温室効果ガス、二酸化炭素濃度の推移

第1章
温室効果ガス、二酸化炭素濃度の推移
増え続ける温室効果ガス
大気中の二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、一酸化二窒素(N2O)
といった温室効果ガスの濃度
は、
少なくとも過去80万年間において前例のない水準まで増加しています。
18世紀後半の産業革命以降、
大気中の二酸化炭素(CO2)
は増加し続けており、
2013年5月に、
ハワイのマウナロア観測所で観測された日平均の濃度では400ppmに達しています。濃度増加
の主な要因は、石炭や石油の燃焼、セメント生産による排出と森林伐採などの土地利用の変化に
よるものとされています。
日本においても、近年、月平均の二酸化炭素の濃度が400ppmを超えて始めました。二酸化炭
素の濃度は、植物の光合成(二酸化炭素を吸収して酸素を放出する。)により、春から夏にかけて
は減少し、
秋から翌春にかけては増加するという季節変動を示します。
図−10 大気中のCO2濃度の推移
410
二酸化炭素濃度(ppm)
400
390
380
370
360
350
340
330
320
310
1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 年
出典 「IPCC AR5 W1」
マウナロア
(ハワイ)
綾里(日本)
南極点
二酸化炭素の濃度は、北半球の中・高緯度帯では高く、南半球では相対的に低くなっています。
これは二酸化炭素の排出源が北半球に多く存在するためです。
日本での二酸化炭素の観測は、
気象庁が綾里(岩手県三陸沿岸)、
南鳥島、
与那国島に観測地点を
設けて行っています。
大気中に放出された二酸化炭素は、
短い時間スケールでは、
植物や海洋上層に吸収されます。
2002~2011年の期間における1年当たりの平均二酸化炭素収支は表−4のようになります。
人為的な二酸化炭素排出量の方が自然による二酸化炭素吸収量を大きく上回っており、
大気中
に二酸化炭素が蓄積していることがわかります。
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地球温暖化 知っておきたいポイント集
表−4 大気中の二酸化炭素収支
排 出 起 源
(1)人為的排出量
Gt-C/年
化石燃料の燃焼等
8.3
土地利用変化等
0.9
計
(2)自然による吸収量
二酸化炭素収支=(1)−(2)
出典 「IPCC AR5 WG1」
9.2
海洋による吸収
2.4
陸上生態系による吸収
2.5
計
4.9
4.3
Gt : 10億トン
t-C : 炭素の重量に換算したもの
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