25-63(PDF:266KB)

資産の総合評価シート
施設名
市民会館
施設所管課
市民局生活文化スポーツ部文化振興課
評価番号
25-63
1 分析結果
(1)データ評価結果
①建物性能
・築40年を経過し、老朽化している。
(残耐用年数:10年 グループ平均:29.2年)
対ベンチマーク ・FCIが10%を超えており、今後、大規模な改修が必要となる。
×
②利用度
・稼働状況は良好である。
(大ホール:60%台 小ホール:50%台)
対ベンチマーク (グループ平均:48.9%)
○
③運営コスト
・グループ平均よりも低い。
(市民会館:40,002円/㎡ グループ平均:50,119円/㎡)
対ベンチマーク ・総コストは減少。
・一人当たりコストは横ばい。
○
【まとめ】
・建物性能に課題がある。残耐用年数が10年となり、大規模改修も今後必要となる中、いつまで現在の建物を使い、また更
新するかについて検討する必要がある。
・利用度及び運営コストは、グループ内でも良好であり、大きな課題はない。
(2)現用途の需要見通し
①利用実績の検証
・利用実績は堅調に推移。
・利用者の地域性は特にない。
・大ホールは、音楽・舞台芸術系で60%を占める。一方、小ホールは、企業・団体活動
が31%を占める。
・日中に比べ、夜間利用はやや低い。
・夏季と冬季に稼働率が低下する傾向がある。
②将来の人口動態などを踏まえた ・長期的には、総人口の減少に伴い利用者数の減少が見込まれる。
利用状況の変化
・都心回帰など広域的な人口動態による、広域的なイベント(音楽・舞台芸術のプロ興
行)の減少や、施設の老朽化による集客力の減少などにより、利用者数が減少する可能
性がある。
③将来における効率性の変化
・長期的には、利用者数の減少による効率性の低下が見込まれる。
・効率性を上げるためには、周辺ホールとの統合可能性の検討や、施設の更新による
機能向上などが必要。
【まとめ】
・利用実績は堅調に推移。
・利用者の地域性は特にない。
・大ホールは、音楽・舞台芸術系の利用が多く、小ホールは、企業・団体活動が多い。
・長期的には、総人口の減少や、都心回帰、施設の老朽化の影響により利用者数が減少する可能性がある。
・効率性を上げるためには、周辺ホールとの統合可能性の検討や、施設の更新による機能向上などが必要。
(3)公共施設再配置
①検討すべき再配置パターン
・千葉都心の3ホール(市民会館・文化センター・文化交流プラザ)を比較。
・小ホールは、施設規模が一致する生涯学習センターホールと比較。
・大ホール:市民会館が最も老朽化しているが、稼働率も最も高い。
規模・特性がそれぞれ異なるため、現況ではただちに集約化できる
状況にない。
・小ホール:生涯学習センターホールやその他周辺施設(男女共同参画センター
ホール、県文化会館小ホール、県教育会館など)で吸収できる可能性
について検討すべき。
②留意すべき制約条件
・市民会館は土地形状から、ホール機能に制約が生じていることを踏まえ、更新時に移
転することも検討すべき。
・避難所・避難場所(避難可能者570人)
・避難所としては、住宅地ではないが、帰宅困難者対応を含めた必要性は高い。
・文化交流プラザは、施設のあり方を再検討した結果、プラザ音楽ホールと老朽化が進
んでいる市民会館との再構築を進めるとともに、新ホール建設場所については本庁舎
再整備やスポーツ施設再整備と合わせて検討することとした。
【まとめ】
・施設特性や稼働状況から、現況ではただちに集約化できる状況にはない。なお、施設の更新時には、以下について検証が
必要。
①小ホールの必要性: 生涯学習センターホールほか周辺施設での需要の吸収について検討すべき。
②ホールの立地: 現用地におけるホール機能の制約を踏まえ、移転も視野に入れて検討すべき。
③文化交流プラザのあり方検討の結果に基づき、プラザ音楽ホールとの再構築の検討を進めるべき。
(4)資産の立地特性
①重視すべきエリア・資産の特性 ・都市機能集約ゾーン、千葉都心
・JR千葉駅徒歩7分
・接道条件は良好(市道新町若松町線)
・線路沿いであり、現在の中心部とは若干離れる。
・土地形状が細長く、ホール機能に制約が生じている。
②公共としての活用ポテンシャル ・立地上は活用可能性は高い。
・現施設については、稼働状況から複合化など効率性向上の余地は低い。
・更新時に多機能化することで、地域活性化に寄与する可能性がある。
③外部転用のポテンシャル
・JR千葉駅周辺で用途地域も商業のため、活用可能性は高い。
・千葉都心の活性化の観点から、検討する必要がある。
・建物は除却が前提となる。
・JR千葉駅のリニューアル、西口再開発など駅周辺の再開発による需要動向に留意。
【まとめ】
・良好な交通アクセスや、商業地域であることから、公共・民間ともに活用ポテンシャルは高い。
・今後、ホールとして更新する場合は、細長い土地形状からくる制約をクリアできるのか、検証が必要。
・外部転用にあたっては、千葉都心の活性化に寄与する活用を検討すべき。
・今後、更新のタイミングで、JR千葉駅周辺の再開発状況を踏まえた民間活用を検討すべき。
2 総合評価
評価結果
・千葉都心に近接する3つのホールについて統合の可能性を検討したが、各ホールの施設特性・稼働状
況から、現況ではただちに集約化できる状況にない。
継続利用
・ただし、小ホールは、生涯学習センターホールをはじめとする周辺施設で吸収できる可能性について検
討すべき。
方向性
⑨当面継続
・立地条件は良好であり、公共・民間ともに活用ポテンシャルは高い。ただし土地の形状から大ホールの
機能には制約が生じている。
・文化交流プラザはあり方検討の結果、プラザ音楽ホールと本施設の再構築の検討を進めることとした。
・したがって、当面は継続利用とし、施設の更新のタイミングで、稼働状況や将来需要を踏まえたホール及
び付属機能の検証や、施設の配置バランスや千葉都心の活性化を踏まえた立地の検討を行うべきであ
る。