夏の天候の見通し 関東甲信地方 6∼8 月

暖候期予報(平成 27 年 2 月 25 日発表)の解説
夏の天候の見通し
関東甲信地方 6∼8 月
気象庁地球環境・海洋部
予報のポイント

この夏の気温は、平年並か高いでしょう。

この夏の降水量は、ほぼ平年並の見込みです。梅雨の時期の降水量
もほぼ平年並の見込みです。
夏(6∼8 月)の平均気温・降水量
平均気温
夏(6∼8 月)
関東甲信地方
降水量
夏(6∼8 月)
低 20 並 40 高 40%
平年並か高い 見込み
少 30 並 40
ほぼ平年並
多 30%
の見込み
降水量
梅雨の時期(6∼7 月)
少 30 並 40
ほぼ平年並
多 30%
の見込み
数値は予想される
出現確率です
季節予報は、予測の確からしさに応じて、気温や降水量などを「低い(少ない)、平年並、高い(多い)」となる確率で表しています。
「平年並」が
どの程度の値になるのかについては、末尾の「参考データ(平年並の範囲)」をご覧ください。
●確率予報の解説(ここでは確率予報を次のような言葉で解説しています)
出現確率
(低い(少ない):平年並:高い(多い))
高い(多い)確率が 50%以上
(20:40:40)
平年並の確率が 50%以上
(40:30:30) (30:40:30) (30:30:40)
(40:40:20)
低い(少ない)確率が 50%以上
解 説
高い(多い)見込み
平年並か高い(多い)見込み
平年並の見込み
ほぼ平年並の見込み
平年並か低い(少ない)見込み
低い(少ない)見込み
−1−
予想される海洋と大気の特徴
数値予報結果をもとにまとめた
予想される海洋と大気の特徴 6∼8月
 海面水温は、太平洋赤道域では西部から
東部にかけて全体的に高い予想です。エ
ルニーニョ現象の発生する可能性と平
常の状態の可能性は同程度です。
 太平洋赤道域では積乱雲の発生が活発
な一方、インドネシア付近とインド洋北
部では不活発となる見込みです。
 このため、偏西風はやや南寄りで強く、
北日本を中心に前線や気圧の谷の影響
を受けやすい見込みです。
 また、太平洋高気圧の北日本への張り出
しは弱い一方、日本の南東海上での勢力
はほぼ平年並の見込みです。
 偏西風の南側を中心に、近年の高温傾向
と太平洋赤道域の海面水温が高い影響
で、大気全体の温度は高い見込みです。
最近 10 年間の夏の特徴
年
夏の平均気温
平年差℃(階級)
2005
0.5(+)
6月下旬∼7月上旬に東・西日本で梅雨前線による大雨
2006
0.2(0)
平成 18 年7月豪雨(九州∼北陸)
2007
0.3(0)
7月上∼中旬台風第4号と梅雨前線で大雨 国内最高気温記録更新
2008
0.1(0)
梅雨期少雨傾向 平成 20 年8月末豪雨
2009
0.0(0)
平成 21 年7月中国・九州北部豪雨
2010
1.7(++)
関東甲信は 1946 年以降で第1位の高温 7月中旬に九州北部などで豪雨被害
2011
0.9(+)
平成 23 年7月新潟・福島豪雨 台風第 12 号で紀伊半島を中心に大雨
2012
0.6(+)
平成 24 年7月九州北部豪雨 関東甲信は高温・少雨・多照
2013
1.1(++)
東日本太平洋側と沖縄・奄美で少雨
0.6(+)
平成 26 年8月豪雨 8月はほぼ全国的に多雨だが、関東甲信は太平洋高気圧に覆われ降水量は平
年並
2014
階級
夏の天候の特徴
--:かなり低い
-:低い
0:平年並
梅雨期多雨傾向
中国・北陸・東北梅雨明け不明瞭
国内最高気温記録更新
+:高い
++:かなり高い
参考データ
●平年並の範囲
関東地方
東京
平均気温 夏(6∼8 月)
平年差:-0.1∼+0.3℃
24.0∼24.7℃
降水量 夏(6∼8 月)
平年比:86∼109%
372.6∼531.7mm
降水量 梅雨の時期(6∼7 月)
平年比:92∼109%
274.3∼352.0mm
「平年並」の範囲は、同時期の過去 30 年間(1981-2010 年)の値から統計的に求めています。30 年間のデータの中で「高い(多い)」
「平年並」「低い(少ない)」となるデータの数が等分になるように「平年並」の範囲を決めています。すなわち、30 年間の 30 個のデータ
のうち、値が高い(多い)方から 11∼20 番目となる 10 個のデータの値の範囲を、おおよそ「平年並」の範囲としています。
●晴れ日数と降水日数の平年値
6月
東京
晴れ日数
10.7 日
7月
降水日数
11.4 日
晴れ日数
12.1 日
8月
降水日数
10.3 日
晴れ日数
16.4 日
降水日数
7.7 日
「晴れ日数」は「日照率40%以上」の日数であり、「降水日数」は「降水量1mm 以上」の日数です。この2つは同じ日に起こることがあ
るため、「晴れ日数」と「降水日数」の両方に数えられる日もあります。
−2−