解説資料(PDF形式:331KB)

暖候期予報(平成 27 年 2 月 25 日発表)の解説
夏の天候の見通し
沖縄地方 6~8 月
沖縄気象台
予報のポイント

エルニーニョ現象が春までに終息した後、夏まで平常の状態が続く可能性
と、夏までに再びエルニーニョ現象が発生する可能性は同程度です。

偏西風は平年よりやや南寄りを流れ、日本付近では強いでしょう。沖縄地方
では6月に前線や気圧の谷の影響を受けやすい見込みです。

太平洋高気圧の日本の南東海上での勢力は、ほぼ平年並の見込みです。

この夏の気温と降水量は、ともにほぼ平年並の見込みです。
夏(6~8 月)の平均気温・降水量
平均気温
夏(6~8 月)
沖縄地方
低 30 並 30
ほぼ平年並
降水量
夏(6~8 月)
高 40%
少 30 並 30
ほぼ平年並
の見込み
多 40%
の見込み
降水量
梅雨の時期(5~6 月)
少 30 並 30
ほぼ平年並
多 40%
の見込み
数値は予想される
出現確率です
季節予報は、予測の確からしさに応じて、気温や降水量などを「低い(少ない)、平年並、高い(多い)」となる確率で表しています。
「平年並」が
どの程度の値になるのかについては、末尾の「参考データ(平年並の範囲)」をご覧ください。
●確率予報の解説(ここでは確率予報を次のような言葉で解説しています)
出現確率
(低い(少ない):平年並:高い(多い))
高い(多い)確率が 50%以上
(20:40:40)
平年並の確率が 50%以上
(40:30:30) (30:40:30) (30:30:40)
(40:40:20)
低い(少ない)確率が 50%以上
解 説
高い(多い)見込み
平年並か高い(多い)見込み
平年並の見込み
ほぼ平年並の見込み
平年並か低い(少ない)見込み
低い(少ない)見込み
-1-
予想される海洋と大気の特徴
数値予報結果をもとにまとめた
予想される海洋と大気の特徴 6~8月
 海面水温は、太平洋赤道域では西部から
東部にかけて全体的に高い予想です。エ
ルニーニョ現象の発生する可能性と平
常の状態の可能性は同程度です。
 太平洋赤道域では積乱雲の発生が活発
な一方、インドネシア付近とインド洋北
部では不活発となる見込みです。
 このため、偏西風はやや南寄りで強く、
沖縄地方では6月に前線や気圧の谷の
影響を受けやすい見込みです。
 また、太平洋高気圧の北日本への張り出
しは弱い一方、日本の南東海上での勢力
はほぼ平年並の見込みです。
 偏西風の南側を中心に、近年の高温傾向
と太平洋赤道域の海面水温が高い影響
で、大気全体の温度は高い見込みです。
最近 10 年間の夏の特徴
年
夏の平均気温
平年差℃(階級)
夏の天候の特徴
2005
0.0(0)
6月は梅雨前線の影響で記録的な多雨となった。7月~8 月は先島諸島では台風の影響を受けやす
かった。記録的な多雨、寡照。
2006
0.0(0)
6 月は梅雨前線の影響で、沖縄本島地方では多雨と寡照が顕著であった。寡照。
2007
+0.4(+)
梅雨明け後は太平洋高気圧に覆われる日が多く、7月は記録的な高温となった。8月は熱帯低気圧
や湿った空気の影響を受けやすかった。高温、多雨。
2008
+0.4(+)
梅雨明け後は太平洋高気圧に覆われる日が多かった。高温、少雨、多照。
2009
+0.2(+)
7月~8月は太平洋高気圧に覆われる日が多かった。高温。
2010
+0.1(0)
湿った空気や熱帯低気圧の影響を受けやすかった。多雨、寡照。
2011
+0.3(+)
梅雨明け後は太平洋高気圧に覆われる日が多かった。高温、少雨。
2012
+0.2(+)
2013
+0.7(++)
2014
+0.6(++)
階級
梅雨明け後は太平洋高気圧に覆われる日が多かったが、8月は台風や湿った空気の影響で記録的な
多雨となった。高温、多雨、寡照。
6月は梅雨前線の影響を受けにくく、7月~8月は太平洋高気圧に覆われる日が多かった。高温、
少雨、多照。
6月は梅雨前線や湿った空気の影響を受けやすかった。7月と8月後半は太平洋高気圧に覆われる
日が多かったが、8 月前半は台風や気圧の谷、湿った空気の影響を受けやすかった。高温、寡照。
--:かなり低い
-:低い
0:平年並
+:高い
++:かなり高い
参考データ
●平年並の範囲
沖縄地方
那覇
平均気温 夏(6~8 月)
平年差:-0.1~+0.1℃
28.0~28.3℃
降水量 夏(6~8 月)
平年比:87~115%
502.3~751.5mm
降水量 梅雨の時期(5~6 月)
平年比:80~112%
388.8~543.0mm
「平年並」の範囲は、同時期の過去 30 年間(1981-2010 年)の値から統計的に求めています。30 年間のデータの中で「高い(多い)」
「平年並」「低い(少ない)」となるデータの数が等分になるように「平年並」の範囲を決めています。すなわち、30 年間の 30 個のデータ
のうち、値が高い(多い)方から 11~20 番目となる 10 個のデータの値の範囲を、おおよそ「平年並」の範囲としています。
●晴れ日数と降水日数の平年値
6月
那覇
晴れ日数
15.3 日
7月
降水日数
10.6 日
晴れ日数
24.1 日
8月
降水日数
8.8 日
晴れ日数
22.4 日
降水日数
11.8 日
「晴れ日数」は「日照率40%以上」の日数であり、「降水日数」は「降水量1mm 以上」の日数です。この2つは同じ日に起こることがあ
るため、「晴れ日数」と「降水日数」の両方に数えられる日もあります。
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