千葉市橋梁長寿命化修繕計画(千葉都市モノレールインフラ施設編) 平成 24 年6月 1 目的及び基本方針 1 モノレールインフラ施設の概要 ■概要 ・千葉都市モノレールは、昭和 63 年 3 月から順次開業し、現在、全 15.4kmの 延長があります。 ・主なインフラ施設は、以下のとおりです。 軌道桁、支柱、分岐器、停留場(自由通路等含む。)、モノレール橋 昇降機(エレベーター、エスカレーター) ・インフラ施設は、すべて道路施設です。 ■特徴 ・主に鋼製の構造物です。 ・公共交通機関のため、原則運休はできません。 ・約 15 年間で集中的に建設されました。 2 維持管理上の課題 ・インフラ施設は建設時期が集中しているため、高齢化が一斉に進展し劣化が深刻化するおそれがあり、維持管理に 係るコストの急激な増大から短期間に大きな財政負担が生じることが明らかとなっています。 ・定期的に点検を実施し、インフラ施設の状態を早期かつ的確に把握する必要があります。 3 長寿命化修繕計画の目的 ・予防保全的な維持管理を実施することで架け替えといった大規模な施設更新が発生しないよう施設の長寿命化を 図り、維持管理に係るコスト縮減と予算の平準化を行い、モノレールの信頼性と安全性を将来にわたり確保します。 4 計画の対象施設 ・全 15.4kmにおける以下のインフラ施設とします。 軌道桁(分岐桁含む。)441 橋、支柱 510 基、分岐器 23 基、停留場(自由通路等含む。)18 駅、 モノレール橋 4 橋、昇降機(エレベーター)60 基、昇降機(エスカレーター)27 基 スポーツセンター駅 動物公園駅 穴川駅 みつわ台駅 都賀 都賀駅 天台駅 千城台北駅 桜木駅 小倉台駅 作草部駅 千城台駅 西千葉 みどり台 千葉公園駅 西登戸 千葉駅 千葉 軌道桁、支柱 栄町駅 分岐器(下面) 停留場 新千葉 葭川公園駅 千 葉みなと 千葉みなと駅 1 号線 市役所前駅 千 葉 中央 県庁前駅 2 号線 5 計画期間 平成 25 年度(2013 年度)を計画の初年度とし、平成 25 年度から平成 74 年度までの 50 年間とします。 6 計画策定にあたっての基本方針 (1)すべてのインフラ施設を対象とした計画の策定 軌道桁や支柱だけでなく、分岐器や昇降機などの機械設備を含めたすべてのインフラ施設を計画の対象とします。 (2)すべてのインフラ施設を対象とした予防保全的な維持管理の実施 公共交通機関のため、原則運休はできないことから、架け替えのような大規模な施設更新が発生しないよう、すべてのインフラ施設について、予防保全的な維持管理を実施します。 (3)維持管理に係るコスト縮減と予算の平準化 インフラ施設の建設年次が約 15 年間に集中しており、今後、施設の高齢化が一斉に進展し、維持管理コストの急激な増大から短期間に大きな財政負担が生じることは明らかであり、予防保全的な 維持管理を行うことで、施設の長寿命化を図り、維持管理に係るコスト縮減と予算の平準化を図ります。 (4)モノレールの安全性と信頼性を将来にわたって確保 点検の内容を体系化し充実することで、計画的かつ継続的に点検を実施し、インフラ施設の状態を早期かつ的確に把握し、予防保全的な維持管理を実施していくことで、モノレールの安全性と信頼性を 将来にわたり確保します。 (5)計画の更新と継続 計画は、定期点検の結果や新たな塗装・修繕方法など、最新の知見に基づき、5 年に 1 回を目途に更新することで、将来にわたって計画の精度を高めるとともに、つくったものを長持ちさせて大事に使う 「ストック型社会」の意識向上に努めながら、計画を継続していきます。 2 1 モノレールインフラ施設の現状 定期点検 2 定期点検とは、インフラ施設の保全を目的とし、長寿命化修繕計画の実施に必要な施設の状態を 把握するために、定期的に実施する点検です。 定期点検の結果 軌道桁や支柱などの外面塗装の一部に、錆が見られます が、全体として健全な状態が確保されています。 本市では、軌道経営者である千葉都市モノレール㈱が実施している日常の点検以外に、インフラ 施設の定期点検を平成 22 年度から実施しています。 軌道桁(外面塗装)の点検結果(平成 22 年度) 点検頻度は、基本的に 5 年に 1 回のサイクルとし、塗装の錆の状況などに応じて適宜短縮すること としております。 支柱の状況(塗装前) 良 悪 目視点検の状況 3 打音点検の状況 将来事業費予測 支柱の状況(塗装後) 4 計画では、「健全度」を 5 段階に設定し、将来における塗装等の「劣化速度」を予測しました。 また、将来事業費は、修繕をどの段階で実施するかによって大きく異なるため、ライフサイクル コストが最小となるよう「維持管理シナリオ」を設定し、将来事業費を予測しました。 計画の効果 より実効性のある計画とするた め、年度ごとの予算を考え、施設や 対策ごとに優先順位をつけ、事業費 の平準化を行った結果、予防保全的 な維持管理(約 270 億円)を実施す ることで、対症療法的な維持管理(約 320 億円)の場合と比べ、今後 50 年 (2) 計画期間 間で約 50 億円(約 15%)のコスト 縮減が見込まれます。 ≪中長期のコスト縮減額≫ 本計画に基づき、計画的に予防保 対症療法的管理(320 億円)と予防保全的管理(270 億円)を試 全的な修繕を実施していくことで、 算した結果、今後 50 年間で約 50 億円(15%)の縮減が見込まれ コスト縮減を図りながら、モノレー ます。 ルの安全性と信頼性を将来にわたっ て確保していきます。 「健全度」と「劣化速度」のイメージ 「維持管理シナリオ」のイメージ 50 年間のコスト縮減額 50 年間のコスト縮減額 約 50 億円(約 15%縮減) 約50億円(約 15%縮減)
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