トルコ中央銀行が政策金利を0.25%引き下げ

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2015年2月25日
マーケットレポート
トルコ中央銀行が政策金利を0.25%引き下げ
~原油安によるインフレ率低下で2会合連続の利下げ~
トルコ中央銀行(以下、中銀)は2月24日に定例の金融政策決定会合を開催し、政策金利である1週間物レポ
金利を0.25%引き下げ7.5%としました。また、翌日物貸出金利(市場金利の上限金利)を0.5%引き下げ10.75%
に、翌日物借入金利(同下限金利)も0.25%引き下げて7.25%としました。利下げは2会合連続となります。
 追加利下げの背景
今回の利下げの背景には、エルドアン政権が中銀に対して利下げ圧力を強めていたことがあります。エルド
アン大統領は前回利下げ後の記者会見で、「利下げは不十分であり、現在の金利水準ではまだ投資と雇用は
確保できない」と批判を強めていました。これを受け、中銀のバシュチュ総裁は、1月のインフレ率(2月3日公
表)が前月と比較して1%以上低下すれば、翌2月4日に緊急会合を開催し利下げを実施する意向を示していま
したが、条件を満たさず見送られました。このような経緯も踏まえ、今回の利下げは市場で幅広く予想されてい
ました。
トルコの1月の消費者物価指数は前年比+7.24%と前月から伸びが鈍化し、2013年5月以来の低水準となりま
した。原油価格の下落や食品価格の伸び鈍化などが改善に寄与しています。また食料やエネルギーを除くコ
アインフレ率も低下しています。中銀は1月に発表した「四半期インフレ報告」においても、2015年のインフレ見
通しを前回報告時の予想から大幅に下方修正するなど、先行きのインフレ沈静化に対して自信を示していま
す。
最近のトルコ・リラ相場は、追加利下げ観測の高まりを背景に一時対米ドルで過去最安値を更新するなど軟
調に推移していましたが、今回の利下げは既に織り込み済みと見られ、足もとは1米ドル=2.46リラ近辺で落ち
着いた動きとなっています。
 今後の見通し
中銀は声明文において、「食品と燃料価格の変動性の高い状態を考慮し、金利を節度あるペースで引き下
げることを決定した」としていますが、一方で、より持続的なインフレ率の低下には引き締め的な金融政策が必
要との姿勢も堅持しており、今後もインフレ率の改善に従って慎重な利下げを行っていくものと見られます。ま
たエルドアン政権の利下げ要請は今後も続くと見られ、総選挙が実施される6月頃までは追加利下げ観測が
根強く残るものと見ています。
トルコ・リラは、先行きの利下げ観測が引き続き重石となると見られるものの、原油価格の下落に伴う経常収
支の改善期待などが一定の下支えとなることから、中期的には底堅く推移することが期待されます。
以上
トルコの政策金利の推移
トルコ・リラの為替レートの推移
(2013年2月1日~2015年2月24日、日次)
(2013年2月1日~2015年2月24日、日次)
(円/トルコ・リラ)
(%)
70
12
65
(トルコ・リラ/米ドル)
1.7
1.8
対円
(左軸)
60
10
翌日物貸出金利
55
1.9
2.0
50
2.1
6
45
2.2
40
政策金利
4
2
2.3
対米ドル
(右軸)
35
2.4
30
翌日物借入金利
2.5
25
0
13/2
13/8
14/2
※政策金利は1週間物レポ金利
14/8
15/2
2.6
13/2
13/8
14/2
14/8
トルコ・リラ安
8
トルコ・リラ高
14
15/2
(年/月)
(年/月)
(出所)Bloombergのデータを基に三井住友トラスト・アセットマネジメント作成
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