平成 26 年度「土砂災害防止に関する絵画・作文」作文中学生の部 優秀賞(事務次官賞) 「土砂災害から身を守る方法」 愛知県 犬山市立犬山中学校 2年 しん ば 榛葉 もえ み 萌望 今年の7月9日、長野県南木曽町の住宅地近くを流れる梨子沢で土石流が発生しました。家族4 人が倒壊した民家の外に流され、中学生の尊い命が奪われてしまいました。 この土石流災害の被害は死者1人、重傷者1人で、民家6棟が全壊、8棟が半壊、7棟が一部損 壊しました。台風8号の中心から遠く離れた地域での災害に住民らは驚き、おびえ、普段は静かな 木曽谷の町は騒然となりました。住民の方たちは、 「まるで地震のような音がした。 」 「ドドドー」 という地響きとともに、木曽川支流の上流から大量の土砂が押し寄せた。民家やトラックをのみ込 み、普段の川幅は 10 メートルほどだが、土砂を含んで 100 メートル近くまで広がった。「山から 泥水が一気にあふれ出てきて、町がのみ込まれるようですごく怖かった。 」などと話していたそう です。その後の調査で、土石流が梨子沢右岸に全長 250 メートル、最大幅 50 メートルにわたって 氾濫したことが判明したそうです。また、「Y」字状に分かれた南側の沢で、水に浸かった状態の 10 メートル超の巨石や、流木などが発見されました。北側の沢では建設中のダムに大量の土砂が せき止められているのが確認され、南北両支流のそれぞれ上流にある二つのダムも土砂で満杯にな っていたそうです。 私たちが行った木曽総合学習で、南木曽で学習したグループもいました。なので、とても信じら れません。また、同じ中学生の命が奪われてしまうなんてとても恐ろしい災害だなと思いました。 このような土砂災害を防ぎ、私たちの身を守ることはできないのでしょうか。 日本では土砂災害が起こりやすいと言われています。その理由として3つあげられています。1 つ目は、山が多く、その山ももろくて崩れやすい岩や土でできているためです。2つ目は、梅雨や 台風などの時に、1度にたくさんの雨が降るため(世界の国々の平均の2倍半)です。3つ目は、 流れの急な川が多く、大雨の時、一気に流れ、洪水になりやすいためです。 土砂災害から身を守るためにはどんな対策をしているのか調べてみました。土砂災害には土石流、 地すべり、がけ崩れがあります。対策としては、土石流は、山の斜面が崩れて石や土砂がたまらな いように、山に木を植えて崩れるのを防ぎます。また、土石流を受け止めて人の命や家を守る『砂 防えん堤』をつくって防ぎます。がけ崩れでは、がけを固めたり、落ちてきた土砂を受け止める壁 を作ります。地すべりは、原因となる地下水をとりのぞき、また、雨を地面にしみ込ませないよう にする工事をします。さらに、杭を打って地面が動かないようにする工事が行われています。 土砂災害から身を守るためには、地域ごとに避難する意識を高めることが大切だと思います。南 木曽で起きた土石流災害では、避難勧告の発令が、梨子沢のセンサーが土石流を感知した 10 分後 だったということで、これまでの基準が見直されているそうです。とにかく、早めの避難が大切だ と改めて思いました。土砂災害にはいくつかの要因と前兆現象があるということも知りました。主 な前兆現象は、山鳴りがする、川の流れが濁り、木が流れてくる、雨が降っているのに川の水が減 っている、井戸の水が濁った、地面がひび割れている、がけから水がわき出てきた、などです。そ れらを理解した上で、日頃から備えておくことが重要だと思います。備えておくことの例として、 自治体などが配布している防災マップで危険な場所を確認する、家族や地域ごとにあらかじめ避難 場所を決めておくなどがあります。また、土砂災害の多くは雨がきっかけとなって起こるため、大 雨警報などが発令された時には早めに避難することが大切です。いざという時のために、時々話し 合う場を設け、確認し合うことが大切だと思います。 私は「土砂災害」というテーマで作文を書くにあたり、土砂災害のことを改めて学ぶことができ ました。自然は美しいけれど、尊い命を奪ってしまうほどの恐ろしさが潜んでいるということを頭 に置いておかなければならないということが分かりました。被害が最小限で食い止められるよう、 特に人が巻き込まれないよう、地域や家族みんなで協力していくことが大切です。私も、人事だと は思わずに、みんなで「土砂災害」のことを考えて災害に備える努力をしていきたいと強く思いま した。
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