケーションを図り、風通しの良い職場環境を構築します。
4.常に安全管理体制をチェックし、その向上に努めます。
■安全スローガン
責任事故・インシデント「0(ゼロ)
」
自然災害対策
地震に備えて
1.総合復旧訓練の実施
2014年11月12日(水)玉川上水車両基地内において地震によ
る土砂崩れを想定した総合復旧訓練を実施しました。災害後の
対応方として「大規模災害に関する鉄道事業部門BCP(事業
継続計画)に必要な訓練を取り入れて、立川警察署および北多
摩西部消防署合同で実施。社員、警察・消防署関係者のほか一
般のお客さまが参加し、避難誘導訓練等を実施したほか、グル
ープ企業である西武建設と初めて連携し、建設機械を用いた土
砂崩壊箇所の土砂撤去訓練を実施しました。
昨年の総合復旧訓練の様子
2.橋りょうおよび駅舎などの耐震診断・補強を実施
国土交通省の指針に沿って鉄道施設の耐震性能を高めるために工事を
進めており、2014年度は橋りょうについて耐震補強を行っています。
3.早期地震警報システムの導入および地震計の設置
いち早く地震を感知できるように気象庁の緊急地震速報を活用。地震が発生した場合、初期微動(P
波)を解析し、大きな揺れとなる主要動(S波)の到達前に列車に音声を送り、乗務員が手動で列車
を非常停止させます。震度4以上の地震発生情報を受信した場合は、全列車を直ちに停止させ安全を
確保します。また、二次災害を最小限にくい止めるため、当社線の4つの
エリアに地震計を設置しています。震度4以上~5弱では列車を一旦停止
後、通常より速度を落とした注意運転を行い、安全を確認してから正常
運転に戻します。震度5強以上では全列車を停車させ、全線の安全が確認
でき次第、運転を再開します。
地震表示板
4.東日本大震災後のBCP発動訓練の実施・帰宅困難者訓練への参加協力
2013年4月に策定した東京湾北部地震を想定災害としたBCP(事業継続計画)に基づいた発動訓
練を2015年3月11日(水)に実施し、併せて列車の一旦停止および減速運転訓練を実施します。
また、池袋駅などで自治体が中心となって帰宅困難者訓練を実施しており当社も参加・協力してお
ります。
豪雨・大雨に備えて
1.法面の改良工事を実施
豪雨などによる土砂崩壊を防ぐため、線路脇の斜面(法面)の改良工事の実
施を進めており、2013年度は東吾野~吾野駅間、2014年度は高麗~武蔵横手駅
間で工事を行っています。
(2014年度に高麗~武蔵横手駅間で実施)
法面(東吾野~吾野駅間)
2.土砂崩壊検知装置の設置
山間部の土砂崩壊や落石の危険がある場所に設置。落石防護柵に取り付けた
センサーで異常を検知しています。池袋線に6カ所、西武秩父線に22ヵ所設置
しており、常に動作の有無を監視しています。
土砂崩壊検知装置
3.雨量計の設置
大雨への対策として全線15ヵ所に雨量計を設置。降雨状況を自動記録・監視しており、高麗~西武
秩父駅間では降雨が毎時30mmに達した時には時速35km以下で運転、降雨が毎時50mmまたは継続
降雨量が250mmに達した時は運転を一時見合わせます。
風雪に備えて
1.風速計の設置
台風などの強風に備え、全線13ヵ所に風速計を設置、監視しています。風速が秒速20m超では時速
55km以下、秒速25m超では時速25km以下の注意運転、風速が秒速30m以上では列車の運転を一時
見合わせます。
2.電気融雪器の設置
降雪時に電熱ヒーターにより融雪し、分岐器の転換不能を防ぎます。駅構
内や車庫線など約700ヵ所に整備されており、運行にかかわる分岐器すべてに
設置しています。
電気融雪器
ホームの安全対策
1.列車非常通報装置の設置
ホーム上で、お客さまや列車運行への危険がある場合、列車の運転士に知らせる装置です。非常通
報ボタンを押すとランプが点滅しブザーが鳴動します。当社線全駅に設置しています。
2.ホーム監視用テレビ(ITV)の設置
列車の長編成化により、列車の前部や曲線ホームでお客さまの乗降状態が確認しづらい場所では、
補助手段として80駅にカメラおよびモニターを設置しています。
3.列車進入警報装置の設置
列車が駅に近付くと、線路脇に取り付けられた黄色回転灯が点灯し、同時に警報音で列車の進入を
知らせます。
4.ホーム下避難場所の設置
お客さまが線路上に転落し、列車が接近している場合に安全を確保するためのスペースです。75駅
179ホームに設けています。
5.足元注意喚起灯の設置
列車とホームの間が空いている急曲線ホームに設ける装置で、列車が接近するとホーム側の足元注
意喚起灯が点滅し、お客さまの乗降の安全を見守ります。萩山駅に設置しています。
6.音声転落防止装置の設置
ホームからの転落防止を防ぐ安全対策として、音声で足元への注意を促す転落防止装置です。大泉
学園駅など9駅に設置しています。
7.転落防止ゴム
列車とホームの隙間が広い駅のホーム側面の一部に、くし型状のゴムを設置し、隙間を狭めること
で転落を防止する装置です。稲荷山公園駅の上りホームと大泉学園駅の下りホームに設置しています。
(2014年度に大泉学園駅の下りホームに設置)
8.内方線付き点状ブロックの整備
国土交通省の「ホームドアの整備促進等に関する検討会」中間とりまとめ
を受け、内方線付き・JIS企画対応の点状ブロックの整備を進めています。2013
年度までに池袋・練馬・国分寺などの計7駅を整備し、2014年度は鷺ノ宮・玉
川上水・東村山・下落合などの計8駅に整備しました。
(2014年度に鷺ノ宮など8駅に整備)
内方線付き点状ブロック
9.ホームドアの整備について
ホームドア整備については、池袋駅に可動式ホーム柵を設置するため現在設計を実施しており、
2017年度までに整備完了予定です。
車両の安全対策
1.車内非常通報装置の設置
車内での異常発生を乗務員に知らせる装置で、各車両に2~3ヵ所設置しています
(一部の車両を除く)。また、一部の車両では、乗務員と直接通話もできます。設
置場所をより分かりやすくするために、装置本体と付近には「SOSシール」を貼
付しています。
非常通報装置
2.車両連結部分の外幌の設置
車両連結部分に設けたゴム製のホロのことで、ホームを移動されるお客さまが連結部分に転落する
事故を防ぐための設備です。
3.連結部転落防止放送装置の設置
運転室付の車両同士を連結する際、連結部分に大きな隙間が生じます。このような場合にお客さま
が転落する事故を防止するために、案内放送が流れる装置を一部の運転室付車両に設置しています。
列車の中間部に運転室付き車両があり、停車中にドアを開けている際に注意喚起の音声が流れます。
踏切の安全対策
1.連続立体交差化事業の推進
池袋線
池袋線の高架複々線化工事については、1971 年の都市計画決定以来、東京都・練馬区などと協力
して工事を進め、2003 年 3 月に、桜台(新桜台)~練馬高野台駅間が完成し、踏切 19 ヵ所を除却
しました。
石神井公園駅付近については、2007 年 8 月に工事着工し、沿線にお住まいの皆さまや鉄道をご利
用されるお客さまのご理解、ご協力をいただきながら工事を進め、2011 年 4 月には練馬高野台~石
神井公園駅間の高架化が完成し踏切 6 ヵ所を除却しました。2012 年 6 月には石神井公園駅ホームが
完成してお客さまの利便性が向上しました。また、駅周辺整備も進み、より快適なまちへと進化し
ています。
石神井公園~大泉学園駅間についても鋭意工事を進め、2013 年 11 月に実施した下り線高架化に
続き、2015 年 1 月には上り線高架化が完成、新たに 3 ヵ所の踏切が除却され、事業区間全線の高架
化が完了しました。今後は、2016 年度の事業完了に向けて、鉄道施設や側道整備などの工事を進め
てまいります。
新宿線
新宿線の連続立体交差事業については、中井~野方駅間(地下化)の計画で2011年8月に都市計
画決定され、2013年4月に事業認可を取得、2014年1月から工事に着手しています。今後は東京都・
中野区などと協力して工事を進め踏切7ヵ所が除却され、交通渋滞の解消、まちづくりの促進など
が図られます。また、東村山駅付近の高架化については、2012年10月に都市計画決定され、2013年
12月に事業認可を取得しました。こちらについては2015年1月に着工し踏切5ヵ所が立体化されます。
2.支障報知装置・支障検知装置の設置
踏切道に支障が発生した際、列車に停止信号を現示する装置です。支障報知装置(非
常ボタン)は、踏切際に設置しており、異常時に押すと表示装置が動作し、運転士に
踏切の異常を知らせます。当社線の全踏切に設置しています。また、支障検知装置は
踏切に自動車などの支障物がある場合にレーザー光線網などにより支障物を自動検
知し、表示装置を動作させます。表示装置は5つの赤色灯が2灯ずつ循環点灯する特殊
信号発光機で、運転士に効果的に異常を知らせます。
支障報知装置
3.列車情報装置(急緩行列車選別装置)の設置
踏切の警報時間の均一化および中間駅での列車誤通過防止対策として列車種別選別方式による列
車情報装置を設けています。この装置はダイヤ情報に基づき、列車種別に応じて踏切の警報開始地点
を自動的に変えることができる装置です。また、列車種別により、通過駅・停車駅を判別し、停車駅
に接近した際、運転士に知らせ、誤通過を防止する機能も有しています。
4.踏切事故防止キャンペーンの実施
高齢者などが踏切を渡りきれず事故にあうことを防ぐために、踏切道において通行者に対し事故防
止を呼び掛ける啓発活動を行ったほか、踏切事故防止PRポスターを全駅に掲出しました。さらに、主
要踏切道に踏切横断時の注意喚起看板を設置し、踏切事故防止に努めています。
5.
「命を守るボタン」キャンペーンの実施
3 月の自殺予防月間に合わせて、
「命を守るボタン」キャンペーンを実施しています。このキャンペ
ーンは非常時における通報手段をお客さまに周知することで鉄道人身事故を未然に防止することを
目的とし、埼玉県においては、所沢駅をはじめとした埼玉県内の 6 駅にて埼玉県および地元自治体の
職員と合同で行っています。
以
上