医薬品の適正使用に欠かせない情報です。必ずお読み下さい。 使用上の注意改訂のお知らせ 2015 年 2 月 田辺三菱製薬株式会社 (テラプレビル錠) このたび、標記製品につきまして、 【使用上の注意】 を改訂しましたのでお知らせ致します。今後の ご使用に際しましては、下記内容をご参照下さいますようお願い致します。 ■ 改訂の概要 改訂項目 改訂内容 改訂理由 【用法・用量】 高齢者及び腎機能障害、高血圧、糖尿病を有する患 高リスク患者にお 〈用法・用量に関連する 者では、本剤投与により重篤な腎機能障害を起こす ける重篤な有害事 おそれがあるため、本剤の開始用量の減量及びその 象の発現を抑制す 際のリスクとベネフィットのバランスを十分に勘案 るために、本剤の する旨を追記しました。 減量投与について 使用上の注意〉 【5. 高齢者への投与】 上記の改訂に伴い、本項に高齢者で重篤な腎機能障 規定しました。 害の発現リスクが高くなることが示唆されている旨 を追記しました。 【1. 慎重投与】 新たな臨床試験により、重度肝機能障害(Child− 海外の臨床試験に (次の患者には慎重に Pugh C)患者における薬物動態パラメータの知見を おいて、薬物動態 入手したため、【薬物動態】の項の全体及び【慎重投 の成績が明らかに 与】の「中等度以上の肝機能障害患者」の項の理由欄 なりましたので追 を記載整備しました。 記しました。 投与すること) 【薬物動態】 〈外国人における成績 (参考)〉 5. 肝機能障害患者 1 ■ 使用上の注意の改訂内容(「使用上の注意」全文については改訂添付文書をご参照下さい。) 改訂前 改訂後(下線 部:追記改訂箇所) 【用法・用量】<抜粋> <抜粋> 【用法・用量】 <用法・用量に関連する使用上の注意> (1) ~ (4) 省略 (変更なし) (5) 高齢者,腎機能障害,高血圧,糖尿病の患者では,重 篤な腎機能障害の発現リスクが高くなるおそれがあ るため,本剤の開始用量の減量を考慮すること ( 「慎重 投与」 , 「重大な副作用」の項参照).なお,減量により HCV RNA 陰性化率が低くなる可能性があることか ら,リスクとベネフィットを十分に勘案すること . <用法・用量に関連する使用上の注意> (1) ~ (4) 省略 <抜粋> 【使用上の注意】<抜粋> 【使用上の注意】 1. 慎重投与(次の患者には慎重に投与すること) 1. 慎重投与(次の患者には慎重に投与すること) (12)中 等度以上の肝機能障害患者〔中等度及び重度の肝 (12) 中 等度以上の肝機能障害患者〔中等度の肝機能障害 患者において Cmax 及び AUC が低下することが報告 機能障害患者において Cmax 及び AUC が低下するこ とが報告されている.(「薬物動態」の項参照)〕 されている.(「薬物動態」の項参照)〕 5. 高齢者への投与 5. 高齢者への投与 (1)国内臨床試験において,高齢者に本剤とペグインター 国内臨床試験において,高齢者に本剤とペグインターフェ フェロン アルファ−2b(遺伝子組換え) ロン アルファ−2b(遺伝子組換え)及びリバビリンを併 及びリバビリン を併用投与した経験はない. (以下省略:変更なし) 用投与した経験はない.(以下省略) (2)本剤の使用成績調査の中間報告において, 高齢者で重篤 な腎機能障害の発現リスクが高くなることが示唆され ている. ■使用上の注意の改訂理由 1. <用法・用量に関連する使用上の注意>の項について (平成 27 年 2 月 17 日付 厚生労働省医薬食品局安全対策課長通知(薬食安通知)による改訂) 使用成績調査中間集計 vol.7(データロック 2014 年 5 月 22 日) (http://medical.mt-pharma.co.jp/intro/ tlv/investigation/04-2.shtml) において、安全性に関して以下のリスク因子が明らかになりました。 ①高齢者、投与前の血清クレアチニン値高値、高血圧及び糖尿病は、重篤な腎機能障害の発現に、 統計的に有意なリスク因子である。 ②本剤開始投与量 2,250mg/ 日は、2,250mg 未満 / 日と比較して、重篤な腎機能障害の発現に統 計的に有意なリスク因子である。 したがって、①に示したリスク因子を有する患者では、本剤の開始投与量を減量することで重篤な 腎機能障害発現率を低下させることができると考えられるため、本剤の開始用量の減量を考慮する旨 の注意喚起を追記しました。 また、本剤の開始用量を減量した際、有用性 (HCV RNA陰性化率:SVR*率) が低下する可能性がある ためリスクとベネフィットを十分に考慮したうえで減量する旨も併せて追記しました。なお、使用成 績調査中間報告vol.7において、本剤の開始用量を減量した際の有効性 (SVR率) の成績は、次の通りで す。本剤の投与量が2,250mg未満/日のSVR率は85.4%(1,539/1,802例) 、2,250mg/日のSVR率は89.6% (2,802/3,128例) です。 * SVR:sustained virological response(投与終了(または投与中止)24 週後の血清中 HCV RNA 陰性化) 2.「5. 高齢者への投与」の項について(薬食安通知によらない改訂) <用法・用量に関連する使用上の注意>の項の改訂に伴い、高齢者が重篤な腎機能障害発現のリスク 因子であることから、他のリスク因子と同様に高齢者で重篤な腎機能障害の発現リスクが高くなること が示唆されている旨を追記しました。 2 3.「1.慎重投与 (次の患者には慎重に投与すること) 」 の項について (薬食安通知によらない改訂) 患者における薬物動態の知見を入 海外の臨床試験において、新たに重度肝機能障害 (Child−Pugh C) 手しましたので、今までの記載を整備しました。参考までに、下記に記載整備した薬物動態の新旧対 比表を紹介します。 【使用上の注意】 の項ではありませんが、 【薬物動態】 の項に下記内容を改訂しましたので紹介します。 改訂後(下線 部:追記改訂箇所) 改訂前(下線 部:削除箇所) 【薬物動態】 【薬物動態】 〈外国人における成績 (参考) 〉 <抜粋> 〈外国人における成績 (参考) 〉 <抜粋> 5. 肝機能障害患者 5. 肝機能障害患者 開発段階の試験製剤を用いた肝機能障害患者と健康成人 開発段階の試験製剤を用いた肝機能障害患者と健康成人 に対する薬物動態試験において,軽度肝機能障害 (Child− に対する薬物動態試験において, 軽度肝機能障害 (Child− Pugh A)患者 (10 例)では,投与後の薬物動態パラメー Pugh A) 患者では,投与後の薬物動態パラメータには健 タには健康成人 (10 例)と大きな差は認められなかっ 康成人と大きな差は認められなかった.中等度肝機能 た.一方,別試験における,健康成人 , 中等度肝機能障害 障害 (Child−Pugh B)患者では,投与後の曝露量は,単 (Child−Pugh B) 患者及び重度肝機能障害 (Child−Pugh C) 回投与あるいは反復投与後いずれにおいても低下して 患者の薬物動態パラメータを以下の表に示す .中等度及 いた.健康成人に比較し,単回投与では,Cmax は 41%, び重度肝機能障害患者では,健康成人に比較し,投与後 AUC0−8h は 37 % 低 下 し, 反 復 投 与 で は,Cmax は 49 %, の曝露量は単回投与及び反復投与後のいずれにおいても AUC0−8h は 46%低下した.なお,重度の肝機能障害患者 低下していた. における臨床試験は行われていない. 表 健 康成人、中等度肝機能障害患者及び重度肝機能 障害患者に本剤 750mg を 1 日 3 回 8 時間間隔で投与 したときの薬物動態パラメータ n 体重 Cmax AUC 0-8h (kg) (μg/mL) (μg・h/mL) 最小二乗平均化 (90%信頼区間) Cmax AUC0 − 8h 1 日目 健康 成人 10 83.0 2.89 ± 12.53 ± (67-113) 1.24 6.55 中等度 10 85.0 2.03 ± (57-111) 0.83 9.63 ± 0.71 0.78 4.29 (0.53, 0.95)(0.55, 1.12) 重度 4 102.5 1.92 ± (96-126) 0.57 8.61 ± 2.30 ND ND 6 日目 健康 成人 10 3.81 ± 23.85 ± 1.11 7.20 中等度 10 2.90 ± 18.85 ± 0.75 0.78 1.02 7.02 (0.59, 0.95)(0.60, 1.00) 重度 4 2.45 ± 13.63 ± 0.48 3.09 ND ND 体重:中央値 (最小値-最大値) Cmax,AUC0−8h:平均値±標準偏差 ND:算出されていない ・ここでお知らせした内容は、弊社ホームページ(http://medical.mt-pharma.co.jp/) 「医療関係者向け 情報」 でもご覧いただけます。 ・ 「使用上の注意」 改訂の内容は、医薬品安全対策情報 (DSU)No.237(2015 年 3 月発行予定) に掲載され ます。 3 お問い合わせ先 田辺三菱製薬株式会社 くすり相談センター 専用ダイヤル 0120 − 753 − 280 (弊社営業日の 9:00 〜 17:30) 製造販売元 大阪市中央区北浜 2 − 6 − 18 T14A−26 4 2015 年 2 月
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