平成25年度 尾張旭市水道水質検査計画 平成25年3月 尾 張 旭 市 水 道 事 業 1 はじめに 水道水は、市民の健康や日常生活を支える重要な役割を担っており、安全で安定した水道水 が供給できるよう水質基準が定められています。 尾張旭市では飲料水の安全性を確保するため、水道法第20条の規定に基づき、定期及び臨 時の水質検査を行い、水道水の安全性の確認を行っているところです。 水質基準については、最新の科学的知見に従い常に見直しが行われており、平成21年度に は「シス及びトランス-1,2-ジクロロエチレン」の追加、また、平成22年度には「カドミウム 及びその化合物」 、平成23年度には「トリクロロエチレン」の基準値が引き下げられるなどの 改正が行われております。平成24年度からは、あらたに発生した放射能汚染問題に対して、 尾張旭市で使用する水を供給する愛知県企業庁にて放射性物質の検査を実施しております。 水質検査の頻度については、水道事業体毎に地域性・効率性を踏まえた水質基準の柔軟な運 用が可能となっており、当水道事業では、住民の皆様の生活に重要な役割である飲料水の安全 性を担保するため、あらかじめ需要者に対して水質検査計画を作成し事前に公表することで、 その適正化と透明化を図ってまいります。 水質検査計画は、水質基準に基づいた水質管理を行うため、検査項目、検査頻度などについ て、安全性・安定性及び効率性・合理性の両面から検討を行い策定しております。年度毎に計 画の見直しを行い、安全で安定した水道水の供給に努めます。 2 水道事業の概要 ⑴ 給水状況 区 分 給 水 区 域 (尾 張 旭 市 全 域 ) 給 水 人 口 (平 成 2 3 年 度 末 ) 普 及 率 (平 成 2 3 年 度 末 ) 給 水 戸 数 (平 成 2 3 年 度 末 ) 計 画 一 日 最 大 給 水 量 一 日 最 大 給 水 量 (平 成 2 3 年 度 ) 一 日 平 均 給 水 量 (平 成 2 3 年 度 ) 高 区 配水区 面積 低 区 柏 井 内 容 2,103ha 81,930人 99.9% 33,511戸 38,900㎥ 26,355㎥ 23,272㎥ 1,397ha 652ha 54ha ⑵ 水源の状況 愛知県水道用水供給事業(以下「県営水道」という。 )から水道水を受水しています。 -1- ⑶ 浄水場の状況 愛知県高蔵寺浄水場 ア 所在地 愛知県春日井市高森台一丁目10番地 イ 供給能力 一日最大94,300㎥ ウ 浄水方式 凝集沈殿・急速ろ過 エ 水系名 木曽川(愛知用水) 高蔵寺・長久手線 施 設 系 統 図 -2- 高区配水区:主に北部・東部・南部の地盤高の高い地域 低区配水区:主に中央部・西部の地盤高の低い地域 柏井配水区:北東部(旭台等)の地盤高の特に高い地域 ○ 施 設 位 置 図 ●:水質検査地点 3 水質検査の基本方針 尾張旭市の上水道は、県営水道による愛知県高蔵寺浄水場の浄水池及び受け渡し地点、並び に本市による3配水区の末端給水栓において水質検査を実施していますが、水道水としての水 質は安定しており、特に問題は生じていません。 今後も安全で安定した水道水を提供するため、以下の方針により水質検査を実施します。 ⑴ 水質検査項目 色、濁り及び消毒の残留効果(残留塩素)の3項目及び水道法で基準に適合することを義 務付けられた水質基準項目(50項目)の水質検査を、別表のとおり実施します。 また、 水道水の管理上、 留意すべきものとして定められた水質管理目標設定項目については、 消毒副生成物の観点から、ジクロロアセトニトリル、抱水クロラールに従属栄養細菌を追加し た3項目の水質検査を別表のとおり実施します。 -3- ⑵ 水質検査地点(3配水区4末端給水栓) ア 高区配水区:尾張旭市霞ヶ丘町北地内 イ 高区配水区(南) :尾張旭市晴丘町池上地内 ウ 低区配水区:尾張旭市西山町二丁目地内 エ 柏井配水区:尾張旭市柏井町弥栄地内 ⑶ 水質検査頻度 色、濁り及び消毒の残留効果(残留塩素)の3項目の検査は毎日実施します。 水質基準項目について、外部からの汚染の指標となる一般細菌、大腸菌等の基本的な9項目 の検査は毎月実施します。消毒副生成物等の13項目の検査は年4回実施し、過去3年間にお ける検査結果の最高値によって検査頻度(年4回)を年1回以上又は3年に1回以上に減ずる ことのできる26項目は、安全確認のため、年1回検査を実施します。また、臭気物質の2項 目については、県営水道の藻類の発生状況に合わせて年2回程度実施します。 水質管理目標設定項目については、安全確認のため、年1回実施します。 (別表「水質検査表」のとおり) 4 臨時の水質検査 以下の理由により、水道水が水質基準に適合しないおそれがあるときには臨時の水質検査を 実施します。水質検査項目は基本的に全項目ですが、汚染源が明確となっている場合等、状況 に応じて決定します。 ⑴ 給水区域で水系感染症が流行しているとき。 ⑵ 配水管の大規模な工事その他で水道施設が著しく影響を受けたとき、又はそのおそれがあ るとき。 ⑶ 大規模地震発生時に、水道施設の被害により水道水の水質が影響を受けたとき、又はその おそれがあるとき。 ⑷ 愛知県企業庁にて測定している放射性物質の検査で異常が認められたとき。 ⑸ その他、特に必要があると認められるとき。 5 水質検査の実施方法 水質検査は、厚生労働大臣の登録を受けた者に委託し、法で定められた水道水の検査方法で 実施します。 登録水質検査機関の選定にあたっては、厚生労働省の「水質検査の信頼性確保に関する取組 について」を参考として、水質検査の精度が確保されていること、緊急対応が可能なことを重 視しています。水質検査の精度が確保されていることを確認する方法としては、国の外部精度 管理調査の結果からS・A・B・Cと階層化評価がされているので、これを参考としています。 また、日本水道協会による水道GLP(優良検査機関)認定制度における認定の有無を参考と しています。 -4- 尾張旭市では、厚生労働省登録検査機関の内、上記の外部精度管理調査の結果がSランク評 価であり、かつ水道GLP認定機関であることと、緊急時に対応可能である検査機関に水質検 査を委託し、安心して利用できる水道水の供給に努めます。 6 水質検査計画及び検査結果の公表の方法 ⑴ 水質検査計画の公表 水質検査計画は、毎事業年度の開始前に策定し、尾張旭市のホームページに掲載するほか、 都市整備部上水道課にて閲覧できるようにします。 ⑵ 水質検査結果の公表 水質検査結果は、尾張旭市のホームページに掲載し、都市整備部上水道課にて閲覧できる ようにします。 7 その他 水質管理を万全なものとするためには、関係機関との連携は極めて重要であり、以下につい て実施しています。 ⑴ 国等との連携 厚生労働省等が実施する水質管理に関する調査への協力をするとともに、 水質管理に関する 情報収集を図っていきます。 ⑵ 県営水道との連携 尾張旭市の上水道は、全て県営水道から受水しており、県営水道との連携を図り、浄水場及 び供給点での水質状況の情報収集を行うことで、安全で安定した水道水の供給に努めます。 -5- 別表 毎日検査項目 毎 日 検 査 1色 2 濁り 3 消毒の残留効果(残留塩素) 水 項 質 検 目 査 表 評 価 異常でないこと 異常でないこと 0.1mg/L以上 検 査 計 画 頻 度 毎日 毎日 毎日 水質基準項目(水道法で基準に適合することを義務付けられている項目) 水 質 1 病原生物の代替指標 2 3 4 5 6 7 無機物質・重金属 8 9 10 11 12 13 14 15 16 一般有機化学物質 17 18 19 20 21 22 23 24 25 消毒副生成物 26 27 28 29 30 31 32 色 33 34 35 味覚 36 色 37 38 味覚 39 40 発泡 41 臭気 42 43 発泡 44 臭気 45 味覚 46 47 48 基礎的形状 49 50 備 考 基 準 項 目 基 準 値 過去3年間の 水質検査結果 最 高 値 法の定めによる 最 低 検査頻度 検査頻度 検査計画 頻 度 一般細菌 大腸菌 カドミウム及びその化合物 水銀及びその化合物 セレン及びその化合物 鉛及びその化合物 ヒ素及びその化合物 六価クロム及びその化合物 シアン化物イオン及び塩化シアン 硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素 フッ素及びその化合物 ホウ素及びその化合物 四塩化炭素 1,4-ジオキサン 集落数 100/mL以下 不検出 月1回 月1回 検出されないこと 月1回 不検出 0.003mg/L以下 年1回 0.001mg/L未満 0.0005mg/L以下 年1回 0.00005mg/L未満 0.01mg/L以下 年1回 0.001mg/L未満 ※ 年4回 3年に1回 0.01mg/L以下 年1回 0.001mg/L未満 0.01mg/L以下 年1回 0.001mg/L未満 0.05mg/L以下 年1回 0.005mg/L未満 0.01mg/L以下 年4回 年4回 0.001mg/L未満 10mg/L以下 0.36mg/L 年1回 0.8mg/L以下 0.11mg/L 年1回 1.0mg/L以下 年1回 0.02mg/L未満 0.002mg/L以下 年1回 0.0002mg/L未満 0.05mg/L以下 年1回 0.005mg/L未満 ※ 年4回 3年に1回 シス-及びトランス-1.2-ジクロロエチレン 0.04mg/L以下 0.001mg/L未満 年1回 ジクロロメタン 0.02mg/L以下 年1回 0.001mg/L未満 テトラクロロエチレン 0.01mg/L以下 年1回 0.001mg/L未満 トリクロロエチレン 0.01mg/L以下 年1回 0.001mg/L未満 ベンゼン 0.01mg/L以下 年1回 0.001mg/L未満 年4回 塩素酸 0.6mg/L以下 0.09mg/L 年4回 クロロ酢酸 0.02mg/L以下 0.002mg/L未満 年4回 クロロホルム 0.06mg/L以下 0.019mg/L 年4回 ジクロロ酢酸 0.04mg/L以下 0.008mg/L 年4回 ジブロモクロロメタン 0.1mg/L以下 0.002mg/L 年4回 臭素酸 0.01mg/L以下 年4回 0.001mg/L未満 年4回 総トリハロメタン 0.1mg/L以下 0.029mg/L 年4回 トリクロロ酢酸 0.2mg/L以下 0.012mg/L 年4回 ブロモジクロロメタン 0.03mg/L以下 0.008mg/L 年4回 ブロモホルム 0.09mg/L以下 0.001mg/L未満 年4回 ホルムアルデヒド 0.08mg/L以下 0.003mg/L未満 年1回 亜鉛及びその化合物 1.0mg/L以下 0.005mg/L未満 年1回 アルミニウム及びその化合物 0.2mg/L以下 0.02mg/L 年1回 鉄及びその化合物 0.3mg/L以下 0.01mg/L ※ 年4回 3年に1回 年1回 銅及びその化合物 1.0mg/L以下 0.004mg/L 年1回 ナトリウム及びその化合物 200mg/L以下 4.7mg/L 年1回 マンガン及びその化合物 0.05mg/L以下 0.005mg/L未満 塩化物イオン 200mg/L以下 8.3mg/L 月1回 月1回 年1回 カルシウム、マグネシウム等(硬度) 300mg/L以下 17mg/L 蒸発残留物 500mg/L以下 55mg/L ※ 年4回 3年に1回 年1回 陰イオン界面活性剤 0.2mg/L以下 年1回 0.02mg/L未満 年2回 ジェオスミン 0.00001mg/L以下 0.000001mg/L 発生時期に月1回 年2回 2-メチルイソボルネオール 0.00001mg/L以下 0.000001mg/L 年4回 非イオン界面活性剤 0.02mg/L以下 0.005mg/L未満 ※ 年4回 3年に1回 年1回 フェノール類 0.005mg/L以下 0.0005mg/L未満 有機物(全有機炭素(TOC)の量) 3mg/L以下 月1回 0.6mg/L pH値 5.8~8.6 7.4 月1回 味 異常でないこと 月1回 異常なし 月1回 臭気 異常でないこと 月1回 異常なし 色度 5 度以下 月1回 0.5 度未満 濁度 2 度以下 月1回 0,1 度未満 検査頻度欄の※は、過去 3 年間における検査結果の最高値によって検査頻度(年 4 回)を減ずることのできる項目を示す。 (基準値の 1/5 未満であるときは、年1回以上、基準値の1/10 未満であるときは、3 年に 1 回以上) 水質管理目標設定項目(水道水の管理上、留意すべきものとして定められた項目) 水 質 管 理 目 標 設 定 項 目 目 標 値 1 ジクロロアセトニトリル 0.01 mg/L 以下(暫定) 2 消毒副生成物 抱水クロラール 0.02 mg/L 以下(暫定) 3 従属栄養細菌 集落数 2000/mL以下(暫定) 備 考 消毒副生成物の観点から着目すべき3項目について安全確認のため検査する。 -6- 検 査 計 画 頻 度 年1回
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