(1) 趣旨 (2)達成指標の変更

(1) 趣旨
千葉市学校教育推進計画(改革期間:平成21~27年度)の実施4年目における平成24年度の
進捗状況において、達成指標並びにアクションプランの評価をまとめた。
(2)達成指標の変更
平成24年度においては、4項目の達成指標において変更を行った。
達 成 指 標 と 変 更 理 由
達成指標番号
14
旧指標:各中学校区の情報支援員(ボランティア含む)の配置率
最終目標値の変更
50% → 3人
→新指標:情報教育支援員の配置数
23年2月1日から本格稼働した新 Cabinet 統合システムでは、指標設定時の学習系
ネットワークに加えて児童生徒の個人情報を含む校務系ネットワークが追加されて構築
されたので、ボランティアによる情報教育機器の取り扱いには慎重に対応する必要があ
る。本事業は引き続き支援員配置事業として専門知識を有する業者に委託をすることで
学校への支援を継続することが必要なことから、ヘルプデスク及び学校派遣技術者の人
数を目標値とした。
22
旧指標:
「人が困っているときは、進んで助けている」と回答する
90% → 95%
生徒の割合
→新指標:
「人の役に立つ人間になりたいと思う」と回答する生
徒の割合
全国で実施している学力・学習状況調査における質問項目名が変更されたため、指標を
改めた。また、実績値が上がったことに伴い、上方修正として最終目標値を改めた。
28
旧指標:埋蔵文化財調査センターの出前講座を利用する学校(延べ 95 校→7,400 人
数)
① 小 31 校
→新指標:埋蔵文化財調査センターの出前授業を利用する児童・
生徒数(延べ数)
中2校
(①小中別の学校数 ②小中別の割合) ② 小 27.2%
中 3.6%
児童・生徒が学ぶ機会の充実を測る指標として、実際に授業に参加した児童・生徒数の
伸びで比較して、適切に状況をとらえるとともに、利用する学校数やその割合(小中別)
も目標として表記するように指標を改めた。
50
「青少年の日」つながりウィーク地域行事を実施する中学校区数
56 校 → 55 校
平成25年度に磯辺第一中学校と磯辺第二中学校の統合があり、中学校数が55校に減
少することに伴い、青少年育成委員会数も55中学校区に変更になるため、最終目標値を
改めた。
(3)達成指標の評価
全91項目の達成指標の中で、調査未集計の2項目と、事業完了などの2項目を合わせた4項目
が評価未実施となっており、それを除いた87項目の評価は、以下のとおりであった。
評価
A
基
準
H24年目標レベルを達成している。
B+
H24年目標
H23実績よりも向上
B-
レベルを達成
H21または H22実績よりも向上
C
していない。
H21~23年実績よりも低下
件数
構成率
48
55%
19
22%
8
9%
12
14%
平成23年度に引き続き、今年度もA評価となっている指標としては36項目が当てはまる。主
なものとして、
「
(指標番号34)子ども読書まつりの参加人数」では、目標値 6,900 人に対して、
実績値が 9,954 人となり、昨年の実績値に対しても上回っている。これは、新規イベントを導入
したことで、参加者数が大幅に増加したことが要因である。また、
「
(指標番号42)子育てサロン
が行う子育て相談への参加者人数(延べ数)
」では、目標値 2,200 人に対して、実績値が 2,615
人となり、昨年度の実績値に対しても上回っている。これは、子育てサポーターを増員したことが
要因としてあげられる。
平成23年度に引き続き、今年度もC評価となっている指標としては3項目あり、
「
(指標番号1
0)
『算数の勉強が好き』と肯定的に回答する小学校5年生の割合」では、目標値が78%に対して
実績値が66%となり、昨年の実績値に対しても下回っている。また、
「
(指標番号24)全児童生
徒数に対する不登校小学校児童数の割合」や、
「
(指標番号38)新体力テストにおいて、各学年・
種目で全国平均を上回る割合」においても同様の結果となっている。
具体施策の枠でみると、施策展開の方向性Ⅵ・基本施策(15)
・具体施策37「教職員の資質・
指導力の向上に向けた各種研修の充実」において、3項目の達成指標すべてがA評価となっている。
※C 評価の達成指標とその理由(12項目)
番号
2
達成指標とその理由
「学校の勉強が好きだ」と肯定的に回答する小学5年生の割合
例年、達成目標をかなり高めの80%に設定し、これまでも達成に向けて努力してきている。平成2
4年度の割合が特に低かったということではなく、ほぼ例年通りの割合になった。なお、肯定的に答え
る児童の割合が伸びない原因として、改訂された学習指導要領のもと、授業時数が増加したことで、学
習した内容がわかる喜びを味わわせたり、個に応じた指導をしたりすることが十分でないことが考えら
れる。今後は、各学校に対して課題を具体的に示し、わかる授業の推進に向けた指導法の改善を図って
いく。
10
「算数の勉強が好きだ」と肯定的に回答する小学5年生の割合
昨年の実績値に対して下回っているのは、5年生の追加内容の合計時数が全学年中1番多いことに加
え、内容的にも単位量当たりの大きさや異分母分数の加減計算など、児童が苦手としている単元が5年
生の指導内容に加わったことが原因として挙げられる。今後は、
① 低学年のうちからテープ図を確実に使いこなせるようにしておく
② 中学年でのかけ算、わり算をはじめ、基礎的な計算が迅速かつ確実にできるようにしておく
③ 素材は生活の中から見つけて提示し、児童が興味を持って問題に取り組めるようにする
等の対応をして改善を図っていく。
20
職場体験学習を3日以上実施する中学校の割合
中学校では平成24年度の学習指導要領全面実施による授業数の増加に伴い、授業時数の確保が優先
されたことが3日以上の実施につながらない一因となっていると考えられる。
21
職場体験学習を実施する中学校の割合
平成24年度は1校のみ職場体験学習を実施していない。その学校は、今まで第1学年で職場体験学
習を実施していたが、この年から第2学年で実施することが決まり、当時の2年生は既に前年度に終わ
っていたため、学校としては未実施となった。実施しなかった1年生については、2年生となる平成2
5年度に実施予定である。
24
全児童生徒数に対する不登校小学校児童数の割合
前年度に比べると「情緒的混乱」による不登校児童数の増加が目立っているのが理由である。これは、
家庭環境の不安定さと非行の低年齢化の影響が伺える。そこで、家庭環境への支援を行うために、スク
ールソーシャルワーカー2名を配置するとともに、小学校への支援を手厚くするために、これまでの中
学校スクールカウンセラーに加えて、拠点方式でスクールカウンセラー3名を配置し、小学校からの要
請に対応する体制を整えた。
27
高等学校卒業時の進路決定状況
高等学校卒業時の進路決定状況は実績値が下がっているが、市立2校の場合、未決定者のほとんどが
次年度進学希望、いわゆる大学浪人であり、予備校等に通い次年度の進学を目指している生徒である。
世間一般で言われるニート等の未決定者はほとんどいない。また、今年度を含めここ数年の傾向である
が、キャリア教育の充実に伴い、将来の目標をしっかり持つ生徒が増加しており、
「行ける大学」から
「行きたい大学」というように、ランクを上げてチャレンジする生徒が増えているのも事実である。と
はいえ、現役で生徒自身が希望する大学等に進学できることが、ベストである。そのためにも、今後は
一層のキャリア教育の充実、生徒の学力向上を図る取組を充実させていく必要がある。
38
新体力テストにおいて、各学年・種目で全国平均を上回る割合
小学校では95.8%の割合で全国平均を上回っており、今年度の目標レベルを達成している。中学
校では、昨年度と比較して平均記録が上回った種目が79%あり、体力の向上は見られるが、全国的に
体力向上の意識が高まり、全国平均は94%の種目の記録が前年度より高まっている。そのため、本市
の絶対値は高まっているが、全国平均を上回らない種目も出てきており、今年度の目標レベルを達成し
ていないという結果になっている。
44
地域の大人に挨拶をしたり、話すようになったりした参加児童の割合
明確な減少理由は不明であるが、考えられる理由として、平成24年度は前年と比べ、学習アドバイ
ザー、指導員・協力員数が各々、0.7%、1%と微減していることが挙げられる。今後の対応に当た
っては、参加児童がより多くの大人とふれあえる取組みを拡充していくことが適当である。そのために、
HPでのPR等により、より多くの地域の大人たちに学習アドバイザーや指導員等になっていただくよ
う働きかけたい。また、事業運営の中心であるコーディネーターに対し、研修やHP等を通じて、放課
後子ども教室の目的が地域住民との交流による地域教育力の再生にあるとの認識を高めてもらいなが
ら、参加児童が地域の大人たちとふれあうプログラムについて更なる情報提供を行い、その実施を推奨
することを考えている。
45
異なる学年の児童と遊ぶようになった参加児童の割合
明確な減少理由は不明であるが、考えられる理由として、参加児童の学年構成に偏りがある小学校が
統計のサンプルになったことが挙げられる。今後の対応に当たっては、参加児童が学年の枠を超えて共
に活動できる取組みを拡充していくことが適当である。学校に対しては、各学年の生徒が等しく活動に
参加できるよう全校生徒に放課後子ども教室への参加を勧めるようにお願いする。また、コーディネー
ターに対しては研修やHP等を通じて、異学年の児童が共同して実施する活動プログラムについて情報
提供を行い、その実施を推奨していくことを考えている。
66
研究指定校の報告会参加人数
平成24年度の研究指定校の報告会は 5 校で、平成23年度の9校より4校減少したため目標値を下
回った。しかし、1校の平均参加人数を計算すると、平成23年度は約189人、平成24年度は18
4人で、参加状況としては大きく変わっていない。平成25年度は報告会を行う学校数が増える予定な
ので、機会を得て参加を呼びかけるようにする。
77
指導員配置により、学習の取り組み状況や生活面が改善した児童生徒の割合
今回前年度と大きく変わった点はなく、現在分析を進めているところであるが、困難なケースが増え
てきたことが一つの要因として考えられる。現在、学校訪問相談員と指導主事による学校訪問や、毎月
末の特別支援教育指導員の研修会を行っているが、これらの更なる充実を図り、改善率の向上につなげ
たいと考えている。
85
適応指導教室での活動により学校復帰できた児童生徒の割合
ライトポートに試行通級はしたが、その後通級が困難になったり、定着できなかった生徒がいたため、
全体に占める学校復帰の割合が減少したと思われる。しかし、好ましい変容(家から出られる、仲間と
交流できる、学習に意欲的に取り組む等)を含めると84%になる。この好ましい変容に含まれる児童
生徒の中から学校復帰につなげていきたい。
(4)アクションプランの変更
事業内容を明確にして、より具体的に評価できるようにするために、アクションプランを細分化
した。以下のとおり、4項目のアクションプランを14項目に増やした。
旧AP番号
H23アクションプラン名
新AP番 H24アクションプラン名
号
16
児童生徒の成果発表
16-1 絵をかく会の開催
16-2 総合展の開催
16-3 英語発表会の開催
16-4 音楽発表会の開催
16-5 文集・詩集「ともしび」
、読書感想文集
「本だな」の発行
70
子どもたちの運動や遊びの場の確 70-1 学校体育施設等の活用推進
保
70-2 子どもたちの森公園の管理運営
70-3 都市公園の整備
116
小中連携・一貫教育の推進
116- 小中連携教育の推進
1
116- 小中一貫教育校の設置
2
134
千葉市教育の中核を担う教職員の 134- 現場研究員による研究
育成
1
134- 内地留学(他府県での研修)の実施
2
134- 長期研修の実施
3
134- 海外派遣研修の実施
4
(5)アクションプランの評価
全178項目のアクションプランの中で、事業完了等により4項目を除いた、174項目の進
捗状況の自己評価は以下のとおりであった。
進捗状況
基
準
a
特に成果が高い。
b
H24 年度事業計画を概ね達成している。
c
H24 年度事業計画が達成できなかった。未着手であった。
件数
構成率
11
6%
160
92%
3
2%
平成23年度に引き続き、今年度もa評価となっているアクションプランとしては、
「
(AP番
号49)小学校英語活動の推進」
、
「
(AP番号107)防犯等安全対策の推進」
、
「
(AP番号11
8)高等学校と大学連携教育の実施」
、
「
(AP番号128)私立幼稚園就園奨励賞の補助」
、
「
(A
P番号156)特別支援に対する教育相談」
、
「
(AP番号162)高等特別支援学校の設立」
、
「
(A
P番号163)特別支援学校の再編検討」の7項目が該当する。
平成23年度に引き続き、今年度もc評価となっているものはない。
全体としては、前年度より評価が上がったアクションプラン(c→b、または、b→a)が6
項目、前年度より評価が下がったもの(a→b、または、b→c)が11項目見られた。
※a 評価のアクションプランとその理由(11項目)
AP 番号
49
ア ク シ ョ ン プ ラ ン と そ の 理 由
小学校英語活動の推進
体験的な外国語活動を実施することにより、達成指標(30)の【
「英語活動が楽しい」と肯定的に
回答する児童の割合(小学5年生)
】が、目標値を超えて97%まで増加したため。
57
子ども読書まつりの実施
学校や地域との連携を図って実施することができ、達成指標(34)の【子ども読書まつりの参加
人数】において、参加者数が目標値を大きく上回って 9,954 人となったため。
107
防犯等安全対策の推進
通学路の安全確保において、警察・道路管理者等と連携した「通学路合同点検」を実施した。
118
高等学校と大学連携教育の実施
SSH指定に伴い、新たに信州大学とも連携した研修を展開した。また、千葉市科学館での小学生
を対象にした科学フェスタに参加した。さらに、公開理科実験教室では千葉市未来の科学者育成プロ
グラムと連携し、市立千葉高校の生徒が先生役を務めて実験教室を開催するなど、活動の幅を一層広
げることができた。
119
単位制の実施
SSH指定に伴い、教科の壁をこえたクロスカリキュラムの実施や、学校設定教科「スーパーサイ
エンス」に多様な科目を設定するなど、単位制のメリットをいかんなく発揮することができた。
120
理数教育の充実
SSH指定に伴い、信州大学と連携したり、外国人研究者招聘講座を開催したりした。千葉市の全
面的な協力もあり、平成28年度までの5年間のSSH指定のスタートとして、きわめて順調に滑り
出すことができた。
128
市立幼稚園就園奨励費の補助
市民税所得割課税額 211,200 円超を除く補助区分において、23年度よりさらに 2,000 円~3,000
円の補助単価の増額を実施した。
156
特別支援に関する教育相談
指導主事の増員(1名)もあり、前年比126件増の相談に対応しながらも相談を受けるまでの時
間を短縮することができた。
162
高等特別支援学校の設置
24年度開設準備室並びに関係各課と連携し、開校へ向けてのスケジュールに従い準備を進めるこ
とができた。
163
特別支援学校の再編検討
「千葉市特別支援学校トータルビジョン・ワーキンググループ会議」を設置して審議を行い、一定
の方向性が示された。25年4月に千葉市立高等特別支援学校と千葉市立養護学校真砂分校が開校し
た。
186
科学フェスタの開催
メインイベントでは、昨年より2倍以上の来場者数があった。また、サテライトイベントを通年開
催し、科学イベントを数多く実施することができた。さらに、参加団体の交流会や情報交換会、
「メイ
ンイベント出展団体紹介冊子」の作成により、サイエンスネットワークの構築を図った。
※c 評価のアクションプランとその理由(3項目)
AP 番号
98-1
ア ク シ ョ ン プ ラ ン と そ の 理 由
校舎・屋内運動場等の耐震補強
屋内運動場の入札不調により目標が達成できなかった。
(小学校27校計画→22校実施<5校減
>) 25 年当初予算で入札不調になった屋内運動場の予算措置を講じた。
134-2
内地留学(他府県での研修)の実施
研修の成果が見えにくいという理由で平成22年度から休止となっている。目的や研修内容、選考
方法等を変更し、平成25年度より新たな研修制度をスタートすることとし、教育委員会が課題を設
定したテーマについて、選考試験を経て派遣者を決定し、研修を通して得た成果を迅速に学校現場に
還元できるようにしたい。
170
インターナショナルスクールとの連携
国際理解・帰国児童生徒教育研究推進協議会全体会で国内外の学校間交流を紹介したり、呼びかけ
る活動をしたが、幕張インターナショナルスクールと交流を希望する小・中学校が24年度0校にと
どまってしまったため。