暖候期予報（平成 28 年 2 月 24 日発表）の解説 夏の天候の見通し 九州南部・奄美地方 鹿児島地方気象台 6～8 月 予報のポイント 九州南部、奄美地方とも、暖かい空気に覆われやすく、夏の気温は高いでしょう。 九州南部では、前線や南からの湿った気流の影響で、夏・梅雨の時期ともに降水 量は平年並か多い見込みです。 九州南部では、６月と 7 月は平年と同様に曇りや雨の日が多いでしょう。その後 は太平洋高気圧に覆われて、平年と同様に晴れの日が多いでしょう。 奄美地方では、５月から６月は平年と同様に曇りや雨の日が多いでしょう。その 後は太平洋高気圧に覆われて、平年に比べ晴れの日が多い見込みです。 夏（6～8 月）の平均気温・降水量 九州南部 奄美地方 平均気温 夏（6～8 月） 降水量 夏（6～8 月） 降水量 梅雨の時期※ 低 20 並 30 高 50% 少 20 並 40 多 40% 少 20 並 40 多 40% 高い 平年並か多い 見込み 低 10 並 30 高 60% 高い 少 40 並 30 ほぼ平年並 見込み 見込み 多 30% の見込み 平年並か多い 少 30 並 30 ほぼ平年並 見込み 多 40% の見込み 数値は予想される 出現確率です ※梅雨の時期・・・九州南部では 6～7 月、奄美地方では 5～6 月 季節予報は、予測の確からしさに応じて、気温や降水量などを「低い（少ない）、平年並、高い（多い）」となる確率で表しています。 「平年並」が どの程度の値になるのかについては、末尾の「参考データ（平年並の範囲）」をご覧ください。 ●確率予報の解説（ここでは確率予報を次のような言葉で解説しています） 出現確率 （低い（少ない）：平年並：高い（多い）） 高い（多い）確率が 50％以上 （20：40：40） 平年並の確率が 50％以上 （40：30：30） （30：40：30） （30：30：40） （40：40：20） 低い（少ない）確率が 50％以上 解 説 高い（多い）見込み 平年並か高い（多い）見込み 平年並の見込み ほぼ平年並の見込み 平年並か低い（少ない）見込み 低い（少ない）見込み －1－ 予想される海洋と大気の特徴 大気全体の温度が高い見込みです。 熱帯域の海面水温は、インド洋で平 年より高い見込みです。一方、太平 洋ではエルニーニョ現象が終息し、 平常の状態となる見込みです。この ため、インド洋では積乱雲の発生が 多く、フィリピン付近では積乱雲の 発生が少ないでしょう。 チベット高気圧は弱く、偏西風は平 年より南を流れる見込みです。 太平洋高気圧の西への張り出しは強 く、北への張り出しは弱いでしょう。 このため、６月～７月は北日本から 西日本にかけて太平洋高気圧の縁を 回って、南から暖かく湿った空気が 流れ込みやすい見込みです。 数値予報結果をもとにまとめた 予想される海洋と大気の特徴 夏（６～８月） 最近 10 年間の夏の特徴 年 夏の平均気温 平年差℃（階級） 九州南部 奄美地方 200６ +0.6（+） +0.7（++） 200７ +0.4（+） +0.3（+） 200８ +0.2（0） +0.4（+） 200９ +0.1（0） 0.0（0） 2010 +0.2（0） +0.1（0） 2011 +0.2（0） +0.4（+） 2012 +0.1（0） 0.0（0） 201３ +1.0（++） +0.7（++） 太平洋高気圧に覆われて晴れた日が多く、記録的な高温となったほか、奄美地方ではかなりの少雨となった。 201４ -0.5（-） -0.2（-） 201５ -0.8（-） +0.4（＋） 梅雨前線や湿った気流の影響で降水量がかなり多くなったほか、日照不足となり九州南部では冷夏となった。 階級 夏の天候の特徴 太平洋高気圧に覆われて晴れた日が多く高温となり、特に奄美地方でかなりの高温となった。九州南部では、梅 雨前線の活動が活発化して鹿児島県北部で豪雨災害があった。 前線や湿った気流の影響で降水量が多くなった。また、太平洋高気圧が強まる時期があり、気温がかなり高くな った時期があったことから気温は高くなった。 九州南部では、梅雨前線の活動が活発化し大雨となった。奄美地方では、太平洋高気圧に覆われたことや熱帯低 気圧の影響も小さかったため、気温が高く降水量は少なかった。 太平洋高気圧に覆われて晴れた日が多かったため少雨となり、特に九州南部ではかなり少なくなった。 太平洋高気圧に覆われて晴れた日もあったが、前半を中心に曇りや雨の日が多く、九州南部では、局地的な大雨 となった。奄美地方では、梅雨前線や台風などの影響で平年に比べ、曇りや雨の日が多くなった。 九州南部では梅雨前線や湿った気流の影響で曇りや雨の日が多かった。奄美地方では、太平洋高気圧に覆われ晴 れた日が多く少雨となった。 梅雨前線や湿った気流及び台風の影響で曇りや雨の日が多く、日照不足となった。 梅雨前線や湿った気流及び台風の影響で降水量が多くなったほか、日照不足となり冷夏となった。 --：かなり低い -：低い 0：平年並 +：高い ++：かなり高い 参考データ ●平年並の範囲 九州南部 奄美地方 鹿児島 名瀬 平均気温 夏（6～8 月） 平年差：-0.1～+0.2℃ 平年差：0.0～+0.1℃ 26.8～27.1℃ 27.7～27.8℃ 降水量 夏（6～8 月） 平年比：87～104％ 平年比：82～119％ 786.1～1054.0mm 752.1～1021.2mm 降水量 梅雨の時期※ 平年比：88～107％ 平年比：87～108％ 653.3～857.2mm 524.8～738.2mm ※梅雨の時期・・・九州南部では 6～7 月、奄美地方では 5～6 月 「平年並」の範囲は、同時期の過去 30 年間（1981-2010 年）の値から統計的に求めています。30 年間のデータの中で「高い（多い）」 「平年並」「低い（少ない）」となるデータの数が等分になるように「平年並」の範囲を決めています。すなわち、30 年間の 30 個のデータ のうち、値が高い（多い）方から 11～20 番目となる 10 個のデータの値の範囲を、おおよそ「平年並」の範囲としています。 ●晴れ日数と降水日数の平年値 6月 鹿児島 名瀬 晴れ日数 10.7 日 10.9 日 7月 降水日数 14.6 日 15.1 日 晴れ日数 17.9 日 21.0 日 8月 降水日数 11.2 日 10.0 日 晴れ日数 20.5 日 18.5 日 降水日数 10.5 日 13.7 日 「晴れ日数」は「日照率４０％以上」の日数であり、「降水日数」は「降水量１mm 以上」の日数です。この２つは同じ日に起こることがあ るため、「晴れ日数」と「降水日数」の両方に数えられる日もあります。 －2－
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