「歯科医師需給問題」に対する 日本歯科医師会の見解骨子 記

第1回歯科医師の需給問題に関するワーキンググループ
平成27年2月24日
「歯科医師需給問題」に対する
日本歯科医師会の見解骨子
――― 現在想定される諸条件を踏まえて ―――
記
現段階の日本歯科医師会の考える適正歯科医師数
(現時点で想定される推計を踏まえたもの)
● 適正歯科医師数は、82,000 名程度を上限と考える。
● 今後、新規参入歯科医師数は、1,500 名程度を上限と考える。
● これを実現すると、20 年後、人口 10 万対歯科医師数 71 名
<試算根拠>
「歯科医師需給問題」の検証にあたって今回人口10万対50名の歯科医師と
いう国の目標を踏まえ、また現在試算される、人口変動、歯科医師リタイア数
(死亡者も含む)、在宅歯科医療需要 等を加味した試算。
・国が目標とした歯科医師数(前提)は、
人口 10 万人当たり、歯科医師数 50 名である。
達成した昭和 59 年 1 診療所の 1 日当たりの患者数は=約 25 名
・患者調査(H23 年)より
受療率から算出した 1 日当たりの歯科診療所患者数 =1,362,500 名
(受療率の中には訪問診療患者数も含まれている。)
・外来歯科診療
平日(16 日間)、木曜・土曜(9 日間)から算出した
診療日数は 20.5 日であるため、
資料4
・1 か月推計患者総数は、
1,362,500×20.5 = 27,931,250 名
・1 日当たり 25 名の患者数を保つためには、1 か月 512.5 名
27,931,250÷512.5=54,500
あるべき歯科診療所総数は = 54,500 診療所となる。
・H24 年歯科診療所数と歯科医師数の比率 1.00:1.498 であるので、
これからバランスのとれた歯科医師数を推計すると
在るべき適正歯科医師数は:81,641 名 となる。
<新規参入歯科医師>
一方、毎年、新規参入歯科医師は、国家試験合格数即ち2千名前後(平成 23
年は 2400 名、平成24年は 2364 名)が増加する現実がある。今後、現行
の歯科医師が新規参入すると、以下のような推計が可能となる。
医療施設従事歯科医師数平成 14 年と平成 24 年データを用いて 平成 34 年
および平成 44 年の状況を推計すると、
H34 年
H44 年
歯科医師数
日本の人口
人口 10 万対歯科医師数
102,787 名
人口 12281 万人
人口 10 万対 84 名
98,571 名
人口 11487 万人
人口 10 万対 86 名
H44 年推計に、76 歳以上がリタイアすると仮定しても
人口 10 万対 78 名
20 年後、推計で日本の人口:1億 1,487 万人
20 年後必要とされる歯科医師数は 80,409 名
よって、計算上は
・20 年後、必要な推計歯科医師適正数は 80,409 名
・1 日の妥当な患者数から割り出した 適正歯科医師数は
両者は、「近似値」を示す。
概ね
81,641 名
我々の試算では、歯科医師数は上限 82,000 名が望ましい。
(歯科医師数は、人口 10 万対 71.4 名)
参考
在宅歯科診療の試算
・平成 20 年のデータから試算すると、470 万人の 9 割 423 万人の 27%、
即ち 1 か月に 114 万人の患者。
・平成 20 年の歯科医師数:99426 名。
歯科医師 1 名当たり 11.5 人の患者を 1 か月に受け持つ。
1 か月の稼働日数はデータから、22 日
・1 日当たりは 0.52 人の増加にとどまる。
・仮に潜在患者数 423 万人の 50%が1か月に集中して受診しても
1 日当たり 1.92 人
・1 医療機関 1 日の患者数 25 人に 1.92 人を加えても、十分に対応できる範
囲の患者数。