地下水散水によるハウスの保温について

 皿主要農産物の生産費低減技術
1)省エネルギー対策技術
地下水散水によるハウスの保温について
1 試験のねらい
省エネルギー栽培施設として,本県では地下水散水方式、(ウォ・ターカーテン)によるハウスの保
温が普及しているが,この方式の保温性について昭和55∼57年の2か年検討した。
2 試験方法
試験は,傾斜ぱりカーテン(アプ1ロン)を上に,水平ぱりカーテノ(ポ1エチレン)を下にし
た二層カーテンを設けた場内ビニールハウス(間口6肌,奥行12肌の2連棟南北ハウス)を用い
て行った。散水パイプは上層カーテンの上に,サイド散水パイプは肩部に配管し散水ノズル(矢野
式“9)を2肌おきに付けた。散水には13℃の地下水を用い,補助暖亭機の設定温度より2℃局
い.温度で,サーモスタットによ.夕制御した。散水量はバノレブで調節し水量計で確認した。処劃1廠
水部位(天丼部,サイド部,全体)と散水量(夜痘7℃)(2)被覆法(一層,二層)と散水量(全体
散本,夜温・℃)(・鰯法と夜温(全体散水1・4)の組合せについて行い,効果については同一組今
如処理を・盲間実施し,燃料消一費量の平均値で求帆対照一ウスは同型のものとし,夜温は散
永一ウスと同じにしたハウス内には・月まき・・月・日定植のトマトを標準栽培した。
3 試験結果及ぴ考察
1.散水都位と散水量(図一1)
処理日の外気温がそれぞれ異なるので,厳密な比較はできないが,散水部位では全体散水区,
散水量では204区の節油の効果が高かった。全体散布の104区では効果が低かったが,これ
は水量に対して散布面積が大きくなったためと考えられた。
2、綾覆法と散布量(図一2)
被覆法では当然のこと在がら二層被覆が,散水量では一層,二層とも204区の節油の効果が
高かつた。
3.被覆法と夜温(図r3)
被覆法では二層被覆が効果が高く,夜温では8℃区が効果高かった。夜温13.18℃の高夜温
区では効果は低かったが,一層,二層被覆とも散水による節油効果が認められた。
4 成果の要約
地下水散水による保温効果については,天井部,サイド部全体に1分問に15∼204/aの散
水による高い効果が認められた。被覆法については,8℃前後の低夜温では一層被覆でよいが,率
温が一高い場合は二層被覆の方が効果的である。
(担当老 野菜部 木村栄※和田悦郎)
※現小山農挙改良普及所
一79一
/
I00
ユ4
飾
油
率 80
燃
雰
料10
消
費
量
60
坦 6
最
低
気
温
10 15 2C 1O ポ 20 10 15
サイド部散水 天井部散水 全 体 散
20
布
図一一1 散水部位と散水量が燃料消費量等に及ぼす影響
■斗● 100
レ
14
80
燃
%
10
料
消
費
量
6
坦
節
油
率
60
最
低
気
温
1O 15 20
1O 15 202
一層被覆 二層被覆
図一2 被覆法と散水量が燃料消費量等に及ぼす影響
100
1
30
節
油
率
80(
%
ラ
燃
料
消20
費
量
5
60
最
4 10
低
気
温
0
5
40
8 13
18 8 13
層 被 覆
注)[コ慣行ハゥス
二 層 被 覆
■■地下水散加・ウス
H節 油 率 最低気温
図一3 被覆法と夜温が燃料消費量等に及ぼす影響
一80一
18