千葉市ホームレスの自立の支援等に関する実施計画(案)の概要 第1 計画策定の趣旨及び計画期間 (1)計画策定の趣旨 国では、平成14年8月に、 「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法」を制定し、法に基 づき、平成15年7月に、 「ホームレスの自立の支援等に関する基本方針」を策定しました。 これらを受け、本市におけるホームレス問題に対応するため、平成19年3月に「千葉市ホーム レスの自立の支援等に関する指針」を策定し、その自立の支援策を実施してきました。 この指針に基づく支援策の実施により、市内のホームレス数は減少傾向にある一方で、依然とし て厳しい雇用情勢が続くなか、働く場所や住居を失い、自立の意思がありながら、新たにホームレ スとなることを余儀なくされた人々も数多く確認されています。 この実施計画は、国の基本方針の一部改正(平成20年7月)により新たに規定された事項や、 指針による当面の対応策の推進状況を踏まえ、さらに具体的な自立支援策について、保健・福祉、 住宅、就労など、さまざまな分野にわたり、相互の連携を図りながら総合的な相談・支援体制を確 立するために策定するものです。 (2)計画期間 この計画は、平成23年度を初年度とし、平成27年度までの5か年の計画とします。 第2 ホームレスの現状 市内のホームレス数は、平成22年8月の調査では61人となり、着実に減少傾向となっています。 第3 千葉市のホームレス対策の現状と課題 平成19年3月に策定した「千葉市ホームレスの自立の支援等に関する指針」において、以下の8項 目の取り組みを掲げ、当面の対応策として実施しています。 ①ホームレスの継続的把握 ④安定した居住の場所の確保 ⑦緊急的援助 ②生活に関する相談・援助等 ⑤無料低額宿泊所への対応 ⑧ホームレス対策の推進体制の整備 ③保健及び医療の確保 ⑥就業の機会の確保 各取り組みを実施してきたなかでの主な課題として、 ①ホームレスの状況を的確に把握するため、夜間のホームレスの実態を把握する必要がある。 ②アパート等に入居した人のなかで、再びホームレス状態に陥ってしまう例があるため、入居後 の社会生活復帰に向けた支援を行う必要がある。 などがあげられます。 第4 実施計画の目標 (1)計画の基本目標 ホームレスの人々が自らの意思により、安定した生活を営み、ホームレス状態から脱却できるよう にするとともに、ホームレス状態から脱却した人が、再びホームレス状態に陥ることがないようにす る。 第5 計画を推進する施策 ※各施策の主な取り組み内容。◎新規。下線部、拡充。 1 ホームレスの継続的把握 ○保健福祉センター、公園等の施設管理者及び警察等の関係機関との連携による年 2 回の概数調査。 ◎保健福祉センター等の関係機関との連携による夜間の概数調査方法の検討。 ◎ホームレスに関する情報提供の連絡先等について、町内自治会等を通じた地域住民への周知。 2 生活に関する相談・援助等 ○巡回相談におけるホームレスごとの個別表の作成、援助内容の検討と継続的な生活相談。 ◎保健福祉センター等の関係機関との連携による夜間の巡回相談方法の検討。 3 安定した居住の場所の確保 ○保証人が丌要なアパート等の情報の収集及び提供による入居支援。市営住宅等の活用方法等の検討。 ◎民間賃貸住宅にかかわる団体が実施する研修等の場における、ホームレス問題に関する啓発活動。 ◎障害等を抱え、単身生活が困難と思われる人などの入居(所)先確保の支援。 ○アパート等への入居後の社会生活復帰のための生活上の相談等の支援。 4 保健及び医療の確保 ◎心のケアが必要と思われる等の障害を抱えている人に対する関係機関との連携による対応。 ○健康状態が悪化した人が医療機関に救急搬送されたときの生活保護の適用。 ○結核の疑いのある人への必要な支援、結核検診の実施方法等の検討。 ◎ホームレスの利用が可能な無料低額診療施設があるときは、その利用方法等の支援。 ○アパート等に入居した人に対する、保健福祉センター等との連携による適切な保健衛生指導の支援。 5 就業の機会の確保 ◎千葉市ふるさとハローワーク等における求人情報の提供、労働相談等の支援。 ◎巡回相談を通じて、ホームレスによる雑誌の路上販売員募集の情報提供等の支援。 6 緊急的援助 ○巡回相談を通じて、緊急の場合の連絡先を周知。食料の確保が丌十分な人への非常食の配付の支援。 ◎台風・大雤等の災害が予測されるときは、巡回相談等により危険性の周知を行い、避難等を促す。 7 緊急一時宿泊事業(シェルター) ◎離職等で住宅を喪失した人等への対策として、必要に応じて、居室、食事等の提供及び定期的な健康 管理や生活相談等を目的とした、一時的な宿泊施設(シェルター)の確保を検討。 ◎ホームレスとなることを余儀なくされるおそれのある人等への対応として、簡易宿泊所や終夜営業店 舗等において、各種雇用施策、生活資金の貸付や生活保護制度に関する情報の提供。 8 ホームレスの人権の擁護 ◎ボランティア団体等が行う炊き出しや相談会のほか、町内自治会や民生委員等の地域で活動されてい る方々の研修会の場等を通じた、地域住民へのホームレスの人権の啓発活動。 9 無料低額宿泊所への対応 ○引き続き、新たな無料低額宿泊所の開設届出は受理しない。 ○建築、消防部門との合同による施設への実地調査。適切な施設運営、自立支援の取組について指導。 (2)計画の基本方針 第6 ○ (1)庁内の推進体制 庁内の関係部局により設置された「ホームレス問題連絡会議」において、本計画の実施に向けた検 討、調整、推進に取り組んでいきます。 (2)庁外の関係機関との連携 本計画の推進にあたり、庁外の関係機関、施設管理者との連携や、民間団体等の関係者との情報交 換を行う等のネットワークづくりを行います。 ホームレスの人々の個々のニーズに応じ、保健・福祉、住宅、就労など、さまざまな分野にわた り、相互の連携を図りながら総合的な相談・支援策を推進していく。 ○ 地域住民へのホームレスの人権の啓発により、ホームレスに対する偏見や差別意識を解消し、ホ ームレスの人々がアパート等の住居を確保することにより、地域社会の中で自立した生活を営むた めの基盤づくりを推進していく。 自立支援施策の推進体制
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