「体を作る物質、タンパク質を解析してみよう」(生物)(PDF

平成25年度
千葉市未来の科学者育成プログラム
千葉大学連携コース「体を作る物質、タンパク質を解析してみよう。」
生命の神秘に迫るためには、タンパク質の性質を調べることが重要な手がかりになりま
す。今回は、タンパク質を分子の大きさで分ける解析について学びました。
日時:6月30日(日) 13:00~16:50
会場:千葉大学教育学部 4号館2F4206室
講師:千葉大学教育学部 教授
医学博士
野村 純 先生
今回の千葉大学連携コースは、大学の実験室で専門的な機器を使う初
めての実験講座です。受講生は、受付後、白衣を受け取り、たくさんの
実験機器が並ぶ机の前で、緊張した面持ちで開始時間を待っていました。
また、本格的な実験に初めて取り組むので、講師の野村先生、千葉大生
のアシスタント8名、教職経験者のサポーター4名、総勢13名のスタ
ッフで支援にあたりました。
「生命の神秘に迫るために、タンパク質の解析がどうして重要なのか?」この疑問に答えるべく、
「生命の
メカニズム」
「生きていることの定義」
「体の中での合成分解の化学反応と酵素、タンパク質」と生命とタンパ
ク質のつながりについてのかなり高度な講義でした。野村先生が受講生の知識を引き出して発言させたり、難
しい言葉は例えをあげたりして教えてくれるので、受講生はメモをとりながら非常に難しい話を最後まで真剣
に聞いていました。その中に、ときどき飛んでくるギャグも印象的だったようです。
後半、白衣を着て、いよいよ「タンパク質の解析」実験。
解析するタンパク質のサンプルは自分の「口腔粘膜細胞」、「卵白アルブ
ミン(5倍希釈)
」、
「コラーゲン(9倍希釈)」。実験器具は受講生が今まで
使ったことのないと考えられる「マイクロピペット」、「遠心分離機」、
「電
気泳動槽」など。試薬として用意された「リン酸緩衝液」、「アクリルアミ
ドゲル」
、
「分子量マーカー」など、きっと耳にしたこともないでしょう。
白衣を着た受講生がマイクロピペットを使ってμℓ単位で採ったり入れ
たりする姿は、未来の科学者そのものです。
大きさによってタンパク質を分ける電気泳動の時間が30分、その待っている時間にも、レポートを作成
したり、先生やアシスタントへ鋭い質問をしたり、やりとりをしたりする主体的な様子が見られました。染色
液につけたゲルからタンパク質の青いバンドが浮かんできたときの満足感のあふれた表情が印象に残った講
座でした。
器具の不調というアクシデントもありましたが、
「生きていることは体
の中で化学反応を起こし続けていることと知った驚き」
「学校では経験で
きない実験ができた感激」
「時間が飛ぶように感じられた充実感」
「大学
生のアシストで、初めて使う器具をしっかり使うことができた、難しい
操作もうまくできた喜び」
「きれいに青くそまったバンドに感動」などな
ど、受講生にとって非常に貴重な体験を味わうことができました。
今回講師をしてくだった千葉大学教育学部教授野村先生、本当にありがとうございました。