千葉市橋梁長寿命化修繕計画 (歩道橋編)

【様式1-1】
千葉市橋梁長寿命化修繕計画
(歩道橋編)
平成25年1月
千葉市建設局土木部
維持管理課
1.
計画の背景と目的
(1)背景
日本の社会資本は、戦後の高度経済成長期とともに着実に整備され、一定のス
トックを形成してきた。今後は、高齢化した社会資本の割合が急速に増加すると
いう課題に直面することとなる。このことから、著しい経済成長が見込まれない
現在、つくったものを世代を超えて長持ちさせて大切に使う「ストック型社会」
への転換が求められている。
本市が管理する歩道橋は、主に交通安全の目的で昭和 40 代より整備を開始し、
平成 24 年現在、全 69 橋ある。一般的に高齢化の目安となる建設後 50 年を越え
る歩道橋は見当たらないが、建設後 15 年から 45 年を経過している施設がほとん
どであることから、今後、施設の高齢化が一斉に進展することで、劣化が深刻化
する恐れがあり、維持管理コストの急激な増大から短期間に大きな財政負担が生
じることは明らかとなっている。
このことを踏まえ、対症療法的な維持管理から、予防保全的な維持管理に転換
することで歩道橋の長寿命化を図り、予算の標準化と維持管理のコスト縮減を行
い、次世代に大きな負担をかけることなく、歩道橋の安全性と信頼性を将来にわ
たり確保することを目的に、「千葉市橋梁長寿命化修繕計画」に続き歩道橋に特
化した『千葉市橋梁長寿命化修繕計画(歩道橋編)』を策定した。
建設後の経過年数(平成 24 年 4 月現在)
建設後 50 年以上の橋梁数の推移
2.
計画の対象歩道橋
●
一般型歩道橋
N= 37 橋
(道路を跨ぐ一般的な横断歩道橋)
●
デッキ型歩道橋
N= 21 橋
(幕張新都心海浜幕張地区商業用デッキ「通称:スカ イウエイ」)
●
その他
N= 11 橋
(跨線橋や跨道橋等の人道橋)
3.
計画策定にあたっての基本方針
(1)全橋を対象とした計画の策定
本市道路管理者が管理するすべての歩道橋を対象とし、長寿命化修繕計画を策定す
る。(将来、道路管理者に移管される歩道橋も計画の更新時に対象とする。)
ただし、エレベーターやエスカレーターは、別途定期的な点検、維持管理を行って
いることから、本計画の対象とはしない。
(2)維持管理に係るコスト縮減と予算の平準化
今後、施設の高齢化が一斉に進展し、維持管理コストの急激な増大から短期間に大
きな財政負担が生じることは明らかであることから、予防保全的な維持管理を行う
ことで、施設の長寿命化を図り、維持管理に係るコスト縮減と財政負担が短期間に
集中しないよう予算の平準化を図る。
(3)施設の撤去
歩道橋は、元来、交通安全の目的で設置されているが、バリアフリー意識の高まり、
利用者の減少など、設置時の環境と大きく変化していることから、施設の必要性に
ついて検証し、必要性の低い歩道橋「使えるまで使う」考えの基、塗装工事など大
規模な改修を行う時期に撤去する計画とする。
(4) 計画の更新と継続
計画は、定期点検の結果や新たな修繕方法など、最新の知見に基づき、 5 年に 1 回
を目途に更新することで、将来にわたって計画の精度を高めるとともに、つくった
ものを長持ちさせて大事に使う「ストック型社会」の意識向上に努めながら、計画
を継続する。
また、「点検」⇒「計画」⇒「修繕」⇒「確認」といった維持管理のマネジメント
サイクルを定着させ継続していくために、一元的な管理を行うのではなく、歩道橋
種別やタイプ毎に分類し、メリハリのある管理方針に基づいて維持管理の効率化を
図ることで、継続可能な維持管理法を構築する。
(5)職員点検
職員による歩道橋点検を導入し、点検に係るコストを縮減する。併せて、職員の継
続的な技術力向上と職員間の技術力の継承が行われる体制を作る。
4.歩道橋ごとの概ねの次回点検時期及び修繕内容・時期
様式 1-2(29 頁~30 頁)による。
5.計画による効果
本計画により、修繕、架け替えに要する費用は、今後 50 年間で約 46 億円(約 4
割)の縮減が見込まれる。
千葉市歩道橋長寿命化修繕計画(歩道橋編)による効果
6.
計画策定担当部署
千葉市 建設局 土木部 維持管理課
TEL
043-245-5386
5
※1
用語の解説
健全度
評価単位の健全性を示す指標である。
※2
劣化予測
歩道橋の健全度の推移を予測することをいう。
※3
劣化機構
歩道橋に使用されている材料が、劣化・損傷するメカニズムをいう。劣化を誘発する原因
により、鋼材における防食機能の劣化などに区別される。
※4
ライフサイクルコスト
Life cycle cost。構造物の生涯に必要な建設初期費用、維持管理費用、更新費用の合計
費用のこと。本計画では、計画期間内に必要な費用を対象としている。