第22回芦原科学賞の受賞者と研究内容等 <芦原科学奨励賞>

(別紙3)
第22回芦原科学賞の受賞者と研究内容等
<芦原科学奨励賞>
○テーマ 高い均斉度を有する省エネ・高効率な照明用反射板及び
高い均斉度を有する省エネ・高効率な照明用反射板及び、
、システムの開発
○概 要 高電力量の照明を多数設置し、電気代が大きな負担となっている体育館や陸上競技場等の屋内
外照明設備において、平均照度と照度分布の均一性を向上させた上で、消費電力を2分の1以
上削減できる反射板及び照明システムを開発した。
○受賞者 株式会社広立 取締役副社長 瀬尾 尊(せお たかし)氏 昭和 31 年 6 月 18 日生
○推薦者 株式会社広立 代表取締役 松本 義一(まつもと よしかず)氏
○研究内容と成果
[研究の背景]
従来、体育館、陸上競技場等の照明設備は、照射効率が 30~40%程度(裏面 多面体多段式反射板の
しくみ)とエネルギーロスが大きく、天井高さや照明の配置位置の違いを考慮した製品ではないため、水
銀灯等の高電力量(700W 以上)の照明を多数設置する必要
○均斉度とは
があり、電気代が大きな負担となっている。
照度分布の均一性を意味しており、
低電力量で高照度が得られる照明や明るさにムラが少
均斉度=最小照度÷平均照度
ない(均斉度の高い)照明設計についての多くの要望をい
で算定する。
ただく中で、省エネ・高効率な照明及びシステムは大いに
例えばバレーボール競技では、均斉度
成長性があるものと判断し、開発に着手したものである。
を 0.5 以上に JIS 規格が制定された
[研究開発した技術概要と成果]
照明用反射板について、反射率が 95%の高反射率素材の採用や内部を多面体多段式の形状にすること
で、照射効率が 90%以上の反射板を製作した。また、様々な形状の高効率反射板を、対象施設の天井の
高さや床面積、天井構造などを考慮して、科学的データに基づき効果的に組合せ、配置することで、高い
均斉度を有する省エネ・高効率な照明システムを開発した。
高天井用高効率多面体多段式照明用反射板
実際の施工事例
○施工事例における反射板等
施工事例における反射板等(リフレクタ)の
(リフレクタ)の比較
施工前
施工後
○従来技術との比較
○従来技術との比較
従来技術
天井高さ・床面積・天井構造(切り妻型やドーム型など)に関係なく、
市販のリフレクタを等間隔に設置
新技術
理論的なデータに基づく提案
「照度分布解析」
・
「光源追跡解析」などによるリフレクタ試作開発・施工現場照度
測定を実施し、リフレクタ形状選定(複数種類以上のリフレクタを採用)
・ランプ
電力量設定等に基づきシステム設計
「消費電力量:1/
「消費電力量:1/2以下に削減 ・均斉度:40
・均斉度:40%以上向上」
40%以上向上」
を達成し、施工場所に最適な照明設計を提案できる技術を開発した。
○多面体多段式反射板のしくみ
○多面体多段式反射板のしくみ
従来の通常半球型笠
多面体反射板内蔵型高効率笠
左図の例では、開発品は従来
品に比べ約 2.6 倍高効率に
光を照射できることを示し
ている。
通常 1000Wのランプが必要
な空間に半分以下の400W程
度で同程度の照度の確保が
可能になった。
[産業の振興]
県内施設を中心に本技術を導入し、導入施設の
省エネ効果及び施設利用者の安全性・快適性に大き
く貢献している。高級照明器具の開発にも取り組ん
でおり、今後、新市場での関連産業への波及効果も
期待できる。
○平成 22 年度から照明関連売上実績をあげ、
照明部門は全売上高比で
0%(H21 年度)→31%(H26 年度)
同社の照明関連事業は、今後、同社の
大きな柱に成長する見込みである。
○三豊市ものづくり大賞受賞(平成 26 年 2 月)
○特許出願 4 件、意匠登録 1 件、商標登録 1 件
丸亀市土器川体育館における本技術の適用事例