投資戦略マンスリー|2015年3月号

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投資戦略マンスリー 2015年3月号
投資戦略マンスリー
情報提供資料
国際投信投資顧問/経済調査部
2015年3月号
経 済 調 査 部
http://www.kokusai-am.co.jp
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Ⅰ. 主要国の投資環境見通し
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
①米国
ドル高は、どの程度の景気減速をもたらすのか
②ユーロ圏
景気の自律的回復までの道のりは遠いが、着実な前進は見られる
③日本
景気の好循環が強まり、更なる株価上昇の可能性も
④オーストラリア 資源安の影響に配慮し利下げを実施
⑤為替
円安ドル高地合いは不変も、米国の企業収益・物価見通しの変化には要注意
Ⅱ. 国際金融市場の動向
Contents
①株式
・・・ 13
②金利
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・ 14
③為替
p.1-12
1-4
5-6
7-8
9-10
11-12
p.13-15
・・・ 15
Ⅲ. 金融・商品市場のパフォーマンス
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
p.16
Ⅳ. 2015年3月の主要な政治・経済日程
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
p.17
巻末の「本資料に関してご留意頂きたい事項」および「本資料中で使用している指数について」を必ずご覧ください。
KOKUSAI Asset Management Co., Ltd.
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国際投信投資顧問/経済調査部
投資戦略マンスリー 2015年3月号
Ⅰ.主要国の投資環境見通し ①米国: ドル高は、どの程度の景気減速をもたらすのか
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 2014年10-12月期は前期比年率+2.6%の成長を達成
【図1】 個人消費が伸びる一方で、外需がマイナス寄与に
1月30日に公表された2014年10-12月期の実質GDP(速報値)は、前期比年
率+2.6%と7-9 月期の同+5.0%から減速しました。純輸出の減少(寄与度
▲1.02%ポイント)や設備投資の鈍化(同+0.37%ポイント)が要因です。た
だし個人消費は旺盛で寄与度+2.87%ポイントと7-9月期の同+2.21%ポイント
から拡大しています。2月27日公表予定の改定値では、純輸出や在庫投資の
下振れで、実質GDPは+2%程度へ下方修正されるとみられますが、先行きは
潜在成長率(+2%程度)を上回る景気拡大が続くとみています(図1)。
しかし今回、輸出や設備投資の拡大ペースに減速がみられたことから、海
外経済の減速が米国にも一定の影響を与えるのではないか、という懸念が再
燃しています。2015年1月27-28日のFOMC(連邦公開市場委員会)では、ド
ル高が米国の純輸出を持続的に抑制することなどが議論されており、声明文
には政策判断の材料として「国際情勢」が新たに付け加えられました。
 金融政策の方向性の違いによって生じた、ドルの独歩高
米国 実質GDP(前期比年率)と需要項目別寄与度
(%)
10
8
6
4
2
0
-2
-4
-6
-8
-10
純輸出
在庫投資
2014年
10-12月期
+2.6%
政府支出
(輸出-輸入)
設備投資
個人消費
実質GDP
(予想)
住宅投資
2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015
(年)
注)2015年1-3月期~同年10-12月期の予想は当社経済調査部による。
出所)米商務省より当社経済調査部作成
【図2】 相対的に景気が良好な米国で、ドル高が進行
米国が堅調な成長をみせる一方で、日欧や新興国の景気は減速しています。
IMF(国際通貨基金)は、2015年1月に世界経済の見通しを2014年10月時点
のものから更新した際、2015年の米国の成長率を前年比+3.1%から同+3.6%
に上方修正しましたが、他の多くの主要国の見通しは下方修正されました。
景気動向の違いは、金融政策の違いをもたらしています。米国ではFRB
(連邦準備理事会)が年内に利上げを開始するとの観測が高まっていますが、
日本やユーロ圏など景気減速やデフレ懸念に苦しむ地域は大規模な金融緩和
を実施しており、資源国でも利下げに動く地域が増えています。投資家は相
対的に高い利回りを求め資金をドルにシフトさせているとみられ、これがド
ル高をもたらしています。実質実効為替レート(主要貿易相手国の為替レー
トを物価上昇率で調整し、貿易額で加重平均したもの)をみると、直近6ヵ
月(2014年8月~2015年1月)で9%弱の急速なドル高が進んでいます(図2)。
米国 ドルの実質実効為替レート
(1973年3月=100)
140
130
IMFによる2015年の実質GDP成長率見通し(%)
2014年10月時点
2015年1月時点
変化幅
3.1
1.3
0.8
5.0
3.6
1.2
0.6
4.3
0.5
▲ 0.2
▲ 0.2
▲ 0.6
米国
ドル高
ユーロ圏
日本
120
新興国
110
100
90
80
1970
1975
1980
1985
1990
1995
2000
2005
2010
2015
2020 (年)
注)直近値は2015年1月。
出所)FRB、IMFより当社経済調査部作成
巻末の「本資料に関してご留意頂きたい事項」および「本資料中で使用している指数について」を必ずご覧ください。
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投資戦略マンスリー 2015年3月号
 成長は鈍化も、景気腰折れの可能性は小さい見通し
一般的に、自国通貨高は輸出減少と輸入拡大を通じて、経済成長を押し下
げる効果をもたらします。しかし輸出入が経済に占める割合は、国によって
様々です(図3左)。米国のように経済規模が海外と比べて相対的に大きい
国は(米国の世界経済に占める割合は20%超)、輸出入が経済に占める比率
は小さく、為替の影響も大きくはないとみられます。英国やスイスなど、経
済規模が海外と比べて小さい国では、輸出入が経済に占める比率が大きく、
それゆえに為替の変動が経済に大きな影響を与えると考えられます。
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もっとも米国でも、10%ものドル高が生じれば、3年程度の期間を通じて
各四半期ごとの実質GDP成長率が前期比年率ベースで0.1~0.5%ポイント抑
制され続け(図3右)、1年後の個人消費支出デフレーター(食料・エネル
ギー除く)の前年比の伸びが最大で0.4%ポイント程度押し下げられるとの
推計もあります。景気が腰折れするリスクは小さいとみますが、ドル高によ
る景気への悪影響には、しばらく注意する必要があります。
【図3】 米国のGDPに占める輸出入の比率は小さい
(%)
80
米国・英国・スイス
輸出入の自国GDPに占める比率
60
輸出額/名目GDP
米国 ドルの10%の上昇が実質
GDP(前期比年率)に与える影響
(%)
0.1
0.0
40
-0.1
20
-0.2
0
-0.3
-20
-0.4
-40
-60
-0.5
輸入額/名目GDP
-80
実質実効為替レートが
10%上昇した場合
-0.6
米国
(22.4%)
英国
(3.4%)
スイス
(0.9%)
3 6 9 12 15 18 21 24 27 30 33 36 39 42 45 48
(ヵ月後)
注)左図は米国は2014年、他は2013年の値。国名の下の数値は世界GDPに占める当該国のGDPの比率。輸入は
GDPの控除項目のためマイナス表示とした。右図はFEDS Notes “November 2014 update of FRB/US model”
より当社経済調査部作成。
出所)IMF、米商務省、欧州統計局、FRBより当社経済調査部作成
 足元の企業マインド低下と設備投資減速も懸念材料
【図4】 企業の設備投資意欲が鈍化する兆候に注意必要か
足元で輸出は減速が続いています(実質GDPの需要項目ベースで、2014年
4-6月期+11.1%→7-9月期+4.5%→10-12月期+2.8%、前期比年率)。資源価格
の下落により鉱業部門で設備稼働率の低下がみられますが、輸出の減速も企
業の生産活動の鈍化をもたらし、設備投資意欲を低下させていると考えます。
ISM製造業景気指数(2014年8月58.1→2015年1月53.5)やマークイット製
造業PMI(2014年8月57.9→2015年2月54.3)などをみると、製造業の企業マ
インドは昨年夏以降低下トレンドにあります。生産活動自体は拡大傾向が続
いているものの、拡大ペースは鈍化している模様です。設備投資に関する資
本財の受注・出荷動向をみても、受注額にやや頭打ち感もみられ、今後の出
荷額の減速も予想されます。仮に今後、受注額が出荷額を下回った場合は、
先行きの設備投資が落ち込むことも考えられます(図4)。当面の景気腰折
れリスクは小さいものの、急速なドル高が輸出減速を通じて設備投資の鈍化
をもたらしている可能性にも、注意を払うべきとみています。
(億ドル)
160
140
120
100
80
60
40
20
0
-20
-40
-60
-80
米国 資本財(除く国防・航空機)の受注・出荷額
(億ドル)
800
受注(右軸)
700
600
出荷(右軸)
500
400
300
受注ー出荷
(左軸)
200
1994
1998
2002
2006
2010
2014 (年)
注)直近値は2014年12月。網掛けは景気後退期。
出所)米商務省、NBERより当社経済調査部作成
巻末の「本資料に関してご留意頂きたい事項」および「本資料中で使用している指数について」を必ずご覧ください。
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 イエレンFRB議長は、議会証言で雇用の改善を強調
【図5】 失業率の低下傾向は今後も続く見通し
他方で雇用の改善は続いています。2015年1月の雇用統計では、非農業部
門雇用者数が前月から25.7万人の増加となったことに加え、過去の数値も上
方修正されました。2月19日に公表された大統領経済報告でも雇用創出の
ペースが加速していることが強調されています(毎月の非農業部門雇用者数
の平均増加数は、2012年18.8万人、2013年19.9万人、2014年26.0万人)。雇
用情勢の改善に伴い、失業率は今後も低下傾向が続くとみています(図5)。
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(%)
10.5
10.0
9.5
9.0
8.5
8.0
7.5
7.0
6.5
6.0
5.5
5.0
4.5
4.0
3.5
3.0
2.5
非農業部門雇用者数
(前月差、左軸)
2015年1月 +25.7万人
80
60
推計
40
20
毎月15万人雇用増
0
イエレンFRB議長も2月24-25日の議会証言で、海外の減速を懸念しつつも
雇用はさらに改善するとの見通しを示しました。地区連銀総裁らの発言も考
慮すると、3月のFOMCで、現在のフォワード・ガイダンス(先行きの金融
政策の指針)である「金融政策スタンスの正常化開始に辛抱強くなれる」か
ら“辛抱強く(少なくとも今後2回の会合で利上げしないことを意味)”が
削除されるとみられます。ただしイエレン議長は、ガイダンスの修正をその
後2回のFOMCで利上げをする意味ととるべきではない、とも強調しました。
 データを確認しつつ、FRBは利上げ時期を模索か
米国 非農業部門雇用者数と失業率
(万人)
100
失業率(右軸)
2015年1月 5.7%
-20
-40
FOMCの失業率見通し
(2014年12月時点)
毎月20万人雇用増
-60
-80
毎月28.2万人雇用増
(過去6ヵ月平均)
-100
2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017
(年)
注)推計は当社経済調査部に基づく。性別・年齢階層別の労働参加率が回復することを想定。
FOMCの見通しは中心的傾向の中心値。
出所)FRB、米労働省、米商務省より当社経済調査部作成
【図6】 賃金上昇の加速が始まる失業率の水準が議論に
イエレン議長は議会証言で、賃金を注視しているとも述べています。FRB
が目指す前年比+2%のインフレ率には、同+3~3.5%の賃金上昇率が整合的
とされます。雇用が引き締まるに伴い賃金上昇が加速し、これが物価に波及
することが期待されますが、足元ではまだ明確な賃金上昇の加速は確認され
ていません。1月の失業率は5.7%で、FOMCが長期的な水準とみる5.2~5.5%
に近づいていますが、時間当たり賃金(民間部門の管理者除くベース)は前
年比+2.0%にとどまっています(図6)。一部のFRBスタッフは、賃金上昇
が加速し始める失業率は 5%と推計しており(2014年11月公表のFRB/US
modelの値)、そうであればいっそうの雇用の改善が必要とも考えられます。
ドル高が景気腰折れをもたらさず、雇用改善による賃金上昇の加速が確認
され、先行きのインフレ率上昇に合理的な自信が持てるまで、FRBは利上げ
を急がないとみられます。2015年6月に利上げが検討される可能性は高いも
のの、実際の利上げは9月以降に後ずれすることが考えられます。(末吉)
米国 失業率と時間当たり賃金
5.5
(
時
間
当
た
り
賃
金
、
前
年
比
、
%
)
リーマン・ショック以前(2003年1月~2008年9月)
5.0
リーマン・ショック後(2008年10月以降)
4.5
2008年10月
2008年9月
リーマン・ショック直後の雇用減少と賃
金抑制
4.0
3.5
2003年1月
3.0
2.5
2.0
1.5
賃金抑制を伴う雇用
の維持・増加
2015年1月
2012年10月
1.0
4
5
6
7
8
9
(失業率、%)
10
11
12
注)時間当たり賃金は、民間部門の管理者を除くベース。
出所)米労働省より当社経済調査部作成
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 米国経済指標等
【図7】 中古住宅販売件数は足元で減少
M
(2000年1月
=100)
米国 中古住宅販売件数、住宅価格
(万件)
800
750
700
650
600
550
500
450
400
350
300
2002
【図8】 小売売上高は足元減少も、消費者信頼感は高水準
(%)
220
2004
2006
2008
2010
2012
2014
90
80
3
70
160
2
60
140
1
50
0
40
120
-1
30
100
-2
80
-4
(年)
【図9】 2014年夏に直近のピークをつけた製造業マインド
65
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
2015
(年)
注)直近値は、小売売上高は2015年1月、ミシガン大学消費者信頼感指数は同年2月。
ミシガン大学消費者信頼感指数は速報値。
出所)米商務省、ミシガン大学/Thomson Reuters
【図10】 インフレ率はFRBの目標を下回って推移
米国 ISM製造業景気指数、マークイット製造業PMI
(%)
米国 個人消費支出デフレーター(前年比)
6
企業活動
拡大
ISM製造業景気指数
55
3
50
2
45
FRBのインフレ目標(+2%)
(2012年1月導入)
5
4
総合
1
マークイット製造業PMI
40
30
2000
10
0
2006
60
35
20
小売売上高
(前月比、左軸)
-3
出所)NAR、Bloomberg
70
100
4
注)直近値は、中古住宅販売件数は2015年1月、S&P/ケース・シラー住宅価格指数は同年12月。
(%)
(ポイント)
110
5
180
中古住宅販売件数
(年率、左軸)
(1966年=100)
ミシガン大学消費者信頼感指数(右軸)
6
200
S&P/ケース・シラー
住宅価格指数
(20大都市平均、右軸)
米国 小売売上高とミシガン大学消費者信頼感指数
7
0
-1
企業活動
縮小
2002
2004
コア
-2
2006
2008
2010
2012
2014
(年)
注)直近値は、マークイット製造業PMIは2015年2月、ISM製造業景気指数は2014年1月。
マークイット製造業PMIの直近値は速報値ベース。
出所)ISM、マークイット
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1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 (年)
注)直近値は、2014年12月。コアは食料・エネルギー除くベース。
出所)FRB、米商務省より当社経済調査部作成
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4
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②ユーロ圏: 景気の自律的回復までの道のりは遠いが、着実な前進は見られる
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 足元のユーロ圏経済を支える個人消費の回復
【図1】 緩やかながらも成長率の加速が確認できるユーロ圏
直近2014年10-12月期の実質GDPが前期比年率+1.2%に加速するなど、ユー
ロ圏の景気回復の足取りは確かなものとなりつつあります(図1)。需要項
目別寄与度を見ると、個人消費が景気を下支えしている様子が確認されます。
5
ユーロ圏 実質GDP(前期比年率)と需要項目別寄与度
実質GDP
4
個人消費
政府支出
3
背景として、家計の実質的な購買力改善が挙げられます。景気低迷と原油
安に伴うエネルギー価格下落の影響で、インフレ率(消費者物価の前年比)
はマイナスに転じた一方(図2)、そのことが実質賃金(インフレ率を考慮
した賃金)の上昇を通じて、個人消費の回復に寄与した模様です(図3)。
とはいえ楽観視は禁物です。各国の失業率を見ると、債務問題の後遺症で
スペイン・ポルトガルでは低下も依然長期平均を大きく上回り、フランス・
イタリアでは高止まりが続くなど、ドイツを除けば雇用回復の遅れが目立ち
ます(図4)。当面の個人消費は緩やかな回復を見込みますが、持続的なも
のとなるかは、雇用・所得環境の改善度合いが鍵を握ると判断します。
(%)
純輸出
2
2014年
10-12月期
実質GDP
+1.2%
1
0
-1
-2
固定資本投資
-3
在庫投資
-4
2010
2011
2012
2013
2014
2015
(年)
注)需要項目別寄与度は2014年7-9月期まで。
出所) 欧州統計局より当社経済調査部作成
 ユーロ圏経済はようやく自律回復に向けた一歩を踏み出した
【図2】 エネルギー価格下落もあり、インフレ率は急速に低下
個人消費とともに景気を支えているのが輸出の回復です。ECB(欧州中
銀)による積極的な金融緩和がユーロ安を誘発し、輸出増に寄与している面
もありますが、徐々に生産回復へと波及していくかが注目されます(図5)。
賃金・給与(名目、前年比)
4
消費者物価(総合、前年比)
3
緩慢ながらも景気回復が続き、企業の設備稼働率は上昇、設備投資に前向
きな姿勢を強める兆しもあります(図6)。ECBが目指す消費・投資拡大→
融資需要増、という経済・金融の正常化に向け一歩ずつ進んでいる模様です。
ユーロ圏株式は2月24日時点、MSCIベース(現地通貨)で見た年初来騰落
率が+13.6%と、同+7.1%の日本、+3.0%の米国を凌駕するなど、世界でもそ
の堅調ぶりが目立ちます。ギリシャ金融支援の4ヵ月延長合意で、同国の資
金繰り懸念が一旦後退したことも追い風ですが(支援内容の詳細は協議継続
のため今後も意識されるリスクは残存)、一段の株価上昇には民需の自律的
回復に向け一段と前進している姿を示せるかが鍵と考えます。(瀧澤)
ユーロ圏 消費者物価と賃金・給与
(%)
5
2
1
0
▲1
消費者物価(総合、前年比)への寄与度
■エネルギー ■エネルギー以外
▲2
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
2015
(年)
注)消費者物価への寄与度は2015年ウエイトを基準に当社経済調査部が算出。
直近値は賃金・給与(四半期)が2014年7-9月期、消費者物価(月次)が2015年1月時点。
巻末の「本資料に関してご留意頂きたい事項」および「本資料中で使用している指数について」を必ずご覧ください。
出所)欧州統計局より当社経済調査部作成
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5
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【図3】 インフレ率鈍化で家計の購買力が改善、底堅い個人消費
(%)
M
ユーロ圏 賃金・給与と小売売上高(ともに実質)
【図4】 ドイツを除き、失業率が長期平均を上回る国が多い
(%)
4
実質賃金・給与(前年比、左軸)
<9ヵ月先行>
3
2
28
26
24
22
20
18
16
14
12
10
8
6
4
1991
6
1
4
0
2
-1
-2
0
-3
-2
-4
-5
-4
実質小売売上高(前年比、右軸)
-6
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
2015
(年)
ユーロ圏 失業率(国別)
(%)
8
-6
注)賃金・給与は消費者物価で実質化。
直近値は賃金・給与(四半期)が2014年7-9月期、実質小売売上高(月次)が2014年12月時点。
スペイン
ポルトガル
イタリア
ユーロ圏
フランス
ドイツ
1994
1997
2000
2003
(2010年平均=100)
2009
2012
2015
(年)
注)ユーロ圏は1993年1月以降。直近値は2014年12月時点。
出所)欧州統計局より当社経済調査部作成
【図5】 ユーロ安もあり堅調な輸出が生産回復に波及するか注目
2006
出所)欧州統計局より当社経済調査部作成
【図6】 企業の設備投資意欲改善→融資活性化への兆しも
ユーロ圏 鉱工業生産と輸出数量
(%)
120
ユーロ圏 設備稼働率と企業向け融資
(%)
7
輸出数量指数
115
86
設備稼働率(製造業、右軸)
6
110
84
5
82
4
80
105
3
78
100
2
76
95
1
74
0
72
90
-1
鉱工業生産指数
85
-2
80
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
2015
68
-3
(年)
注)輸出数量は2010年平均=100として当社経済調査部が指数化。
直近値は輸出数量が2014年11月、鉱工業生産が同年12月時点。
70
非金融企業向け融資
(3ヵ月前比、左軸)
2003
2005
2007
2009
2011
2013
2015 (年)
66
注) 非金融企業向け融資のデータは2003年4月以降。直近値は設備稼働率(1・4・7・10月の3ヵ月毎調査)
が2015年1月、非金融企業向け融資(月次)が2014年12月時点。
出所)欧州統計局より当社経済調査部作成
巻末の「本資料に関してご留意頂きたい事項」および「本資料中で使用している指数について」を必ずご覧ください。
出所)ECB、欧州委員会より当社経済調査部作成
KOKUSAI Asset Management Co., Ltd.
6
M
国際投信投資顧問/経済調査部
投資戦略マンスリー 2015年3月号
③日本: 景気の好循環が強まり、更なる株価上昇の可能性も
 輸出の増加を起点に景気は好循環の兆し
M
【図1】 純輸出や個人消費が増加、今後は1%半ば程度の成長か
輸出回復を起点とした「企業収益拡大→雇用・所得改善→消費増加」の好
循環の兆しがみられます。2014年10-12月期の実質GDPは、輸出や消費が持
ち直し、前期比年率+2.2%と3四半期ぶりにプラス成長となりました(図1)。
2015年に入っても鉱工業生産が増加基調にあり(図2左)、実質GDPの拡大
が続いている模様です。こうした中、政府や民間エコノミストの2015年度の
名目成長率見通しは、いずれも前年度比+2.7%と、2013年度、2014年度を超
える高成長が予想されています(図2右)。
1月の貿易統計は、輸出が自動車や電子部品などの増加で前年比+17%と拡
大する一方、資源安などの効果で輸入が同▲9%となり、貿易赤字が前年比
▲57%と縮小しました。輸出の増加は、輸出数量が前年比+11%と拡大した
ことが主な要因です(図3左)。地域別の輸出数量は、米国向けが前年比
+2.6%と3ヵ月連続で増加する一方、EU向けが同+7%、アジア向けが同+12%
と大きく増加しました(図3右)。これまでの円安による価格競争力向上の
効果や世界の景気回復などが背景にあると考えられます。
 2015年度の日経平均株価は上昇基調継続か
良好な企業景況感が続く中(図4左)、市場の増益期待は根強く、株価押
し上げの原動力になっている模様です(図4右)。2015年度の日経平均株価
の平均一株当り予想利益(EPS)は1,268円と予想され、過去平均の株価収益
率(PER)15.5倍で考えると、株価は1万9千円台に上昇する可能性もありそ
うです。リスク要因は、国内では消費の地域格差が考えられます。雇用環境
の改善がパートタイムから一般労働者に広がりがみられるものの(図5)、
消費には地域格差がみられ、ぜい弱さが残ります(図6左)。4月の統一地方
選や9月の自民党総裁選に影響し、安倍政権が揺らぐ恐れもあります。
15
10
(%)
日本 実質GDPと需要項目別寄与度 (前期比年率)
公的
需要
実質GDP
(市場予想)
純輸出
5
+1.9%
+1.7% +1.4%
0
+1.8% +1.5%
在庫投資
-5
個人消費
民間住宅投資
-10
民間設備投資
-15
-20
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
(年)
2015
2016
注)市場予想(2015年1-3月期から2016年1-3月期)はBloombergがエコノミスト等にヒアリングした結果。
2015年2月25日時点。
出所) 内閣府、Bloombergより当社経済調査部作成
【図2】 1月も増産継続の見込み、来年度は高成長期待が強い
日本 鉱工業生産
12
(%)
鉱工業生産指数
(右軸)
10
8
2015年1月
103.0
(予想)
6
(2010年=
100)
2015年
2月
100.3
(予想)
2014年
12月
98.9
4
105
5
(%)
4
100
日本 名目GDP
(前年度比)
※赤は政府見通し
緑は市場見通し
3
2
95
1
90
-1
2015年度
+2.7%
+2.7%
2013年度
+1.8%
0
2
0
消費者物価は国際的な資源安の影響を受けて低迷が予想され、日銀の物価
目標達成には時間を要する見込みです(図6右)。しかし追加金融緩和は、
家計や企業の物価上昇期待が後退しなければ、実施されないとみています。
もっとも現状の量的緩和策だけでも、円安や国債利回り低下の効果や年間3
兆円ペースの上場投信購入などで景気浮揚効果が期待できます。(石井)
2014年10-12月期
実質GDP +2.2%
(1次速報値)
2014年度
+1.7%
+1.5%
-2
-2
-4
3ヵ月合計の3ヵ月前比
(左軸)
-6
2012
2013
2014
85
2014年
10-12月期
+1.7%
2015
-3
-4
(年)
80
-5
(年度)
2000
2003
2006
2009
2012
2015
注) 左図の予想は製造工業生産予測調査をもとに、過去の実現率と予測修正率から当社経済調査部が算出。
右図の市場見通しはESPフォーキャスト2月。 出所)日本経済研究センター、経済産業省、内閣府から当社経済調査部作成
巻末の「本資料に関してご留意頂きたい事項」および「本資料中で使用している指数について」を必ずご覧ください。
KOKUSAI Asset Management Co., Ltd.
7
M
国際投信投資顧問/経済調査部
投資戦略マンスリー 2015年3月号
【図3】 アジア向け中心に輸出数量が増加、輸出金額も改善基調 【図4】 企業景況感は良好、市場の増益期待は根強い
(2010年
=100)
日本 輸出の金額と数量
(兆円)
105
M
(2013年
12月=100)
7
日本 地域別の輸出数量
60
110
米国向け
アジア
向け
6
100
2,000
2007年度
905
1,000
非製造業
EU向け
3
輸出数量指数
(左軸、季節調整値)
85
2012
2013
2014
2015
(年)
2
90
2013/12
2014/06
2014/12
(年/月)
注)直近値はいずれも2015年1月。右図は季節調整値。
出所)内閣府、財務省
【図5】 雇用改善がパートタイムから一般労働者へ波及
日本 雇用形態別・雇用者数
(前年比)
(%)
4
パートタイム
2014年
12月
+2.8%
3
日本 雇用形態別・現金給与総額
(前年比)
(%)
3
一般労働者
2
2014年
12月
+1.8%
一株当り利益
(EPS、左軸)
1
+1.2%
1
25
2007
2009
-1
2013
2014
2015
(年)
パートタイム
2013
2014
2015
(年)
0
(年度)
2000 2003 2006 2009 2012 2015
2015
【図6】 消費には弱さ残る、物価は日銀目標から当面かい離
(%)
60
日本 百貨店売上高
(前年比)
50
(%)
日本 輸入物価と消費者物価
(前年比)
(% )
輸入物価
(左軸、円ベース、6ヵ月間先行)
50
40
40
30
日銀物価目標(右軸)
20
2014年
12月
+0.5%
10
2015年1月
東京地区
+0.7%
10
全国
▲2.8%
-30
2015年1月
▲6.6%
※チャート上は、
2015年7月
-30
全国消費者物価
(右軸、除く生鮮食品、消費税の影響を除く)
(年) -50
2013
2014
2015
2
1
0
-10
-40
4
3
0
-20
-20
-3
5,000
注)左図の製造業の直近値は速報ベース。右図の市場予想は2015年2月24日時点、2014年度が日本経済新聞社、
2015年度がBloombergによる調査。2011年以降の株価収益率の平均は15.5倍。[ ]は前年度比。
出所)Bloomberg、マークイット、日本経済新聞社より当社経済調査部
-10
-2
0
(年)
2012
0
-1
一般労働者
0
▲0.4%
594
30
20
0
10,000
500
30
2
15,000
2015年度
1,268
[+14%]
2014年度
1,111
[+9%]
1,020
1,500
35
90
4
2015年
1月
51.3
40
4
※赤は市場予想
20,000
日経平均株価
(右軸、年度末)
2015年2月24日
18,603円
50
↓
悪
45
化
5
95
改 55
善
↑
(円)
(円)
2,500
2015年
2月
51.5
製造業
輸出金額
(右軸、季節調整値)
100
日本 日経平均株価と予想利益
日本 企業景況感
2005
2008
2011
2014
(年)
-1
-2
-3
-4
2017
注)いずれも確報値。5人以上の事業所調査の結果。左図は常用雇用指数。
出所)厚生労働省
巻末の「本資料に関してご留意頂きたい事項」および「本資料中で使用している指数について」を必ずご覧ください。
出所)日本百貨店協会、日本銀行、総務省より当社経済調査部作成
KOKUSAI Asset Management Co., Ltd.
8
M
国際投信投資顧問/経済調査部
投資戦略マンスリー 2015年3月号
④オーストラリア: 資源安の影響に配慮し利下げを実施
 オーストラリア(豪)中銀は約1年半ぶりに利下げを実施
M
豪中銀は2月3日、政策金利を2.5%から2.25%に引き下げました(図1左)。
国際的な原油安を背景に、輸出金額減少による景気悪化や消費者物価の低迷
を警戒したものと考えられます(図1右)。
利下げ決定後の金融市場は、豪中銀の見通しのように景気悪化が一時的で、
複数回の利下げを必要としない、との見方が強い模様で、10年国債利回りが
反転上昇、株式相場が堅調に推移しました。他方、豪ドルは利下げ直後に一
旦下落したものの、追加利下げが限定的との見方などから下げ渋る展開でし
た(図2)。株式や国債利回りは、景気回復期待で上昇基調が続く可能性が
あるものの、豪ドル相場は、今年の年央にかけて上値の重い展開が予想され
ます。この背景は、「資源安→企業収益悪化→雇用抑制→物価低迷」の流れ
が変わるまで(図3)、豪中銀が声明文で「通貨は割高」との表現で通貨高
をけん制し、資源輸出の下支えや物価下落の抑制を図るとみているためです。
 豪中銀による通貨高のけん制はいつまで続くのか
国際的な資源安は、資源関連企業の設備投資や雇用を抑え、景気に重石と
なりますが、中銀の2015年成長見通しが2%超であるように、景気失速に陥
るほどの影響は無いようです。そもそも豪州は原油純輸入国であるため、原
油安による直接的な影響は景気にプラスです。貿易赤字は、原油安による輸
入減少と農作物の輸出増加で縮小傾向です(図4)。また住宅投資や個人消
費は、過去に比べて低い政策金利や人口増加の効果によって、増加が続いて
ます(図5)。失業率は上昇傾向ですが、雇用者数も増加しており(2015年1
月、前年比+1.8%)、住宅投資や個人消費への影響は限定的です。
内需が比較的、良好な環境下では、国際的な資源価格が下げ止まれば、割
と早い段階で住宅市場などで価格上昇圧力が強まり、中銀は通貨安政策を取
り難くなる可能性があります。OPECの世界原油需給の見通しによると、今
年の7-9月期にかけて原油需要が拡大し、需給が均衡する見通しです(図6)。
輸出の回復が、失業率の低下や消費者物価の上昇に波及すれば、豪ドルは対
米ドルを中心に持ち直す可能性があります。 (石井)
【図1】 豪中銀は景気や物価見通しを引き下げ、利下げを実施
オーストラリア 政策金利
(%)
8
オーストラリア中銀の見通し(前年比、%)
2014年12月
2015年6月
2015年12月
2014年11月時点
2.50
2.50
3.00
2015年2月時点
2.50
2.25
2.75
変化
0.00
▲ 0.25
▲ 0.25
2014年11月時点
1.75
2.00
3.00
2015年2月時点
1.70
1.25
2.50
変化
▲ 0.05
▲ 0.75
▲ 0.50
7
実
質
G
D
P
6
5
市場の見通し
2015年6月
2.0%
4
3
2
消
費
者
物
価
2015年2月3日
2.5%→2.25%
1
2006
2008
2010
2012
(年)
2014
2016
注)左図の市場の見通しは、Bloombergによるエコノミスト等へのヒアリング調査の平均、2015年2月24日時点。
出所)Bloomberg、オーストラリア中銀
【図2】 利下げ後は通貨安と利回り低下が一服、株式が上昇
(円/
オーストラリアドル)
120
オーストラリアドルの推移
(米ドル/
オーストラリアドル)
↑オーストラリアドル高
↓米ドル高↓円高
115
110
オーストラリアドル
対米ドル (右軸)
1.2 6
1.1
2015年
2月23日
0.7802
105
オーストラリア 株式と10年国債利回り
100
(%)
(1969年12月末
=100)
1,300
↑株価上昇、利回り上昇
↓株価下落、利回り低下
株式
(右軸)
1.0 5
1,100
0.9
0.8 4
95
900
0.7
90
85
オーストラリアドル
対円 (左軸)
2015年
2月23日
92.7
80
2013
2014
2015
注)右図の株式の直近値は2015年2月23日。
巻末の「本資料に関してご留意頂きたい事項」および「本資料中で使用している指数について」を必ずご覧ください。
(年)
2015年
2月23日
2.58%
0.6 3
700
10年国債利回り
(左軸)
0.5
0.4 2
2013
2014
2015
(年)
500
出所)Bloomberg、MSCI
KOKUSAI Asset Management Co., Ltd.
9
M
国際投信投資顧問/経済調査部
投資戦略マンスリー 2015年3月号
【図4】 原油安は輸入金額を減らし、貿易収支は改善
【図3】 雇用悪化や資源安で消費者物価が低迷
8
(%)
オーストラリア 失業率と失業者数
(万人)
M
6
オーストラリア 消費者物価(前年比)
(%)
3
120 4.0
2014年10-12月期
総合 +1.7%
コア +2.1%
4
2015年1月
80万人
3.0
60
2.5
40
2.0
20
1.5
2006
2008
2010
2012
2014
(年)
オーストラリア 建設許可件数と住宅価格
(万件)
建設許可件数
(右軸、3ヵ月合計)
2014年
10-12月合計
12
5
30
10
5.3万件
4
(%)
130
改善
↑
↓
悪化
消費者信頼感指数
(右軸)
90
2014年
7-9月期
+2.2%
3
4
2014年
10-12月期
+12.8%
住宅価格・シドニー
(左軸、前年比)
-10
1999
2002
2005
2008
2011
2014
(年)
ガス
資源全体
貿易収支
(左軸)
実質個人消費
(GDP、前期比年率ベース、左軸)
-2
-4
(年)
2008
2009
2011
2013
2014
30
-40
2012
2013
200
(年)
2014
2015
【図6】 原油安で他の資源も連れ安、原油需給は7-9月に回復か
米ドル建て石炭・鉄鉱石と原油の価格
(2012/13年度を100)
120
米ドル建て石炭、鉄鉱石
価格インデックス(右軸)
世界の原油需給
180
700
160
600
140
100
80
2015年
1月
59.6
70
50
貿
注)左図は2014年7-9月期の値。右図の直近値は2014年12月。
出所)オーストラリア中銀、オーストラリア統計局
120
500
100
400
80
40
2015年
20
2月
0
49.5米ドル
-20
30
-40
50
WTI先物
(左軸)
(年)
2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016
(万バレル/日量)
200
供給
超過
↑
100
(万バレル/日量)
世界の需要②
(右軸)
2015年
1-3月期4-6月期
+220 +210
+150
+100
+60 +60
9,000
7-9月期
+10
0
↓
需要
超過
9,500
世界の供給①
(右軸)
300
60
40
60
1
0
石炭
70
2
0
0
110
8
6
2
-20
▲ 1.9%
90
20
10
-10
-3
110
2015年2月
100.7
250
0
-1
(米ドル/
1バレル)
オーストラリア 消費と消費者マインド
6 14
輸出
(右軸)
10
原油
【図5】 住宅市場は好調、利下げと原油安で景況感が改善
(%)
0
-30
出所)オーストラリア中銀、オーストラリア統計局
40
サ
20
-2
2004
300
輸入
(右軸)
30
1
↓
輸
入
(億豪ドル)
40
+1.4%
輸
出
↑
1.0
2
0
(年)
2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014
50
+1.1%
100 3.5
80
オーストラリア 貿易収支
(億豪ドル)
60
2
5
失業者数(右軸)
オーストラリア 資源の輸出入
(名目GDP比)
+2.3%
インフレ
ターゲット
+2~+3%
140 4.5
失業率
(左軸)
3
(%)
160 5.0
2015年1月
6.4%
7
180 5.5
10-12月期
▲ 50
需給バランス①-②(左軸)
-100
2014
2015
(年)
8,500
2016
注)左図のWTIは直近限月で2015年2月は23日の値。右図はOPECによる2015年2月時点の予想。
出所)オーストラリア統計局、Westpac銀行
巻末の「本資料に関してご留意頂きたい事項」および「本資料中で使用している指数について」を必ずご覧ください。
出所)オーストラリア中銀、Bloomberg、OPEC
KOKUSAI Asset Management Co., Ltd.
10
M
国際投信投資顧問/経済調査部
投資戦略マンスリー 2015年3月号
⑤為替: 円安ドル高地合いは不変も、米国の企業収益・物価見通しの変化には要注意
M
 米国景気の先行き慎重論が円安ドル高圧力を緩和する一因に
【図1】 ドル円相場は1米ドル=117~120円のレンジ相場に
2月のドル円相場は1米ドル=117~120円の狭いレンジで推移しました。米
国・日本・ドイツの代表的株価指数が軒並み年初来高値を更新、リスク選好
の地合いながら、ドル円相場は方向感の乏しい展開が続きました(図1)。
背景には、米国の経済指標から景気減速を示唆する材料が散見され、今年
6月とも目されていた同国の利上げ開始が遅れるとの見方が強まった点が挙
げられます。特に、減速が顕著な製造業部門の景況感や住宅市況、原油安の
影響もあり、依然低水準を保つインフレ率などが誘因となった模様です。
とはいえ、米国では雇用環境が崩れない限り、景気の屋台骨となる個人消
費が変調をきたす可能性は低いと考えます。むしろ足元は雇用改善ピッチを
強めている印象すら受けます(図2)。日本の追加金融緩和の有無はさてお
き、米国の利上げは時間の問題との認識から、日米金融政策姿勢の差ひいて
は日米金利先高観の差が醸成する円安ドル高圧力は根強く残る見込みです。
米国株価とドル円相場
(ポイント)
2,200
2,100
2,000
1,900
1,800
1,700
1,600
1,500
1,400
1,300
1,200
(円/米ドル)
160
150
米国S&P500(左軸)
140
130
2014年12月8日
121円85銭
120
110
100
90
80
ドル円相場(右軸)
70
2012
2013
2014
2015
(年)
注)凡例は対象期間内の円安値(ザラバベース)。直近値は2015年2月24日時点。
出所) Bloombergより当社経済調査部作成
 米国景気に死角はないか? ー 目先は米ドル高と原油安に注意 【図2】 米国労働市場の改善基調にかげりはみられない
注意点として米ドル高の影響があります。通貨高は輸出競争力低下(図
3)、グローバル企業には海外売上高の目減りという面で逆風です。米国の
輸出はGDPの10%程度、企業の海外売上高はGDP基準で全体の20%程度です
が、米ドル一段高の場合は米国内から反発の声が強まる懸念もあります。
(雇用増加-減少、%)
25
20
15
10
5
0
-5
-10
-15
-20
もう一つは原油安です。米国は原油純輸入国のため、原油安は家計・企業
のコスト削減を通じ、総合的には内需押し上げ要因とみますが、原油安に伴
うエネルギー産業の不振が企業収益全体を押し下げる面は否めず(図4)、
長期化の場合、米国株安など市場のリスク回避色が強まる可能性もあります。
また、インフレ率への影響も注視が必要です。今後は原油価格が反発、物
価押し下げ圧力も弱まるとの見方が大勢ですが(図5)、米国の原油生産急
増・在庫過剰状態が調整されず(図6)、原油安長期化→低インフレ常態化
→利上げ先送り、となれば円高揺り戻しリスクもあり要注意です。(瀧澤)
米国 主な雇用見通し
(雇用増加-減少、%)
Manpower調査(次四半期、左軸)
<(図内では)3ヵ月先行>
NFIB調査
(今後3ヵ月、左軸)
BRT調査(今後6ヵ月、右軸)
<3ヵ月先行>
2005
2007
<6ヵ月先行>
2009
2011
2013
2015
100
80
60
40
20
0
-20
-40
-60
-80
(年)
注)Manpower調査は18,000超の雇用主、NFIB(全米独立事業者協会)調査は10,000超の中小企業、
BRT(米経済団体ビジネス・ラウンド・テーブル)調査は約200の企業CEOを対象。
直近値はNFIB(月次)が2015年1月、BRT調査・Manpower調査が2014年10-12月期(四半期)調査時点。
出所)Thomson Reuters Datastreamより当社経済調査部作成
巻末の「本資料に関してご留意頂きたい事項」および「本資料中で使用している指数について」を必ずご覧ください。
KOKUSAI Asset Management Co., Ltd.
11
M
国際投信投資顧問/経済調査部
投資戦略マンスリー 2015年3月号
【図3】 輸出減速要因ともなりうる急速な米ドル
(%)
M
35
30
25
20
15
10
5
0
-5
-10
-15
-20
-25
【図4】 エネルギー部門不振で、企業収益見通しは目先慎重
米国 米ドル相場と実質輸出
(%)
米ドルの名目実効相場
(前年比、右軸)
<3ヵ月先行>
80
-10
60
一般消費財・サービス
40
<12%>
-5
0
米ドル安
10
2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015
15
-40
20
-60
25
-80
(年)
全体(棒グラフ)
エネルギー
<8%>
(万バレル/日)
1,000
50
2013
米国 原油生産・在庫
(億バレル) (億バレル)
原油安
-100
2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015
(年)
2016
米国 原油在庫推移(年別)
4.4
2015年(見通し含む)
国内生産量(左軸)
4.2
800
5
700
4.0
2014年
500
<棒グラフ>
消費者物価総合への寄与(前年比、左軸)
■エネルギー ■エネルギー以外
2015
600
0
-50
2014
6
900
原油高
2012
【図6】 米国原油の生産水準は過去最高、在庫過剰も継続か
(%)
100
(見通し)
金融
注)EPS(一株当たり利益)の実績および見通しはS&Pによる集計(2015年2月19日時点)。見通しは
2014年10-12月期~2016年10-12月期。S&P500主要10業種のうち指数構成比上位5業種とエネルギーのみ掲載。
<>内の値は指数構成ウエイト(2月24日時点)。
出所)S&P、Bloombergより当社経済調査部作成
150
消費者物価総合(前年比、左軸)
WTI原油先物価格
(前年比、右軸)
<15%>
<16%>
2011
【図5】 原油安によるインフレ率押し下げ効果は徐々にはく落へ
原油価格と米国インフレ率
IT
<20%>
-20
米ドル高
出所)FRB、米商務省より当社経済調査部作成
(%)
ヘルスケア
0
注)米ドルの名目実効相場は米国の主要貿易相手国26ヵ国・地域に対する為替相場を貿易額で加重平均した値、
直近値は2015年2月(直近のみ同月20日)時点。実質輸出の直近値は2014年12月時点。
9
8
7
6
5
4
3
2
1
0
-1
-2
-3
資本財・サービス <10%>
20
5
実質輸出(前年比、左軸)
米国 S&P500のEPS見通し(主要業種、前年比)
(%)
-15
-150
-200
(年)
注)原油先物価格は2015年1月までが実績、同年2月以降は米EIA(エネルギー省情報局)予測値に基づく。
消費者物価の直近値は2014年12月時点。2014年11月時点のウエイトで当社経済調査部が寄与度を試算。
3.8
4
400
3.6
300
3
200
3.4
100
2010~2013年の変動域
在庫(戦略備蓄分除く、右軸)
0
3.2
2
1983
1991
1999
2007
2015
(年)
1
3
5
7
9
11
(月)
注) 左図:直近値は2015年2月13日時点(週次)。
右図:実績の直近値は2015年2月13日時点(週次)、以降は米EIA(エネルギー省情報局)予測値(月次)。
出所)米労働省、米EIA、Bloombergより当社経済調査部作成
巻末の「本資料に関してご留意頂きたい事項」および「本資料中で使用している指数について」を必ずご覧ください。
出所) 米EIAより当社経済調査部作成
KOKUSAI Asset Management Co., Ltd.
12
M
国際投信投資顧問/経済調査部
投資戦略マンスリー 2015年3月号
Ⅳ.2015年3月の主要な政治・経済日程
月
3/2
M
火
3
(日)
(日)
10-12月期 法人企業統計調査
2月 新車登録台数
(米)
(米)
(米)
1月 個人所得・消費
1月 建設支出
2月 ISM(米供給管理協会)
製造業景気指数
3/1
(中)
(豪)
(豪)
(他)
23
(米)
2月 中古住宅販売件数
30
30年利付国債入札
(日)
1月 景気動向指数
(米)
1月 製造業受注
(欧)
(伊)
(豪)
(豪)
(中)
欧州中央銀行(ECB)理事会
10-12月期 実質GDP(2次速報)
1月 貿易統計
1月 小売売上高
全人代開幕
(米)
(米)
(米)
1月 貿易収支
1月 消費者信用残高
2月 雇用統計
(欧)
(独)
(他)
10-12月期 実質GDP(2次速報)
1月 鉱工業生産
ブラジル 2月消費者物価(IPCA)
(日)
(日)
1月 機械受注
2月 国内企業物価
(日)
(日)
(日)
(日)
(米)
(米)
(米)
(欧)
(豪)
(英)
(豪)
(他)
12
(米)
(仏)
(伊)
1月 卸売売上高
1月 鉱工業生産
1月 鉱工業生産
(米)
(英)
2月 月次財政収支
1月 鉱工業生産
(豪)
(中)
(中)
2月 NAB企業景況感指数
2月 消費者物価
2月 生産者物価
(豪)
(豪)
(中)
1月 住宅ローン承認件数
3月 消費者信頼感指数
2月 鉱工業生産
(米)
FOMC(連邦公開市場委員会)
(~18日)
2月 住宅着工・許可件数
(日)
(日)
(日)
(日)
(米)
20年利付国債入札
日銀金融経済月報
2月 貿易統計
2015春闘集中回答日
イエレンFRB議長記者会見
(独)
3月 ZEW景況感指数
(英)
MPC議事録(3月4・5日分)
(豪)
金融政策決定会合議事録
(3月3日分)
18
24
2月 消費者物価
2月 新築住宅販売件数
3月 製造業PMI(速報)
3月 サービス業PMI(速報)
2月 消費者物価
2月 生産者物価
(中)
3月 製造業PMI(HSBC、速報)
31
2月 企業向けサービス価格
(米)
2月 耐久財受注
2月 鉱工業生産
(日)
2月 毎月勤労統計
(米)
(米)
2月 個人所得・消費
2月 中古住宅販売仮契約指数
(米)
(米)
(米)
1月 S&P/ケース・シラー住宅価格指数
3月 シカゴ購買部協会景気指数
3月 消費者信頼感指数
(カンファレンス・ボード)
(独)
(英)
3月 失業者数
10-12月期 実質GDP(確報)
1月 製造工業 稼働率指数
(米)
(米)
2月 生産者物価
3月 ミシガン大学
消費者信頼感指数(速報)
(他)
ブラジル 1月 小売売上高
20
(米)
27
(日)
2年利付国債入札
(独)
(仏)
4月 GfK消費者信頼感指数
10-12月期 実質GDP(2次速報)
(他)
ブラジル 2月 失業率
(日)
(日)
(日)
(日)
(米)
(米)
(他)
(日)
(日)
(米)
(米)
(米)
(豪)
(中)
(他)
2
日銀短観(3月調査)
3月 新車登録台数
2月 建設支出
3月 ADP雇用統計
3月 ISM(米供給管理協会)
製造業景気指数
2月 住宅建設許可件数
3月 製造業PMI(国家統計局)
ブラジル 2月 鉱工業生産
日銀金融政策決定会合議事要旨
(2月17・18日分)
3月 フィラデルフィア連銀景気指数
3月 ifo景況感指数
4/1
(日)
(日)
(日)
26
(日)
(独)
13
5年利付国債入札
1-3月期 法人企業景気予測調査
1月 第3次産業活動指数
2月 消費者態度指数
1月 企業売上高・在庫
2月 輸出入物価
2月 小売売上高
1月 鉱工業生産
2月 雇用統計
19
25
(米)
(米)
(欧)
(欧)
(英)
(英)
発表日未定経済指標など
(日)
11
17
金
6
2月 ADP雇用統計
2月 ISM(米供給管理協会)
非製造業景気指数
2月 新車販売台数
ベージュブック
(地区連銀経済報告)
MPC(金融政策委員会、~5日)
10-12月期 実質GDP
ブラジル 1月 鉱工業生産
2月 マネーストック
日銀金融政策決定会合(~17日)
2月 鉱工業生産
3月 ニューヨーク連銀景気指数
3月 全米住宅建築業協会
(NAHB)住宅市場指数
(米)
(米)
木
5
(日)
(米)
(米)
(米)
(米)
金融政策決定会合
1月 住宅建設許可件数
ブラジル COPOM
(金融政策委員会、~4日)
10
10-12月期 実質GDP(2次速報)
1月 経常収支
2月 銀行貸出
2月 景気ウォッチャー
16
(日)
10年利付国債入札
1月 毎月勤労統計
(米)
(米)
2月 製造業PMI(国家統計局)
9
(日)
(日)
(日)
(日)
(日)
(日)
水
4
2月 商業販売統計
2月 家計調査
2月 労働関連統計
2月 消費者物価(全国)
3月 消費者物価(東京都)
10-12月期 実質GDP(確報)
3月 ミシガン大学
消費者信頼感指数(確報)
ブラジル 10-12月期 実質GDP
3
(日)
10年利付国債入札
(米)
(米)
(米)
2月 貿易収支
2月 製造業受注
3月 新車販売台数
(豪)
2月 貿易統計
(米)
(米)
5月 雇用統計
聖金曜日(祝日)
注)(日)は日本、(米)は米国、(欧)はユーロ圏、(英)は英国、(独)はドイツ、(仏)はフランス、(伊)はイタリア、(豪)はオーストラリア、(中)は中国、を指します。
日程は変更になる可能性があります。
巻末の「本資料に関してご留意頂きたい事項」および「本資料中で使用している指数について」を必ずご覧ください。
出所)Bloomberg等より当社経済調査部作成
KOKUSAI Asset Management Co., Ltd.
13
M
国際投信投資顧問/経済調査部
投資戦略マンスリー 2015年3月号
Ⅱ.国際金融市場の動向
M
先
進
国
(2005年初=100)
①株式: ギリシャ問題一服を受け日米独で年初来高値を更新
米国
日本
オーストラリア
200
200
200
160
180
180
180
140
160
160
160
140
140
140
120
120
120
100
100
100
80
80
80
60
60
60
60
40
40
40
40
20
20
20
20
120
100
80
0
2006
2008
2010
2012
2014
0
2006
2008
中国
新
興
国
ドイツ
180
450
400
400
350
350
300
300
250
250
200
200
150
150
100
100
50
50
2008
2010
2012
2012
2014
2008
インド
450
0
2006
2010
0
2006
2014
0
2006
2012
2014
0
2006
500
300
200
150
200
100
100
2008
2010
2012
2014
0
2006
50
2008
2010
2012
2014
0
2006
180
400
400
160
350
250
350
140
200
300
120
250
100
150
200
80
100
150
60
100
40
100
50
20
50
2010
2012
2014
2008
2010
2012
2014
0
2006
2012
2014 (年)
300
250
200
150
2008
2010
2012
2014
注1)2005年初=100として当社経済調査部が指数化。直近値は2015年2月25日、注2)先進国はMSCI WORLD、新興国はMSCI EMの国別指数に基づく(現地通貨ベース、配当なし)。
巻末の「本資料に関してご留意頂きたい事項」および「本資料中で使用している指数について」を必ずご覧ください。
2010
南アフリカ
450
2008
2008
ポーランド
450
0
2006
2014 (年)
300
200
0
2006
2012
250
ブラジル
50
2010
トルコ
350
500
300
2008
インドネシア
600
400
メキシコ
350
2010
0
2006
2008
2010
2012
2014 (年)
出所) MSCI、Bloombergより当社経済調査部作成
KOKUSAI Asset Management Co., Ltd.
14
M
国際投信投資顧問/経済調査部
投資戦略マンスリー 2015年3月号
②金利: 多くの資源・新興国で利下げが実施され、金利は低下基調に
M
先
進
国
(%)
日本
8
6
4
利回り
(10年物国債)
0
2008
2010
2012
2014
中国
18
新
興
国
6
6
4
4
4
2
2
2
0
2006
16
14
12
12
10
10
8
8
6
6
4
4
2
2
2010
2012
2014
メキシコ
18
0
2006
0
0
2008
2010
2012
2014
インド
18
14
2008
2008
2010
2012
2008
2006
2014
2010
2012
2008
2010
2012
2014
ポーランド
18
2006
2014
インドネシア
26
24
22
20
18
16
14
12
10
8
6
4
2
0
ブラジル
18
2006
26
24
22
20
18
16
14
12
10
8
6
4
2
0
2006
16
16
16
14
14
14
14
12
12
12
12
10
10
10
10
8
8
8
8
6
6
6
6
4
4
4
4
2
2
2
2
0
2006
0
2006
0
2006
2010
2012
2014
2008
2010
2012
2014
2008
2010
2012
2008
2014
2010
2012
2014
(年)
2014
(年)
トルコ
2008
2010
2012
南アフリカ
18
16
2008
オーストラリア
8
6
16
0
2006
ユーロ圏
8
政策金利
2
2006
米国
8
0
2006
2008
2010
2012
2014
(年)
注1) 政策金利は、日本:無担保コールレート(翌日物)、米国:FFターゲットレート、ユーロ圏:リファイナンス・レート、オーストラリア:キャッシュレートを使用。中国: 1年もの最優遇銀行貸付金利、インド:RBIレポ金利、
インドネシア:BI金利、トルコ:2010年5月18日まで翌日物借入金利、以降は1週間レポ金利、メキシコ:翌日物金利、ブラジル:SELIC金利誘導目標、ポーランド:2週間物レポ金利、南アフリカ:レポ金利を使用。
注2)国債利回りは、ユーロ圏:ドイツの10年国債利回り、トルコ:2年国債利回り、ブラジル:2年国債利回り、南アフリカ:10年国債利回り(2011年10月5日~2012年6月26日は9年国債で代用)を使用。
注3)直近の米国の政策金利(FF金利誘導目標)は0~0.25%だがグラフ上は0.25%で表示、なお、日本では政策目標を無担保コールレート(翌日物)とする措置を2013年4月4日で終了。
注4)直近値は2015年2月25日。注5)一部データの欠損あり。
出所)Bloombergより当社経済調査部作成
巻末の「本資料に関してご留意頂きたい事項」および「本資料中で使用している指数について」を必ずご覧ください。
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15
M
国際投信投資顧問/経済調査部
投資戦略マンスリー 2015年3月号
③為替: 米国の早期利上げ観測が後退し、一部の資源・新興国通貨が反発
日本・円
M
(円/米ドル)
70
各国・地域通貨高
米ドル(日本円)安
先
進
国
1.8
80
(円
/ユーロ)
ユーロ
対米ドル
(左軸)
1.6
100
160
円高
120
140 0.9
1.2
120 0.8
0.7
100
0.6
5.5
中国・人民元
(円/元)
6.0
6.5
2010
2012
0.8
2006
2014
インド・ルピー
(円/INR)
35
40
16 45
7.0
50
7.5
14 55
8.0
12
60
65
8.5
2006
8
(INR
/米ドル)
20 30
18
2008
10 70
2008
(MXN
/米ドル)
2010
2012
2014
2006
(円
/MXN)
メキシコ・ペソ
10
12 1.4
2008
(BRL
/米ドル)
2010
2012
ブラジル・レアル
3.2
3.0
2.8
2.6
2.4
2.2
2.0
1.8
1.6
1.4
1.2
70
11 1.6
65
10 1.8
60
120
14,000
1.5
6
2.6
40
4.0
5
2.8
35
4.5
2014
2012
トルコ・リラ
2014
(年)
(円/TRY)
120
1.6
80
1.8
60
(PLN
/米ドル)
2008
2010
2012
ポーランド・ズロチ
2014
2.0
40
(円/PLN)
0.7 2.4
2006
60
40
30
巻末の「本資料に関してご留意頂きたい事項」および「本資料中で使用している指数について」を必ずご覧ください。
2012
南アフリカ・ランド
2014
20
2010
2012
2014
20
18
7
16
9
14
12
11
10
12
2008
(年)
(円/ZAR)
10
3.5
注)上段右図:豪ドル=オーストラリアドル。直近値は2015年2月25日。
(ZAR
/米ドル)
2010
8
3.0
2006
5
20
2008
6
2.5
45
2012
(TRY
/米ドル)
2010
1.2
50
2.4
2010
40
2008
100
2.0
7
2008
60
0.8 2.2
50
2006
80
1.4 1.2
1.3 1.4
0.9
12,000
2.2
2014
(円
/100 IDR)
1.0
8
2012
(円
/豪ドル)
100
80 0.5
2006
1.1
14
2010
インドネシア・ルピア
10,000
55
2008
2014
8,000
2.0
2006
2012
1.5 1.0
9
18
2010
6,000
2006
2014
(円/BRL)
2008
(IDR
/米ドル)
12
16
対日本円
(右軸)
1.0
円安
2006
(元
/米ドル)
オーストラリア・ドル
1.1
1.4
110
各国・地域通貨安
米ドル(日本円)高
180 1.2
(米ドル
/豪ドル)
1.0
90
130
新
興
国
(米ドル
/ユーロ)
13
8
2006
2008
2010
2012
2014
(年)
出所) Bloombergより当社経済調査部作成
KOKUSAI Asset Management Co., Ltd.
16
M
国際投信投資顧問/経済調査部
投資戦略マンスリー 2015年3月号
Ⅲ.金融・商品市場のパフォーマンス
期間別 各資産の投資収益率(%)
M
基準日: 2015年2月24日
現地通貨ベース
1ヵ 月
地域別
株式
業種別
国債
社債
転換社債
3ヵ 月
円換算ベース
1ヵ 月
1年
3ヵ 月
1年
2010年
2011年
2012年
2013年
2014年
2015年
日本
7.4
7.4
26.1
7.4
7.4
26.1
0.7
▲ 18.6
21.8
54.8
9.8
7.1
海外先進国
4.1
4.4
14.7
4.0
2.1
9.1
5.0
2.7
25.2
▲ 0.8
▲ 9.2
30.2
48.8
20.1
3.1
新興国
1.6
2.2
14.1
▲ 0.2
▲ 1.9
6.0
0.9
▲ 1.3
22.1
6.4
▲ 23.4
31.4
19.1
11.9
2.8
素材(景気敏感)
8.6
7.3
9.2
8.4
3.3
0.1
9.4
3.9
16.1
8.8
▲ 24.8
24.6
25.3
9.1
6.9
エネルギー
4.0
▲ 6.7
▲ 5.6
4.3
▲ 9.0
▲ 10.1
5.3
▲ 8.4
6.0
▲ 0.3
▲ 4.5
15.3
40.2
2.7
0.2
IT(情報技術)
4.7
5.3
23.4
4.6
4.6
20.4
5.6
5.2
36.5
▲ 2.0
▲ 7.4
26.6
50.7
30.4
4.2
ヘルスケア
3.6
6.9
23.8
2.9
5.7
18.5
4.0
6.3
34.5
▲ 9.8
5.0
31.2
58.5
32.4
6.2
日本
▲ 0.8
0.6
2.7
▲ 0.8
0.6
2.7
2.4
2.2
1.8
2.1
4.5
▲ 0.8
海外先進国
▲ 0.6
3.2
9.5
▲ 0.2
▲ 0.8
0.5
0.8
▲ 0.2
16.6
▲ 11.9
1.2
19.8
21.7
17.1
▲ 1.7
新興国(現地通貨建て)
▲ 0.1
2.4
11.4
▲ 2.3
▲ 3.9
0.3
▲ 1.3
▲ 3.4
16.4
▲ 1.0
▲ 5.2
24.1
15.0
13.9
▲ 0.6
0.2
▲ 1.0
7.1
海外先進国
新興国(米ドル建て)
1.2
▲ 0.4
23.2
▲ 1.0
0.8
30.2
16.1
21.2
0.5
▲ 0.7
2.9
9.0
3.4
6.8
4.9
▲ 1.5
9.4
1.4
0.2
▲ 1.1
6.6
11.7
6.9
17.2
▲ 5.7
7.0
1.1
投資適格
0.3
▲ 0.4
1.2
1.3
0.2
17.2
▲ 6.8
▲ 0.7
23.9
21.4
17.0
▲ 0.8
ハイイールド
2.4
▲ 1.1
▲ 0.8
3.4
▲ 0.5
15.2
1.1
▲ 2.6
32.1
29.3
13.7
0.5
投資適格
新興国
(米ドル建て) ハイイールド
0.1
▲ 0.1
5.1
1.2
0.5
21.1
▲ 2.0
0.5
26.0
19.5
19.3
0.7
2.4
▲ 3.4
▲ 0.9
3.4
▲ 2.8
15.2
5.3
▲ 8.7
33.9
21.9
12.9
0.5
3.0
2.1
2.8
4.1
2.6
18.9
▲ 0.5
▲ 10.4
25.1
38.5
17.6
2.0
世界
その他
米ドルベース
1ヵ 月
1年
新興国(米ドル建て)
ヘッジ有
その他
債券
3ヵ 月
先進国
3.0
4.1
7.9
新興国
5.1
7.2
12.7
5.3
4.5
6.7
6.3
5.1
22.8
0.5
▲ 17.0
28.6
33.8
15.6
5.4
物価連動 先進国
国債
新興国
▲ 1.2
▲ 0.7
2.2
▲ 0.2
▲ 0.1
18.2
▲ 8.9
5.5
19.7
16.6
17.8
▲ 1.2
▲ 6.2
▲ 7.3
▲ 1.9
▲ 5.2
▲ 6.7
14.2
10.4
▲ 8.1
30.6
6.3
15.6
▲ 3.5
先進国
▲ 3.1
6.5
20.4
▲ 2.1
7.1
36.4
10.5
新興国
▲ 0.8
0.3
19.7
0.3
0.9
35.7
0.8
▲ 13.0
▲ 23.8
1.8
▲ 12.4
▲ 7.8
リート
商品
4.0
▲ 3.4
36.3
24.6
37.1
3.1
▲ 13.1
49.5
9.4
22.8
4.8
▲ 18.5
11.7
11.9
▲ 3.3
▲ 2.9
注)株式は、日本、海外先進国、業種別がMSCI WORLDにおける当該地域・業種別の各指数、新興国がMSCI EM、
債券は、国債(日本、海外先進国、海外先進国ヘッジ有り)、社債(世界)、転換社債がBofA メリルリンチ債券インデックスにおける当該市場の各指数、国債(新興国《現地通貨建て》は
J.P. Morgan GBI - EM Broad、国債(新興国《米ドル建て》、新興国《米ドル建て》ヘッジ有)はJ.P. Morgan EMBI Global Diversified、社債(新興国《米ドル建て、投資適格》) は
J.P. Morgan CEMBI High Grade、社債(新興国《ドル建て債、ハイイールド》) はJ.P. Morgan CEMBI High Yield、物価連動国債(先進国)がバークレイズ世界物価連動国債インデックス、物価連動債(新興国)が
バークレイズ新興市場物価連動国債インデックス、リート(先進国)はS&P先進国REIT指数、 リート(新興国)はS&P新興国REIT指数、商品はブルームバーグ商品指数に基づく。
2014年は2013年末から基準日までの数字。
上記分析は作成時点のものであり、将来の市場環境等を示唆・保証するものではありません。
巻末の「本資料に関してご留意頂きたい事項」および「本資料中で使用している指数について」を必ずご覧ください。
出所)J.P. Morgan、Bloomberg、S&P、MSCI、バークレイズ、BofA メリルリンチより当社経済調査部作成
KOKUSAI Asset Management Co., Ltd.
17
M
M
投資戦略マンスリー 2015年3月号
国際投信投資顧問/経済調査部
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なお、以下の点にもご留意ください。
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