京都府地球温暖化防止活動推進員研修会 地球温暖化問題の 基礎知識 京都府地球温暖化防止活動推進センター 事務局長 木原浩貴 地球温暖化のメカニズム 予備知識 ~放射強制力~ 地球と宇宙空間のエネルギー収支を変化させる要素の影響力 を示す指標。性質の異なる要素を同じ土俵で比較できる。 (スライド:京都地方気象台提供) IPCCの組織 IPCC総会(各国政府代表) IPCCビューロー(31名) IPCC執行委員会(13名) 第1作業部会 第2作業部会 第3作業部会 自然科学的根拠 影響・適応 脆弱性 気候変動の緩和 温室効果ガス 目録に関する 特別委員会 技術支援部 技術支援部 技術支援部 技術支援部 代表執筆者、査読編集者 世界気象機関(WMO)と国連環境計画(UNEP)が共同で、1988 年に設立。現在の参加国は195か国。 各国政府代表からなるIPCC総会が全ての決定権を持つ。年 に1~数回開催 代表執筆者、査読編集者は専門家(ボランティア)。報告 書毎に、各国政府等の推薦をもとに、ビューローが選出 (スライド:京都地方気象台提供) 過去に公表されたIPCC報告書 第1次評価報告書(1990) 「人為起源の温室効果ガスは気候変化を生じさせるお それがある」 第2次評価報告書(1995) 「識別可能な人為的影響が全球の気候に現れている」 第3次評価報告書(2001) 「過去50年間に観測された温暖化の大部分は、温室効 果ガス濃度の増加によるものであった可能性が高い」 第4次評価報告書(2007) 「気候システムの温暖化には疑う余地がない」 「20世紀半ば以降に観測された世界平均気温の上昇の ほとんどは、人為起源の温室効果ガス濃度の増加によ ってもたらされた可能性が非常に高い」 (スライド:京都地方気象台提供) IPCC第5次報告書:人間活動が20世紀半ば以降に観測された 温暖化の主な要因であった可能性が極めて高い。 (確度95%以上)。 観測とシミュレートされた気候変動の比較 気候モデル 人為的な温室効果ガスや エーロゾルの濃度変化を、、、 観測 与える 与えな い (スライド:京都地方気象台提供) 予備知識 ~可能性の表現~ 気候学の世界では、100%確かな事実はほとんどない 不確実性を伴う評価について、IPCC報告書では、可能性や 確信度の用語を、一貫した基準に基づいて用いる 用語(英語) (和訳) 発生する可能性(確 Virtually certain ほぼ確実 99~100% Extremely likely 可能性が極めて高い 95~100% Very likely 可能性が非常に高い 90~100% Likely 可能性が高い 66~100% More likely than not どちらかと言えば 50~100% About as likely as not どちらも同程度 33~66% Unlikely 可能性が低い 0~33% Very unlikely 可能性が非常に低い 0~10% Extremely unlikely 可能性がきわめて低い 0~5% Exceptionally unlikely ありえない 0~1% (スライド:京都地方気象台提供) 21世紀末の世界平均地上気温は、1986~2005年の 平均から、RCP2.6シナリオで0.3~1.7℃、RC P8.5シナリオで2.6~4.8℃上昇する可能性が高い。 世界平均地上気温の変化(℃) (2081~2100年) 将来シナリオ 平均 可能性の高い範囲 RCP2.6 1.0 0.3~1.7 RCP4.5 1.8 1.1~2.6 RCP6.0 2.2 1.4~3.1 RCP8.5 3.7 2.6~4.8 1986~2005年平均からの変化 (スライド:京都地方気象台提供) 将来の気温上昇予測 地球温暖化の影響 ●氷が解けたり、海面が上がり、低い 土地が海にしずんでしまう。 ●乾燥したり大雨になったり。 ●きゅうに気温があがるので、おおくの動物(ど うぶつ)や植物(しょくぶつ)が生きられなく なってしまう。 ●私たちの健康(けんこう)も被 害(ひがい)を受ける。 ●食べ物が足りない地域 (ちいき)が多くなる。 気温上昇は累積排出量に比例する すでに「限界」は目前に 気温上昇を1861~1880年の平均から2℃未満に抑えるには・ ・・ 累積二酸化炭素排出量 2℃未満に抑える確率 二酸化炭素排出のみの 強制力を考慮 二酸化炭素以外の 強制力も考慮※ 33%超 0~約1570GtC 約900GtC 50%超 0~約1210GtC 約820GtC 66%超 0~約1000GtC 約790GtC (※)二酸化炭素以外の強制力をRCP2.6シナリオと同等として考 慮 (IPCC AR5 WGⅠ SPM p.27, 20-21行目) 出典:IPCC AR5 WGⅠ SPM p.27,20-24行目 2011年までに515GtCの二酸化炭素がすでに排出された 現在の排出量は約10GtC つまり、残りは30年分 どれくらいの排出削減が必要か RCPシナリオに対する化石燃料からのCO2排出量 IPCC第5次評価報告書報道発表資料より (文部科学省・経済産業省・気象庁・環境省) 世界の目標(カンクン合意=産業革命から2℃未満 ≒RCP2.6シナリオ)達成のためには 2050年には半分以下・2100年までに0 温室効果ガス排出削減目標 ■世界と先進国(2009 ラクイラサミット) 「世界全体の温室効果ガス排出量を2050年までに少なくとも50%削減す るとの目標を再確認するとともに、この一部として、先進国全体として 、50年までに80%又はそれ以上削減」 ■日本 「2050年までに80%の温室効果ガスの排出削減を目指す」 (2012閣議決定 環境基本計画) ■京都府 長期目標:平成62年度までに温室効果ガスの排出の量が平成2年度に 比べて80パーセント以上削減された持続可能な京都を創造 中期目標:平成42年度までに平成2年度の総排出量から40パーセント削減 当面目標:平成32年度までに平成2年度の総排出量から25パーセント削減 (京都府地球温暖化対策条例) 世界のCO2排出量の推移 国別排出量 日本の部門別排出量 部門別排出量の推移 家庭の用途別二酸化炭素排出量 ○冷房 ○暖房 ○照明・家電製品 ○厨房 ○給湯 ○ゴミ ○自家用車 ○水道 ア イ (1)ア:ゴミ イ:自家用車 (2)ア:自家用車 イ:照明家電製品 (3)ア:ゴミ イ:冷房 京都の気温は、少し前の鹿児島並みに (気象庁データより作成) 府域の温室効果ガス排出量の推移 (京都府環境白書平成26年度版より) 府域の部門別排出量 (京都府環境白書平成26年度版より) おすすめの情報源(Web) ■IPCC第5次評価報告書についてはこちら (IPCC 第5次 気象庁 で検索) http://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/ipcc/ar5/index.html ■グラフや表を入手したい方はこちら http://www.jccca.org/ipcc/ar5/wg1.html ( JCCCA IPCC 第5次 特設 で検索) おすすめの情報源(書籍) ■『ココが知りたい地球温暖化』 (国立環境研究所地球環境研究センター) ■『ココが知りたい地球温暖化2』 (国立環境研究所地球環境研究センター) ※同じ内容をWebでも閲覧可能 ■『異常気象と人類の選択』 (江守正多) ■『京都府環境白書平成26年度版』 (京都府) ※同じ内容をWebでも閲覧可能
© Copyright 2025 ExpyDoc