立ち直り支援の心から 女性シェルター茨城とのかかわり(社会復帰を願い

立ち直り支援の心から
女性シェルター茨城とのかかわり(社会復帰を願いつつ)
坂東市更生保護女性会
1
テーマと趣旨
① 自立支援、立ち直りを支えあうことから
② 薬物依存から回復し社会復帰することを支援
2
活動の背景
平成 22 年 11 月、坂東市更生保護女性会結成 50 年記念に、ダルク施設長の
講演を聞き女性シェルター茨城の薬物依存から回復しようと頑張って努力して
いることの存在を話され、そのとき彼女たちがミーティングする場所を探して
いることを知らされた。ちょうど来賓として来られた行政側から、場所提供の
話が出て、猿島福祉センターの部屋が決まる、毎週 2 回、デイーサービスに通
って来ているでお年寄りのお世話を手伝うことになる。
更女会と彼女たちとの交流会をはじまり、最初はどう付き合って良いのか、不
安でした。薬物依存について、身近には知らなかったのが本音でした。
回数を重ねているうちに、薬物の恐ろしさを再認識しながら、青少年の犯罪予
防にも力をいれ啓発運動しています、彼女たちの回復しようとする気持を支え
ることができればという思いから交流会を年 3 回計画して実施し、その時々に
体験発表や研修会を取り入れた活動が始まりました、今年度で 4 年目を迎えま
した。
3
活動計画
平成 25 年度、総会では、
「ほっとけない運動」の推進地区を受けて 2 年目とな
りとりくみの方向性を見出して農作業を一緒にしながら立ち直り支援を進めた。
◇役員会で協議
・年代の価値観の違い、時代背景も考慮して取り組む大切さを忘れないようにし
よう。
・善意をしてすべての人に伝わるということは不可能、感覚の問題で相違がある。
・更女の地域での知名度により取り組みも違ってくる。
再犯 ・社会的に最大の課題
再犯者が就労することは容易でない
・社会で理解されない現実がある
・衣食住の見込みがたたない
犯罪者 ・社会ルールを破っていく人
◇推進委員が決定
4月に推進委員を決め
組織の部会制を中心で話し合い
ダルク女性シェルター茨城とのかかわりを交流会や施設の整備から始めようと決
定。施設の下見にゆき、まず野菜作りからということで、畑の土作りから、更女会
員 20 名と彼女たち腕まくりして、草むしりや、花壇の植え替えや様々に共同作業
がはじまり、2 時間くらい汗を流しながら作業をしました。
5 月・6 月と野菜ができ、7 月には朝顔を一人一鉢で植え込み、毎日水やりの管理
をしてやがて大輪を咲かせ大喜びの笑顔が伺われました。
秋、冬と野菜作りをしてやがて収穫の時期、収穫し料理の指導も時々しています。
◇活動計画
年間活動
◎施設整備と内容
月
内容
4月
作業
ダルク女性シェルター茨城
回数
更女会
月
内容
施設下見
3回
20 名
11 月
玉ねぎ
5月
畑の土作り
13 回
15 名
12 月
6月
野菜
3回
7名
26 年
7月
野菜植え込み
2回
8名
8月
野菜種まき
2回
9月
花
4回
花壇植え込み
植え替え
立ち直り支援「交流会」
作業
現在 13 名
回数
更女会
3回
3名
見回り
2回
5名
1月
見回り
2回
5名
8名
2月
見回り
1回
5名
15 名
3月
片付け
2回
3名
植え
準備
◎内容と参加人数
会場
平成 22 年度
福祉センター
平成 23 年度
9月
食事つくり
24 名
近況報告聞くシェルター12 名
12 月
行政
食事つくり更女
食事つくり
更女
Xマス会シェルター12 名
体験発表
4名
行政
3月
更女
シェルター13 名
ひなまつり
ダルク
体験発表
行政
23 名
4名
28 名
13 名
行政
平成 25 年度
更女 20 名
体験発表
更女 25 名
保護司 10 名
シェルター12 名
行政
食事つくり
体験発表
更女
25 名
食事つくり
更女
ひなまつり
シェルター11 名
行政
4名
27 名
シェルター11 名
4名
行政
5名
体験発表
4名
行政
食事つくり
更女 25 名
食事つくり
近況報告聞くシェルター11 名
8名
保護司
食事つくり
食事つくり
6名
シェルター12 名
食事つくり 更女 25 名
午前 10 時から
平成 24 年度
更女
消防講演会
時間
4名
行政
食事つくり
健康体操
更女
22 名
シェルター12 名
4名
行政
体育指導員
平成 24 年度 ほっとけない運動
立ち直り支援 ダルク女性シェルター茨城との交流会
場所
4名
4名
猿島福祉センター
第1回
第2回
第3回
H24 年 9 月 10 日(月)
H24 年 12 月 17 日(月)
H25 年 3 月 18 日(月)
みんなで楽しく作りまし
坂東市 B 級グルメ大会に
クリスマスにちなみ
保護司さんにも参加して
ょう。
出品料理作り
*赤飯
もらい
*おとめ焼きそば
*豚汁
*カレーライス
*いもドー
*サラダ作り
*野菜サラダ作り
自己紹介と近況報告
自己紹介と近況報告
保護司会と合同研修会
介護資格の取得
その後カラオケで楽しく
自己紹介と近況報告
手話教室で勉強など
過ごしました。
体験発表
皆さん自立に向かってが
ダルクの皆さんにクリス
んばっています。
マスプレゼントを用意し
交流会
2名
とても喜んでもらいまし
た。
みんなで歌いましょう
だれもが知っている懐か
しい歌、思い出の歌、童
謡など
皆で輪になって歌いま
す。
ダルク女性シェルター
12
12
12
更女
17
19
20
保護司会
9
来賓
参加人数
合計
3
2
6
32 名
33 名
47 名
平成 25 年度 ほっとけない運動
立ち直り支援 ダルク女性シェルター茨城との交流会
みんなで楽しく作りまし
猿島福祉センター
第1回
第2回
第3回
H25 年 9 月 9 日(月)
H25 年 12 月 9 日(月)
H26 年 3 月 10 日(月)
夏野菜のキーマカレー
ダルクの皆さんで
*ちらし寿司
クリームシチュー作り
*マカロニサラダ
更女は鶏のから揚げ作り
*菜けんちん汁
自己紹介と近況報告
保護司会との合同研修会
自己紹介と近況報告
介護施設で働いている。
自己紹介と近況報告
市民健康体操普及員の方
皆さん自立に向かってがん
体験発表
の指導による市民健康体
ばっています。
ェルター
ょう。
交流会
場所
ダルク女性シ
操の実施
保護司さんによる事例発
表
ダルクの皆さんにクリス
マスプレゼントを用意。
みんなで歌いましょう
だれもが知っている懐か
しい歌、思い出の歌、童
謡など
皆で輪になって歌いま
す。
ダルク女性シェルター
更女
10
10
11
27
23
22
保護司会
10
来賓
参加人数
合計
3
4
40 名
47 名
平成 25 年度 ほっとけない運動
立ち直り支援 ダルク女性シェルター茨城
施設整備
場所
3
36 名
ダルク女性シェルター茨城
月日
事業内容
5月8日
施設下見
備考
更女 20 名
野菜と草花の定食作業
10 日
野菜と草花の手入れ
15 日
野菜と草花の様子確認、作業の伝達
16 日
野菜の手入れ、草花水やり指導
更女 3 名
21 日
ビニール袋外す(野菜の霜よけ)
シェルター
22 日
植える準備
24 日
キュウリ大きくなりしんを止める
シェルター
25 日
朝顔一人一鉢の鉢や支柱
シェルター
28 日
野菜定植しそ 10 本
30 日
一人一鉢
6月3日
シェルター全員
店に調査
更女 3 名
店より届く
野菜と花の様子観察
更女 2 名
8日
朝顔の鉢植え
更女 5 名
12 日
キュウリの初病連絡あり
更女 3 名
13 日
病気手入れと草取り作業
シェルター
↓
7月
野菜の収穫指導
8 月 21 日
野菜の収穫と料理の指導
更女 2 名
9 月 22 日
朝顔の後始末
更女 3 名
24 日
畑の周りの草取り
シェルター
25 日
野菜の種まき
28 日
野菜種まき後の水やり電話で指導
10 月 5 日
小松菜、ホウレンソウ
かぶ、白菜定植
更女 8 名
野菜の育苗の様子観察
更女3名
14 日
野菜畑の除草
更女 4 名
29 日
タマネギ定植
間引き
シェルター
11 月 8 日
畑と花の様子観察
12 月 12 日
花壇の周囲、庭の除草
24 日
シェルター
連絡事項あり
z
野菜収穫
3 月 23 日
28 日
⒍
花壇の草取り
ビオラ満開
チューリップ、水仙芽がでる
野菜類の手入れ
雑草が残っている
更女 3 名
シェルター
シェルター
まとめと課題
今、私たち更女ができる、立ち直り支援活動を通して、ダルクの施設整備活動から得たも
のは、彼女たちはやさしい気持ちを持っている。
どうして薬物依存になってしまったのか考えさせられます。薬物のおそろしさに気づいた
ときには手遅れで依存症という病気になってしまった。
ダルクの家族会に参加したとき保護者が今は回復してほしいと願っていること、様々な薬物
依存という大きな社会問題がある。親として家庭問題があり、施設を出て行った彼女たちが
数日で、また施設に帰ってきてしまうという状況を考えたとき、私たちはまだ、甘い指導な
のかとつくづく思います。
これからも地域での支えが大切で犯罪に巻き込まれないよう彼女たちの悩みを聞き少し
でも社会復帰できるよう支援活動を重ねて強い女性になってほしいと願っています。
社会福祉協議会職員のお声かけで、デイ―サービスや介護士の資格を取得して自立できてい
る状況です。ダルク女性シェルターが社会復帰できるよう支援活動を継続していくことを会
員一同力を合わせまいります。再度「ほっとけない」の原点に立って進めるミニ集会の中で
どう進めるか地域の中でどのように展開していくか課題は大きいものです。
連盟からのコメント
坂東市更生保護女性会結成 50 周年記念講演で女性シェルターの存在がわかり、
行政ともつながり更女も即、交流会をはじめたことの行動力の素早さに敬服しま
す。4年間にわたって、シェルターで生活して薬物依存からの回復に努めている女
性を更生保護女性会として支援してこられ、平成 24 年度から「ほっとけない運動」
推進地区としての意識をもって行動。薬物依存に陥った女性が再び薬物の害悪にさ
らされる環境から逃れてシェルターに生活する必要性や困難さを会員の方々は、活
動を通して初めて知ったといいます。ともすれば孤立しがちなシェルターの活動、
シェルターでの生活が、更生保護女性会が1年間を通して行う緊密な交流によって
大きく励まされているのではないでしょうか。このような施設があるところではど
こでも、この坂東市での取組みのように、更生保護女性会が関わっていればよいと
思うほど、モデルとなる活動であると思います。