立谷沢 6 平成 25 年度立谷沢川流域渓流保全工工事における安全対策・創意工夫について 発注者 新庄河川事務所 施工者 株式会社 カキザキ 工事名 平成 25 年度立谷沢川流域渓流保全工工事 発表者 ○現場代理人 沼澤和義 監理技術者 沼澤和義 1.はじめに 本工事は、最上川水系砂防工事の一環として、立谷沢川において、土石流から人家及び道路を保全 することを目的とする除石工事を行いました。 当現場は、運搬出来る期間が限られており、ダンプトラックが多数必要なこと、まとまったダンプ トラック台数で土砂運搬を行うことになり、周辺住民への配慮及び運行中の交通事故に対する安全 管理が重要となりました。 立谷沢川流域渓流保全工工事の施工にあたり、環境及び安全面で工夫し計画実施した事を中心にお 話しします。 2.工事上の課題 工事に伴う対策としては、関係者への周知、適切な運行ルート設定、土砂受入地における猛禽類へ の対策等が上げられ、重要項目として以下を取り上げました。 1. 施工箇所、工事車両運行路に隣接する住民への周知 2. 土砂運搬時に有効な危険予知になる安全対策、ルート設定 3. 土砂受入地に、以前猛禽類が営巣した痕跡があり、施工中猛禽類に対する配慮が必要 これら、1.~3.項目の解決策が必要となりました。 3. 問題解決のために実施した内容について 3-1周辺住民への周知 施工箇所、工事車両運行路に隣接する住民への周知は、着工前に運行経路に隣接する、地区住 民250戸に工事内容や心掛けている点を記載し配布しました。お知らせの配布により工事内 容を理解いただいてから着手することができたと思います。 -1- 運行経路に隣接する地域住民に配布した「お知らせ」 3-2危険予知になる安全対策、ルート設定 冬期間まで及ぶ運搬は、スリップ事故等の可能性が高くなます。 冬期間運搬に関わるリスクを避けるためにも限られた期間で運搬を完了できるように運搬計画 をたて、ダンプトラックを多数手配したため、まとまったダンプトラック台数で土砂運搬を行 うことになりました。 ダンプの台数を確保することも苦労しましたが、周辺住民への配慮及び運行中の交通事故に対 する安全管理に大変苦心しました。 運 行 ル ー ト は 、数 種 類 の ル ー ト を 計 画 し 、運 搬 担 当 の 運 行 管 理 者 と ド ラ イ バ ー 班 長 と 協 議 の 上 決 定 し 、 ル ー ト 図 は 、 車両フロント部に掲示することにしている、工事名プラ カードの裏面にプリントし、運転手に対する安全意識高揚と緊急時にあわてず連絡できるよう に連絡先も合わせて記載ました。 ルート図には、運行経路矢印→だけでなく写真を添付しより理解しやすくしたことまた、土砂 受入業者との打合せに基づいた荷下し箇所詳細図を示し、運行上混乱が生じないよう工夫しま した。 これらの内容は、新規入場者教育時に説明することにして、実施しました。 -2- 例① 例② 戸沢村岩清水への運搬に関しては、ルート計画の際、荷下ろし箇所へ降りる斜路が鋭角で左 折出来ないためいったん通り過ぎて、安全な場所でUターンして入場する運行ルートを計画 しました。 -3- その他、運行時において重点的に気を付けた点を以下に紹介します。 ダンプ走行時積荷やダブルタイヤに挟まった石が、飛んだり荷台やバンパー部から落下して一 般通行車両にぶつかる等の重大事故が発生しています。 これらの事故防止対策として点検を積載時、荷卸し時ともに点検する事を徹底しました。 また、KYK 朝礼安全訓練を通じてくり返し教育しました。 走行前車両点検状況(荷台、車両廻り、タイヤ) 3-3地域の自然環境保全、動植物の保護 戸沢村真柄地区へ土砂搬出することになり、現地調査した際、土砂受入地に、以前猛禽類が営 巣した痕跡があり、施工中猛禽類に対する配慮が必要となりました。 施工期間は、営巣している時期ではなく、以前の巣が残っている状態であったため、使用重車 両における振動・騒音対策等は特に行いませんでしたが、今後のために残っている巣の周辺環 境は出来るだけ現況のままに保つよう配慮しました。 対策としては、対象の樹木に認識テープを巻きつけそばに近づかないことを指導しました。 対策の結果、対象の樹木や周辺環境は着手前の状況を保ちました、今後も繁殖行動が続くこと を期待します。 -4- 猛禽類営巣木の保全 4.あとがき 本工事では、8 月中旬ダンプ運転手が手にけがを負う事象が発生しました。 事故調査後の判断は、事故扱いになりませんでしたが、被災者はもとより、新庄河川事務所所長、 立谷沢川砂防出張所所長はじめたくさんの方々にご迷惑になったこと、深く反省しております。 今後、万全の安全対策により無事故無災害に努めて参りたいと思います。 -5-
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