(別紙1) 第22回芦原科学賞の受賞者と研究内容等 <芦原科学大賞> ○テーマ ○概 要 ○受賞者 ○推薦者 新規機能性発泡シーラントフィルムの開発と事業化 単一の素材を用いながら、表と裏の形状が異なる成形技術により、接触温感の低減やヒートシール 適正など複数の機能を有するハイブリッドフィルムを開発した。 本開発品は大手食品メーカーの冷 菓包装材料に採用されているほか、 その技術の応用によりレンジ調理用食品など他の幅広い分野へ の展開が期待される。 日生化学株式会社 同社社員 河野 博(こうの ひろし)昭和 49 年 10 月 1 日生 同社社員 赤松 昌幸(あかまつ まさゆき)昭和 52 年 7 月 15 日生 日生化学株式会社 代表取締役社長 田中 秀和(たなか ひでかず)氏 ○研究内容と成果 [研究の背景] 従来の食品包装材は、機械的強度や保温性等の機能を有する個別の素材のフィルムを接着剤と有機溶剤を用 いて複数枚貼り合せたハイブリッド構造になっており、フィルムの剥離、異物混入、VOC の発生等、大きな課 題がある。そこで、素材内部の発泡性等の構造の違いによる機能性を活かし、同一素材でありながら複数の機 能を備え、環境負荷の高い溶剤等を用いない新技術によるフィルムの開発を進めた。 [研究開発した技術概要と成果] 「共押出成形技術」 という手法で、表裏異なる表面形状と機能性を有する発泡フィルムを一体成形した。 開発品の機能としては、 連続気泡を有する発泡層 ① ② ③ ④ 接触温感性の低減 結露水の付着防止 高い対食品安全性 透明度等の印刷を行 わない文字等の表現 ⑤ レンジアップ適性 ⑥ ヒートシール適性 を有する新規機能性発泡 シーラントフィルムを開 発した。従来技術におけ る二次接着や機械的接合 を用いずに、複数の機能 を有するフィルムの開発 に成功した。 平滑表面を有する非発泡層 開発成果【産業技術の高度化】 ●多数の生産素材(不織布、接着剤、溶剤)が不要となり、素材生産時の消費エネルギーを半分以下に 削減した。 ●繊維屑及び溶剤臭の食品への残留リスクを低減し、食品への安全性が向上した。 ●ラミネート加工が不要となり、大気への有機溶剤(VOC)排出をゼロにし、ラミネート加工工程の省略 により、生産時の熱エネルギー削減を実現した。 ●レンジ用包装フィルムとしても高評価を得ている。 ●従来の複合フィルムより安価である ●生産効率アップ(5~10%) 類似品との比較 [産業の振興] 均一加温や接触温感性等、レンジ調理適性を求めるユーザーへの販売を今後の主力とする。一方で冷菓以 外の食品包装への新規展開と、カイロなど食品以外の他の幅広い分野への展開も期待され、産業振興に大い に貢献するものである。 ○販売開始 平成 23 年 4 月 冷菓(クーリッシュ/㈱ロッテ)に採用 ○日本パッケージングコンテスト 2012 菓子包装部門賞 ( 「クーリッシュ」(株)ロッテ、(株)細川洋行) ○特許登録 2 件、出願1件
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