丸紅経済研究所 US Economic Outlook 2015 年 2 月 今月のトピック 「オバマ政権の『インフラ再建』政策は進むのか」 2015/2/16 景気動向のポイント 【景況感】 ・・・・・・・・・・・ 【生産・投資】 ・・・・・・・・ 【消費・所得】 ・・・・・・・・ 【物価】 ・・・・・・・・・・・・・ 家計部門を中心に拡大が継続。企業部門にまだら模様感 稼働率は高水準であるも、投資は足踏み 雇用の改善と物価の低下が消費を押し上げ 物価の低下圧力が強まる ○ 米国景気は拡大を続けている。14 年 10-12 月期の実質 GDP(速報値)は前期比年率+2.6%。2014 年通年では前年比+2.4%と 2010 年以来の高い伸びとなった。 ○ 企業部門は投資の足踏みが長引いている。家計部門は、雇用・所得が良好。原油安が追い風とな り、消費マインドは持ち直し傾向がみられる。 ○ FRB は、1 月 27-28 日に FOMC を開催。声明では、インフレ率の現状評価及び長期見通しを下方修 正した。金融政策に関しては、「金融政策正常化の開始まで辛抱強くなれる」との姿勢を維持した。 主要経済指標 14Q1 四 半 期 14Q2 14Q3 14Q4 14/10 月 次 14/11 14/12 15/1 ▲2.1% 4.6% 5.0% 2.6% 53.5 55.5 56.9 56.9 57.9 57.6 55.1 53.5 非製造業指数 [下段] 53.5 55.9 58.2 57.4 56.9 58.8 56.5 56.7 鉱工業生産指数 1.0% 1.4% 1.0% 1.4% 0.0% 1.3% ▲0.1% 設備稼働率 (前期/月比) 78.6% 79.1% 79.3% 79.7% 79.2% 投資 非国防資本財受注 (前期/月比) 1.0% 2.8% 2.8% ▲2.8% ▲1.8% ▲0.5% ▲0.1% 消費者信頼感指数 [Conference Board] 80.5 83.4 90.9 92.7 94.1 91.0 実質個人消費支出 (前期/月比) 0.3% 0.6% 0.8% 1.0% 0.3% 0.7% ▲0.1% 小売売上高 (前期/月比) 0.2% 2.3% 1.1% 0.4% 0.3% 0.4% ▲0.9% ▲0.8% 自動車販売台数 [百万台] 15.7 16.5 16.7 16.7 16.3 17.1 16.8 16.6 非農業部門就業者数 (前期/月差)[万人] 57.9 85.2 71.2 97.3 22.1 42.3 32.9 25.7 6.6% 6.2% 6.1% 5.7% 5.7% 5.8% 5.6% 5.7% 0.8% 0.8% 0.5% 0.9% 0.3% 0.4% 0.5% 1.3% 1.5% 1.5% 1.4% 1.5% 1.4% 1.3% 新築住宅着工件数 (前期/月比) ▲9.8% 6.5% 4.5% 4.4% 6.2% ▲4.5% 4.4% 新築住宅販売件数 (前期/月比) ▲3.4% ▲0.9% 1.8% 5.4% 1.3% ▲6.7% 11.6% 中古住宅販売件数 (前期/月比) ▲6.9% 5.3% ▲1.0% 1.4% ▲6.3% 2.4% 実質GDP (前期比) 景況 ISM製造業指数 [上段] ・ 生産 消費 雇用・ 完全失業率 (%) 所得 実質可処分所得 (前期/月比) 物価 コアPCEデフレーター (前年比) 住宅 S&Pケース・シラー住宅価格指数 (前期/月比) 金融 2.5% 5.7% 0.8% ▲0.6% 80.0% 0.7% 0.7% 79.7% 93.1 102.9 NYダウ工業株30種 (期末値/月末値)[㌦] 16,458 16,827 17,043 17,823 17,391 17,828 17,823 17,165 米10年債利回り (期末値/月末値) 2.72% 2.53% 2.49% 2.17% 2.34% 2.16% 2.17% 1.64% ※:四半期の数値は原則、月次数値の単純平均にて算出。 1 2015/2/16 Marubeni Research Institute 1. 今月のトピック 「オバマ政権の『インフラ再建』政策は進むのか」 ホワイトハウスは 2 月 2 日、2016 年会計年度(2015 年 10 月~2016 年 9 月)の予算教書を提出 した。米国では予算作成の権限が議会にあるため、大統領は必要な政策や予算について「教書」と いう形式で議会に提出し、それを基に予算案を議論することになっている。リーマン・ショック以 後、オバマ政権は徹底した緊縮財政を行ってきたが、税収の回復を受けて財政赤字の問題が解消さ れつつあるため、今回の予算教書では従来の緊縮路線から一転、歳出拡大が提案された。中でも、 企業の海外利益に課税をし、それを財源として 4780 億㌦規模のインフラ整備予算を強化する方針 が強調された。 オバマ大統領は当初、雇用対策として公共事業を重視していたが、インフラ劣化が国内ビジネス コストの押し上げ要因となっている現状や、国際競争力の向上、昨今の異常気象による被害からの 復旧という点から「インフラ再建」を推進することとなった。他方で、米国土木学会(ASCE)の 4 年に一度の評価で、米国のインフラレベルは「D+」に留まる(図表 1)。ASCE は、2020 年まで に 216 分野のインフラを良好に機能させるのに 3.6 兆㌦が必要と試算しているが、財政からの支出 が予想されるのは 2 兆㌦程度で、残りは民間に頼らざるを得ない。追加財源が必要になっているこ とを背景に、オバマ政権は、インフラ整備に民間資本を引き寄せる「アメリカ再建パートナーシッ プ」構想も提案している(図表 2)。 一方の野党・共和党は、企業の課税に断固反対の姿勢を示しており、独自の予算案を纏める考え。 最終的な予算は議会審議次第となるが、上下両議会の過半数を握る共和党議員の中にはインフラ支 出の増加を望む向きが少なくなく、財源を巡る論争が年後半に合意に至るかどうか、今後の政局の 注目点となる可能性がある。 図表 2 オバマ政権の提案する 「アメリカ再建パートナーシップ」 図表 1 全米インフラ診断総合評価 部門・分野 ダム 上水道 水・ 危険廃棄物 環境 堤防 固形廃棄物 下水道 航空 橋梁 内陸水路 交通 港湾 鉄道 道路 公共交通 公園等 公共 学校 資源 エネルギー 総合評価 2013年 D D D DBD D C+ DC+ C+ D D CD D+ D+ 2009年 D DD DC+ DD C+ DCDD CD D+ D (注)A: 万全, B: 良好, C: 普通, D: 不良, F: 劣化 州インフラ銀行の連邦版 「国家インフラ銀行」の創設 アメリカ再建 パートナー シップ 既存インフラ免税債の 起債要件緩和 PFI事業への連邦融資の 拡充、etc. (資料)the White House (資料)The American Society of Civil Engineers 2 2015/2/16 Marubeni Research Institute 2.主要指標の動き (1)GDP・景況感 実質GDP ○ 1 月 30 日に発表された 14 年 10-12 月期の実質 GDP 成長率(速報値)は前期比年率+2.6%(7-9 月期同+5.0%)となった。2014 年通年では、前年比+2.4%と 2010 年以来の高水準となった。 需要項目別にみると、個人消費支出が同+4.3%(7-9 月期同+3.2%)と 2006 年以来の大幅な伸 びを示したが、民間設備投資は同+1.9%(7-9 月期同+8.9%)、政府支出は同▲2.2%(7-9 月期 同+4.4%)と減速し、全体を押し下げた。 ○ 在庫の GDP 寄与度は+0.82%Pt(7-9 月期同▲0.03%Pt)と拡大したが、ドル高や原油安を背景 とした旺盛な内需から輸入が拡大し、純輸出の GDP 寄与度は▲1.02%Pt(7-9 月期同+0.78%Pt) と在庫の寄与を相殺した。 ○ 先行きについては、15 年 1-3 月期が同+2.8%、4-6 月期が同+2.9%と堅調な拡大が続くと予想 されている。 (季調済、前期比年率寄与度、%) 8 6 4 2 0 -2 -4 -6 -8 政府需要 純輸出 在庫増減 住宅投資 設備投資 個人消費 -10 06Q1 06Q2 06Q3 06Q4 07Q1 07Q2 07Q3 07Q4 08Q1 08Q2 08Q3 08Q4 09Q1 09Q2 09Q3 09Q4 10Q1 10Q2 10Q3 10Q4 11Q1 11Q2 11Q3 11Q4 12Q1 12Q2 12Q3 12Q4 13Q1 13Q2 13Q3 13Q4 14Q1 14Q2 14Q3 14Q4 実質GDP (注)シャドーは景気後退期 (資料)Bureau of Economic Analysis ▽ 米国の実質 GDP 予測(%) ソース 市場コンセンサス(2015/2) IMF(2015/1) 14 年 1-3 月 14 年 4-6 月 14 年 7-9 月 10-12 月 14 年 ▲2.1 +4.6 +5.0 +2.6 15 年 1-3 月 15 年 4-6 月 +2.8 +2.9 ― ― 2013 年 2014 年 +2.2 +2.4 2015 年 2016 年 +3.2 +2.8 +3.6 +3.3 ※四半期は前期比年率、暦年は前年比。共通部分は実績。市場コンセンサスは Bloomberg 予想。 3 2015/2/16 Marubeni Research Institute 企業業況感(ISM製造業・非製造業指数) ○ 15 年 1 月の製造業 ISM 指数は 53.5(14 年 12 月 55.1)と低下した。内訳をみると、新規受注 が 52.9(12 月 57.8)、在庫が 51.0(12 月 45.5)を中心に悪化がみられ、生産活動の先行き鈍 化が示唆された。非製造業は 56.7(12 月 56.5)となった。 (DI:50以上は活動拡大、50以下は活動縮小) 65 65 60 60 55 55 50 50 非製造業(NMI) (資料)Institute for Supply Management 15/1 14/11 14/9 14/7 14/5 35 14/3 40 01Q1 01Q4 02Q3 03Q2 04Q1 04Q4 05Q3 06Q2 07Q1 07Q4 08Q3 09Q2 10Q1 10Q4 11Q3 12Q2 13Q1 13Q4 14Q3 40 35 45 製造業(PMI) 14/1 45 (2)生産 鉱工業生産指数・設備稼働率 ○ 12 月の鉱工業生産指数は前月比▲0.1%(11 月同+1.3%)と小幅低下した。電力等の公益事業 が同▲7.3%と大幅に低下した。気温が平年を上回る日が続き、暖房需要が減ったことが影響 した。設備稼働率は 79.7%(11 月 80.0%)と、小幅低下した。 (2007=100) (季調済、生産/生産能力、%) 110 90 110 90 85 105 85 100 80 100 80 95 75 95 75 90 70 90 70 85 65 85 65 80 60 80 60 14/12 14/10 14/8 14/6 14/4 14/2 01Q1 01Q3 02Q1 02Q3 03Q1 03Q3 04Q1 04Q3 05Q1 05Q3 06Q1 06Q3 07Q1 07Q3 08Q1 08Q3 09Q1 09Q3 10Q1 10Q3 11Q1 11Q3 12Q1 12Q3 13Q1 13Q3 14Q1 14Q3 設備稼働率(右軸) 13/12 鉱工業生産(左軸) 105 (資料)The Federal Reserve Board 4 2015/2/16 Marubeni Research Institute (3)投資 設備投資(非国防資本財受注) ○ 12 月の非国防資本財受注(航空機除く)は前月比▲0.1%(11 月▲0.5%)と、減少幅は縮小し たものの、マイナス圏に留まった。素材、非耐久財に弱さがみられ、全体を押し下げた。足 元の一次産品・素材市況の悪化が、投資に悪影響を与えるか一段の注意を要しよう。 14/12 14/10 14/8 14/6 14/4 (季調済前月比) 14/2 10.0% 8.0% 6.0% 4.0% 2.0% 0.0% ▲2.0% ▲4.0% ▲6.0% ▲8.0% ▲10.0% ▲12.0% ▲14.0% ▲16.0% ▲18.0% 13/12 (季調済前期比) 01Q1 01Q3 02Q1 02Q3 03Q1 03Q3 04Q1 04Q3 05Q1 05Q3 06Q1 06Q3 07Q1 07Q3 08Q1 08Q3 09Q1 09Q3 10Q1 10Q3 11Q1 11Q3 12Q1 12Q3 13Q1 13Q3 14Q1 14Q3 10.0% 8.0% 6.0% 4.0% 2.0% 0.0% ▲2.0% ▲4.0% ▲6.0% ▲8.0% ▲10.0% ▲12.0% ▲14.0% ▲16.0% ▲18.0% (資料)U.S. Census Bureau (4)消費・所得 消費者センチメント(消費者信頼感指数) ○ 消費者センチメントは回復基調にある。15 年 1 月のミシガン大学消費者態度指数は 98.2(11 月 93.6)と改善した。コンファレンスボード消費者信頼感指数も 102.9(11 月 93.1)と大幅に 上昇した。ガソリン価格の下落や雇用見通しの改善が消費者心理下支えの背景となっている。 120 (ミシガン大:1966Q1=100、コンファレンスボード:1985=100) 120 100 100 80 80 60 60 ミシガン大消費者態度指数 40 40 15/1 14/11 14/9 14/7 14/5 14/3 20 14/1 20 01Q1 01Q4 02Q3 03Q2 04Q1 04Q4 05Q3 06Q2 07Q1 07Q4 08Q3 09Q2 10Q1 10Q4 11Q3 12Q2 13Q1 13Q4 14Q3 コンファレンスボード 消費者信頼感指数 (資料)Bloomberg 5 2015/2/16 Marubeni Research Institute 小売売上高 ○ 1 月の小売売上高は前月比▲0.8%(12 月同▲0.9%)と落ち込みが続いた。内訳をみると、原 油安を受けたガソリンスタンドの大幅な落ち込みが目立つが、自動車、家具、飲食サービス、 衣料品店、スポーツ用品店など、13 主要項目のうち 5 項目で減速し、全体を押し下げた。 ▲2.0% ▲4.0% ▲4.0% ▲6.0% ▲6.0% ▲8.0% ▲8.0% 15/1 ▲2.0% 14/11 0.0% 14/9 0.0% 14/7 2.0% 01Q1 01Q3 02Q1 02Q3 03Q1 03Q3 04Q1 04Q3 05Q1 05Q3 06Q1 06Q3 07Q1 07Q3 08Q1 08Q3 09Q1 09Q3 10Q1 10Q3 11Q1 11Q3 12Q1 12Q3 13Q1 13Q3 14Q1 14Q3 2.0% (季調済前月比) 14/5 4.0% 14/3 (季調済前期比) 14/1 4.0% (資料)U.S. Census Bureau 実質個人消費支出 ○ 12 月の実質個人消費支出は前月比▲0.1%(11 月同+0.7%)と落ち込みをみせた。内訳をみる と、非耐久財が同▲0.1%(11 月同+0.7%)、耐久財が同▲0.7%(11 月同+2.5%)、サービスが 同+0.0%(11 月同+0.3%)と、全ての項目で落ち込んだ。ただし、消費者センチメントは改善 が顕著であり、一時的な低下とみられる。四半期ベースでは前期比+1.0%と 2010 年 10-12 月 期以来の大きな伸びとなった。 0.0% 0.0% ▲0.5% ▲0.5% ▲1.0% ▲1.0% ▲1.5% ▲1.5% (資料)Bureau of Economic Analysis 14/12 0.5% 14/10 0.5% 14/8 1.0% 14/6 1.0% 14/4 1.5% (季調済前月比) 14/2 1.5% 01Q1 01Q3 02Q1 02Q3 03Q1 03Q3 04Q1 04Q3 05Q1 05Q3 06Q1 06Q3 07Q1 07Q3 08Q1 08Q3 09Q1 09Q3 10Q1 10Q3 11Q1 11Q3 12Q1 12Q3 13Q1 13Q3 14Q1 14Q3 2.0% 13/12 (季調済前期比) 2.0% 6 2015/2/16 Marubeni Research Institute 実質可処分所得 ○ 12 月の実質可処分所得は前月比+0.5%(11 月同+0.4%)であった。名目ベースでは、同+0.3% (11 月同+0.3%)であった。内訳をみると、賃金(所得全体の約 62%)が同+0.1%(11 月同 +0.5%)と減速し、利息収入も同▲0.2%(11 月同▲0.2%)と縮小が続いたが、自営所得(所 得全体の約 14%)が同+0.9%(11 月同▲0.2%)と大幅に拡大し、全体を押し上げた。 ▲1.0% ▲1.0% ▲2.0% ▲2.0% ▲3.0% ▲3.0% 14/12 0.0% 14/10 0.0% 14/8 1.0% 14/6 1.0% 14/2 2.0% 01Q1 01Q4 02Q3 03Q2 04Q1 04Q4 05Q3 06Q2 07Q1 07Q4 08Q3 09Q2 10Q1 10Q4 11Q3 12Q2 13Q1 13Q4 14Q3 2.0% 14/4 (季調済前月比) 3.0% 13/12 (季調済前期比) 3.0% (資料)Bureau of Economic Analysis 自動車販売台数 ○ 1 月の自動車販売(大型トラックを除く)は、前月比▲1.5%(12 月同▲1.7%)の年率 1,656 万台 であった。全体の水準は既にリーマン・ショック前の水準を回復しており、天井感が見え出 しているものの、ガソリン安から SUV 等の比率が高まっている。他方、米国では自動車の販 売は好調を保っているが、14 年に相次いだ大型のリコールが重石となり、回復基調にあった 自動車大手 3 社の業績は踊り場を迎えている。 20 18 18 16 16 14 14 12 12 10 10 8 8 6 6 0 15/1 0 14/11 2 01Q1 01Q4 02Q3 03Q2 04Q1 04Q4 05Q3 06Q2 07Q1 07Q4 08Q3 09Q2 10Q1 10Q4 11Q3 12Q2 13Q1 13Q4 14Q3 2 14/9 4 14/7 乗用車 14/5 小型トラック 14/3 4 14/1 (季調済年率、百万台) 20 (資料)Bureau of Economic Analysis 7 2015/2/16 Marubeni Research Institute (5)雇用 雇用統計(非農業部門就業者数) ○ 1 月の非農業部門雇用者数は前月差+25.7 万人(12 月同+32.9 万人、14 年通年+311.6 万人)で あった。内訳をみると、製造業、サービス業ともに堅調となった。平均賃金の伸びは前月比 +0.5%(12 月▲0.2%)と 2008 年 11 月以来の高い伸びとなった。 ▲40 ▲20 ▲80 ▲40 ▲120 ▲60 ▲160 ▲80 ▲200 ▲100 ▲240 ▲120 (資料)UNITED STATES DEPARTMENT OF LABOR 15/1 0 14/11 0 14/9 20 14/7 40 14/5 40 (前月差、万人) 14/3 80 01Q1 01Q3 02Q1 02Q3 03Q1 03Q3 04Q1 04Q3 05Q1 05Q3 06Q1 06Q3 07Q1 07Q3 08Q1 08Q3 09Q1 09Q3 10Q1 10Q3 11Q1 11Q3 12Q1 12Q3 13Q1 13Q3 14Q1 14Q3 60 14/1 (前期差、万人) 120 完全失業率 ○ 1 月の失業率は 5.7%(12 月 5.6%)と僅かながら上昇した。就業者数は前月差+75.9 万人、失 業者数は同+29.1 万人、労働参加率は 62.9%(前月比+0.2%Pt)となった。U6 失業率は、11.3% (12 月 11.2%)と、リーマン・ショック前のピーク(10.4%)を上回る水準となっている。 18.0% 12.0% 10.0% 10.0% 8.0% 8.0% 6.0% 6.0% 4.0% 4.0% 15/1 12.0% 14/11 14.0% 01Q1 01Q4 02Q3 03Q2 04Q1 04Q4 05Q3 06Q2 07Q1 07Q4 08Q3 09Q2 10Q1 10Q4 11Q3 12Q2 13Q1 13Q4 14Q3 14.0% 14/9 16.0% 14/7 U6* 14/5 完全失業率 14/3 16.0% (季調済) 14/1 18.0% (資料)UNITED STATES DEPARTMENT OF LABOR ※U6 失業率:経済的な理由でフルタイムに従事できないパートタイマー及び求職を断念した労働者も含む広義の失業率 8 2015/2/16 Marubeni Research Institute (6)物価 消費者物価(コアPCEデフレーター) ○ 12 月のコア PCE デフレーターは前年同月比+1.3%(11 月+1.4%)と、2014 年 3 月以来の低い 水準となった。サービスが押し上げ要因となった一方で、耐久財が押し下げ要因となった。 FRB の目標値である 2%には、なお遠い状況が続いている。 2.0% 1.8% 1.8% 1.6% 1.6% 1.4% 1.4% 1.2% 1.2% 1.0% 1.0% 0.8% 0.8% 14/12 2.0% FRB 目標値 14/10 2.2% 14/8 2.2% 14/6 2.4% 01Q1 01Q3 02Q1 02Q3 03Q1 03Q3 04Q1 04Q3 05Q1 05Q3 06Q1 06Q3 07Q1 07Q3 08Q1 08Q3 09Q1 09Q3 10Q1 10Q3 11Q1 11Q3 12Q1 12Q3 13Q1 13Q3 14Q1 14Q3 2.4% (前年同月比) 14/4 2.6% 14/2 (前年同期比) 13/12 2.6% (資料)Bureau of Economic Analysis (7)住宅 新築住宅着工件数 ○ 12 月の新築住宅着工件数は前月比 4.4%(11 月同▲4.5%)の年率 108.9 万件(11 月同 104.3 万 件)となった。水準は徐々に切り上がっているが、先行指標である住宅着工許可件数は前月 比▲1.9%の同 103.2 万件(11 月同 105.2 万件)と減少した。建設業者の販売見通しはなお先行 き慎重さを残しており、不透明感は晴れていない。 160 140 140 120 120 100 100 80 80 60 60 40 40 14/12 160 14/10 180 14/8 180 14/6 200 14/4 200 14/2 220 01Q1 01Q3 02Q1 02Q3 03Q1 03Q3 04Q1 04Q3 05Q1 05Q3 06Q1 06Q3 07Q1 07Q3 08Q1 08Q3 09Q1 09Q3 10Q1 10Q3 11Q1 11Q3 12Q1 12Q3 13Q1 13Q3 14Q1 14Q3 220 13/12 (季調済年率、万件) (資料)U.S. Census Bureau 9 2015/2/16 Marubeni Research Institute 新築住宅販売件数 ○ 12 月の新築住宅販売戸数は前月比+11.6%(11 月同▲6.7%)の年率 48.1 万戸(11 月同 43.1 万 戸)となった。販売の持ち直しに伴い、在庫率は 5.5 か月と低下した。 (季調済年率、万件) (在庫/販売、か月) 100 10 100 10 80 8 80 8 60 6 60 6 40 4 40 4 20 2 20 2 01Q1 01Q3 02Q1 02Q3 03Q1 03Q3 04Q1 04Q3 05Q1 05Q3 06Q1 06Q3 07Q1 07Q3 08Q1 08Q3 09Q1 09Q3 10Q1 10Q3 11Q1 11Q3 12Q1 12Q3 13Q1 13Q3 14Q1 14Q3 (資料)U.S. Census Bureau 14/12 12 14/10 120 14/8 12 120 14/6 14 14/4 140 14/2 14 新築住宅販売件数(左目盛) 在庫率(右目盛) 13/12 140 中古住宅販売件数 ○ 12 月の中古住宅販売件数は、前月比+2.4%(11 月同▲6.3%)の年率 504 万戸(11 月同 492 万 戸)となった。14 年通年では、493 万戸(前年比▲3.1%)であり、リーマン・ショック後 2 番目の高水準となった。12 月の販売在庫は同▲11.1%の 185 万戸(11 月同 208 万戸)と、5 か月連続で減少した。在庫率は 4.4 か月と大幅に低下した。 750 (季調済年率、万件) (在庫/販売、か月) 700 14 12 750 14 700 12 650 650 10 600 10 600 550 8 550 8 500 6 500 6 450 4 14/12 14/10 14/8 14/6 300 14/4 0 2 350 14/2 2 13/12 中古住宅販売件数(左目盛) 在庫率(右目盛) 01Q1 01Q3 02Q1 02Q3 03Q1 03Q3 04Q1 04Q3 05Q1 05Q3 06Q1 06Q3 07Q1 07Q3 08Q1 08Q3 09Q1 09Q3 10Q1 10Q3 11Q1 11Q3 12Q1 12Q3 13Q1 13Q3 14Q1 14Q3 300 4 400 400 350 450 0 (資料)National Association of REALTORS 10 2015/2/16 Marubeni Research Institute 住宅価格(S&P ケース・シラー住宅価格指数(20 都市圏)) ○ 11 月の S&P ケース・シラー住宅価格指数(20 都市圏)は前月比+0.7%(10 月+0.7%)と 3 か 月連続で上昇した。前年同月比では同+5.5%(10 月同+4.5%)であった。住宅販売は均してみ れば持ち直し傾向にあり、景気拡大が続くとの見通しが維持される中、住宅価格も一旦、上 昇基調を取り戻している。 240 (季調済、2000/1=100) 3.0% 220 (季調済前月比、%) 2.0% 200 1.0% 180 0.0% 160 14/11 14/9 14/7 14/5 ▲3.0% 14/3 100 14/1 ▲2.0% 01Q1 01Q4 02Q3 03Q2 04Q1 04Q4 05Q3 06Q2 07Q1 07Q4 08Q3 09Q2 10Q1 10Q4 11Q3 12Q2 13Q1 13Q4 14Q3 120 13/11 ▲1.0% 140 (資料)Standard & Poor’s (8)金融市場 株価指数と 10 年債利回り ○ 株価は、2 月に入って持ち直した。世界経済見通しの引き下げなどにより、1 月中は先行き不 透明感が増していたが、その後は警戒感がやや後退し、買いが入ってきている。 ○ 長期金利は、1 月中はドル高、原油安によるディスインフレ懸念から低下が進んだ。世界的な リスクオフの潮流から米国債券市場へ資金流入が加速し、続落傾向にあったが、2 月に入り足 元では若干持ち直している。 18,500 (ドル) 3.25% NYダウ工業株30種(左軸) 18,000 3.00% 米10年債利回り(右軸) 17,500 2.75% 17,000 2.50% 16,500 2.25% 16,000 2.00% 15,500 1.75% 15,000 1.50% 14/1 14/2 14/3 (資料)Bloomberg 14/4 14/5 14/6 14/7 14/8 14/9 14/10 14/11 14/12 15/1 15/2 11 2015/2/16 Marubeni Research Institute T E L : 03-3282-7683 担当 丸紅経済研究所 住所 〒100-8088 東京都千代田区大手町1丁目4番2号 WEB http://www.marubeni.co.jp/research/index.html E-mail: [email protected] 丸紅ビル12階 経済研究所 (注記) ・ 本資料は公開情報に基づいて作成されていますが、当社はその正確性、相当性、完全性を保証するものではありません。 ・ 本資料に従って決断した行為に起因する利害得失はその行為者自身に帰するもので、当社は何らの責任を負うものではありません。 ・ 本資料に掲載している内容は予告なしに変更することがあります。 ・ 本資料に掲載している個々の文章、写真、イラストなど(以下「情報」といいます)は、当社の著作物であり、日本の著作権法及びベルヌ条約などの国際条 約により、著作権の保護を受けています。個人の私的使用および引用など、著作権法により認められている場合を除き、本資料に掲載している情報を、著 作権者に無断で、複製、頒布、改変、翻訳、翻案、公衆送信、送信可能化などすることは著作権法違反となります。 12
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